ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー 作:通りすがる傭兵
いやほんと待たせてしまって申し訳ない。
第77回 FN Ballista
「WA2000と」
「ウェルロッドMk.Ⅱの」
「「銃器解説コーナー!」」
WA2000
「このコーナーは、銃についてあんまり詳しくない指揮官殿に銃器を解説するものよ」
ウェルロッドMk.Ⅱ
「我々は神に非ず。過ちを犯すものが真に人間足りうるのだ」
(間違いがあるかもしれませんが、ご了承ください)
WA2000
「性能諸元はWikiから引用しているわ、間違いがあったら感想欄で随時受け付けてるからよろしく」
「「それでは、スタート!」」
WA2000
「......ところで
ウェルロッドMk.Ⅱ
「指揮官曰く夏休暇でハワイだそうです」
WA2000
「嘘つくならもっとマシな嘘つきなさいよ今のハワイなんて感染者の巣窟じゃないの!」
ハワイ......太平洋に浮かぶアメリカ50番目の州。リゾート開発が盛んであり、ワイキキビーチやキラウエア火山など有名な観光スポットも多い。
WA2000
「ごめんなさい、少し取り乱してしまったわね。
久しぶりのラジオにガンスミスが不在で急に任された物だからつい荒ぶってしまったわ」
ウェルロッドMk.Ⅱ
「しばらく居ないと聞いているので、私たちが紹介の方を進めていくことになります。にしても一体どこへ」
WA2000
「どうせすぐ戻ってくるわよ。
では、本日のゲストの方に自己紹介をしてもらおうかしら」
FN Ballista
「Ballista、今回貴殿が隊長の任務に務めます。
状況が厳しい今、もっとしっかりしてください」
WA2000
「新人が生意気言うんじゃないわよこっちだって事情があるのよ!」
ウェルロッドMk.Ⅱ
「まあまあ落ち着いてください。
では、詳細解説の方に移っていきましょうか!」
性能諸元 FN Ballista ☆5 RF
口径 7.62/8.6mm
使用弾薬 .308ウィンチェスター/同マグナム弾
.338ラプア・マグナム弾
装弾数5/6/7/8/10/15
採用 ー
開発経緯 鷹の目の
WA2000
「この銃の開発が始まったのは2010年と最近。
アメリカ軍特殊作戦軍(USSOCOM)が主催する長距離精密狙撃銃のコンペディションのために開発されたからなの。
このコンペにはレミントンMSR、英国開発L96A1の発展型AXMCなどが参加し、MSRが正式採用を勝ち取っているわ」
ウェルロッドMk.Ⅱ
「この銃の元になったのはオーストリア、ユニークアルパイン社製TPG-1というボルトアクションライフル。この銃はアメリカという銃の最大マーケットにおいては知名度は低く、ゲームにもほとんど登場しません」
Ballista
「ですが、ポテンシャルが低いわけではありません。ヨーロッパ圏ではトップクラスの精度を誇る狙撃銃として認知され、スナイパーワールドカップにおいては多くこの銃が用いられてます」
ウェルロッド
「この銃は競技弾薬を使えば精度を表す指標MOAは0.25〜0.5と本当に恐ろしい限りです。MOAについてはどこかで解説していたと聞いていますが、何回目でしたっけ」
WA2000
「さあ? どこだったかしらね」
Ballista
「TPG-1の設計は元はフランスのユニーク社というところだったらしいのだけど、2000年ごろに倒産したと資料にあるわ。生まれた国から巡り巡ってFN社に拾われたということ、一体何かの縁でもあるのかしらね」
TPG-1...... 戦術高精度小銃(Taktisches Präzisions Gewehr)の略称。
何回目でしたっけ......解説した覚えはあるんですけど
FN Ballistaってどんな銃?
WA2000
「バレルやボルトフェイス(ボルト根元部分のパーツ)、マガジンを交換することで3種の弾丸が撃ち分けられるわ。弾薬に応じたモジュラー化というのは、現場の対応に即するため現在ではポピュラーな仕様。目新しくはないけれど、銃身を交換できながらあれだけ精度を保てるというのは特筆すべき点かしら」
ウェルロッドMk.Ⅱ
「銃身は軽量かつ堅牢なアルミ合金。もちろんオプションを取り付けるピカティニーレールも彫ってある上に、ストックも頬当てをはじめとして様々なところが微調整できる優れもの。
最も現代では当たり前のように備えられてる機構でもありやっぱり目新しくはないですね」
Ballista
「マガジンがシングルカラムかつポリマー製というのは特徴ではないかと。
金属製のマガジンに比べて衝撃を吸収しやすいポリマー素材を選択し、機構が簡単なシングルカラムマガジンを採用。
もっとも弾数を増やそうとすれば不格好にも持ち運びにくくもなりますし、一長一短ですが」
WA2000
「狙撃銃でシングルカラムなのは当然でしょう? ダブルじゃ機関部設計も複雑になるし傷も多くなる。それにボルトアクション狙撃銃に弾数を求めるのはナンセンスでしょう?」
Ballista
「そうでしょうか? 単純に弾薬を多く持ち運べるのはアドバンテージになりうるでしょう」
WA2000
「狙撃手が弾ばら撒くときはよっぽどの時よ。そんな状況作りたくもないわ」
ウェルロッドMk.Ⅱ
「そういったこともまた経験でしょうWA。いちいち咎めるのもやめましょうよ」
WA2000
「むー。なんかこいつむかつくからつい」
ウェルロッドMk.Ⅱ
「酷くないです?!」
まとめ
WA2000
「歴史に埋れていくような、良くも悪くも特徴に欠ける銃ね。いつかは忘れてしまうようなものかもしれないけれど、日常のどこかで思い出してくれればありがたい限りと言ったところかしら」
Ballista
「私たち戦術人形と同じようにですか?」
WA2000
「そうね。カタログに乗ってる大量生産品のひとつだもの。戦場で鉄屑になるか用が済んで鉄屑にされるか......誰も今の
Ballista
「そうかしら? あなたの行動が誰かの心に鮮烈に残るかもしれない。それがたとえ、見上げた空に偶然鷹が飛んでいるようなそんな些細なことでも、覚えてくれる誰かはきっといるはずよ」
WA2000
「センチメンタルなのね。人形らしくないわ」
Ballista
「よく言われるわ」
ウェルロッドMk.Ⅱ
「少しだけしんみりとした雰囲気になったところで、本日はここまで。また次回お会いしましょう、それでは!」
あとがたり
ウェルロッドMk.Ⅱ
「ところでいつも肩に乗せてる鷹は今日はいないんですか? 留守番でもさせてるんですか?」
Ballista
「充電中よ」
ウェルロッドMk.Ⅱ
「あれドローンなんですか!?」
WA2000
「知らなかったの? あんな変態機動する鷹なんていないわよ。見たことないの?」
ウェルロッドMk.Ⅱ
「残念ながら訓練でも接点がなかったので」
Ballista
「動画見せてあげる」
ウェルロッドMk.Ⅱ
「いいんですか! ......って気持ちわるっていうか今なんか光のビームのようなものだしませんでした?!」
Ballista
「サイコフレームの共振よ」
「ワタシ......トリニナリタイナ......」
最後はふざけました。
本当は名前の由来のバリスタも解説しようと思ったけど長くなるのでやめました