ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー   作:通りすがる傭兵

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最後がやりたかっただけ、反省はしてない。


第21回 M14

 

 

 

 

 

 

「ガンスミスと」

 

「M1895ナガンの」

 

「「銃器紹介!」

 

ガンスミス

「このコーナーは、銃についてあんまり詳しくない指揮官殿に銃器を解説する、というテイで銃を紹介、解説していくモノです」

 

ナガン

「偏見思い込み勘違い......そこは大目に見てほしいのう。間違いがあれば随時受け付けているのじゃ」

 

ガンスミス

「性能諸元はWikiを参考にしますので悪しからず」

 

「「それでは、スタート!」」

 

 

ナガン

「ところで、お主はなぜ帽子を被っておるのだ?」

 

ガンスミス

「なんとなく軍曹ぽいから」

 

ナガン

「お主がハートマン軍曹を気取るにはちと覇気が足らんのう」

 

ガンスミス

「ま、まずは形からっていうし!」

 

ハートマン軍曹......映画『フルメタルジャケット』登場人物。演技指導に来た退役軍曹のはずが、あまりのハマりぶりに監督に見出され急遽出演が決まったとのこと。キツイいい回しのため、特に女性指揮官の方々は視聴に注意が必要。

 

“From now on, you will speak only when spoken to, and the first and last words out of your filthy sewers will be "Sir!"

 

 

 

 

 

ガンスミス

「今日のゲストはこちら」

 

M14

「待ってました、M14の出番ですね!」

 

ナガン

「というわけで今回のゲストはM14じゃ。では早速、性能諸元に入ろうかの」

 

 

性能諸元 M14 ライフル 星3

 

口径 7.62mm

 

使用弾薬 7.62×51mmNATO弾

 

装弾数 20発 (箱型マガジン)

 

採用 アメリカ軍他

 

 

ガンスミス

「いろんな意味で標準的というか、普通というか」

 

ナガン

「そこらへんも解説せねばなるまい」

 

 

開発経緯

 

ガンスミス

「第二次世界大戦も末期の1944年、軍部内でM1ガーランドの改良計画が持ち上がったんだ」

 

M14

「M1ガーランドも当時からすれば先進的ではあったんですが、色々な欠点もあり完璧とは言えなかったんです。そして、スプリングフィールド造兵廠に命令が下りました!」

 

スプリングフィールド造兵廠......主に小銃を生産した、アメリカ国営銃器開発施設。

現在は閉鎖され、民間企業に名前が残る。

代表作にM1903(スプリングフィールド)など。

この施設で作られた銃全てがスプリングフィールドライフルなので混同に注意。

 

ガンスミス

「フル/セミオートの切り替えや20発箱型弾倉などの基準を満たすものとして、1945年に開発、製造されたのがM14の原型だ。

といっても戦争が終わったから、生産数はごくわずかだったけどな」

 

ナガン

「原型?」

 

ガンスミス

「使用弾薬が今とは違うんだ」

 

M14

「M1ガーランドに使用されていた.30-06弾は威力は高いんですけど、大きくてかさばるんです。だから、もう少し軽量で、威力はほぼ同等の7.62×51mm弾が開発されたんです」

 

ガンスミス

「この弾丸はNATO(北大西洋条約機構)での小銃弾薬を統一する話が出たんだが、その時にアメリカがこの弾丸を押し通し、NATO正式採用弾にしてしまったって経緯もある。蛇足だけどな」

 

北大西洋条約機構......アメリカをはじめとする資本主義国の軍事同盟。

 

M14

「そして原型の機関部をちょこっと改造して、M14は生まれたんです!」

 

 

M14ってどんな銃?

 

ガンスミス

「基本構造はM1ガーランドとほぼ同じ......つっても、わかんないわな。

ロータリーボルトロッキング、という方式だ。

これは、ボルトアクションライフルの動きを発射した時のガス圧でやってるイメージだ。利点として比較的命中率が高い」

 

M14

「他にも構造が単純なので頑丈に作れます!」

 

ナガン

「欠点は重心変化が大きい故に連射時に命中率が低下する事のようじゃな」

 

ガンスミス

「言っておくが、この銃を種類わけするなら開発当時はアサルトライフルだ」

 

M14

「あれ、私ライフルの戦術人形のはずですよ?」

 

ガンスミス

「現在ではライフルとして運用することが多いからな。そこら辺は戦歴で解説していくぞ」

 

 

戦歴アレコレ

 

ガンスミス

「本格的な運用は1964年からのベトナム戦争だ。この銃は信頼性も高く、つまり壊れにくさという点では優秀だった。これはベトナムの主戦場がジャングルという点を鑑みればよくわかる。その他にも、7.62×51mm NATO弾は威力も高く、ストッピングパワーに優れていた、が」

 

ストッピングパワー......その銃弾が命中した時、目標である生物をどれだけ行動不能にさせるか、という指標。

威力と捉えれば分かりやすい。

 

ナガン

「が、とはなんじゃ。勿体ぶった言い方をしよって」

 

M14

「ナガンさん、ジャングルってどんな場所かわかりますか?」

 

ナガン

「あまり見たことはないが......足場は悪く、湿度も高い。さらに木々が生い茂っておるから視界も悪く......悪く、あっ」

 

ガンスミス

「気づいたみたいだな、言ってみ?」

 

ナガン

「湿度が高いと霧が出やすく、そして生い茂る木々で視界は最悪なのじゃ。そこから導かれる結論は、交戦距離が短くなる!」

 

ガンスミス

「大正解。M14の特徴は長めの銃身による安定したセミオートの射撃なんかだ。

それはひらけた戦場では適応されるが、交戦距離の短いジャングルじゃ、弾を安定してバラまける拳銃やサブマシンガンがどう頑張ろうと有利」

 

M14

「ストックのデザイン上フルオート射撃は不向きなんですよね、この銃は」

 

ガンスミス

「さらに7.62mm弾は反動強いしな。

というわけで兵士からの評判いまいちだったM14は、後発のM16に交代させられてしまいましたとさ」

 

M14

「でも、最近では見直されているんですよ?

M14の強みは高威力の弾丸と、連射できてかつそれなりに精度に優れることですから。

アフガンやイラクではM14の姿を見ることもあるんです」

 

ガンスミス

「魔改造されて使われてるのもあるな」

 

魔改造......M14EBRとか、Mk.14とか。

説明すると長くなるので省略。

 

M14

「他にも、民間用ライフルとしてはかなりの支持を受けているんです!

かく言う私の銃も民間用モデルの改造品なんですよ」

 

 

 

まとめ

 

ガンスミス

「巡り合わせが悪く一度は倉庫送りになったとは言え、再び日の目をみることになり戦場に舞い戻る姿は、まさに不死鳥!

とまあ冗談はさておき、目立つものはないとは言え、隠されたが実力を持ち合わせた面白い銃だと思います」

 

M14

「一度は捨てられ民間用の武器になったとは言え威力は健在ですから。なめないで下さい!」

 

ナガン

「今回は最後は尻切れトンボというか、若干おざなりになってしもうておるの」

 

ガンスミス

「バリエーション多すぎるんだもん調べきれるわけないじゃん」

 

ナガン

「それを現場の苦肉の策と見るか。有能の証明と見るかは人それぞれじゃのう」

 

M14

「私を戦列に加えた時は、期待してて下さいねっ? それでは指揮官のみなさま、良き戦場生活を!」

 

 

 

 

あとがたり

 

後日

 

ガンスミス

「やっちまったなぁ」

 

ナガン

「どうかしたのじゃ?」

 

ガンスミス

「M14にお前が活躍するから、って映画見せたんだよ」

 

ナガン

「ほう、何をじゃ」

 

ガンスミス

「フルメタルジャケット」

 

 

 

M14←新兵訓練中

 

「話しかけられたとき以外は口を開かない。口でクソたれた後にマムと言いなさい。分かりましたかこのガラクタども!」

 

「「「「イェスマム!」」」」

 

M14

「貴方達鉄クズどもが私の訓練に生き残れたら......各人が真に戦術人形となれます。

戦争に祈りを捧げる死の司祭にです。

その日までは鉄クズのガラクタ!

地球上で最下等のゴミよ!

貴様らは人形じゃない。

鉄血兵のクソをかき集めた値打ちしかない!

きっと貴方達はは厳しい私を嫌うでしょう。

だが憎めば、それだけ学ぶ事につながります。

私は厳しいが公平です。どんな人形であっても公平に扱います。

そう、ロシア、アメリカ、ドイツ、どこの出身でどんな銃を扱っても、私は見下しません。

すべて―――平等に価値がないから!

私の使命は役立たずを刈り取ることです。

愛するグリフィン&クルーガー社のバグを!

分かりましたか、ガラクタども!」

 

「「「「イェスマム!」」」」

 

M14

「声が小さぁい! 鉄血兵のエサにされたいですか!」

 

 

ガンスミス

「......あそこまで影響されるとは」

 

ナガン

「3日もすれば戻るじゃろう」

 

 

 




指揮官
「M14ちゃんが、M14ちゃんが......ぶくぶく」

WA2000
「指揮官ー!」

次の番外編のネタ(仮)

  • 後輩ちゃんと元指揮官の馴れ初め
  • しぶとく生きてた死神さん家の娘
  • 料理下手を克服したいガンスミス
  • そんなことよりさっさと解説しろ作者ァ!

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