ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー   作:通りすがる傭兵

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おや、ガンスミスの様子が......?





第17回 WA2000

 

 

ガンスミス

「むーりぃー」(過労)

 

ナガン

「むーりぃー」(要修理)

 

過労&要修理......前回を参照、作者も疲れた。

 

WA2000

「あなたは人間なんだし先輩はボロいんだから早く休みなさいよ八時間労働守りなさいよ有給休暇活用しなさいよーっ!」

(布団準備、緊急修理連絡、看病用の料理作成、警戒網ローテーション再設定願いetc)

 

モシン・ナガン

「あ、WA2000、やほ」

 

WA2000

「何!」

 

モシン・ナガン

「手伝おっか、同士のピンチなんだし」

 

WA2000

「是非頼むわ! これ指揮官に!」

 

モシン・ナガン

「かしこまー」

 

WA2000

「あとは......これね。でもあの2人は動かせないわ。私がやるしかないわね......!」

 

???

「魔弾の射手よ、如何なる理由で生き急ぐ?」

 

WA2000

「ちょうどよかった、人手が足りないの。手伝って!」

 

 

 

 

 

 

 

「WA2000と」

 

「ウェルロッドMk.Ⅱの」

 

「「銃器解説コーナー!」」

 

 

WA2000

「このコーナーは、銃についてあんまり詳しくない指揮官殿に銃器を解説するものよ!」

 

ウェルロッドmk.Ⅱ

「我々は神に非ず。過ちを犯すものが、真に人間なのだ」

(間違いがあるかもしれませんが、ご了承ください)

 

ガンスミス

「性能諸元はWikiを参考にしているわ。間違いがあったら随時受け付けるから!」

 

「「それでは、スタート!」」

 

 

WA2000

「あんたその口調どうにかなんないの!」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「創造主が私にそうあれかしと定められた。故に、これこそが正しいあり方なのだ」

(どうにも言語機能にバグがあるらしくて、修理はラボの人レベルじゃないと)

 

WA2000

「ああもう通訳すればいいんでしょ通訳すればー!」

 

 

 

WA2000

「今回紹介するのは」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「魔弾の射手だ」

(WA2000ですね)

 

WA2000

「よろしく頼むわね!

ちなみに、いつもの2人はしばらく休みよ。あいつは過労、先輩はオーバーホールでしばらく本部、だから戻ってこれないの」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「何故私をその目で魅入ったのか。理由を聞かせ願いたい」

(あの、なぜ私を引っ張ってきたんです? 他に人もいたのに)

 

WA2000

「あんたはこのコーナーの経験者なんだし、何より同僚だから勝手がわかってるの。

ちょっと変だけど、あんたが論理的にものを考えるのは評価してるんだから」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「魔弾の射手......」

 

WA2000

「ああもうじれったいわね。これは同僚としての客観的な評価なの! 当然のことなんだから! ほら、さっさと性能諸元、行くわよ!」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「黒き魔導図書館よ、私たちに力を!」

(確か黒いファイルにまとめてあったはず。

......と、ありましたよ)

 

 

性能諸元

 

口径 7.62mm他

 

使用弾薬 .300ウィンチェスターマグナム他

 

装弾数 6発(箱型弾倉)

 

採用 ー

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「運命に選ばれなかったモノ、か」

(採用されてはいない、ということは試作止まりですか)

 

WA2000

「それは後々説明するわ。段取り通り行きましょう」

 

 

開発経緯

 

WA2000

「開発は1970年代、とある事件の影響で、西ドイツ軍は高精度ライフルの必要性を痛感したの」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「書物によれば、六芒星の失墜を狙い黒き文月が悪魔の召喚を行ったとある」

 

WA2000

「1972年、西ドイツで行われたミュンヘン五輪の途中、イスラエル選手が拉致、死亡した通称ミュンヘンオリンピック事件の事ね。

西ドイツ側のずさんな対応が目立ったわ。

行われるはずだった狙撃作戦もずさんな結果に終わり、人質全員と警察官1名が死亡することになったの」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「痛ましい事件です」

 

WA2000

「それをきっかけに、西ドイツは対テロ部隊を組織、同時に、狙撃に失敗した教訓を生かし、新たに狙撃銃を開発することになったの。

事件狙撃にあたり使われたのはGr G3。アサルトライフルじゃ正確な狙撃はどだい無理があったのよ。ほんと、なんでそんなこともわからなかったのしかしら」

 

Gr G3......戦後開発された傑作アサルトライフル。同世代のM16、AK-47、FN FALと合わせて四大アサルトライフルとも言われる。

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「口を慎むべき、死者の愚弄は許されない」

(そんな言い方ないでしょう)

 

WA2000

「わかってるわよ。

そして、開発を命じられたワルサー社が私、ことWA2000を試作したわ」

 

ワルサー社......ドイツの銃器製造メーカー。現在は競技銃やエアガンなどの製造を行なっている。代表作にP38、PPKなど。

 

 

WA2000てどんな銃?

 

WA2000

「一言で言えば、高性能自動式狙撃銃よ」

ウェルロッドMk.Ⅱ

「言の葉は連ねれば伝わらないぞ」

(詳細をお願いします)

 

WA2000

「当時としては珍しかったブルパップ式を採用しているの。結果として、ボルトアクション式とほぼ同じ精度を誇りつつ、かつ連射が効くようになっているの」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「成る程」

 

WA2000

「他にも、銃身上に折りたたまれている二脚、標準装備されたスコープ、排熱しやすいように銃身に溝を掘って表面積を増やしてあるなど、至れり尽くせりよ。

狙撃銃は1mmの誤差が致命的になる。熱で銃身が温まると歪むから、それを最小限に抑えるためね。連射できる自動式ならではの工夫だと思うわ」

 

 

ウェルロッド「運命の輪から外れしモノ」

(でもなんで選ばれなかったの?)

 

WA2000

「べらぼうに高かったからよ」

 

べらぼうに......当時の値段にして7000ドル。日本円に直せば約210万。高すぎぃ!

 

ウェルロッド.Mk.Ⅱ

「......」

 

WA2000

「ブルパック式は複雑になりがち、さらに至れりつくせりということはそれだけ手間をかけているということ。

開発したはいいものの、高すぎたのよ。それで配備は二の足を踏むことになったわ」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「そして天使は堕ち、魔弾の射手へと転身を遂げたのか」

(それで採用されなかったんですね)

 

WA2000

「でも資料を見る限りは、競合相手のPSG-1だって似たり寄ったりの性能なのよね。値段も同程度のはずなのに」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「かく異形の姿は万人には理解しがたいものであるだろう。いかに」

(デザインが奇抜ですし、受け入れられにくかったのではないでしょうか?)

 

WA2000

「今となっては真相は闇の中、どうしようもないわ。

WA2000が生産されたのは1985〜89年の4年間で、その間に作られたのはたった176丁。

今となっては、歴史に名を残すばかりね」

 

 

 

まとめ

 

WA2000

「性能こそ素晴らしかったものの、現実の前に飲み込まれてしまった銃、言うなればそんな感じね。

今回はイレギュラー放送だったけど、どうだったかしら」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「まるで黒鉄の魔術師の生写しのようであった、これは賞賛に値する」

(順調でしたよ、まるでいつものガンスミスさんのようでした、素晴らしかったです)

 

WA2000

「と、当然でしょ。仲間のピンチに駆けつけなくて何が戦術人形よ。別に善意なんてものはないわ、そう、義務、義務なんだから!」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「......紅蓮の炎に焼かれたか?」

(顔が赤いですけど、大丈夫ですか?)

 

WA2000

「うるさいわね、これで終わりよ終わり!

指揮官、せいぜい頑張ってよね!」

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「闇に飲まれよ!」

(お疲れ様でしたー)

 

 

 

 

あとがたり

 

ウェルロッドMk.Ⅱ

「殺戮のみを生きがいとした死神が、新たな居場所を見つけたか。ここは、我々人形にとっての陽だまりなのかもしれないな」

(昔は尖ってたWA2000が、あんなに他人のために動くようになるなんて。随分といい基地みたいですね、ここは)

 

 

 

ガンスミス

「ノルマが......ノルマが終わってない......俺に銃を寄越せ......そこのブラシ取って......」

 

モシン・ナガン

「仕事中毒極まれり。人間てのは恐ろしいねぇ」

 

次の番外編のネタ(仮)

  • 後輩ちゃんと元指揮官の馴れ初め
  • しぶとく生きてた死神さん家の娘
  • 料理下手を克服したいガンスミス
  • そんなことよりさっさと解説しろ作者ァ!

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