ぐらんぶるwith比企谷八幡   作:元サッカー部

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大変遅くなってしまい申し訳ございません!
通っている専門学校の休校(登校禁止。実験、研究などは若干緩和されるっぽい。)が夏まで確定しましたが、その分遠隔授業や課題に追われる毎日であります。
塾でバイトをしていますが、コロナにより生徒も学校が休みになっており、色々難しいです。
皆様も緊急事態宣言は一部解除されましたが、今まで以上に三密に気を付け、コロナに負けないようにしましょう。
香川県ゲーム規制条例に反対!



合宿場所

時田「ここが、今日から三泊する場所だ。」

 

一年「おおー!!」

 

愛菜「本当にこんな綺麗なところで!?」

 

時田「おぅ。」

吉原がそう思うのも仕方ないだろう。普段ダイビングサークルを謳いながら全くダイビングをしなかったのに、合宿になって急に庭にプールまである広々とした別荘を借りるとなると驚きもするだろう。普段の部室が北原の部屋というのもあるからだろうが。

 

寿「その代わり食事は全部自分たちで調達する必要もあるがな。」

 

梓「それはそれで楽しそうだよね。」

 

奈々華「後でスーパーでも行きましょうか。」

人数分の料理ともなると骨が折れそうだな。仕方あるまいが。

 

 

愛菜「すごーい!海もすぐそば!しかも貸しきり状態!」

 

時田「ははは、そう慌てるな。」

 

寿「まずは部屋に移動だ。」

 

伊織・耕平「うーす。」

部屋に移動するのは良いが、

 

 

耕平「かなり窮屈ですね。」

 

寿「狭いのは仕方ないな」

 

時田「三人部屋に男五人だからなぁ。」

 

伊織「先輩たちの体格が良すぎるせいでもあるんですけどね。」

狭すぎるのだ、部屋が。

思わず倒置法になってしまう位には狭い。三人部屋と先輩は言うが、先輩方がでかすぎてベッドのサイズが合わず斜めに寝転んでいるのを見ると三人目の場所があるかすら危うい。というか、この狭さで寝てもし先輩のどちらかが寝相が以上に悪く、腹に腕が落ちてこようものなら寝ることもままならないだろう。故にここは逃げの一手。

 

耕平「問題はだれが簡易寝台(ソイツ)で寝るかですが。」

 

伊織「まぁ、俺か耕平八幡だろうな。」

 

寿「いいのか?」

 

伊織「先輩方は物理的に無理でしょ。」

 

時田「すまんなぁ。」

今だ!

 

「俺さっきのリビングにあったソファーで大丈夫ですよ。」

 

耕平「そうか、なら!」

 

伊織「俺と耕平(お前)の一騎打ちだな!」

ミッションコンプリート。ベッドには劣るだろうが仮にも貸別荘のソファー。更に急襲に怯えなくていいのはでかい。

 

伊織「とりあえず決め方は後で決めるとして。」

 

寿「何はなくともまずは海だな。」

 

時田「折角の沖縄だからな。」

 

耕平「了解です。」

着替えと言いつつ全裸になり外に出ていくのを止めないのは俺も同罪になるんだろうか。全裸の人を止めない時点で俺もPaBに染まったんだなぁとしみじみ思う。もうちょい別の形で実感したかったが。

 

 

愛菜「お待たせしましたー!!」

何も知らない吉原が既に腰まで海に浸かり、良くも悪くも下半身が見えない4人のもとに走る。これが青春、心のアルバムがうんたらかんたら考えているんだろうが、

 

私のアルバムモザイクだらけ!!」

そんな灰色の青春、すぐさまfly away してほしいだろう。

 

時田「いやー。貸し切り状態は気兼ねしなくていいな。」

 

伊織「全くですね。」

少しは羞恥心を残してほしいものだ。どうすれば戻ってくるか。もう手遅れだとは思うが。

 

愛菜「移動しましょう。」

 

時田「何故だ?」

 

寿「ここなら人がうなくて自由な恰好でいられるだろ。」

自由な恰好も度が過ぎるとアウトですけどね。

 

愛菜「移動しますよね?」

今の吉原の目は俺の目にも負けないほど濁っていただろう。ハイライトも休業しているようにも見える。

 

時田「お、おう。」

 

寿「よくわからんが了解だ。」

その圧力に先輩方も折れ、みんなで普通のビーチに向かうことになり、パラソルを無料で借りるために北原、今村、吉原の3人がバナナボートに乗ることになった。更に北原と今村は今夜の寝床をかけるらしい。ルールは単純で先に落ちたほうの負け。審判を俺、時田先輩、寿先輩。がすることとなったが、運転手の話によると振り落とされることは滅多にないとのこと。審判の必要がないと思うのは俺だけだろうか?

 

side愛菜

男「そんじゃその取っ手にしっかり捕まって下さいねー。」

その言葉に従い、取っ手を掴むが、両方の取っ手がぬちゃとぬるっとしていて、手を確認すると手のひらにはサンオイルが大量に付着していた。

 

伊織・耕平「「キサマアア!!」」

 

伊織「なんて卑劣な野郎なんだお前は!!」

 

耕平「お前こそよくこんなゲスなことを思いつくな!!」

 

愛菜「あんたら二人とも同じことしてんだけど!?」

 

 

男「いきまーす。」

私たちの言い合いを右から左に流しているであろう運転してくれる男の人は確認もほどほどに水上バイクを発進させる。

 

伊織・耕平「「ふおおおおおっ!」」

 

愛菜「きゃああああ!?」

伊織と耕平が片手で勝負だの言ってるが、それに突っ込む余裕が今の私には全くない。さらに加速され考える余裕すらなくなってきそう。

 

伊織「向こうに声優の水樹カヤが!!!

耕平「向こうにAV女優が!!!

 

伊織・耕平「なにぃっ!!?

そう言いながら二人とも何とか踏ん張ってる足元にサンオイルをぶちまける。風のいたずらか。二人が意図してしたわけではないだろう。狙いのブレたサンオイルは二人の足元だけでなく私の足元にもかかってきた。何やってんのあんたら!?

 

その後すぐに浮遊感に襲われ、その直後海に叩きつけられ、水切り石のごとく水面をはねた。

 

 

side千紗

 

「何やってんだアイツら。」

特別早いスピードが出ているようには見えなかったけど、3人同時にバナナボートから振り落とされ海に落ちた。八幡君は審判を頼まれてたけど、、私にはほぼ同時に着水したように見えた。

 

時田「3人とも振り落とされたな。」

 

寿「だらしないやつらだ。」

 

 

 

千紗「愛菜、どうだった?」

 

愛菜「楽しいには楽しいけど、あの二人のせいですぐ落ちちゃったから。」

 

千紗「もう一回乗ったら?」

 

愛菜「私は良いよ。それより千紗も乗ってきたら?比企谷君と。」

 

千紗「っ!」

 

愛菜「折角の沖縄なんだし、楽しまないと損だよ。」

 

千紗「うん。誘ってくる。」

愛菜の言う通り、折角の沖縄だ。ダイビング以外も楽しもう。

 

 

千紗「八幡君、ちょっといい?」

 

「?千紗、どうかしたか?」

 

千紗「3人が乗ってたバナナボート、一緒に乗らない?」

 

「おう、いいぞ、3人乗りだし、奈々華さんか梓さんでも誘って……」

と、踵を返し誘いに行こうとした。がなぜか水着に軽く引っ張られるような抵抗があった。そこには千紗しかいないので当然千紗によるものだろう。振り返ると

 

千紗「その、二人で乗りたいなって……

はい、グッときます(断定)。

考えても見てほしい。顔を真っ赤にさせ、更には恥ずかしさゆえにこちらを直視できず、斜め下を見ながら言う千紗。誰が何と言おうが天使に間違いないだろう。

 

「わかった。じゃあ、行くか。」

当然それを直視した俺も無傷とはいかず、むしろ致命傷を負った気さえする。いつまでも水着を掴まれてるのもあれだから、恥ずかしいがその手を握りバナナボートを運転していたおじさんのもとに向かう。なお、その間はお互い恥ずかしすぎて会話は一切なかった。

 

 

 

 

男「あんれぇ、さっき落ちた3人の友達かい。二人で乗ってみっか?」

 

「お願いします。」

 

男「んじゃあ、救命胴衣つけてくださいねー」

 

 

二人乗り用で俺が右側に、千紗が左側に座ったタイミングでおじさんが尋ねる。

 

男「二人はカップルさんですかい?」

 

千紗「えっと、その、」カオマッカ

 

「最近ですが…」

名前も知らないおじさんに聞かれるとは全く思っておらず、完全な不意打ち。千紗は再び顔を赤面させ、かくいう俺も顔が若干熱く感じる。この暑さは日焼けによるものだと頭に言い聞かす。

 

男「そうですかい。ならそのお祝いにさっきのよりも激し目に行くんで気ぃ付けてくださいねー」

 

「えっ、普通でい「行きますよー」」

畜生聞いてくれねえ。見えてるよね。ステルスヒッキー使ってないよね!?おじさーん!

と心の中で叫んでみるが聞こえる気配は全くせず、エンジンを付け水上バイクを発進させた。

 

千紗「風が気持ちいね。」

 

「そうだな。水しぶきも冷たくて、乗ってよかったと思うな。」

先ほどのおじさんの言葉はどこへやら。いたって普通の水上バイクといった感じだ。最後までこのままでお願いしたいが

 

「それじゃあ、そろそろお祝いムーブでいくんで、しっかり捕まって下さいよー。」

そうは問屋が卸してくれないらしい。

 

「180°ターンいきますよー。面舵一杯さー。」

と言い切る前にカーブ体勢に入っていたおじさん。当然こちらが対応できるはずもなく、二人乗り用ということで小さめのバナナボート。その分俺たちの距離も狭くなっている。更に不意打ちのカーブ。ここから導き出される答えは

 

「うおっ!?」

 

千紗「キャッ!?八幡君!?」

バナナボートから落ちることはなかったが、運悪く右手が取ってから離れてしまい、バランスを崩した俺は千紗の方に倒れこみ、結果として千紗の体にルパンダイブしてしまった。赤みの引いた顔が三度真っ赤に染まる。行き場を失った右手は落ちまいとした結果、千紗のお尻の近くについてしまい、それと同時に陸からとてつもない殺気を感じた。あとで奈々華さんに殺される気がしてならない。

 

 

「もういっちょーう今度は取舵一杯さー。」

 

「ちょっ!」

 

千紗「キャッ!?」

間髪入れずに先ほどとは逆回転に旋回。倒れている体勢で耐えきれるわけもなく元居た側に倒れる。千紗もバランスを崩しこちらに倒れてくる。お互いに体勢を崩しており支えることもままならず

 

千紗「!?!?!?」

 

千紗の可愛らしい胸を俺の顔に押し付ける形で倒れてきた。

一瞬頭が真っ白になったが、解決方法を模索する。

おじさんはそもそも気づいていないし、千紗は顔を真っ赤にし頭がショートしており、更には落ちまいと抱き着いているのでより密着し柔らか…ゲフンゲフン、動きにくいことこの上ない。動こう思えば動けるのだが動こうとすれば色っぽい声を上げる。俺のハチマンクンがこんにちはしないようにするので精一杯にならざるをえない。俺の考えをこの距離で読み切ったのか陸からの殺気が更にすさまじくなった。

陸に戻った時のことを考えると胃がねじ切れそうだが、今は素数でも考えてこの場を乗り切るしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

因みに素数が分からなくて羊の数を数えていたのは内緒である。




感想・改善点・誤字報告・番外編案待ってます。
番外編は(頼まれても文才、時間的に)いつ書けるのやら。(今のところ来てない。)

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