「ん〜」
「人探しの仕事始めて結構経つけど、儲かってるの?」
「僕と従業員の二人が東京キングダムで生活できてさらに給料を支払えるぐらいには」
「お〜、そういえばそうだね」
(食費はたまに指定された日に飲食店で客寄せとして食事するだけでただにして貰えたりするし、人探しの仕事で貰ったクーポン転売したりとか人探しの仕事よりも副業で儲かってるんだよね)
この二人はでない悪鬼去来<その2>はじめます
近いうちに投稿? 姉ちゃん明日って今さ!
狙撃されぬようにわざと人波に入って人の流れをかき分けながら路地裏に入ったオークは荒くなった呼吸を整えながら背負った少女を降ろした。
体に入った媚薬の効果が抜けないのか虚ろな目で途絶えた快楽を再び与えてくれるように乞いながら自慰にひたっている。
「あぁー! 公開調教に参加しそびれた! お前が途中で無駄に恥ずかしがって躊躇したからだろが!」
「……」
「なんなんだよその顔は!」
「よく考えたら爺ちゃん女襲った責任とらされて腹切ったしよくないかなって」
「そんな爺ちゃん持ったお前が気の毒でならねぇよ!?」
「それで生まれたのが……お前だ」
「衝撃の新事実!?」
「お労しや兄上……」
「お前も爺ちゃんの子供かよ!? そんな爺ちゃんなら腹切らされるわ!」
遠くからなにやら諍いの声が聞こえるがよく聞こえない、ここならば周囲は壁に囲まれて狙撃するのにも角度的に不可能だ、そう思って壁に寄りかかって一息つこうとしたオークは目を見開いた。
いつの間にか闇に溶け込むかのように『そこ』に男は居た。
「て、てめえは誰だ!」
ずっとその場所に居たかの様に気配のない男から感じた恐怖を隠す為に大きな声を出して懐から拳銃を抜く。
人間よりも優れた筋肉を持ち傭兵として鍛えた無駄のない動作で拳銃を抜く速度は人外のみが到達する異形の速さであった。
ズキューーーーーーーーーンン…!
狙いを定めるより速く銃声が耳に届いたのと、手に持った拳銃が背後に飛んでいくのと一体どちらが早かったのか?
オークに分かったのは相手がこちらが銃を抜くよりも速くこちらの拳銃に弾丸を命中させたという事実だけであった。
その速さは怪物を超えた神域に達した正に神業と呼べる速さであった。
「……聞きたいことがある」
回転式拳銃を構えた男は先程まで西部劇さながらのガンファイトなどなかったかのように、なんらかの感情を感じさせない平坦な声と凍りつくような底冷えする双眸をこちらに向けた。
毒とも色気ともつかない凄艶なものがその表情にあった。
「その女を…お前たちに売りつけた奴についてだ……」
無表情にこちらに銃を突き抜ける男に気圧されて走って掻いたのとは別種の汗がしたり落ちる。
沈黙や虚偽は許さないとその眼は言っているのがよくわかった。
知っている限りのことをしどろもどろに話すと「やはりな」と男の呟きが闇に溶ける。
すでに事実を知っていてその確認のために自分に問い詰めたのであろう。
オークは言える限りの事を告げると男はしばし考え込むような仕草を見せた。
「……その女を……渡してここから去れ…そしてすべて忘れろ」
やはりというべきか、この対魔忍の女が目的らしい、仲間たちを狙撃したのはこいつに違いない。
女を渡せば見逃してやると言っているがオークが思ったのは助かったという安堵ではなく理不尽な目に合わせた男への憤怒であった。
よく見れば想像以上に若く、高めに見積もっても10代後半から20代前半ぐらいの若造である。
こんなガキに自分は苦しめられ仲間たちが殺されたという事実に視界が真っ赤に染まったかのような怒りに腸が煮えくり返る。
自分たちが対魔忍の少女にした仕打ちを忘れた自分勝手な思い込みだが本人にとっては邪智暴虐に振る舞う相手への義憤だと認識している。
なんとしても正義の鉄槌をくださなければいけないという思いが恐怖を忘れさせ相手をどうやって倒すかという計算式を導き始める。
(相手の獲物は今手にしている拳銃だけ、相手との距離は僅か5m程で俺ならば一瞬で詰められる距離だ、オークの脂肪と筋肉が築き上げた肉の鎧ならば拳銃程度なら痛みは負うが十分耐えられる、頭部も厚い頭蓋骨で一発では致命傷にならないだろうが食らって脳震盪を起こすかもしれないので念の為左手は顔面をカバーをする、そして一発食らっても二発目を打つ前に右手に持ったナイフを逆手でぶっ刺してギタギタに体を引き裂ける!)
「わ、わかった、あんたの言う通りに……してやらねぇなぁ!」
オークはおっかなびっくり相手の言うとおりにするような仕草を演じながら右手は腰に差したナイフの方に手を伸ばしてナイフに触れた瞬間に対魔忍の少女を男の方へと突き飛ばした。
(これで奴は驚いてあの女を支えようとするか、そうしなくとも女を助けに来たのなら銃弾が当たるリスクがある為すぐには撃てない、女を受け止めてから銃を撃っても一発なら耐えられる、これで終わりだ!)
勝利を確信しているオークはそのままナイフを振り上げた。
男が少女を抱きとめた次の瞬間にカチリと銃のトリガーが引かれ銃声が鳴り響く。
銃弾はオークの腕を貫通してそのままぶ厚い頭蓋骨を貫き脳をザクロのように爆ぜさせた、強烈な銃弾の威力に走っていた勢いを強引に止められた体躯はくの字に歪む、そしてオークはバタンとそのまま倒れ伏して二度と起き上がらなくなった。
「S&W M500……下級魔族相手なら…威力は充分だな…」
映画ダーティ・ハリーで有名になった.44マグナム弾は初活力*1に換算すると1000~2000J(ジュール)。
軍用拳銃弾の標準的として使われる9mmパラベラム弾で約500J、西側でアサルトライフル弾として使用されている5.56mmNATO弾で約1800Jである事を考えると、拳銃弾としては異常な威力である事がわかるだろう。
しかし彼が持つS&W M500に使われる50口径のマグナム弾である.500S&Wマグナム弾は.44マグナム弾の約3倍の威力を誇るといわれる。
これでは分厚い脂肪と筋肉で守られているオークの肉体ですらたまったものではない。
頭部に命中した瞬間に脳は激しくシェイクされて頭蓋骨にぶつかってミンチになったであろう。
購入した武器商人にも「こんな銃を手に入れて象でもブッ殺すつもりか?」と言われたぐらいである。
世界一の威力のある拳銃の称号を得たこともあるハンドキャノンの異名を持つ銃は伊達ではない。
男は受け止めた虚ろな表情で恍惚している少女を地面に下ろすと銃を収めて懐から無針注射器を取り出し首筋に打ち込む。
これで体内の媚薬も中和されるだろう応急手当は終わったのでこれから先は医者の領分だ。
「終わったの?」
「
男、
「その子が助かったからいいものの『一人でやるから邪魔をするな』とは、失敗したらどうするつもりでしたの?」
「チャンスをモノに出来ない奴から死ぬ……俺たちの生きる世界はそういう場所だ…」
そう言って
単独で行動して後始末だけを押し付けようとする東郷に少女の一人が顔を真赤にして怒鳴った。
「ちょっとどこに行くのよ! 仮にもチームで行動しろと言われたのに自分勝手すぎない!」
「……悪いが……命を預ける相手は自分で選ぶ主義だ…」
「な、私たちが信用できないっての!?」
「まだ…やることがあるんでな……」
誰も信用しない、そして誰からも信用されなくていい。
そして与えられた仕事を自分なりのやり方を貫き完遂する。
その為に余計な馴れ合いはいらない。
その態度からそんな痛々しいまでに強烈で強固な意思を感じた。
そしてそのままその場から立ち去った。
今度は少女たちからからの罵声を浴びせられても立ち止まることはなかった。
悪鬼去来<その3>へ続く
淫獄都市ブルース外伝 悪鬼去来<その2>でした
ところで皆さんは対魔忍RPG一周年ガチャどうでした?
時子や鬼姉妹当たりましたか?
自分は当たりませんでしたorz