ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー 作:通りすがる傭兵
ウロボロス
「代理人殿.......生収録がみたいです......」
部下
「んじゃ拉致しちゃいましょ、こっちで手筈は何とか」
ウロボロス
「マジかよ。でも面白そう、やるか!」
ガンスミス
「ガンスミスの、銃器紹介コーナー!
このコーナーは、銃についてあんまり詳しくない指揮官殿に銃器を解説する、というテイで銃を紹介、解説していくモノだ。
偏見思い込み勘違い......そこは大目に見てほしい。人間誰しも間違いはある。
性能諸元はWikiを参考にしている。
それでは、スタート!」
カルカノM1891
「なんでこの状況で平気なんですか」
ガンスミス
「経験済みだから」
ウロボロス
「はうぁ、生ボイス......おっと不味い不味い。気が抜けたらすぐこうだ、おぬし声良いな」
ガンスミス
「多分生まれて初めて言われた」
経験済みだから......第23回 UMP45にて一度拉致られています。
二度あることは三度ある(伏線)
ガンスミス
「今回紹介するのは、カルカノM1891だ。
こんな状況だけど気にせず、気楽にやればいいから」
カルカノM1891
「はい、気楽にやります!」
ウロボロス
「拉致った本人が言うのも何だが逞しいな......というか敵とダウトしたりラジオ収録したりわたし人生エンジョイし過ぎでは?」
敵とダウトしたり…片手でシャッフルしたり、見てもないのに手札を把握しながらテーブルゲームする。
AR15をボコボコにした(ダウト)経歴あり。普通に楽しんでた。
カルカノM1891 ライフル ☆5
口径 6.5mm
使用弾薬 6.5mm×52マンリッヘル-カルカノ弾
装弾数 6発
採用 イタリア軍他
ガンスミス
「ウロボロスさん、一言」
ウロボロス
「悪いな、さっっっっぱり分かっておらん! だから見てるんだしなっ!」
ガンスミス
「ドヤ顔で言うな、あとやかましい」
開発経緯 パスタの国の名作ライフル
ガンスミス
「この銃の開発は1890年、トリノ陸軍工廠の主任設計者、サルバトーレ・カルカノによって開発されたんだ」
ウロボロス
「えっ、何。さるばとろとろ......?」
鉄血兵
「違いますよウロボロスさん、サルバトーレ・カルカノです」
カルカノM1891
「さるばとろとろ......? えっと、説明に戻しますが、今までに使用されていたベッテルリM1870小銃を更新する意図で開発されたみたいですね」
ガンスミス
「ちなみにベッテルリ小銃は10.35 mm×47R弾を使用する単発式ボルトアクションライフルで、開発当初は一般的なライフルだった。
とはいえ1900年前後には連発式ボルトアクションライフルが主流になり始めていた」
ウロボロス
「ふうむ、例えばスプリングフィールドだな」
ガンスミス
「マジで聞いてんのな......正解だ。
連発式ボルトアクション、その先駆的存在は、ドイツのGew88を皮切りに、各国で連発式ボルトアクションが開発された。
エンフィールド、モシン・ナガン、Kar98kなどなど――――
ウロボロス
「ボルトアクションは良いぞ!」
ガンスミス
「へいへい、わかったからちょっと静かにしてくれ」
ウロボロス
「す、すまん。もうKar98kとか大好きでなあ......いや、人形は嫌い。というか最近嫌いになった」
ガンスミス
「聞いてねえよ。まあ、カルカノM1891もそこら辺の影響を色濃く受けた銃だな。
そんじゃ詳しく解説して行こう」
カルカノM1891ってどんな銃?
ガンスミス
「割と先進的な試みがなされた銃ではあるんだが、まず基礎から抑えていこう」
カルカノM1891
「装弾数6発、銃身長は129センチ。重さは弾丸抜きで3.8キロです」
ウロボロス
「んー、それは......一般的なのか?」
ガンスミス
「そういうと思って作ってきました。
ほんとはナガンが突っ込むと思ってたんだがな......」
ウロボロス
「だって銃なんて全部軽いし小さいだろ......」
ガンスミス
「ちょっと何言ってるか分からないですね」
同時期の銃を比較してみた
Gew88(ドイツ)
銃身長 124センチ
重量 3.8 kg
(参考:Kar98k)
銃身長 110センチ
重量 3.9/4.2キロ
リー・エンフィールド(イギリス)
銃身長 113センチ
重量 3.9キロ
モシン・ナガンM1891/30(ロシア・ソ連)
銃身長 123センチ
重量 4.0キロ
三八式歩兵銃(日本)
銃身長 127センチ
重量 3.7キロ
ベルティエM1916(フランス)
銃身長 94センチ
重量 3.1キロ
ガンスミス
「とまあざっとこんなもんかなぁ。感想としては一般的なサイズ、重さではあると思う」
ウロボロス
「なるほど......しかし、6.5ミリ口径となるとちと特殊だとは思うがな。サイズ感は確かに普通らしい」
カルカノM1891
「確かにほかの国では7ミリ口径のものが多いですね。それに倣ってか改良版では7ミリ口径でしたけど、結局弾薬の都合で6.5ミリ版も作られています」
ウロボロス
「それで良いのかイタリア人」
ガンスミス
「お国柄なんだろ、しゃーない」
改良版......カルカノM1938。7.35×51mm弾を用いる、が、装薬量を変えないせいで初速低下、それを補うための軽いアルミ製弾頭を開発するなど、行き当たりばったり感が強い。
6.5ミリ版......カルカノM91/38のこと、こちらは実装されている。弾薬はM1891と共通であり配備数も多かったようだ。
戦後、各国に転売されている。
ガンスミス
「さてここからは技術的なお話。
カルカノM1891には、二つの大きな特徴がある」
カルカノM1891
「安全装置と漸増転度のライフリングですね」
ウロボロス
「お、難しい話が始まった。これだよこれ」
ガンスミス
「カルカノのボルト周りの構造はGew88を参考にしているので、見ればわかると思うがかなり似ているんだな」
見ればわかると思うが......心の目で見てください、もしくは画像検索。
カルカノM1891
「安全装置のレバーも、珍しくはありません。ですが、そこからの構造が特殊なんです」
ウロボロス
「急に通販番組みたいな畳み掛け方を始めたな。良いぞ――――それで、ええと何だ」
ガンスミス
「Gew88では、安全装置をかけると撃鉄が固定される。しかしカルカノでは、撃鉄にかかるテンション......圧力自体がかからなくなるんだ」
ウロボロス
「それは凄いのか? 文字が頭をふわふわ浮かんでるだけで実感がない」
ガンスミス
「撃鉄固定式も安全なのは言うまでもないが、衝撃での暴発の可能性は付いて回る。
しかしテンション自体が存在しないとなると、暴発の可能性はゼロに等しい。
たとえパーツがぶっ壊れても撃鉄自体がどうやっても動かなくなるからな」
ウロボロス
「昔は銃をそこら中にぶっ刺して使い捨てしてたものでな、壊れた時など考えたこともなかったわ。銃がないなら殺して奪えば速いし」
銃がないなら殺して奪えば速いし......ドルフロ二次で散見される謎理論。
どっかの下士官殿も奪って重装備になるし、彼女もダミーから根こそぎ奪って使う。
殺伐とした世界観のせいなのでしょうか。
カルカノM1891
「専門的なことですから気にしないで――――――え、ぶっ刺す? 殺して奪う? え?」
ガンスミス
「突っ込むな、多分突っ込んだらこれは負けだ」
カルカノM1891
「そ、そうですか。では気を取り直して――――――後はですね、安全装置解除にはかなり力が必要ですから、一長一短なんですよ」
ガンスミス
「戦闘に関わることもないしな。与太話だと思ってくれ。
さて次、漸増転度のライフリングの話だ。
流石に常識として、ライフリングくらいわかるよな?」
ウロボロス
「ワタシゼンゼンワカリマセンネー」(棒読み)
ガンスミス
「はい?」
ウロボロス
「サッパリワカラナイナ、ガンスミスガ説明シテクレルト嬉シイナー」
周りでそわそわする鉄血兵
(ウロボロスさん、マジで嘘下手だな............眼から電流走っちゃってるしめっちゃ楽しそう)
カルカノM1891
(絶対嘘だ......どうするんです?)
ガンスミス
「......常識を押し付けるのは良くなかったな。んじゃ、軽く説明すっか」
カルカノM1891
(騙されてるー!)
ウロボロス
(よっしゃ行けた!)
ガンスミス
「ライフリングってのは、銃身内部に螺旋状に彫り込んである溝のことだ。
実は銃身内部の大きさは銃弾より微妙に細く、銃弾が発射される時溝で少しだけ削られながら回転して飛ぶ。
これにより安定して真っ直ぐ飛ぶようになるんだ」
ウロボロス
「なるほどねー、続けたまえよ」
ガンスミス
「んで、漸増転度なんだが、ライフリングに少し細工がしてある。
つっても、銃口に向けて螺旋がキツくなるだけだがな」
カルカノM1891
「最初はゆっくりと、銃口付近でより回転するようにという工夫ですね」
ガンスミス
「ちなみになんも意味ないけどな。製造の手間が増えただけだ」
ウロボロス
「それで良いのかイタリア人、わたしの中でイタリア人の取り柄がナポリタンだけになっていく......」
カルカノM1891
「ナポリタンはパスタじゃねえブチ○すぞ」
ウロボロス
「えっマジで?」
ナポリタン......ピーマンやソーセージなどの具材を炒め、ケチャップなどで味付けした麺料理。喫茶店なんかでよく見るイメージ。
ちなみに戦後の物資不足の中で生まれた
間違えてた姉貴かわいい(小並感)
イタリア人に言ったらキレるという噂がある。
世紀の事件に関わっていたり
ガンスミス
「戦場ではパッとする事もなく銃生を終えたこの銃だが、戦場を去ったのちにとんでもないことをしでかしてる」
ウロボロス
「とんでもないこと――――――それは面白そうだなあ?」
面白そうだなあ......彼女の行動原理は大体これ。興味本位で暴走するプロフェッショナル。
ガンスミス
「正確には改良型(カルカノM91/38)ではあるんだがな。
1963年11月22日金曜日、現地時間12時30分。
テキサス州ダラスを遊説中の第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディがこの銃によって暗殺された......とされている」
カルカノM1891
「データによれば、犯人はリー・ハーヴェイ・オズワルドとされています。元狙撃兵ですし、確定なのでは?」
ガンスミス
「犯人は2日後に死亡、さらに捜査は中途で打ち切り。
......陰謀論者に騒がれても無理はないな」
ウロボロス
「面倒な事をする。疑わしい奴を全員殺せば解決するだろうに」
ガンスミス
「思考回路が殺伐としすぎだろ」
ウロボロス
「実際それくらいの心意気で取り掛からない方が妙じゃないか? 仮にも大統領暗殺だぞ」
ガンスミス
「何をぬけぬけと常識人ぶったことを......」
(注釈)この事件はジッサイとても怪しい。
気になる人は自分で調べてみてはいかがでせう?
まとめ
ガンスミス
「堅実でありながら先進的な試みを行った銃だと思う。惜しむらくべくは、この銃を擁したイタリア軍は上手い改良型を作れなかった事だな」
カルカノM1891
「む、難しい話が多かったですね」
ガンスミス
「いやー、だいぶ話を聞いてるって感じだったし、ノっちゃってつい」
ウロボロス
「もう一回言っておくが、この状況に慣れているのはどうかとわたしは思う」
ガンスミス
「何か、こう、あんまり怖くないんだよなお前」
ウロボロス
「あ、そういう。じゃあ端末持ってこようかな?」
ガンスミス
「何でそうなる」
ウロボロス
「冗談だ。では約束通り解放するとするかな......おい! 頼むから代理人殿の目だけは掻い潜って解放するぞ! 良いな愚か者共!」
湧いてきた鉄血兵一同
「善処はするけど多分無理でーす!」
ウロボロス
「くっ......何となく分かっていたさ。怒られるのヤダなあ......」
ガンスミス
「律儀だったり上司に怯えたり中々人間臭いっていうか、変なの」
ウロボロス
「おぬしは代理人殿が怒っている時の何とも言えない威圧感を知らんのだ......まあ良い、今後も楽しみにしているぞ」
ガンスミス
「もう傍受しないでもらえると大変嬉しい」
ウロボロス
「ヤダ。端末やっただろう、アレが代金だとでも思え」
カルカノM1891
(結局どうして普通に解説できちゃったんだろう......不思議な人形だなあ)
ウロボロス
「さてさて、ではまた次回お会い......出来ないが。楽しみにしておけ、わたしも楽しみだ――――――いやあ、このセリフ言いたかったのだよ。さらばだ」
代理人
「何か弁明はありますか」
ウロボロス
「え、えっとですね。わたしはあくまで敵の使う兵器の性能を知ろうとしただけであって、決して興味本位でこんな事をしたわけでは」
代理人
「…………成る程、では仕方ありません」
ウロボロス
「この人チョロいな(ボソッ)」
代理人
「と納得するとでも? 勝率0%で「うっ」独断専行ばかりで「ぐっ!」おまけに指揮は部下任せ「がはぁっ!?」」
代理人
「阿呆なのですか。ウイルスの実験体として一生を終えたくないなら、今後はこういった馬鹿な真似は控えるように。良いわね?」
ウロボロス
「は、はい…………何も其処まで言わなくてもいいではありませんか…………」
代理人
「…………こういう事ばかりされると庇い切れなくなるから言ってるのよ」
ウロボロス
「え、何か言いましたか?」
代理人
「いえ、最近苦痛を与えることに特化したウイルスが出来たことを思い出したもので」
ウロボロス
「分かりましたから! もう絶対しませんからそれだけはご勘弁下さい!?」
代理人
「冗談ですよ」
ウロボロス
「冗談がマジで分かりにくいんだよなあ…………」
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