ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー   作:通りすがる傭兵

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あれおかしいな、長引くぞ......?

4話くらいで終わらせるはずだったのになぁ......?あれ......?

というわけでまだまだ続くんじゃ


番外編-Co 北に向かいて死神を討て Ⅳ

 

 

 

 

「救出作戦、ですか?」

 

私の発言にドクターはこくりと頷くと、地図を指し示す。

 

「これは、ジェシカさんのーー。数日の間、消えていたはずの救難信号が今になって灯るなんて罠じゃないんですか?」

 

 質問すると、違う、と首を振った。そして指先でスー、と地図を撫でる。少しだけジェシカさんの救難信号から離れた場所から、今の場所へ。

 

「移動しているということでしょうか。

 罠なら最適の場所に置いた上で電源をつけるか、そもそも動かさない。そう言いたいのですか?」

 

 ドクターは頷いた。ドクターはいつも無口だけど、作戦指揮と観察眼は間違えたことがない。だったら、きっとだいじょうぶ。

 

「わかりました。すぐに動ける行動予備隊A1の皆さんに救助作戦をーー、え、この人もですか?」

 

 すぐに指示を出そうとすると、肩を叩かれて名簿の1点をコツコツと叩いた。これをする時はこのオペレーターも編成してほしい、ということです。その理由は大抵、

 

「また、入れた方がいい気がするですか?」

「......」

 

 なんとなくだとか、気分とか。ドクターはそういった直感で編成を弄ることが多い。けど、不思議とそれは当たってしまう。ドクターが見えない何かを感じているとしか思えないほどに正確で、状況にぴったりの人選をする。

 

「わかりました、あなたを信じます。

それより、早く作戦を考えてください。フロストノヴァさんを倒さないと、先へは進めないんですよ?」

 

 やだなぁ、と言わんばかりにため息をついてゴソゴソと広げていた資料をまとめだした。ついでにメモ帳に何か書き出している。

 仕事を面倒くさがるのも、昔のままだ。すぐみてみて、と私の肩を叩くと、メモ帳を見せてきた。

そこには疲れた様子で目頭を揉む私のスケッチが......

 

「もう、真面目にやってください!」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

「みんな、私に続いて!」

「ボディガードを舐めるなにゃ!」

 

 砂塵から姿を現したパーカーに長槍を携えた青髪の人物が鋒を煌めかせ突撃してくるが、それに待ったをかけるのがIDW。

 穂先を人間離れした身体能力で紙一重で躱して、手に持つナイフで首筋を刈ろうと迫る。

 しかし槍の柄でナイフを防ぎ、一度距離を取って仕切り直すべくまだ立ち込める砂塵の中へ。

 

「総員撃ち方!」

 

 ARTの号令と共に制圧射撃を敢行するが、帰ってくるのは金属の弾ける音。

 

装甲持ち(シールダー)?!」

「LW、M14、徹甲弾は?」

「持ち合わせが......予備弾薬は車内です!」

「もう撃っちゃった!」

「やんなっちゃうね」

 

 悪態をつきながらマガジンを交換し射撃を続けるARTに隊内無線を飛ばしたのはM1911。

 

『どうする? 撤退判断は今のうちだよ?』

『ダメ。狙撃手がいる以上外へは出にくい。ここで迎え撃って車出す方が100倍現実的かな』

『了解リーダー』

 

 都合30発を撃ち切り3マガジン目を装填しボルトを引く。そしてダットサイト越しに砂塵を見つめる。

あるいは、そこにいる敵の影に照準を合わせているのか。

 煙が徐々に晴れる中、戦場には似つかわしくないような声が聞こえた。

 

「もう、銃を使うなんて聞いてないですよ!」

「私だって初耳です!」

「皆さん大丈夫ですか?」

「私は問題ない。行くぞ」

「話し声......?」

 

 運転席で身を隠すガンスミスが恐る恐る覗き込むのも無理はない。なぜなら、その話し声は明らかに年端もいかない女の子。戦術人形ならともかく、生身の人間でその年頃の女性が参戦しているのは明らかな異常に他ならない。

 

「イーサン、ロドスってのは全部こうなの......?」

「さてな。俺が知ってるのはむさ苦しいオッサンとかなんだが」

「ナガンは何か知ってる?」

「......知ってるも何も」

 

 何か言いかけたところで、衝撃波と爆発音が辺りに轟く。ライムグリーンの小柄な体が宙を舞い、車が揺さぶられる。

 

「な、なんだ!? グレネード!?」

「屋内で爆発系のアーツを使うなとあれほど......!」

「派手にやるネ。じゃ、俺は好き勝手やらせてもらうぜ」

 

 すいー、と勝手に風景に溶け込み姿を晦ますイーサンに何か訳知り顔で腕を振り上げ文句をつけるナガン。

 

「なんだよもう」

「......全く、油断するなとあれほど......借りるぞ」

「ちょ、それ俺のスパナっ!」

「静かにせんか」

 

 無造作にガンスミスの工具を掻っ払い、すぐに死角になる車の影側から降りてしまった。戦闘できないガンスミスは文句も言えないまま、結局運転席に隠れるしかない。

 

(にしても......かわいい女の子ばっかりだ。服装に統一性もないし、どんな組織なんだか。

 

一番槍を担っていた、長槍青髪の子。

恐らく銃弾を防いでいたであろう大楯持ちの橙髪の子。

姉妹か双子か、同じ紫の髪をした子。

 共通項といえば同じ黒を基調にしたパーカーを羽織っていることだが着崩してもいる子もいるし、他の衣装も手に持つ武装もバラバラで統一性がない。

 

 何やら隊長格らしい青髪が無線機を片手に話しているが、突然車の方を指差して、何やらハンドサインを出している。

 

「反応は6時の方向......この車でしょうか?」

(やべ、こっち来た)

 

 思わず縮こまるガンスミス。だが、後部座席で苦しそうにするジェシカと目が合い、ナガンが散らかしていった工具箱からハンマーを取り出した。

 

(......こんな子だって戦ってるんだ。俺だって元は傭兵の端くれ、せめて1発くらい)

 

「グレネード1発で倒せると思わないでよね」

 

暗く重い声に、場の空気が一変する。

そこには、先程の衝撃で剥がれ落ちた瓦礫の山があるばかり。

その中から、くぐもった声が聞こえた。

 

「......なに? 私たちを舐め腐ってるワケ?」

 

 ゆらり、と瓦礫の中からベージュ色のカーディガンに身を包み、己の半身を杖にしてゆっくりと立ち上がる人影。

 

「これだから新人は嫌いなのよ。都合の良いことばかり考えるから」

 

 頭部を切ったのか、赤い血を垂らしながら。

 またひとり、また1人と立ち上がる。

 

 天井のダクトから音もなく降り立つ、アーマーを着込んだもの。

 

「全く、危ないところだったにゃあ」

 

 瓦礫を蹴り砕き、ジャラジャラと弾薬ベルトの音を鳴らして立ち上がるもの。

 

「不覚は取られましたが、これから挽回します」

 

二丁拳銃をくるくると回しながら、鼻歌まじりに歩くもの。

 

「これくらい予想できないとね〜。そうでしょ、教官さん?」

「殺しにかかるなら確実に息の根を止めなきゃ、さもなきゃ......こっちが殺すよ」

「......!」

 

 無機質な殺意を込めた目線が相手を貫く。それに縮こまる敵に注意は向けるが意識は向けずに、軽くツインテールについたゴミを払いながら、側のM1911に問いかけた。

 

「隊長は......どこ飛んでったんだか。次はガバメント?」

「序列的にはあなたが隊長」

「かしこまり」

 

 軽く敬礼を返し、引き金に指をかけくるりと回して。

 

「......って言っても、私のやることなんてもう終わってるんだけどね」

「武器をおいて両手を頭の後ろへ。無駄な真似をすると頭が吹き飛ぶぞ」

「変な真似すると手足も飛んじまうぜ」

 

格好は振りだけ。

 

 ナガンが最後尾にいた紫髪の片割れの頭に銃口を突きつけ、無機質に問い掛ければ。

 瓦礫の山の上ではイーサンがヨーヨーをもて遊びながら、片手はワイヤーを張りめぐらせている。

 

(あとはクルーズが頼り。なんとかしてこの窮地を)

「ただいま〜! 狙撃手見つけてきたよ〜」

 

 陽気な掛け声と共に無駄に前転しながら、ARTが帰還。小脇には金髪の少女が抱えられ、目を回してしまっている。

これがあの狙撃手だったのか、隊長格の少女は露骨に顔を歪めている。それを見てため息をつくナガン。

 

 

「......ポーカーフェイスは隊長の必須技能じゃろうに。

双方そこまで」

「勝負あったな」

 

 ナガンが銃をしまい、同じタイミングで奥から凛とした声が発せられた。

 奥の暗がりから姿を現したのは、黒づくめの服装に身を包んだ女性。滑らかな犬らしい耳を頭につけているところ以外はなんの変哲もない、真面目そうな顔つき。

 

「......全く、貴様ら。教練を一からやり直すか? 実戦経験を積んできたからと油断したな」

「初動は良かったが油断がすぎる。長は新兵か?」

「その通りだ」

 

ナガンとしたしげに話す女性。さも戦友のような話ぶりに、M14が突っ込んだ。

 

「知り合い?」

「話せば長くなる。ハイビス! 怪我人を見てくれ。車の中じゃ」

「は、はい!」

「あ、あー。こっちだ。一応どこが怪我してるかメモもあるから渡すよ」

「あ、ありがとうございます!」

 

 銃口を向けられていた方があたふたとしながらも車に向かい、状況をあんまり理解してないガンスミスがとりあえず応対する。

 

 しかしここにいる大多数が状況を理解できていない。

どうなってんの、と明らかにうろたえている青髪の前に黒髪の女性が立ち頭を軽く叩いた。

 

「実戦であれば全滅だ。ナガンさんの知り合いで命拾いしたと思え。帰ったら訓練だぞ」

「はい......」

「ビーグル! 初動は良かったが、もう少し積極的に動け! 重装の貴様が動かねば戦線が動かせないぞ!」

「はい!」

「ラヴァ! やるならもっと火力を上げろ。もしくは絞って1人に当てろ! 範囲で押しつぶすだけが術師だと思うな!」

「はーい」

「クルーズ......は気絶したか。説教は後回しだ。

いいか! これは良い機会だ! どうしてこうなったかよく考えろ! 戦訓を無駄にするな!」

「おうおう、今日も派手じゃなぁ」

 

 使い所を失ったスパナで肩を叩きながら、ナガンがにこやかに笑って話しかけると、その女性はしかめっつらのままションボリとする彼らを睨みつけながら、

 

「鍛えるのが私の仕事だ」

「鬼教官ぶりは変わらずじゃのう、ドーベルマン」

「あなたも変わらないな、ナガン。優しすぎる」

「それ私もさんせー! というかもっと厳しくしないと! 教官つきたーい!」

「お前だけはダメじゃ」

「彼女は?」

「同僚じゃ。お主と同じ新人しごきが仕事じゃよ」

「最近暇してるんだよね〜、ちょっと貸してよ」

「ダメじゃ」

「......まず傷を見てもらえ、ハイビスカスが止血キットを持っているはずだ」

「けち」

 

 何事でもないように車を指差し行ってこいと示唆するドーベルマンにし文句を言いつつも、早く直してと車の方へ駆けて行ったM14。彼女と入れ替わるようにガンスミスがこちらに向かって歩いてきた。

 

「えーと。2人は知り合い......なんだよね」

「「そうなるな」」

「......どういうわけで?」

「話せば長くなる」

「詳しくは、もう少し人を交える必要がある。

移動するぞ」

「移動するって、どこに?」

「ロドス・アイランド前線基地だ」

 

 ドーベルマンが口を開いた。

 

「貴君らには、ドクターと面会してもらう。話は、それからだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




これもうドルフロじゃないのでは......?(名推理)
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