ぐらんぶるwith比企谷八幡   作:元サッカー部

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19話目
なんかもう、色々とごめんなさいです。お許しください。急展開というか、取って付けた感というか、もうグチャグチャです。それでも良い方のみお読みください。ダメそうな方は、悪いことは言いませんUターンしてください。


やはり俺が男コンに出るのは間違っている。

side八幡

ついに男コンが始まってしまった。今はラグビー部の先輩がボディビルダーよろしくと言わんばかりに鍛え上げたその筋肉を余るとこなく見せつけている。

 

女「キャアア!工藤さーん!」

さっきまでとは打って変わって黄色い声援が飛び交い始めた。

 

 

今村「なあ、比企谷。少し頼みたいことがあるんだが……比企谷であってるよな?」

後ろから今村が声をかけてきたので振り返ると今村が急に本人確認をしてきた。ああ、なるほど。

 

「ああ、間違いないぞ。これでいいか?」

そういって眼鏡をはずす。

 

今村「あっああ。ところでどうしたんだ、その眼鏡は?普段は使っていないだろう。」

やはり気になるようだ。仕方ないだろう、つい先ほどまでは掛けていなかったのだ。当然といえば当然か。

 

「この腐った目で出るわけにもと思ってな。一応前から持って来てたが使わなかったからな。」

こっちに引っ越してきた時から持ってはいたんだが、特に使うタイミングがなかったのだ。

 

「別に視力が悪いわけじゃないからな。眼鏡掛けてると腐り目が緩和されてるだろ?」

 

今村「ああ、良くはなっているが、別にそこまでしなくていいと思うぞ?お前はお前だろ。言い方はあれになるがその目を含めてお前だろ。」

その一言に俺は心を打たれた。ただの無駄な美形飲んだくれバカと思っていたのに、急にその顔に似合ったことを言い出して、少しだけ恥ずかしく思った。

 

「すまん。今までお前の事を無駄な美形飲んだくれバカと思ってた。悪い。」

 

今村「おい、今それ言う必要あったか!?心の中で留めとけばいいよな!?」

 

「で、話ってなんだ?」

 

今村「露骨に話しそらしやがって!けどまあいいい。北原のやつがあの今出てる屑会長様を黙らせたいらしいからな。手伝ってほしいんだ。」

 

「構わないが、どうするんだ?」

 

今村「梓さんに変装した伊織に嘘告白する。」

 

「………は?」

その言葉を聞くと同時に思い出してしまった修学旅行での記憶。

 

「あおの……構わんって言っておいてあれだが……できればやりたくない。」

 

今村「ああ、無理にとは言わないからな……顔色悪いぞ?大丈夫か?」

 

「少し休めば、大丈夫だと思う。気にしないでくれ。」

 

今村「そうか。ならもし大丈夫なら手伝ってくれ。無理にじゃないからな。自分を優先してくれ。先に行くからな。」

そう言い残し今村はステージに出て行った。……自分を優先……か。まさかひと月ぐらいの付き合いの奴に言われるとはな。PaBに入るとみんな頭がおかしくなる英才教育をオートで受けてんのかよ。あーあほらしくなってきた。

ここ数日で少し心の中で考えていたことがある。千紗のことだ。入学からの短い期間にはなるが、大学で同じ授業では隣で一緒に受け、ダイビングではバディを組んで一緒に潜る。水族館にも遊びに行ったし、梓さんのせいではあるが、千紗の部屋にも入った。そして伊豆春祭では戸塚と城廻先輩もいたが一緒に回った。少なくとも、今までの俺では考えられない進歩といえよう。千紗と一緒にいて、気分が悪くなることが一度もなかった。ダイビングのときでも、水族館で魚のことを教えてくれた時でも、目はキラキラしていて、とても純粋で、たのしかった。この思いは、この場で伝えてもいいんだろうか。考えるついた結果、考えることを放棄した。人生押してダメなら諦めろ。でも、今更()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()纏まったようで纏まっていない考えを脳裏残し、俺はステージに歩みを進める。

 

ステージ袖ギリギリまで来て、ステージの様子を確認する。ステージ上には女装北原と今村、さらには先ほど今村が言っていた屑会長であろう奴がいた。前者二人は肩を組み、会長は顔を真っ青にしていてとてもカオスだ。男性客の盛り上がりや女性客の悲鳴により、二人の作戦がうまくいってことがわかる。

二人の作戦がうまくいったことへ安心する一方で、今から自分がすることに対してひどく緊張しているのがわかる。何より怖い。あちらとちがって、こちらにはまるで勝算がない。もし失敗したら、合わせる顔がない。かといって同情で受け入れられてもそれは違うだろう。なら諦める?一番ベストな考えだと思う。今までの俺なら迷わずに飛びついていたことだろう。でも、今村は俺を容認してくれていた。少なからずの勇気をアイツからもらった。なら、俺も、一世一代の頑張りをしてみるべきではないか?

 

司会「では、最後の方。どうぞ。」

ついに自分の番が来た、来てしまった。もう後には引けない。当たって砕けろ、いや、砕けちゃダメじゃん。

余計なことを考えながら、ステージ中央へ向かう。それ以外、観客の声は全く耳に入らない。

 

司会「んじゃ、とっとと自己紹介をどうぞ。もう消化試合みたいなもんなんで。」

ミスコンのときと本当に同じ人が司会をしているとは思えないほど雑な進行に苦笑せざるをえなかった。だが、緊張も少しはほぐれた。多少の感謝をしつつ前を向き、探す。いた。

 

「ピーカブー所属の比企谷八幡です。」

 

司会「はい、じゃああんたは何をしてくれるの?」

 

「そうですね、思いのたけをぶつけてみようと思います。」

言い終わると同時に動き出す。司会はまたかと言わんばかりに顔を押さえている。それでも、後ろは振り返らない。ただ、前だけを見据えて。

そしてついに、千紗の前まで到着した。

 

千紗「えっと、八幡君?」

 

「古手川千紗さん。」

 

千紗「はっ、はい!」

一呼吸おいて、

 

「俺と付き合ってください!」

頭を下げて右手を差し出し、返しの言葉を待つ。しかし、待てども待てども返事は帰って来ない。周りはむしろ慌てている。少しだけ、顔を上げてみると、千紗は涙を流していた。泣くほど嫌だったのか。自己嫌悪に陥りかけた時。

 

千紗「今のホント?」

千紗から聞き返される。

 

「ああ、ほんとだ。」

 

千紗「ほかの人じゃなくて?」

 

「ああ、千紗がいいんだ。」

 

千紗「わたし、ぜんぜん女の子っぽくないよ?」

 

「お前は十分に女の子だよ。俺が一番理解してる。」

 

千紗「ほんとに、ほんとに、私でいいの!?」

 

「ああ、千紗じゃないとだめだ。」

 

千紗「返事、今したほうがいい?」

 

「俺的には、返事してくれるなら、後でも構わないが、周りはそうは許してくれそうもないな。」

 

千紗「そっか。なら、んっ。」

急に顔を近づけ、そっと俺の唇に自身の唇をおとす。触れるだけのキスに心が軽くなり、泣きそうになるのをグッと我慢する。ここで泣いては格好がつかない。

 

千紗「不束者ですが、よろしくお願いします。」

 

観客全員「うおおおおおお!!」

 

司会「告白!成功だー!さっきのお笑いじゃなくて!本当に!野郎のおめでたなんていつもならどうでもいいが、今回ばかりはお祝いするぜ!おめでとう!Mr.比企谷八幡!そしてMs.古手川千紗!末永くお幸せに!」

 

観客全員「うおおおおおお!!」

 

男「なんでそんな腐り目と!?」

 

男「そんな奴より俺と付き合おう!!?」

 

男「いや俺と!」

 

周りがうるさいが、すぐに鎮火するだろう。なぜなら

 

寿「おい、おまえら。あの告白をしたのはうちの部員なんだ。」

 

時田「そいつに対してやれ腐れ目だの、やれそんな奴などと、バカにしよって。痛い目見ないとわからんのか、ああ!?」

PaBの先輩がすぐさま潰しに行ったからだ。そこまでしなくていいんですけどね。

 

千紗「ねえ、八幡君。」

 

「なんだ、千紗?」

 

千紗「これからもよろしくね。」

 

「ああ、こちらこそ。」

 

 

司会「えーーい!そろそろ沈まれ野郎ども!俺の独断と偏見で今年の一位を発表する!最後の最後で大どんでん返し!今年はお前だ!比企谷八幡!」

どうやら一位になれたようだ。約束も守れたしとてもいい気分だ。

 

梓「やったね~八くん。ちーちゃんもおめでと。」

 

千紗「ありがとうございます。」

少し照れ臭そうに、顔をほんのり赤くして感謝の言葉を返す。

 

梓「でもこれから大変だよ?」

 

「何がですか?」

 

梓「だってさ、ちーちゃんに言い寄る男子も出てくるかもだし、奈々華もうるさいと思うよ?」

 

千紗「八幡君以外のところに行くつもりないですから大丈夫です。」

 

「奈々華さんもしっかりと説明すれば引き下がってくれるはずです。俺が千紗を離す気がないって。」

 

梓「そっかそっか。なら、頑張ってね!」

 

八幡・千紗「はい!」

こうして俺と千紗は結ばれ、それと同時にPaBとしては男コン・ミスコンの二冠を達成した。




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