それでは番外編十六話沙希&けーちゃんverです。お楽しみください。
やはり俺が伊豆春祭で旧友と再会するのは間違っている。沙紀&けーちゃんver
side八幡
けーちゃん「あ~~!はーちゃんだーー!」
どこかで聞いたことのある声がする。しかしどう考えても幼く、同年代では思い当たらない。いったい誰だろうか?作業をしながら考えてみるも思い出すことができない。しかし昼前だからって客来すぎだろ。
けーちゃん「はーちゃん!はーちゃんってば!」
沙紀「ちょっとけーちゃん!は、はーちゃん料理してるし、お客さんもいっぱいでしょ?もう少し待ってよ?」
けーちゃん「う~~~はーちゃん……」ウルウル
反応はしたいが客の数が多すぎて相手をする余裕がない。
梓「ありゃ?八くんの友達?」
沙紀「えっと……八くんっていうのは?」
梓「ああ、ごめんごめん。比企谷八幡のことだよ。八幡だから八くん。」
沙紀「あ、はい。そうです。」
梓「ならテントに入っちゃいなよ。」
沙紀「いいんですか?」
梓「いいよ。」
沙紀「ありがとうございます。」
梓「そこで待っててね。」
沙紀「あの、手伝います!」
梓「え?いいよ、そんなこと。」
沙紀「ただ待ってるだけっていうのもあれなんで。それに料理もできますし…」
梓「ん~なら手伝ってもらおっか。」
けーちゃん「けーかもお手伝いするー!」
沙紀「ちょっとけーちゃん!」
梓「あはは、けーちゃん、何ができる?」
けーちゃん「けーか、お渡しする!」
沙紀「まあ、それぐらいなら。」
梓「よしよし、二人とも頑張ろっか。」
沙紀「はい。」
けーちゃん「うん。けーか頑張る!」
どうやら助っ人が来てくれたようだ。
助っ人が来てくれたことでお好み焼きを作るペースが格段に上がり客の列をさばくことができた。
梓「一回休憩にしよっか。」
千紗「はい。」
「やっと一段落つけるのか。」
沙紀「お疲れさん。」
「ああ……ってお前は川なんとかさん。」
沙紀「あんたね!いい加減人の名前ちゃんと覚えなよ!」
「悪い悪い。えーっと、川越!」
沙紀「川崎だよ!川崎沙紀!」
「そうだった。悪いな、サキサキ。」
沙紀「サキサキ言うな!」
「わ、わるい沙紀。すまんかった。」
沙紀「あ、その、うん。こっちも強く言い過ぎたから、そんなに落ち込まなくても……」
けーちゃん「さーちゃん顔まっ赤~!」
沙紀「ちょっとけーちゃん!?」
「けーちゃんも来てたのか。」
けーちゃん「うん!けーかもさっきお手伝いしたんだよ!」
「そうなのか?ありがとなけーちゃん。」
けーちゃん「えへへ~。」
頭を撫でてやると顔をほころばさせる。
けーちゃん「はーちゃん、さーちゃんも手伝ったんだよ!さーちゃんの頭もなでなでしないと!」
沙紀「ちょっとけーちゃん!?」
「おーそうだな。ありがとなさーちゃん。」
沙紀「ちょっ!比企谷!?」
けーちゃんに言われるがままについうっかり川崎の頭を撫でてしまう。当然戸惑い焦る川崎。なぜか顔も赤くなっている。
千紗「比企谷君。わたしは?」
「へ?」
何を言っているんだろうか?全くわからない。
千紗「私も頑張ったよ?」
梓「そうだよね~。二人は助っ人で途中から入ってくれたけどちーちゃんは最初から頑張ってくれたもんね。撫でてもらうべきだよね。ね~、けーちゃん?」
けーちゃん「ねー。はーちゃんはちーちゃん撫でなきゃだめだよ?」
「わ、わかった。」
けーちゃんに言われるがままに撫でてしまった先ほどとは違い意識するとこちらも恥ずかしい。千紗のほうを見てみると先ほど自分で言った一言が自分にとってもやはりとても恥ずかしいものなのだろう。顔を真っ赤にして少し震えている。ここまでさせておいて男が引くっていうのもカッコ悪いよな。
「よく頑張ったにゃ……」
………もう死にたい……だれか殺して……
けーちゃん「はーちゃん顔真っ赤っかー!お熱あるのー?」
梓「あっはははははー!頑張ったにゃ!ホント、八くんもよく頑張ったね!」
「ほっといてください。」
ホントもう無理……もう四年ぐらい立ち直れない気がする。
けーちゃん「さーちゃん、はーちゃん。けーかお腹すいた。」
……子供は言動すべてが自由でいいね。お兄さん羨ましいよ。
沙紀「お昼まだだもんね。」
梓「ならうちのお好み焼き食べていったら?手伝ってくれたし安くするよ?」
沙紀「わるいですよ、さすがに。見返りが欲しくて手伝ったわけじゃありませんし。」
梓「あー聞こえない聞こえない。気にしなくていいのよ。そんなこと。手伝ってもらって何もせずに帰したんじゃ女が廃るってもんでしょ!」
沙紀「はあ。」
「早めに折れとけ。そっちのほうが楽だぞ。」
沙紀「わかった。ありがとうございます。」
梓「OKちょっと待っててね。すぐ作るから。」
お好み焼きmaking now
梓「出来たよ~。はい。けーちゃんと沙紀ちゃんの。ちーちゃんと八くんはもうちょっと待っててね。」
千紗「わざわざすみません。」
梓「気にしなくていいよ~。さっきも言ったけど最初から頑張ってくれてたんだから少しは休まないと。」
けーちゃん「はーちゃん、はーちゃん。」
「ん?どうしたんだ、けーちゃん?」
けーちゃん「はーちゃんのお膝の上で食べてもいい?」
沙紀「けーちゃん!?」
「いいぞ。」
条件反射でそう答える。
沙紀「比企谷も!そんな真面目に受け取らなくていいから!行儀も悪いし!」
「学園祭なんだし固い事言わなくていいだろ。」
沙紀「それは……そうだけどさ……せめて隣に座るだけにしなさい!いい!?けーちゃん!?」
けーちゃん「ブー、さーちゃんの意地悪ー。」
梓「はい、出来たよ~。」
千紗「はーい。」
「あざっす。」
梓「いえいえ~どういたしまして。それじゃ、いただきます。」
全員「いただきます。」
けーちゃん「んー!おいしー!」
梓「そうかいそうかい、それが聞けたなら作ったかいがあったってもんよ。」
けーちゃん「おねーさんお名前なんですか!」
梓「私?私は浜岡梓だよ?なんて呼んでくれるのかな?」
けーちゃん「ならあーちゃん!あーちゃんって呼んでいいですか!」
梓「あーちゃんかー!いいよ!」
沙紀「すみません。妹が。」
梓「ん?全然気にしてないよ?むしろ面白いよ?そう呼ばれることなんて今までなかったからね。新鮮味があるよね。」
沙紀「はあ、そうですか。」
けーちゃん「はーちゃん、まだお腹すいてる?」
「すいてるけど、どうかしたか?」
けーちゃん「なら、はいあーん!」
千紗・沙紀「!!?」
「おう、ありがとな。」
梓さんはニヤニヤし、二人は顔を真っ赤にしてアタフタしている。
けーちゃん「けーかにもあーんして!」
「おう、あーん。」
千紗・沙紀「!!?」
けーちゃん「美味しー!ありがとね、はーちゃん。」
梓「やるねー、八くん。二人もやってもらえば?」
ものすごくイキイキとした顔で二人に提案する。被害くらうの俺なんだけどそこんとこちゃんとわかってます?
沙紀「む、無理です。」
千紗「私も流石に……」
梓「けーちゃんの独り勝ちか~、やったね!けーちゃん!」
けーちゃん「けーかの勝ち?やったー!」
何に勝ったかは多分わかっていないのに、純粋に喜べるってもう才能だと思います。
けーちゃん「はーちゃん、遊びに行こー?」
今回ばかりは流石に即答できなかった。一緒に遊びに行きたいのは山々なんだが、せめて遊びに出たままの
伊織「ただいま帰りました。」
耕平「ムムッ!可愛い女の子!」
サキサキの事かと思ったが違ったようだ。目線の先にいるのはサキサキじゃなくてけーちゃんだった。けーちゃんが可愛いのには同意するが……
沙希「あんた!うちの京華を変な目で見ないでくれる!」
怒れるサキサキが待ち受けていた。こればっかりは仕方ないと思う。なにせこいつ、重度のシスコンだし。
耕平「すっ、すいません。」
沙希「次そんな目で京華を見たらただじゃ済まさないよ!」
けーちゃんがいるからまともな言葉で済ましているがもしけーちゃんがいなかったら既に殴っているだろう。
梓「二人が帰ってきたんなら交代しよっか。ちーちゃんも八くんも遊んできな。」
千紗「ありがとうございます。」
けーちゃん「はーちゃん、遊びに行こー!」
「おう、そうだな。」
けーちゃん「けーか、射的したい!」
「そんなのやってるのか?」
沙希「最初はここじゃなくてそっちに行こうとしてたからね。サバゲー部ってのがやってるみたい。」
千紗「私も行って大丈夫?」
けーちゃん「ちーちゃんも一緒ー!」
千紗「えっと、よろしくね?」
沙希「よろしく。」
サバゲー部ブースにて
けーちゃん「ちょうせんします!」
サバゲー部「おっ、小さなお客さんだね。一回二百円だよ。お金ちゃんとあるかい?」
けーちゃん「さーちゃん!」
沙希「ハイハイ。ちょっと待ってね。一回分お願いします。」
サバゲー部「あいよ。この銃であの的に当てればそれに対する景品をプレゼントするから頑張ってね。」
けーちゃん「うん。がんばる!」
一回につき五発玉を撃てるみたいだが一度も当たらずけーちゃんの挑戦は終わった。
けーちゃん「うーん、むずしいよー。はーちゃん取ってー!」
いきなり無茶振りが飛んできた。銃なんて一度も使ったことないんですけどねぇ。
「まぁ、やるだけやってみるわ。」
二百円を払い的に向かい立つ。
「何がほしいんだ?」
けーちゃん「あのパンさんのぬいぐるみ!」
そんなのあったの?と見てみると確かにあった。パンさんとか懐かしいな。
まず一発撃ってみるも左にそれて当たらない。
二発目は先程より近くへ向かうもやはり当たらない。
三発目、先二回のことも意識し右を狙ってみるも大きくそれてむしろそのとなりのお菓子の詰め合わせに当たってしまう。
いや、これじゃないんですよ。そのとなりのなんですよ。交換できない?無理?あ、そう。お菓子でも喜んでくれると思うけどやはり当てたいと思うのが男のさがなんだろう。
「サキサキ、これやるよ。」
沙希「え、いいよ。あんたが当てたんだし。」
「お菓子そんなに食べないからな。それにお前ん家けーちゃんよりまだ下がいるだろ。食べさせとけよ。」
そう言い無理やり押し付ける。
沙希「ふふっ、ありがと。」
優しい笑みを浮かべこちらを見る。
「なんだよ。」
沙希「何でもないよ。それより、頑張りなよ。」
言われるまでもない。けーちゃんを悲しませる訳にはいかないしな。
そして四発目、ついに当てることができた。
けーちゃん「やったー!はーちゃんありがとー!」
隣でけーちゃんが両手をあげて喜んでる。頑張ったかいがあった。
あと一発残っているが自分がほしいと思う景品は見当たらない。
「二人とも何か欲しいのあるか?どっちかしか狙えないし当たるかどうかもわからんけど。」
欲しいものが無いし要らないもの貰っても処分に困る。なら他の人の欲しいものを狙った方が良いってもんだ。
沙希「私はいいよ。けーちゃんの取ってもらったし。」
千紗「じゃあ私いいかな?あっちの海のクリアファイルをお願いできる?」
「右端のあれか?やってみる。」
集中して狙いなんとかクリアファイルに当てることができた。
サバゲー部「ひゃあー!やるね。三つも取られちゃったや!」
「なんかすみません。」
悪意のない一言だとわかってはいるが少しばかり罪悪感を感じてしまう。
サバゲー部「気にしないで。むしろ君、この大学?うちのサークル入らない?」
まさかのお誘いにとても驚いた。今まで何かに誘われることなんて奉仕部関連を除けば小学生の頃……は結局罰ゲームだったし、中学の時なんて誘われることすら無かったし、あれ?俺って誘われたことない?そう思ってしまい目から心の汗が流れそうになった。
「いえ、すいません。この大学ではあるんですけど既に他のサークルに入ってるんで掛け持ちは考えていないですし。」
サバゲー部「そうかい。そりゃ残念。ならサバゲー大会とか一緒に出てみない!?銃とかはうちのサークルの貸し出しがあるし大学の階段とか入口のところとかにビラ貼るから興味があったら来てみてね!」
「はぁ、わかりました。」
怒濤のマシンガントークにまともに返せるはずがなく、から返事しか返せず、その場を後にした。
なんだかんだで色々見て回っていると時間はもう四時を回っていた。
沙希「もうこんな時間か。ごめん、先帰るね。けーちゃん、二人にバイバイして。」
けーちゃん「うん、ちーちゃん、はーちゃんまたね!」
「おう、またな。」
千紗「今度来たときは一緒に海泳いでみようね。」
けーちゃん「うん、またね!」
沙希「それじゃ、またね。」
ありがとうございました。
感想・改善点・誤字報告・番外編案待ってます。
ミスコン前に先に帰った設定です。十六話とは時間設定が違うのはご愛嬌。
書いてて思ったのは、けーちゃん小学生だよね?幼く書きすぎてない?