『提督の奮闘記』   作:零戦

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イベント全クリしました。
E5は無理そうだったので丙にしました。


第二話

 

 

 

「どうだった五十鈴?」

「どうって何が?」

 

 輸送作戦が終わった1750時、軽巡の部屋に戻った五十鈴に部屋にいた木曾がそう問う。

 

「新しく来た提督の事だ」

「それは私も聞きたい」

 

 そこへ重巡那智が高雄を率いて部屋に来た。

 

「牟田口よりかは優秀ね。私はあの提督なら信用してるわ」

「……五十鈴が言うなら問題は……無いか」

「まぁ暫くは様子見だろう。それにそろそろ夕食だからそこで提督も来るだろうし話が聞けたら聞くか……」

 

 那智はそう判断した。そして1800の夕食で間宮食堂に赴く。食堂内には他の艦娘達が列に並んで本日の夕食を間宮から受け取っていた。那智が辺りを見渡すが三宅の姿は何処にも居なかった。

 

「間宮、提督はどうした?」

「あら那智さん。提督は此処で夕食を取らないわよ」

 

 間宮の言葉に那智は少し怪訝の表情をする。

 

「……提督は艦娘が嫌いなのか?」

「あぁそうじゃないわよ那智さん」

「どういう事だ?」

「前任の牟田口提督の所業の事も考慮して提督さんったら憲兵さんの食堂で食事をすると言っていたのよ」

 

 三宅は夕食前に間宮食堂を訪れて予め間宮にそう伝えていたのだ。

 

「信用は出来るかもな那智」

「……あぁ」

 

 木曾の言葉にそう頷く那智だった。

 

 

 

「徹底しているな三宅提督?」

「牟田口の二の舞にはなりたくありませんからね」

 

 憲兵隊の食堂で三宅は白根少佐と共に食事をしていた。周りには数人の憲兵が同じく食事をしていた。

 

「まぁ貴方が艦娘と仲良くなれば私どもは暇が出来ますからな。度が過ぎるのは止めてほしいですがな。特に駆逐艦とは……」

「あれはねぇ……特に朝潮型と雪風はね……」

「私は此処に来る前は呉にいましたが呉の提督の一人が満潮と……ね」

「軍法会議ですか?」

「互いに同意の上で事に及んだと自白したので提督は一年間の減俸でした」

「……まぁ日本人ですからな」

「何とも言えませんな……」

 

 そう言い合う二人であった。そして翌日、三宅は司令部に入り大淀と鳳翔で打ち合わせをした。

 

「昨日、輸送船団が資源を提供したと言っても雀の涙程度だ。そこで我々が取るべき道は一つ」

「遠征で稼ぐ……ですか」

「あぁ。鳳翔さんには悪いが開発と建造を頼みます。開発は出来るだけ航空機狙いで建造は最小限の資源で駆逐艦建造を頼みます」

「分かりました。致し方ありませんね」

「戦果を稼ぐのも一つの手ですが?」

「タウイタウイに赴任の時点で我々がやるべき事は一つだ。南方の輸送路を確保する事に集中する。それと大淀、君は過去の日本と同じ過ちを犯すのかい? 南方の輸送路が途絶えると君の格納庫に物資や資源を詰め込んで輸送する羽目になるぞ」

「……すみません。考えが浅はかでした」

「いやいや。元任務娘としては戦果を稼ぐのも手だからね」

 

 過去の事を指摘された大淀は口をつぐみ、三宅に謝罪する。謝罪する大淀に三宅はそう釈明する。

 

「駆逐艦は八人しかいない。鳳翔さん、早急に頼むよ」

「分かりました」

「大淀、駆逐艦達に遠征の志願を」

「はい」

 

 そこで一息ついた時、泊地内に警報が鳴り響いた。

 

「このサイレンは……まさか!?」

『哨戒中の偵察機より報告。敵艦隊接近!! 凡そ二百キロ。繰り返す――』

「提督!?」

「出せる艦娘は出撃準備!! 俺も乗艦する!!」

 

 三宅は鳳翔達と共に直ぐに港に向かう。港に向かうと数人の艦娘がいた。

 

「貴官が提督か?」

「君は?」

「これは失礼、私は重巡那智だ。後ろにいるのは高雄だ」

「よ、宜しくお願いします……」

 

 那智の後ろにいた高雄がひょっこりと顔を出して三宅の顔を見るが直ぐに顔を引っ込めた。

 

「(牟田口の影響だろうな……)他に参加する者は?」

「昨日海上護衛に参加した駆逐艦三隻、軽巡五十鈴と木曾だけです」

「……それだけか?」

「それだけです」

「なら仕方ない。敵艦隊の数は?」

「偵察機より逐次電文が来ていますが軽巡二、駆逐艦六の艦隊です」

「偵察艦隊だな……那智を旗艦に出撃する。異論は?」

「高雄を旗艦にしないのか? 高雄型は旗艦機能がより重視されているぞ」

「高雄の状態からして当分無理だ。それとも旗艦は不服かな第五艦隊旗艦?」

「……面白い。旗艦になってやろう」

 

 三宅の言葉に那智はニヤリと笑い、海に飛び込んで軍艦形態に移行した。五十鈴達も同様である。三宅は那智に乗艦して出撃した。

 

「那智、水偵を出して敵艦隊及び周辺海域を捜索だ」

「分かった。高雄のも出させるか?」

「頼む」

 

 那智と高雄から零式水偵がカタパルトから発艦していく。

 

(さて、お手並み拝見といこうか提督?)

「対潜警戒をしつつ敵艦隊と接触する。合戦用意!!」

『総員戦闘配置、繰り返す総員戦闘配置――』

 

 艦橋のスピーカーから妖精さんの声が聞こえ慌ただしく妖精さん達が走り出す。

 艦隊が敵艦隊と接触したのは二時間後の事である。

 

『左舷に艦影!! 敵艦隊です!!』

「このままだと反航戦になるぞ?」

「……全艦右舷戦闘用意!!」

「了解した。右舷戦闘用意!!」

『此方偵察機、艦種確認。軽巡ホ級と駆逐イ級です』

「……アメリカのオマハ級軽巡とファラガット級駆逐艦か」

 

 日本が深海棲艦と遭遇する場合、第二次大戦時のアメリカ軍の艦船に似た艦艇と戦闘をしていた。逆にアメリカは旧軍の艦艇と戦闘している。(艦娘を保有していないアメリカはかなりの苦戦状態)何故嘗ての敵国だった艦艇なのかは未だに不明である。

 

「距離は?」

「左二十度、距離二万だな」

「艦娘の視力は良くて助かる。取舵」

 

 三宅は感心しつつ右手を振り上げて左に降ろす。

 

「とぉーりかぁーじ一杯!!」

 

 那智の艦体が右に傾斜しつつ左に舵を切る。それと同時に那智の前部三年式一号二十サンチ五十口径連装砲三基が右に砲搭を旋回していた。

 

『照準完了!!』

『距離一万七千!!』

「一万五千まで接近せよ」

「ヨーソロー」

 

 艦隊はゆっくりと敵艦隊に近づく。その間にも敵艦隊は砲撃を開始していた。

 那智の周囲にも着弾して水柱を噴き上げるが那智との距離は遠かった。

 

「次……次の次くらいだな」

「回避するか?」

「重巡の硬さを信頼しているよ」

「敵艦隊との一万五千です!!」

 

 妖精さんの報告に三宅は頷いた。

 

「よし、撃ちぃ方始めェ!!」

「撃ちぃ方始めェ!!」

 

 そして那智は砲撃を開始し、後続の高雄以下の艦艇も砲撃を始めたのであった。

 

 

 

 

 

 




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