ドールズフロントラジオ 銃器紹介コーナー 作:通りすがる傭兵
そろそろ番外編と章分けしないとわかんねえな......
「ガンスミスと」
「M1895ナガンの」
「「銃器紹介!」
ガンスミス
「このコーナーは銃についてあんまり詳しくない指揮官殿に銃器を解説する、というテイで銃を紹介解説していくラジオ番組です」
ナガン
「偏見思い込み勘違い。そこは大目に見てほしいのう。間違いがあれば随時感想などにて受け付けているのじゃ」
ガンスミス
「性能諸元は主にWikiを参考にしています」
「「それでは、スタート!」」
ガンスミス
「いつのまにかもう......その......」
ナガン
「半年も経てば言い淀むのもわかる」
ガンスミス
「ええいもうやけだこの半年間忙しくて原稿かけないし収録できませんでした!」
ナガン
「まあ、色々とあったからのう。とはいえ趣味のようなものであるし、気まぐれに更新していくのは変わらん。
そこんところ、ちっとばかし考慮してくれると嬉しい限りなのじゃ」
半年も経てば......前回の解説の日付が7月ですって怖い。
ドルフロのモチベーションが低空飛行ゆえにこんな有様ですわ。FGO楽しいです(小声)
ガンスミス
「本業やら副業やらが忙しくって......
と、いうわけで本日のゲストをごしょうたーい!」
AUG
「敵の葬式に花を手向けたいのなら、私は最善の適任者ですわ。AUGと申します、今日はよろしくお願いしますわ」
ガンスミス
「というわけで本日ゲストはAUGさん。最近他所からやってきたミステリアスなお姉さんだ!」
ナガン
「先任のM1895ナガンじゃ。何かわからぬことがあればわしに聞くが良い」
ステアー
「では、後ほど伺いましょう」
ナガン
「うむ。頼られるのは気分がいいのう」
ガンスミス
「ナガンが得意げになってるところで性能諸元といきますか」
性能諸元 ステアー ☆5 AR
口径 5.56mm
使用弾薬 5.56×45mm NATO弾
装弾数 30/42発
採用 オーストリア軍/オーストラリア国防軍 他
開発経緯 革新的軍用小銃
ガンスミス
「この銃が開発された1970年代といえば冷戦真っ只中。
ベトナム戦争が終結したりアフガニスタン侵攻など、まだまだ米ソがやり合っていた頃だ」
ナガン
「お陰で世界中で武器の開発も盛んだったわけじゃ。その時流に乗ってオーストリアはシュタイヤー・マンリッヒャー社が設計、開発した銃なんじゃ」
AUG
「人によってはシュタイターやステアーAUGなど、いろいろな名前で呼びますわね。他に有名な銃といえばIWS2000などもこの会社の設計だったかしら」
ガンスミス
「それくらいしかないともいう。
話を戻すと、この銃が開発された背景の一つには、77年にオーストリア国防軍の後継小銃のトライアルがあったわけだ。
今まではStg58、わかりやすくいえばFALのマイナーチェンジモデルが採用されていたんだがもう設計から30も経つ上、FAL自体もそこまで使い勝手が良い銃だったとは言い難い」
ナガン
「小口径化の時流もあったわけじゃし時代遅れだったということじゃな。M16A1の大量生産も始まっておったし、当然ともいえる流れ」
AUG
「トライアルではM16などと比較されましたが、その中で秀でている、ということでオーストリア軍の正式採用小銃となったのです」
ガンスミス
「ま、国防産業の自国化は大事だからね」
オーストリア......オーストラリアじゃないよ、オーストリアだよ。ドイツのお隣さん。中世から音楽が盛んでありウィーンなど有名な音楽学校がある都市が多い。
世界史やらないと覚えない国トップ10に入ると個人的には思っている。
AUGってどんな銃?
ガンスミス
「SFめいたデザインが特徴的だとはよく言われるね。
まだ全金属製が主流で角張った銃の多いなか、全体を樹脂で覆った丸みを帯びたデザイン。当時の銃で比べてみればかなり異質だ。60年代開発の有名どころなM16A1やAKS-74と比べてみればよくわかると思う」
ナガン
「他にもブルパップ方式を採用し、マガジンも樹脂製、光学照準器も初期装備として持っていたのじゃ。ブルパップ式、流行っておったのかのう?」
ガンスミス
「FA-MASは67年採用とかだし影響は受けてるかも。あとG11とかP90とか、ちょくちょく誕生するのよね」
AUG
「それだけブルパップ式が優れている、そういうことではありませんの?」
ガンスミス
「そうでもないと思うけどなぁ......って、なんか関係ないところに話がそれちまったな、失礼失礼。
特徴である樹脂多用の利点として挙げられるのが、グロック系列を見ればわかりやすいが軽量であること。
なんだがこの銃実は重量自体は3.6kgと重い部類に入るもんなんだ。全金属製だったらもっと重くなるところを抑えてるとの見方もできるがな。同じブルパップ方式かつほぼ金属製のL85とかは5kg弱ある訳だし」
AUG
「かといって強度に劣る訳でもありませんわ。耐用強度は非常に高く、10tトラックで何度も轢き潰しても射撃に耐えうるとの実験結果もありますのよ?」
ナガン
「軍用銃に求める最低ラインはしっかりとクリアできるという事じゃな。でなければ採用はされぬか」
ガンスミス
「トピックとしてはもうひとつ。コイツは軍用銃で初めて『固定武装としての光学照準器を搭載した』銃なんだ。
こいつが誕生するまでアイアンサイトが当たり前だった時代なんだ。
光学照準器なんか積めるのは基本的には狙撃ライフルなんかの長距離射撃を基本にする少数部隊。
だが、75年ごろにダットサイトの実用化、光学機器の小型化や安価化などによってこれから普及していくことになるんだが、この銃がその先陣をきった形になる。まさに見た目通り最先端だった訳だ」
AUG
「他にも左右を変更できる排莢口、セレクトレバーを廃し引き金の引き具合でセミフルを撃ち分ける機構など、挑戦的な趣向が凝らされていますが、もうひとつ、とっておきがあるでしょう?」
ナガン
「む、まだあるのか?」
ガンスミス
「久しぶりの放送だし隅から隅まで話しちゃうぜい。
コイツのもう一つの顔『モジュラーウェポン』について語っていこう」
モジュラーウェポンってなあに?
ガンスミス
「といっても放送では何度か言及した覚えがある。
AK-47やFALなどのアサルトライフルの銃身を補強し軽機関銃の使用に耐えうるようにした改修型や、民間に払い下げられたM16の機関部を9mm仕様に改造したRO635と。
要は銃の多くのパーツを共有しつつ、たくさんの使用用途に振り分けたい! という我儘を叶える考えだ。欲張りだね」
AUG
「生産コストも下げられるし、良いこと尽くめな考えね」
ナガン
「現場としてはいちいち違う銃のマニュアルを作るのは手間じゃしのう。できることなら教練はひとつの説明書で済ませるのが楽じゃわい」
ガンスミス
「生産パーツが減ることによるコストの低下や訓練期間の短縮など実際利点は多く、思想としては1930年代から存在するんだ。40年代には実戦に耐えうるものがアメリカ海兵隊に持ち込まれ、評価は良かったんだが」
ナガン
「よかったんじゃが?」
ガンスミス
「その頃大量生産が始まったM1ガーランドの配備を白紙にするのは多大な予算と前線に負荷がかかると陸軍からの猛反発でおじゃんになった」
AUG
「41年となればアメリカも本格的な作戦参入が始まっていることでしょう。尚更ね」
ガンスミス
「それでも諦めきれなかった訳だ。そして成果が花開くのは戦後、M16の前身AR-10そしてそこから派生したストーナー63をアメリカ海軍の特殊部隊が採用した。ここから『モジュラーウェポン』という思想の有用性が世界中に認知された訳だ」
AUG
「......資料によればH&KのG3やG36などがある程度そのように設計されているわね」
ナガン
「そういえばそんなようなことを話したような話していないような......こないだの戦場のドタバタ騒ぎが強すぎて何も思い出せんワイ」
ガンスミス
「しかし、実用化・普及化に大きく拍車をかけたのがこのAUGの存在だ。この銃は全体を7つのモジュールパーツに簡単に分解でき、さまざまな用途に改装できる」
AUG
「例えば銃身を拳銃弾仕様に、ボルト機構をブローバック方式に変更すれば低反動の短機関銃。肉厚な長銃身とバイポッド、42発マガジンを使用すれば軽機関銃相当の分隊支援火器へ。
これを戦場の休憩中にも行えるというのは移ろいゆく戦場に適応する優位性を保つことが可能になっていますわ」
ガンスミス
「工作技術向上の兼ね合いで精度や強度はやっぱ専門に作ったものに劣るって事で一瞬廃れかけるんだけど、長期かつ機動力を重視する特殊作戦なんかに於いてはその汎用性、適応力の高さは支持され続けているんだ。
5.56mm弾の絶対神話が崩れた昨今、7.62mm弾も併用できるモジュラーウェポンは見直されつつあるし、製造技術向上によって拳銃のモジュール化などに使われたり、民間企業でも設計できるようになったりとその可能性は現代でも伝わるものがある」
ナガン
「まさしく最先端をいく武器だったんじゃなぁ」
AUG
「堅実さも褒められる事ですが、暗闇にあえて身を投げ出す覚悟も必要、という事なのでしょう」
陸軍の猛反発......生産ラインに一度乗ったものを撤回して新しく工場で製作するパーツを作り直すのは非常に手間。だからこそ陸軍としては海軍の提案に反対である。
最近南米の廃倉庫に在庫いっぱいのM1ガーランドが見つかったくらいには生産されてる訳だしね(総生産数約625万挺)。
AR-10......コイツの小口径モデルがAR-15、つまりM16系列になる。お兄さん的なあれだ。
ストーナー63......この銃だけで解説1話分できちゃうくらいなのでまたいつか。簡単に言うとアサルトライフルとベルト式の軽機関銃2役をこなせるスーパーマン。
まとめ
ガンスミス
「見た目だけじゃなく設計思想までまさに革新的だったAUG。近未来っぽい外見はまさに見た目だけの脅しじゃなかった訳だ」
AUG
「道具として役立てる場が広く在れるのは喜ばしい事ですわ」
ナガン
「......ま、汎用性があることは良い事じゃよ」
ガンスミス
「リクエストも溜まってるしガツガツいきたい......ところなんだけど、トンチキな銃が多くてしばらく時間がかかりそうだな。資料あるかねぇ......」
ナガン
「そこを頑張るのがお主の仕事じゃろうに。
と言う訳でまた次回! 」
あとがたり『アフターミッション』
「はいもしもしこちらG&K社S09地区B基地指揮官のワイズマンです支払いなら来月の活動資金が下りてからってこの前話しましたよ切っても良いですか?」
また金の催促の電話か、と相手の確認もせずに適当に応対しながら電卓を弾く指揮官。
基地運営のため空いた戦力を埋めるためリースやら中古品を後払いだのローンだのでかき集めたは良いものの、足元を見られるのが世の常。闇金とそう変わらないローン返済を吹っ掛けられるらしくないミスをした不甲斐なさやストレスもあってかなりピリついている。
その態度ままに返事もしたものだから先方もお怒りらしく、先ほどより低い声で皮肉っぽい言葉が返ってくる。
『G&Kでは礼を言うために金が必要なのか?』
「.....失礼、最近色々立て込んでまして」
『随分と忙しいようだなワイズマン指揮官』
「そんな念押ししなくてもわかってますよキャロル指揮官」
S09地区P基地現指揮官『キャロル・エストレーヤ』。
経歴は調べれば闇に放り込まれることで有名なP基地で『当然のように』曰く付きな人物。
前任のユノ指揮官とは顔が似通っているのでその正体には察しがついていなくもないが言葉にするのはタブー。もし仮に指揮官クラスであっても正体を言いふらせば路地裏に死体が転がっているはずだ。
ユノ指揮官やガンスミスの個人的ツテでそこそこに仲が良いP基地とB基地だが、キャロルと今の指揮官に親交があるかと言われれば、ない。
得体の知れない相手からの通信に若干冷や汗をかきつつ、指揮官は言葉を選んだ。
「大規模作戦の後処理で忙しいのはお互い様でしょう?
S地区の基地はどこもお祭り騒ぎですよ。そちらは随分と余裕そうですねぇ」
『被害自体はそこまでではないからな。それに、貴殿の基地のガンスミスには随分と助けられた』
「ボクは何も聞いてないのでとりあえずガンスミスさんはあとで説教するとして、うちのガンスミスが何をやらかしたんです?」
『そこまで邪険に扱わずとも......なに、俺の部下が世話になっただけだ。十分なメンテナンスにちょっとした改造。あのアイデアは目から鱗だったからな、驚きに対して礼がしたい。
それに、作戦指揮はB基地に全て投げてしまった負い目もある。近々部下と一緒に改めてお伺いしたいところだ』
「そ、それは律儀にどうも。して......要件はそれだけですが?」
ただの世間話なら苦労はしない。何かふっかけに来たのか、それともガンスミスの引き抜きか。見えない真意を問いただすためあえて核心に触れていく指揮官。
『なに、本題はここからだ。
「なんとか予備も出して回ってますよ。ご心配には及びません」
『......だが、補填にはそれなりの時間がかかる、そうだろう?』
「耳に痛い事を言いますね。まあご心配ならさず!
他所の基地の遊んでるものや格安で市政に流れてるものが無いかかき集めてるところですよ。お買い得なやつがあったら是非教えて欲しいものですね」
『......あるぞ』
「おっと、その話くわしく」
ニヤリ、という擬音すら聞こえてきそうなキャロル指揮官の言葉に同じく不敵な笑みを返す。聞くだけならタダ、それに不良業者との付き合いは切るに限る。
『ちょうどP基地では使ってない機材や車両がいくつかあってだな、埃を被せておくのも勿体ない。困っているのであれば格安とも言わず、今回の謝礼の意味も込めて無償で譲ろう。
いまカタログを送るから詳細を確認して欲しい』
「渡に船な話です......があああっ?!」
『どうかしたか?』
どうせ型落ち品だろうがとたかを括って、今さっき送られてきたメールの内容を一瞥して思わず飛び上がる。
(いやこれG&K本社配備の最新式とか軍用で出回ってる中で1番の高額モデルだし輸送ヘリは上から数えた方が高いやつにP基地で運用実績のあるオーバースペックな航空機?????)
『そういえばジャミングの影響で通信機器も破損していたと聞く。こちらの基地で生産したものをそちらにも融通しようと思う、どうだろうか』
「アノ......ハイ、ワカリマシタ......アリガトウゴザイマス」
『喜んでもらえたようで何よりだ』
『ほんとに喜んでるんですかコレ......?』
(確かにこれだったら赤字どころか黒字に戻るくらいのお釣りが来るんだけど、よりによってP基地に借りを作るのは良くない!
問題児のユノ指揮官が退官したは良いけど、次の指揮官はよくわからないし、あそこはブラックボックスが多い上に曰く付きの人形も多いんですよっ?!
確かにこの提案を飲めば抱えている問題の大半は解決しますが、基地同士の繋がりを同格としてではなく貸しを作る仲になってしまうのは、いやしかし......)
「だああああもうどうしよおおおおおおおおおおおお!
とりあえずガンスミスさん怒鳴ってストレス解消しよ。もしもーし緊急放送ですガンスミスさんは至急執務室に 出 頭 してください先の作戦行動においてお説教がありまーす!」
「やべ、心当たりが多すぎる」
「とんだ不良職員じゃのうお主......」
『通信を切りそびれたが聞かない方が良かったか』
『アハハハハ......』