ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー   作:通りすがる傭兵

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番外編シリーズと銘打って未実装だったり創作の銃をどさくさに紛れて紹介するの巻。
せっかくのハロウィンなので、ちょっとと関わりがあるかもしれない銃をチョイス。まあ見なくて見てもどうでもいいです。30分クオリティなので。

それではどうぞー





たとえその瞳を灼かれても

たとえその腕をもがれても

奴らは決して歩みを止めない

死沼へ誘う鬼火(ウィル・オー・ウィスプ)に導かれるまま

保身なき零距離射撃を敢行する――




番外 第1回 ドア・ノッカー

 

 

 

16Lab 射撃試験場

 

ガンスミス

「試射いきまーす、カウント!」

 

プログラマー

「カウント3!」

 

ガンスミス

「カウント3、2、1、ファイア!」

 

プログラマー

「っー、毎度の事とはいえ応えるねぇ」

 

ガンスミス

「30ミリ鉄板貫通確認、そっちは?」

 

プログラマー

「んー、ギリギリ。外骨格積めばいけるけど、10発撃ったら耐久限界だわさ」

 

ガンスミス

「実用化は無理かー」

 

ペルシカ

「あら、貴方が外にいるなんて珍しいわね、そちらは?」

 

プログラマー

「兄です」

 

ガンスミス

「どーも、ウチの弟が世話になってます」

 

プログラマー......ガンスミスの弟。ガンスミスがハードウェア寄りなら、こちらはソフトウェア寄り。

16Lab勤務中、職業プログラマー。主に火器管制システムを担当。

 

ペルシカ

「それで、前線で働いてるお兄さんが何の用? 見たところ銃の試し撃ちしてるようだけど」

 

プログラマー

「漫画読んでて、ちょっとティンと来たアイデアがあったもんで。兄貴に協力してもらって再現しようかと」

 

ガンスミス

「一応形にはなったんですがね、どうにも実用化しろと言われると無理で」

 

ペルシカ

「......ちょっと諸元見せてもらえる?」

 

ガンスミス

「いいっすよ。職業柄わかりやすくまとめてるんで」

 

 

性能諸元

 

口径 13mm

 

使用弾薬 対装甲用高速徹甲弾他

 

装弾数 1発

 

 

ガンスミス

「今回の試作品は、口径13mmのやつですね。今んところ威力と反動のバランスが取れてる奴ですかね」

 

ペルシカ

「威力はどれくらい?」

 

ガンスミス

「そうですね......零距離射撃前提になりますけど、30ミリ鋼板が貫徹するのは確認したところなんで、垂直に当たればマンティコアも抜けます」

 

マンティコア......戦車級鉄血兵器のひとつ。四足歩行による軽快な移動と装甲、高い火力が厄介。おそらく鉄血が占拠した軍工場にて生産されていた製品と思われる。

公式で設定あるんだろうけどみつかんね。

 

プログラマー

「暇つぶしに漫画読んでたら、零距離射撃で戦車ブチ抜いてる画を見てしまったもんだから、これはもう再現するしかあるまいて、と思ってさ!」

 

漫画......「パンプキン・シザース」。

架空の世界を舞台に、休戦条約が結ばれたのちの戦災復興に奮闘する陸軍情報部第3課を描く。とりあえず一巻だけ立ち読みした。

月刊少年マガジンにて連載中、既刊22巻。

ドルフロ時空でプログラマーが入手した経路は謎、そこは聞くな。

 

ガンスミス

「半年ぶりに連絡きたと思ったらこれなんだよな、お前は全くもう」

 

プログラマー

「そっちだって忙しいだろうに。気遣いだよ気遣い。こんなできた弟そうそういやしねえだろ?」

 

ガンスミス

「死んでないだけまだマシな方かもな」

 

 

開発経緯

 

ペルシカ

「それで、この銃はどんな目的で作られたの? 見るからに正気じゃ考えられないけれど」

 

プログラマー

「対戦車部隊の主武装だとさ。

作品舞台が大体第二次大戦初期〜中期を想定してる感じで、戦車が戦場の主役になっていたわけだ。

戦車は戦車でしか倒せない、が、人間で倒せるんなら上出来だろう?

そんなわけで、作られたのがこいつ。作品の中じゃ『ドア・ノッカー』って呼ばれてたな」

 

ガンスミス

「戦車の装甲をブチ抜くためだけに設計された、対戦車ライフルの拳銃版。

今風にいうなら、対物ライフルを拳銃サイズにまとめた代物だな」

 

 

というわけで、再現してみた

 

ガンスミス

「ない頭振り絞って考えて見たんだが、まずほぼ同じサイズの12.7mmNATO弾程度じゃ威力不足。

炸薬三倍の強装弾をぶっ放したら銃の方が弾け飛ぶし、かといって20ミリで試してみれば人が持てる反動じゃない。

銃の方には補強を入れて強度を持たせて、銃弾の方は戦車用の砲弾をそのままスケールダウンしたやつに落ち着いた。それでも反動がああなんだけど」

 

プログラマー

「使う人形があるとすればの思考ルーチンは組めたんだけど、反動が人形でも抑えきれるか微妙なラインで。

ペルちゃん、なんか意見くれない?」

 

ペルシカ

「私、内部構造とかプログラムはできるけどハードの方はサッパリよ?」

 

2人

「え」

 

ペルシカ

「私は確かに天才だけど、万能ってわけじゃないわ。中世に行ったら万能の天才は見つかるだろうけど」

 

ガンスミス

「聞いてた話と違うやんけ!」

 

プログラマー

「助けてぺるえもん! なんか不思議な道具かその脳みそで解決策を頼むよプリーズ!」

 

ペルシカ

「......シミュレーションではどの種類の人形を想定してる?」

 

プログラマー

「HGの。リミッター取っ払って外骨格マシマシで入れてる。こうでもしないとドアノッカー用の射撃プログラムが入らん」

 

ペルシカ

「頭が硬いわね。SGのプログラム書き換えた方が楽じゃない。

あと銃の方はもっと銃身伸ばして重く、せめてもっと実用的に。ああめんどくさい」

 

プログラマー

「......あー、言われてみればそうかも。10分頂戴」

 

ガンスミス

「......んじゃ銃身削り出してくる。奥の工作機械勝手に借りる」

 

ペルシカ

「ご勝手に、私は寝る」

 

 

 

〜2日後〜

 

 

ガンスミス

「試射いきまーす、カウント!」

 

プログラマー

「カウント3」

 

ガンスミス

「カウント3、2、1、ファイア!」

 

プログラマー

「っしゃおら許容範囲内! プログラム問題なし!」

 

ガンスミス

「銃身の方も......見える傷は無し! 一応成功、てことで!」

 

プログラマー

「ということは」

 

ガンスミス

「つまり」

 

2人

「ドア・ノッカー完成! いやっほい!」

 

ガンスミス

「いんやこういう馬鹿騒ぎするのは楽しいなぁ!」

 

プログラマー

「はっはー! わかってるじゃないのよ!」

 

ペルシカ

「あら、完成したの?」

 

ガンスミス

「銃の方は耐久実験とかもやらないとダメですけど、一応完成です」

 

ペルシカ

「おめでと、コーヒーいる?」

 

ガンスミス

「俺紅茶派なんで」

 

プログラマー

「同じくー、あんな泥水なんで飲むんだかわからんね」

 

ペルシカ

「案外飲んでみたらハマるよ?」

 

プログラマー

「冒険するのは仕事だけで十分ですわ。今日は達成感に浸ってたいです」

 

ガンスミス

「今日俺帰るから、仕事あるし」

 

プログラマー

「基地の整備工だっけ? 頑張ってな」

 

ガンスミス

「ほいさー、あと領収書ツケといたから支払いよろしく。机の上に」

 

プログラマー

「あいよー......ん? 領収書?」

 

ペルシカ

「ああ、コレのことね......ウゲ」

 

プログラマー

「なになにペルちゃん、どうし」

 

領収書

「お前の給料一年分やで」

 

ガンスミス

『いやあ、銃器開発ってお金がかかるのよね、ははっ』

 

プログラマー

「あんのクソ兄貴いいいいいいいいいいい!」

 

 

 

 

 

 

ガンスミス

「休日に呼びつけた罰だ、バーカ」

 

 

 

 

 

 

 

 




兄弟仲は良くも悪くもない。
ちなみに、ウェルロッドMk-2を魔改造した犯人はコイツです。

そういえばとほくれすさんが質問コーナーやってたし俺もやってみようかな。
作品とか作者に関するQ&Aコーナーとかやってみたい、ラジオ番組でお便り読むのって定番じゃん?

次の番外編のネタ(仮)

  • 後輩ちゃんと元指揮官の馴れ初め
  • しぶとく生きてた死神さん家の娘
  • 料理下手を克服したいガンスミス
  • そんなことよりさっさと解説しろ作者ァ!

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