ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー   作:通りすがる傭兵

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ダイジェスト式(?)で送るコラボストーリー1話。構成下手だから書きたい部分だけ書いてる。だれか上手いことまとめて欲しい......


番外編 異界からの来訪者 序

 

 

 

 

「あのなー、俺は便利屋じゃねーんだぞ」

「だが車は修理できるのう」

「それは否定できない。スパナ、3番」

「これじゃな」

 

S09地区前線基地、その車庫。

カーキのジープの下にガンスミスが潜り込み、隣でナガンが駄弁っていた。そのそばでFALが呆れたようにつぶやく。

 

「しかしなんでも出来るわね、転職すれば?」

「なんでもじゃねーよ。出来ることはできる、それだけだ」

「確かに。できないことはからっきしじゃしのう、掃除とか」

「まそうだな。この前WA2000が『汚ったないわね掃除しなさいよ!』なんて怒鳴り込んできたからな。掃除した後に」

「どうりで綺麗だったわけじゃな。パーツ」

「あいよ。にしてもWA2000てあまのじゃくだよな。嬉しいくせにツンツンしてさ」

「もっと正直になれんもんかのう。何がいる?」

「いや、こいつで終わりだ。鍵」

「どうぞ」

 

ガンスミスが車の下から油まみれの顔を出して、鍵をFALから受け取る。そのまま運転席に座るとキーを差し込んで、

 

「頼むぞ、頼むぞー」

 

祈りながらキーを回す。そして......快調なエンジン音が狭苦しい倉庫内に轟く。

 

「修理完了じゃな」

「ふいー、給料分以上は働いた」

 

グイグイと身体を伸ばすガンスミスに無言でタオルを投げ渡すナガン、それを見る事もなく受け取り顔を拭く姿。

 

(熟年夫婦か何かなのかしら......)

「ねえ、ちょっと不味いみたい」

 

FALがツッコミを入れようとしたところで、少し余裕のなさげなFive- seveNが呼びかける。

 

「通信状況が不安定なの。FNCに至っては通じないわ」

「ジャミング?」

「わからない。ただ、FNCは......」

「......FNCは?」

「嫌な予感がするって、そう言ってた」

 

ビシャリ、と空間を裂くような雷鳴と閃光が一同を照らしだす。

「今日は荒れるな......」

 

窓の外を見たガンスミスの言葉通り、空は黒い、不気味な程に黒い雲が敷き詰められていた。

 

 

 

同時刻、基地司令部は大わらわだった。作戦中のNFチームと、車両修理に向かったガンスミスとナガンとの連絡が途絶したのだ。

 

「通信を確認して!」

「ダメです、繋がりません」

「もう、こんな時に限って不調なんて」

「応援は、どうします?」

「......お願い。なるべく足の速い子でチームを組んで」

「わかりました。今すぐ招集かけます!」

 

パタパタと放送室の方へ向かっていくカリーナの後ろで、指揮官は拳を握りしめる。

 

(FNチームはバランスよく組んであるけど、特筆した能力にはかける。それにハイエンドモデルとの戦闘になれば......)

 

今回の任務は簡単な索敵任務のはずだったのに、と歯噛みするが今となってはどうしようもない。

 

(......お願い、無事で帰ってきて)

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「無理無理無理無理かたつ無理!」

「お主余裕あるな」

「こんな事だったらお菓子もっと食べとけば良かったー!」

「ぶっ飛べ!」

「榴弾前に撃つんじゃねええええ!」

 

鉄血との戦闘区域を、猛スピードで突っ走る軍用ジープが一台。

非戦闘員だというのに当然のごとく駆り出されたガンスミスが涙目でハンドルを握り、アクセルベタ踏みで鉄血を跳ね飛ばしながら帰路を急いでいた。

 

「帰りは司令部でいいんだな?!」

「ええ、49とFive- seveNは自力で帰ってもらうわ」

「それが妥当かのう。現状、わしらが止まる訳にもゆかぬし」

「クッソ人形はいいよな肝が座ってて! 俺なんか心臓が破裂しそうな気分だ!」

 

いつもの倍の速さで通りすぎる景色、道の先にあるもの何一つみ逃さぬよう目を見開く。この速度で事故なりブービートラップに引っかかりもすれば即死待った無しなのだから。

「しかも民間人まで乗っけてんだろ?! 俺に責任被せすぎやしないか!」

「放っておく訳にもいかないでしょ!」

「わーってるよそれくらい!」

 

不用意に飛び出してきた鉄血兵を轢き潰し、後ろから迫るものは窓から顔を出すFNCとFALが叩き落とす。

「今日は厄日だーっ!」

 

思わず叫ばずには居られない。どうしてこんなことになったんだと出撃前のミーティングが脳裏をかける。

 

『民間人がいるならなるべく安全に撤退して。鉄血兵には見つからないように』

『そんなことより突っ切った方が速いんじゃねーの? 俺の愛車は防弾装備ばっちしだから』

『ならお願い、場所はーーー』

 

「よく考えたら言い出しっぺ俺じゃねーかよ!」

「今更言うかのうソレ」

 

ナガンの冷ややかなツッコミがジト目とともに炸裂する。今日も今日とて仲のいい2人であった。

 

 

 

「し、死ぬかと思った」

「おかえりみんなぁ〜! 無事でよがったよう!」

「く、首が、首が......」

「おおおおお落ち着くのじゃFNCが死んでしまうのじゃー!」

「あれ、FALは?」

「民間人を連れてさっさと基地に戻ったぞ。これを見越していたんだろうけどな」

「ぐぶ、ぶぶぶ......」

「泡吹いておるのじゃ早くそのハグを緩めるのじゃー!」

「お、お菓子は棚の下に......がく」

「FNCーっ!」

 

 

 

「あの......私は......?」

 

 

 

 

 

 


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