『提督の奮闘記』   作:零戦

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水上機母艦若宮

 

 

 

 

 艦これをしていたはずなのだが目が覚めると、私は大洋に立っていた。しかも女性としてだ。

 

「……何なのよこれ……」

 

 口調も女の口調になっている。てか私は男だぞ。男で名前も……あれ?

 

「名前……何だっけ?」

 

 その時、頭が痛くなった。締められたような感覚だったが、ふと言葉が浮かんできた。

 

「……水上機母艦若宮……」

 

 ……それが私の名前……なのか……。てか若宮って日本海軍初の水上機母艦だよな、それに航空母艦にも籍を置いてたし。

 あ、一応言っておくが私はミリオタね。艦これする前からミリオタだから。

 

「取りあえず現状で判る事は……」

 

 ……うん、女だよなパツキンだし。オッパイあるし(Dくらい?)、男の象徴が無い。服装は……白黒のメイド服でところどころに武器が付いている。

 両腕にカタパルトが付いているし、腰に八サンチ高角砲が装着している。水上機は……。

 

「ハンザ式水上偵察機二機と一五式水上偵察機二機ね……」

 

 ハンザ式水上偵察機は元はハンザ・ブランデンブルク W.29なのよ。一五式水上偵察機は中島飛行機が開発した水上偵察機よ、生産数は八十機と少ないわね。

 

「四機だけ……まぁ元は輸送船だしね」

 

 若宮は英貨物船レシントンなのよ。日露戦争中に日本が捕獲して運用していたのよ。それで水上機母艦に改装されたわけ。

 

「現状は理解出来たけど……ほんと此処何処よ?」

 

 周りは海、海、海、海だし……。

 

「若宮さん若宮さん」

「ん? 貴女は?」

「一五式水上偵察機の妖精です」

 

 飛行服を着た妖精が私の肩にちょこんと立っている。間近で見ると可愛いわね。

 

「偵察機で辺りを偵察したいです」

「……そうね、お願いするわ」

「了解です!!」

 

 妖精さんはピシッと敬礼して一五式に乗り込んでプロペラを回し始めた。私は右腕を前に出すと水偵はガシュッと打ち出された。

 水偵は私の上空を一周回ってから北の方へ向かっていった。

 

「……貴女は南をお願いするわ」

「了解です!!」

 

 左腕のカタパルトで先程と同じ事をして水偵を出して水偵は南の方へ向かっていった。

 

「取りあえず貴女達は上空で警戒してね」

「了解っす!!」

「ポン六が増えるね」

 

 ハンザ水偵の妖精達もカタパルトで発艦して上空で警戒してもらう。潜水カ級がいたらヤバいよね私……。というよりこのカタパルト、呉式二号五型かしら?

 

「……暇になったわね」

 

 その時、私の御腹が鳴った。艦娘でも腹は減るのね。

 

「てか艦娘なのに冷静よね……」

 

 そういう仕様なのかしら? それよりもご飯ご飯……。

 

「……パンと水しかないわね」

 

 英貨物船だった名残かしらね。まぁあるだけマシよね。

 

『若宮さん若宮さん。此方北へ向かった妖精です』

「ん? どうしたの?」

 

 その時、無線から偵察に向かった妖精さんから連絡が来た。

 

『艦娘の艦隊を見つけました。艦種は駆逐艦四隻です』

「そう、悪いけど艦娘に事情を説明してくれないしら? それと若宮じゃなくてレシントンで説明してね。そちらに行くわ」

『判りました。そう説明します』

 

 それなら南に向かった妖精さんを呼び戻さないとね。

 南に向かった妖精さんを呼び戻して北へ航行したけど……脚が遅いわ。まぁ輸送船だから脚が遅いのは仕方ないわ、けど十ノットって……。

 

「ん~水平線上に何か見えてきたわね……艦娘かしら?」

 

 水平線上に何か見えてきたけどまだ見えないからもっと近づくしかない。最大速度の十ノットで漸く近くまで来れたのは二時間後の事だ。

 

「海外の艦娘さんですか?」

「えぇ、私は英貨物船のレシントンよ」

「吹雪です。宜しくお願いします!!」

 

 四人の艦娘のうち、主人公の吹雪がいた。吹雪も可愛いよね? 後の三人は白雪、初雪、深雪だった。

 

「気付いたら海にですか……」

「戦闘でドロップしたんじゃないのか?」

「多分そうですね。鎮守府に行きますかレシントンさん?」

「えぇ、お願いするわ。それと曳航してくれない? 流石に遅いから貴女達の負担になりそうだし」

「良いですよ」

 

 そして吹雪と白雪に曳航してもらい、十六ノットで鎮守府に帰頭した。

 

「貨物船がドロップするなんて珍しいわね」

「はぁ……」

 

 提督が女性で良かった……流石にセクハラをされたくないし……。

 

「速度の改装したら遠征してもらうわ」

 

 ……まさかのブラ鎮だったよこんちくしょう……。

 

「まぁ今日は鳳翔さんの店で飲むわよ」

 

 やけ酒でもしようかな……。鳳翔さんの店に行くと既に満員に近い状態だった。

 

「鳳翔、熱燗頂戴ね」

「あら提督。今日は早いのですね」

「新しい艦娘が来たからね。英貨物船のレシントンよ」

「どうも鳳翔さん」

「―――ッ!?」

 

 私が割烹着姿の鳳翔さんに挨拶をすると、鳳翔さんが持ってきた熱燗を床に落とした。

 

「ど、どうしたの鳳翔?」

「……若宮……姉さん?」

「げ……」

 

 そういや……鳳翔は日本初の航空母艦だから若宮の事は知っているはず……。

 

「若宮姉さん!?」

「おわっぷ!?」

『ファ!?』

 

 割烹着姿の鳳翔さんに抱きつかれた。ちなみに提督達は鳳翔さんのいきなりの行動に唖然としている。

 

「……会える日を楽しみにしていました……」

「……そう、鳳翔も楽しそうで良かったわ」

 

 私はそう言ってと鳳翔の頭を撫でる。鳳翔の目には涙が浮かんでいた。

 

「……あの、レシントンさん?」

「何ですか提督?」

「若宮って……」

「後の名前です。私は水上機母艦若宮なんです」

『ファ!?』

 

 その場にいた空母達は驚き私に敬礼をしてきた。いやしなくても良いよ……。

 

「名前を偽っていたんですか?」

「古い艦ですから戦闘には耐えられませんからね。だから日露戦争中の名前をね」

「日露戦争!? 金剛より古参じゃないの!!」

「若宮サーン、久しぶりデース」

「久しぶりね金剛」

「またティータイムしましょうネー」

 

 金剛とそのような会話をする。後比叡達もいた。てかそろそろ離して下さい鳳翔さん……。

 

「嫌です。久しぶりに会えたんですから」

 

 ……こんなキャラだったか鳳翔さんは?

 

「それでどうなるのかしら私は?」

「そうね、たまにの遠征に行ってもらうわ。行かせまくったら鳳翔さんに殺されるわ。大概は鳳翔さんの店でお手伝いをしてね」

 

 提督の後ろに弓を構えた鳳翔がいるしな。

 

「それじゃあ宜しくね若宮」

「水上機母艦若宮。宜しくお願いします」

 

 こうして私は鳳翔の店で働く事になった。

 

 

 

 

~~~後書き~~~

 

日本初の水上機母艦として若宮も書きました。実は若宮、空母籍も一時は置いていたんですよね。

英貨物船なんでメイド服でパツキンです。

若宮は第一次世界大戦で青島攻略の時に参加して搭載機がドイツ機と交戦し日本初の航空作戦をしました。

1931年に除籍して翌年の1932年に解体された。

 

 

 




鳳翔さんの姉的な存在ですかね。
御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m
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