『提督の奮闘記』   作:零戦

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戦艦天城

 

 

 

 

 

 気付いた時、私は大海原にいた。四方は海、海、海、海だ。

 そして私は武装していた。連装砲を左右に二基ずつ、背中に一基で全部で五基の連装砲が存在する。

 

「く……」

 

 その時、私の中に砂嵐のようなノイズが生じた。そして頭の中に何かの情報が流れ込んでくる。深海棲艦……艦娘……妖精……ブラ鎮……でち公……デース。

 

「私は……天城……」

 

 そうだ……私は天城型巡洋戦艦の一番艦天城だ。そして私は戦を経験する事なく解体されて船体の一部が浮き桟橋(ポンツーン)としてあの戦争を一人の証言者として見ていた。

 最近だと護衛艦ひゅうがやいずもが私を使って建造されている。けど記憶はそこまでしかない。

 

「……今はそれより此処が何処かを調べないと」

 

 私は搭載されている零式水偵三機を発艦させて偵察に当たらせた。

 

「……お腹空いたな」

 

 途端に腹の虫が鳴る私のお腹。とりあえず我慢するしかない。

 

『ー、ー、ー』

 

 その時、零式水偵の妖精さんから電文が来た。東南東の方向で戦闘が起きているとの事だ。

 ……初めての戦に少し緊張しているかもしれない。戦闘という事は敵対敵、敵対味方の戦闘かもしれない。そこへ所属不明な私が行けば……両方から攻撃を食らう事は必須。

 

『ー、ー、ー』

 

 そこへ妖精さんから電文が来た。……どうやら深海棲艦と艦娘の戦闘みたいだ。なら私は艦娘に味方をする。今の私は天城型巡洋戦艦一番艦天城なのだから。

 

『ー、ー、ー』

 

 艦娘の戦況が不利みたいね。空母二、戦艦一、駆逐三では少々無茶かもね。

 

「天城より零式水偵、天城より零式水偵。味方艦隊に連絡して此方に向かうよう連絡。私もそこへ向かうわ」

 

 私は零式水偵にそう発信して、航行を開始した。航行はまるでスケートみたいだがこれが艦娘での航行みたい。

 あの時は航行も出来なかったから少々嬉しいわね。それは兎も角今は急ぐわよ。

 

 

 

 

「……何でしょうかあの零式水偵は?」

「分からないわ。でも今はあの水偵を信じるしかないわ赤城さん。何せ私に赤城さん、長門さんが大破して戦えるのが駆逐艦だけなんだから」

 

 沖ノ島海域に侵攻した第一艦隊だったが深海棲艦隊の猛攻により敗走をしている。彼女達の後方には彼女達を追撃している深海棲艦隊が航行している。

 

「まさか戦艦が三隻も出るとはな」

『ごめん、私のミスだわ』

「提督が謝る事じゃない。今は逃げる事を優先だ」

『けど、艦隊は出してないわ』

「そこが謎だ。しかし今はそれに頼るしかない」

 

 第一艦隊は出しうる速度で向かった。そして深海棲艦隊からの攻撃に耐えながら水平線上に一隻の艦娘を視認した。

 

「あれは……陸奥か? いや違う。陸奥はまだ鎮守府に来ていない」

「ではあの艦娘は……」

 

 近くまで近づいた時、赤城はその艦娘を見て驚いた。

 

「……ぁ……」

「赤城さん……?」

「久しぶりね赤城。良い子にしていた?」

「済まないが貴艦は?」

「流石に浮き桟橋だった時は分かりにくいよね?」

「……まさか……」

「今はそれよりあれでしょ? こんな形で戦艦として漸く戦えるのだから。燃えるわ」

 

 そして私は深海棲艦隊に視線を向けて主砲の照準を合わせる。

 

「天城型巡洋戦艦一番艦天城、参ります!! 骨の捨て場所は戦場(いくさば)よ!!」

 

 私は四一サンチ砲を発射させる。十発の砲弾は放物線を描いて深海棲艦隊の付近に着弾した。

 

「……遠、遠、近、近ね。次弾装填、装填次第発射ァ!!」

 

 第二射目は近、近、遠、遠となる。そして第三射目で戦艦に命中弾を得た。

 

「戦艦ル級大破!!」

「天城だけにやらせるわけにはいかん。長門も往く!! 吹雪達は魚雷戦を敢行!!」

「はい!! 行くよ白雪ちゃん、深雪ちゃん!!」

「主砲で弾幕張ります!!」

「ぃよーし!! 行っくぞー!!」

 

 私の左右を三隻の駆逐艦が駆け抜けて深海棲艦隊に向かう。その間も砲撃を続けて命中弾を出していく。

 艦隊が深海棲艦隊を撃破するのに其ほどの時間はかからなかった。

 

「……姉さん」

「久しぶりね赤城。元気だった?」

「……姉さん!!」

 

 本当に久しぶりに再開した私に赤城が泣きながら抱きついてくる。ぁー鼻水が付いたよ……。

 

「初めまして、私は加賀です」

「確か加賀型戦艦……ごめんなさい空母加賀だったわね」

「いえ、天城さんからしたら私は戦艦ですから」

「しかし天城が来るとはな」

「本当に……会いたかったわ姉さん」

 

 赤城、抱き締めるのは良いけど痛いから。

 

「とりあえずは鎮守府に帰ろうか」

 

 私は赤城達と共に鎮守府と呼ばれるところに向かうのであった。そして私は艦娘の一員として深海棲艦と戦うのであった。

 

 

 

 

――おまけーね――

 

「赤城、食べ過ぎは駄目よ」

「ふぇふぁん!?(姉さん)」

「姉妹の差が此処までとは……」

「暫くボーキは損害分のみよ!!」

「アイエエエ!?」

「貴女は鎮守府の神よ天城!!」

 

 

 

――後書き――

 

天城は文字通り天城型巡洋戦艦一番艦の天城の事です。決して雲龍型空母二番艦の天城ではありません。主砲は四一サンチ連装砲五基です。

 

横須賀の民間造船所に天城の船体の一部を浮き桟橋に利用しているとの事です。少しググりましたが水密区画を利用との事です。横須賀に近かったら見学したいです。見学出来るかは分かりませんが……。

 

天城の浮き桟橋は護衛艦ひゅうがの艤装に使用され今は護衛艦いずもの艤装にも使用されてるみたいです。

 

とりあえず高雄改二はよ(おいまて)

 

 

 

 




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