インフィニット・エボリューション 最凶の二人の男と最凶の二体の星の狩人 作:武者ジバニャン
そして今回、漸くの変身回です。
今回も長いし、酷いですが、どうかご了承ください。
それではどうぞ。
前回、千冬とシスターの前に謎の怪人が現れた所から、物語が始まる。
???「いやぁー、正に聖母の鏡だねぇー。思わず俺、涙が流れたよぉー、ガチで...ハハハッ」
2人「っ!?」
千冬とシスター以外の声が教会内に響いた。そしてその方へ向くと、人間ではない者が参列席に寛ぐ様に座って居た。
???「感動的だったよぉー、だが.........無意味だ。フハハッ♪」
千冬「シスター!私の後ろへ「は、はい!」貴様は何者だっ!!」
千冬はシスターを下がれせ、目の前の者に対して敵意を向ける。その彼女からの敵意に、怪人は立ち上がって彼女たちにゆっくりとにじり寄ってくる。それに合わせて距離を離すつもりで千冬たちも通路口まで下がって行くが、怪人は距離を詰めてくる。
怪人「そんな怒ってると綺麗な顔が台無しだなぁ。もう少し可愛げを見せても罰は当たらんと思うがねぇ...」
千冬「残念だが、そういうのは惚れた男の前だけにしている。貴様のような薄汚い者には無いと知れっ!」
怪人「おうおう、凄いねぇ、恋する乙女は最強ってかぁ?流石は世界最強の女...ブリュンヒルデの織斑千冬。だがぁ....」
その瞬間、怪人は一気に距離を詰める為、ジャンプして襲いかかる。
千冬「シスター!!こっちへ!!」
シスター愛紗「は、はい!!」
千冬とシスターは全力で駆け出したお陰か、怪人の襲撃を躱して教会から通路へと走る。
2人が先ほどまで居た位置には怪人が立っており、その場が見事粉々になっている。そして二人の走る姿を確認した怪人は、不敵に笑い声を漏らしながらゆっくりと追跡を行う。
怪人「アハハハッ、大いに逃げればいい。ゲームは始まったばっかりなのだからなぁ...フフッ」
千冬「ハァ、ハァ....」
シスター愛紗「ハァ、ハァ、ハァ....千冬さんっ!どちらへっ?!」
千冬「秋邏兄さんの所に行きます!この騒動にまだ気づいていない筈、一刻も早く伝えて、皆で此処を逃げましょう!!」
シスター愛紗「は、はい!!」
千冬とシスターは全力で走り、秋邏と子供たちが居る教室まで向かっていた。そんな中、千冬はシスターの代わりに自分が殿で彼女を前へ行かせて、背後から怪人が追って来てないか、走りながら振り向いて確認する。どうやらまだ追いつていないようだが....。
千冬「(まだ追いつていない。だが何故だ?先ほどの跳躍を見た限りでは、奴の方が早いと思っていたが....)」
.....そう。千冬の見解は正しい...とその時である。
???「みーけったー♪」
千冬「な?!がっ!!」
シスター愛紗「っ!千冬さんっ!!」
怪人「あららぁ~、俺から逃げ切れると思ってた所、ごめんねぇ...フフッ♪」
突如、怪人が通路の窓から割って入り、素早い動きで千冬に何の抵抗もさせずに、彼女の首を片腕で鷲掴んだ。これには苦悶に満ちた表情を見せる千冬である。
しかしそんな状況に居る筈の千冬は、シスターに逃げるよう告げる。
千冬「シスタぁー!!にげてぇ!!」
シスター愛紗「そ、そんなぁ!!ダメです!!貴方を置いていけませんっ!!」
しかしシスターはそれを拒む。やはり修道女をしていた彼女に目の前の命を見捨てる事は難しい。
千冬「貴方が逃げて....ぐぅ!..秋邏..兄さんに....伝えて....がっ!!」
シスター愛紗「千冬さん!!」
怪人によってどんどんと真面に喋る事が困難になってきたようだ。その証拠に、彼女の表情が徐々に青くなってきて、今にも息を引き取りそうだ。
それを怪人は面白可笑しく口を開く。
怪人「あらあらぁwww?どうしたの~www?おいおいwwww天下のブリュンヒルデとも在ろう者がぁwww、まさかこの程度で死ぬのかぁwwww?」
千冬「き...きさ....まぁ....!」
苦しみながらも尚も敵意は消えておらず、怪人に屈しない証なのか鋭く睨む。しかしそれを嘲笑うように怪人は見下してくる。
怪人「確かぁ~、男と女が戦争をすれば、三日で女が勝つんだろうwww?それほど強いんだろうぉwwww?どうしたぁwwww?まさかISが無いと何も出来ないのかぁ~wwww?おいおいwww、そりゃあ無いよぉwwww」
千冬「がぁ....ハァ......ハァ....あ」
今にも死にかけの千冬、その時....。
シスター愛紗「はああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
怪人「ん?おっとぉ!!」
シスターが近くに在ったモップで武器として使い、怪人に攻撃する。その奇襲に怪人は回避したが、その動作に一瞬気を取られて千冬の首を絞める力を弱めてしまう。
そのお陰で千冬は間一髪助かった。
千冬「ガハッ!ごほっ!...はぁはぁはぁ」
シスター愛紗「千冬さん!!大丈夫ですか?!」
千冬「はぁはぁ...は、はいっ...ありがとう」
シスター愛紗「良かったぁ...千冬さん、私の後ろへ!」
シスターは千冬に背後にいるよう指示し、彼女は情けないと思いながらも後ろに下がった。それを確認するシスターが怪人に敵意を向け、モップを竹刀代わりに構える。
怪人「ありゃりゃ、怖いねぇ~、シスターwwwww」
怪人の態度を無視し、シスターは尚も千冬を守る様に怪人と対峙する。
シスター愛紗「黙れ外道!!貴様に掛ける慈悲は無いと知れっ!!」
怪人「おう!こっわっ!」
シスター愛紗「いざ、参る!!はああああぁぁぁぁっ!!」
シスターは一気に間合いを詰めて鋭く早い攻撃を仕掛ける。
シスター愛紗「ハァ!!でやぁ!!でぇい!!」
怪人「おうおう、中々に鋭い剣捌きぃ~、いいねぇwww」
シスター愛紗「その余裕が命取りだッ!!でやぁ!!」
シスターの攻撃に、怪人は紙一重で躱し続けるが壁に誘導され、最早身動き不可能。
怪人「あら?」
シスター愛紗「すきありぃ!!!ハアアアアアアアアアアァァァァァァァァ―――っ!!」
シスターの渾身の一撃が放たれる..........................が。
怪人「......バカが、この劣等種が」
その次の瞬間怪人の右手に持っていたのは、バルブが付けられた奇妙な片手剣...スチームブレード。それをもってシスターのモップを真っ二つに切り裂く。
千冬「っ!?なんだと?!」
シスター愛紗「そ、そんなぁ...!」
2人は驚愕するが、その間に怪人はシスターに近寄って命を奪うモーションに入る。
千冬「シスタァ!!!逃げてぇー!!」
シスター愛紗「あ....あぁ....」
しかし彼女は死の恐怖に囚われたかのように、満足に千冬の言う通りに動く事が出来ず、震えて立ち尽くすだけであった。
それに引き替え怪人は、先ほどのふざけた雰囲気が消え、代わりに異常な殺気を纏ってシスターを殺そうとスチームブレイド振り上げ...。
怪人「....死ね、この下等生物」
そのままスチームブレイドを振りかざすのだった。
千冬「シスタアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァ―――っ!!!」
シスター愛紗「っ!!(秋邏さんっ!!)」
???「それを貴様が決める権利はないっ」
怪人「なにっ!?グハッ!!!」
怪人の横から何者かが襲いかかる。それに対応できず、蹴り飛ばされて地面に転がってしまう怪人であった。
シスター愛紗「え?」
千冬「あ...あき....ら....兄さん」
2人の視界に現れたのは、秋邏であった。
シスター愛紗「秋邏...さん」
秋邏「...シスター、離れてください」
シスター愛紗「で、でも!子供たちは?!」
秋邏「...子供たちは、外に避難させてます。だから二人も逃げてください」
千冬「に、兄さんっ!そいつは普通じゃないんだっ!!いくら兄さんでも危険すぎるっ!!」
千冬は秋邏に駆け寄って、共に逃げる様促す。が、それを秋邏は断った。
秋邏「...ダメだ。こいつは間違いなく、俺たちを殺すまで諦めない」
秋邏の言葉に答える為、怪人は起き上った。
怪人「ああ、その通り。君らを殺すまでは諦めないよ~?」
秋邏「.....貴様、何者だ」
秋邏は射殺すような眼で睨みながら、怪人に問い質す。それに怪人は先ほどの殺気から、再びふざけた口調で自身の紹介をする。
怪人「おう♪これはすまないねぇ、俺の名は...ディザスター。英語で「災い」を意味する、以後よろしくぅ♪ま、君が生きていたらだけどねwwwww」
秋邏「...ふざけた奴だな。ただの糞な変態野郎だろうが」
秋邏の罵倒に困ったといった感じで、怪人...ディザスターは答えた。
怪人→ディザスター「侵害だなぁ...まぁ、行動変更。狙いは元から君だったからなぁ」
秋邏「...何?」
ディザスター「まぁ、今から君が俺の相手を務めるってことさ。でないと、後ろの彼女たちを.....フフッ」
スチームブレイドを千冬とシスターに向けて不敵な笑い声を漏らす。それに対して秋邏は明確な殺気を放ち...。
秋邏「...さっさと来い、屑が」
ディザスター「いいねぇ♪そういうの嫌いじゃない」
ディザスターに挑む体制に入る。そしてそのまま秋邏は千冬たちに逃げるように告げる。
秋邏「...千冬、シスター、2人はさっさと行けっ」
千冬「兄さんっ!!」
シスター愛紗「ダメです!!秋邏さん!!一緒に逃げてぇ!!」
秋邏「...逃げた所で無駄だ。こいつは俺を狙っている様だし、このままだと外に居る子供たちにも危害が及ぶ。それならば此処で此奴を足止める必要がある。大丈夫だ、必ずそっちへ合流する.....約束だ」
千冬「兄さん...」
そう安心させるかのように千冬に向けて微笑を見せる秋邏。そして直ぐにその顔が険しく変わり、彼の声が木霊する。
秋邏「行けっ!!」
千冬「兄さん....くっ、シスター!!行きましょう!!」
そう千冬は噛み締めながら、シスターの手を掴みその場を後にしようとする。そんな千冬に連れてかれながらにシスターは涙ぐみ叫ぶ。
シスター愛紗「秋邏さぁんっ!!!」
2人が逃げて行くのを確認した秋邏は、再びディザスターに対峙する。
ディザスター「いいねぇ~、カッコいいねぇ~。正に正義のヒーローって奴だぁ♪ハハッ♪」
秋邏「...ミッ○ーマウスみたいな笑い方はやめろ。吐き気がする」
ディザスター「えぇ~、俺これ気に入ってるのになぁ~......まぁ、いいか。始めよう」
秋邏「.....」
無言で両の拳を構える秋邏。それに対するディザスターはスチームブレイドを携えて、いつでも攻撃を行える体制に入る。
ディザスター「俺の期待通りに動いてくれよぉ?....秋邏」
秋邏「気安く、俺の名を.....呼ぶなぁ!!!」
秋邏が飛び膝蹴りを繰り出した瞬間、戦いが始まった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
秋邏がディザスターと戦闘を行っている中、エボルトは漸く教会にたどり着いた。
エボルト「はぁ...はぁ...あの糞犬に、この俺と在ろう者が.....ん?何だ」
教会の外に避難している子供たちの姿を確認する。
エボルト「何だぁ?って、一度身を変えて状況を探るか」
このままでは自分の姿を見られるのは不味いと感じたのか、エボルトは自身の体を液体状に変えて、バレない様に子供たちの近くに寄る。
エボルト「(ここが
そのまま子供たちと合流した千冬とシスター。
「シスター!!」
シスター愛紗「皆!無事だった?!」
「「「「「「はい!!」」」」」」」
千冬「良かったぁ....」
子供たちの無事な姿を確認した千冬は、皆の顔を見ていた......が。
千冬「あれ?...レナちゃんは?!」
シスター愛紗「え?!皆!レナは何処行ったの?!」
「え!?さっきまで居たのに!!」
「そう言えば、さっきまで“秋邏先生が居ないって”ぐずってました!まさか...」
子供たちの話しに、千冬とシスターは青ざめながら教会の方へ向く。きっとレナは秋邏を探す為、幼い体で入って行ったに違いない。
シスター愛紗「....千冬さん、子供たちをお願いします!」
千冬「待ってください!!危険です!!私が行きます!!ですからシスターは此処で...!」
シスター愛紗「レナは私にとって大事な子供の1人なんです!!私が助けに行きますっ!!」
千冬「待ってっ!!シスター!!」
千冬の制止を無視して、シスターは衝動的に教会の方へ走って向かったのだった。これに放っておけないと千冬も後を追いかける為、子供の1人に自身の携帯電話を貸す。
千冬「これで警察に電話するんだっ!出来るな?」
「うん!!」
「でもお姉さんは?!」
千冬「私はシスターとレナちゃんを助けに行くっ!」
そう言い残し、千冬もまた教会の方へ走って行く。これを見ていたエボルトは.....。
エボルト「(どうやら、今秋邏はとんでもない状況に居る様だ。だが一体、どんな.....っ!!まさかネメシスの奴!!先手を討って来たのか?!糞がぁ!!何がルールだぁ!!ふざけるな!!漸く見つけた奴を此処で殺されて堪るかぁ!!!)」
エボルトも教会の方へ向かう為、子供たちや千冬にバレないように教会内部へと侵入するのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その頃...教会内部では...。
秋邏「ウオオオオオオオオォォォォォっ!!!」
秋邏は素早い動きからの1、2と、パンチを繰り出し、ディザスターにそれを躱された瞬間の擦れ違いからの回し蹴りを食らわす。
ディザスター「がぐっ!!ぐうっ!!」
これが見事顔面に直撃し、ディザスターは壁に激突する。しかしこの状況、今とてもあり得ない形で白熱している。生身の人間が、怪人相手に素手で圧倒しているのだ、これは異常どころか尋常ではない。
壁に激突し、少しよろめくディザスターに秋邏は反撃の機会など与えない為、再び攻撃を仕掛ける。
瞬時に奴の、宇宙服みたいなボディの胸倉を掴み、そのまま奴の顔面に何度も拳を叩きつける。
秋邏「ヌオオオオオオオオオオぉォォォォォっ!!!」
ディザスター「がはっ!!ぐふっ!!...フフフフッ!いいぞぉ!!素晴らしい!!これほどとはぁ!!」
しかしディザスターは嬉しいのか、秋邏の超人的な身体能力、戦闘力に一方的に攻撃を受けているにも関わらず、歓喜の声をあげる。
ディザスター「やはりお前は、予想以上の力を見せてくれる!いいぞぉ!!アキラぁ!!」
秋邏「だまれぇ!!ウオオオオぉぉっ!!!」
ディザスターに向けて更なる拳をぶつけようと振りかざすが、ディザスターはそれを受け止めて逆にカウンターを秋邏に打ち込む。
これには堪らず、吹っ飛んで今度は自分が壁に激突する。
秋邏「がっはっ!!!ぐう!!」
形勢逆転...ディザスターは秋邏を見下ろす。
ディザスター「まさかこれ程までに、お前は成長していたとはな...流石だ秋邏」
秋邏「ぐっ...はぁ...はぁ...何を...?」
ディザスターが吐く言葉の意味がサッパリ理解出来ずに居る秋邏は、自分の体を支え何とか立ち上がる事と、どうすれば良いかとしか頭に入っていない。
ディザスター「お前は自分の価値というものを、まだ理解していないのか....ならば、俺と来い秋邏」
突然、ディザスターが秋邏に手を差し伸べる。このいきなりの意味不明な行動に、秋邏は理解に苦しむ。
秋邏「はぁ...はぁ...なんだと...?」
ディザスター「お前は本来、こんなくだらん場所に居るべき者ではない。お前はもっと最上位の存在なのだ!だから俺と来い秋邏!そして共に世界を滅ぼし、【ニューワールド】を築こうじゃあないかぁ!!」
両腕を天に掲げる様に高らかに豪語するディザスターに、秋邏は.....。
秋邏「....そうか、だったら俺の答えは....これだ」
ディザスター「.......ほう?」
ディザスターに見せた答え.....それは奴の視界にハッキリと見える様に拳を翳し、中指を突き立てる。
ディザスター「......」
秋邏「ハッキリ言おう....糞喰らえ」
ディザスター「.................」
ディザスターは秋邏に対して、無言で顔目掛けて強烈な蹴りをお見舞いする。そしてそのまま仰向けなったところを片足で踏みつけ抑え込む。
秋邏「があっ!!がはっ!!」
ディザスター「調子に乗るなよ?分を弁えろ」
秋邏「が....あぅ....はぁ..はぁ.....」
ディザスター「....はぁ、もういい。ガッカリだよ、秋邏」
そしてディザスターが秋邏の目の前でトランスチームガンを構え、その銃口を自分の足下で苦しんでる秋邏の顔面に向ける。
秋邏「ぐっ!!」
その時である。
「あきらせんせー、どこぉー?」
ディザスター「ん?」
秋邏「なっ!?レナっ?!」
レナ「あ!あきらせんせー、いたぁー♪」
そこに現れたのは、あどけなく無邪気に秋邏の方へヨチヨチ歩きで向かってくるレナであった。それを見たディザスターは不敵な笑い声を吐く。
ディザスター「フフッ...秋邏、今からお前に“最悪の贈り物”をあげよう。絶望という贈り物を....ハハッ♪」
奴の言葉に直ぐに秋邏は理解し、自分の体を尚も踏みつけて押さえつけてる足を退かそうと猛烈に足掻く。
秋邏「やめろぉ!!どけぇ!!やめろぉー!!!」
ディザスター「ム・リィー☆じゃあお別れだぁ♪」
ディザスターはトランスチームガンにボトルを差し込む。
秋邏「よせぇーっ!!」
レナ「せんせー?」
ディザスター「ハハッ♪」
レナは幼いなりに感覚で理解したのか、自分に銃口を向けるディザスターに対して後ずさる。が、最早間に合わない。
秋邏「レナァ―っ!!逃げろぉ―――っ!!!!」
ディザスター「ハハッ♪....死ね」
そして、トランスチームガンの銃口から放たれたエネルギー状の弾丸が吸い込まれる様に、レナ目掛けて一直線に向かっていく。
.....だが。
秋邏「え...?」
ディザスター「はぁ?」
千冬「はぁ!はぁ!あ!!.....え?」
レナ「...しすたぁ?」
レナは無事だった、なぜなら....。
シスター愛紗「...っ...よ、かったぁ....れ..な....怪我は、ない?」
間一髪レナを庇う為、彼女を包み込むように抱きしめ盾になったのだ。しかしその代償に、シスター自身の命はもう.....。
それを見た秋邏は....。
秋邏「う、ウオオオオオオオオオオオオォォォォォォォーーーっ!!!」
ディザスター「ぐっふ!!」
強引にディザスターの拘束を解いて、そのまま奴を蹴り飛ばし、シスターの下へ駆け寄るのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
現在、エボルトは教会内部に侵入し、秋邏の生体反応を追って向かっている。
エボルト「たくっ、何だってこの俺がこんなコソコソと....これも全部、ルールとか言っておきながら卑怯にもこっちがまだコンビを組む前のパートナーを潰しにきやがったネメシスの糞の所為だ!!」
そう愚痴りながらも目標の場所に近づきつつあった。そして...。
エボルト「ふぅー、何とか気づかれず侵入できたが....ん?ありゃあ....」
現場にたどり着いたエボルト。しかし彼の視界に映ったのは.....。
【イメージBGM:仮面ライダー龍騎BGM:クライマックス10】
ディザスターの攻撃で瀕死の重傷を負ってしまったシスターに駆け寄り、声をかける秋邏たちが居た。
千冬「シスター!!」
レナ「しすたぁ!しすたぁ!」
シスター愛紗「はぁ..はぁ....はぁ」
秋邏「シスター!だめだぁ!!しっかりしろ!!」
秋邏に抱き抱えられたシスターは、もう虫の息であったが、しかしレナの無事な姿に苦しみながらもそれ以上に嬉しさが勝ったように笑みを溢す。
シスター愛紗「レ、ナァ...よかったぁ.....無事で....」
レナ「しすたぁ!」
幼いレナには今のこの状況に付いて来れないという思いで涙が溢れていた。
シスター愛紗「だい..じょう...ぶだからね....もう....」
シスターなりに心配を解こうと伝えようとするが、それでもう体が思う様に動かない。そんな彼女の姿に、千冬もまた涙を堪えきれない。
千冬「シスター...っ..どうして..こんなぁ!...ううっ....」
シスター愛紗「はぁ....っ...ち、ふ..ゆ...さん.....」
千冬「シスタァ!!」
自分を呼ぶ声に千冬は彼女の手を取る。
シスター愛紗「ちふ..ゆ、さん....どうかこの子を....」
千冬「シスタァ.....」
レナ「しすたぁ!」
シスター愛紗「おね....がい....」
彼女の頼みに、千冬は涙を流しながらもレナを抱き寄せる。それでもレナは未だ泣き止む事が出来ず、尚もシスターに叫ぶ。
レナ「しすたぁ!レナもいっしょにいるっ!!」
シスター愛紗「ごめん...ね?....レナと一緒に....いられ...なくて....」
レナ「しすたぁ!」
シスターはそのまま秋邏へと視線を変える。
シスター愛紗「あき..ら...さん.....」
秋邏「っ!シスター!!」
シスター愛紗「秋邏...さん....どうか.....憎しみで..心を...すてないで......」
彼女は僅かな力を振り絞って、自身の手を秋邏の頬に触れる。秋邏はその手を強く掴み、決して離さない。
秋邏「だめだ...」
シスター愛紗「秋邏...さん...」
秋邏「だめだっ!!やっと!やっと君は此処で、子供たちと言う希望を見つけたばかりなんだぞ!?それなのにこんな...!!」
彼の言葉に、千冬は気づいた。
千冬「兄さん....やっぱり彼女の事を覚えて.....」
秋邏「“辛い時こそ顔をあげるんだ。地べたに希望は転がってないっ!!”」
彼の悲しい叫びに、シスターは嬉しそうに言う。
シスター愛紗「やっぱり....私..のこと.....覚えて...て...くれて...たんだ...」
彼女に答えるかのように、秋邏は何度も首を縦に強く振る。
秋邏「ああ!!だからこれからも...ここでぇ!!愛紗ぁ!!」
シスター愛紗「うれ...しい...あき...ら.....」
秋邏「っ!」
千冬「シスタァ!!」
レナ「しすたぁ!」
人の命とは何と儚いのか。
人の命とは何故こんな単純に失うのか。
人の命とは何故こうも理不尽に奪われるのか。
彼女はただ愛する者を救おうとしただけなのに。
彼女はただ誠実に、何処にでも居る優しい女性だと言うのに。
彼女はただ心に、仕舞っていた嘗ての淡い想いを胸に抱いて居ただけだと言うのに。
彼女はただ...幸せに生きようとしていただけだと言うのに....。
その彼女の体から温かさが無くなり、今はもう...冷たくなってしまった。そして.....。
秋邏「.....あ...あああ.....ウオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛――――――――っ!!!!」
彼の、秋邏の悲しい咆哮が建物内部に木霊する。
千冬「兄さん....」
そんな彼らに.....。
ディザスター「ちょっとさぁー、長すぎじゃね?このくだらねぇお涙頂戴シーン...糞くだらねぇよ」
秋邏「....なに」
ディザスター「これがもし小説とか映画だったら、俺はこんな感想をだすねぇ...“所詮登場キャラが1人くたばったってだけだろうが”ってなぁwwwwwwww」
ディザスターの下衆な発言に、秋邏と千冬は凄まじい怒りを露わにする。
千冬「貴様!よくも!!」
ディザスター「何を怒っている?いいか!お前らはただ踏みにじられていれば、それでいいんだよ!お前らはその程度の価値しかない....蟻だ」
千冬「きさまぁ!!!」
ディザスターの発言に最早ただ怒りだけが募る千冬、そんな彼女に秋邏が....。
秋邏「.....千冬、レナを連れて逃げろ」
千冬「兄さんっ!!何を「このままレナを巻き込んで死なせるつもりかっ!!」っ!?」
レナ「ぐす....おねえちゃん?」
千冬はレナの顔を見て、自分が如何に冷静さを無くしていたか気づくが、秋邏に共に逃げる様告げる。
千冬「だったら兄さんも逃げよう!!このままでは兄さんも死んでしまう!!」
千冬の提案に、秋邏は静かに断る。
秋邏「....いや、俺はコイツを野放しには出来ない」
千冬「兄さんっ!!」
秋邏「安心しろ...こいつを倒す方法が一つだけある」
千冬「兄さん...」
悲しみの表情を浮かべる千冬。レナもまた千冬につられてまた涙を流しそうになる。
レナ「ぐす...せんせー」
秋邏「信じて待ってろ...千冬」
この状況下で見せる彼の笑みに、千冬はもう秋邏の言葉を聞いてレナと共に脱出するしかない。故にレナを強く抱き上げ、立ち上がる。
千冬「兄さん....必ず、帰って来てくれっ!」
レナ「せんせぇ!!」
そう言い残し、彼女はレナを連れて脱出する。もう此処に残って居るのは秋邏とディザスター....。
秋邏「.....」
ディザスター「ハハッ♪秋邏ぁ♪悪い事は言わない。今からでも俺と共に来い」
秋邏「...言った筈だ。糞喰らえ」
ディザスター「...はぁ、仕方ない。やはり殺してでもお前を連れて行くしかないか...それに“方法”って奴も無そうだしなぁ」
秋邏「.....」
ディザスター「この状況で、俺に勝てる可能性なんて「在るぞ」ん?誰...貴様」
ディザスターのセリフに割り込む第三者の声。
秋邏「...やっぱり来ていたか」
秋邏とディザスターの視界に現れたのは蛇ような怪人...エボルトであった。現れた彼はそのまま、シスターの亡骸を静かに置いた秋邏の隣に並ぶ。
エボルト「....」
秋邏「...てっきり奴に付くのかと思ったんだが...」
エボルト「冗談言わんでくれ。俺にだって吐き気を催す程の物がある」
秋邏「...それは?」
エボルト「俺以上の外道、ゲス」
秋邏「...フッ、そうかい」
互いの顔を見ずに喋る2人。その中でエボルトが切り出す。
エボルト「正直に言おう。ネメシスとのゲーム、勝った方が地球を滅ぼしても良いと言う権利がある」
秋邏「....そうかい」
エボルト「....だが」
秋邏「?」
エボルト「もう...それがどうでもいいと思えてきた」
秋邏「お前...」
エボルト「...秋邏...お前がもし、その気が在るのなら言っておく、俺の力は全てを滅ぼす。その所為で世界中がお前を敵と見なす可能性が...「だとしても....俺は止まらない」...秋邏」
秋邏「...俺は別に正義のヒーローを気取るつもりや、皆を守るなどと言った糞な綺麗事を言うつもりも無い」
エボルト「...秋邏」
秋邏の瞳には何の躊躇いや迷いと言った物が無く、在るのはただ一つ。それは.....。
秋邏「この世に、悪でしか殺せない悪が在るのならば....俺はそれら全ての悪を皆殺しにする邪悪と化すっ!!」
ただ眼前に居る“悪”を殺す為に....。秋邏の覚悟を見たエボルトは、最早語るまいと決意する。
エボルト「秋邏、今から俺はお前の体に同化する。そして俺の力、パンドラボックス、フルボトル全てをお前の好きに使え」
秋邏「分かった」
エボルト「行くぞ...秋邏」
秋邏「ぐっ!!」
エボルトは秋邏の体の中へと溶け込こみ、その影響なのか、秋邏の髪が白髪と化し、両眼も真っ赤な血のように染まっていた。それに対してディザスターは喜びだした。
ディザスター「おー!遂に!!」
秋邏「..........行くぞ」
その瞬間、秋邏の手に赤・青・黄色を基調とし、レバーような物が付けられているベルト....エボルドライバーが在る。そして一気に腰に翳した。
エボルトの渋い声が響くと、同時にアジャストバインドにによって巻かれる。
そして次に、蛇のマークが入った赤いボトル...コブラエボルボトルと、歯車のマークが入った黒いボトル...ライダーエボルボトル。二つのボトルを上下に振り、振ったのち蓋の部分...シールディングキャップを回して、それらをドライバーのボトルスロットへと差し込む。
秋邏「.....」
秋邏は無言でベルトに取り付けられているレバー...エボルレバーを回し始める。クラシックを感じさせるBGMが其の場全体に流れ、その次、秋邏の前後に、高速ファクトリー展開装置....エボルモジュールが展開され、更にレバーの回転を利用してボトルをシェイクし、ボトル内の物質...トランジェルソリッドをドライバーに取り込み、そこから変身用のボディが形成される。
そして.....。
秋邏「......」
それに答える前に振り向き、後ろにあるシスターの亡骸を見つめたが、それからまた前へと向き直し......。
秋邏「...変...身」
彼が口にした時、前後のハーフボディがスライドして秋邏の体と一つに重なり、新たな姿に形成される。
COBRA!COBRA!
EVOL...PHASE1
その時、変身の余波なのか、周りの物を吹き飛ばし爆発させ辺り一面を火の海と化す。その光景にディザスターは歓喜の声をあげる。
ディザスター「凄い!!まさかこれ程とはぁ!!秋邏!!やっぱりお前は最高だぁ!!ハハハハハハハハハハハハハッ....ん?」
ディザスターは笑うの止め、前方の存在に気付く。そこには.......。
【イメージBGM:仮面ライダーアマゾンズ主題歌:Armour Zone】
その者、両肩や頭部、胸部などに天球儀、星座盤などと言った宇宙に連想する器具をモチーフしたかのようなボディ。
マスクは牙を剥いたコブラのデザイン。
複眼は血のように赤く、形状は口を開き舌を出して蛇の横姿を写しだしている。
その禍々しい程の戦士は周りの炎をモノともせず、ゆっくりとだが確実に殺すべき対象の前まで力強く歩き、ディザスターの近くまで立ち止まる。そして、その凶戦士..仮面ライダーエボルの姿に、迎え撃つディザスターはこう言った。
ディザスター「ハハッ♪...生誕、おめでとう♪....エボル!」
仮面ライダーエボル「......」
今此処に最凶の凶戦士の戦いが、始まる.....。
今回も酷い出来で、大変申し訳ありません。ですがこんな作品を見て下さると嬉しいです。
次回....闘い。