歳星
クタン参型に括り付けられたバルバトスとザクは現在イサリビに向けて順調に進んでいた。
もっともザクはクタン参型との操縦の同期が出来ないのでパッドを用いて操縦している。
「あれがイサリビだな……っお?」
イサリビのブースターを確認した後、そのはるか奥で何か4つ程のMSのブースターが瞬いているのが見えた。
「ありゃどう見ても訓練じゃないな。三日月ィ‼」
「解ってる。おやっさんこのまま突っ込む。これのコントロール、そっちに返すね」
「はあ!? おめぇ何言って……操縦なんか! ……ぐォおおぅぅう‼」
マサキの方もクタン参型のブースター出力全開で向かう。
◇◆◇◆◇◆◇
「おい……うそだろ……ペドロが……」
マンロディのコクピットを的確に太刀の一突きで仕留めた化け物MSにブルワーズのヒューマンデブリは怒りを露わにする。
そのまま怒りに任せてサブマシンガンを乱射しながら接近していくが、ペドロ機を盾にされた挙句ペドロ機を投げられ跳ね飛ばされる。
「なっ! くそっ! ……なっ‼」
「ビトー!!!」
パージしたマサキの乗ってたクタン参型が全速力でビトー機に激突し大爆発を起こす。
「なんだコイツ、ゴッグみたいだけど!」
クタン参型の質量でマンロディの胴体は押しつぶされていた、この様子では即死だろう。
「ビトォー!!!」
「昭弘とタカキは一度イサリビに戻って、残りは俺達がやる」
「すまねぇ‼」
◇◆◇◆
「ビトー‼ペドロー‼うわぁぁぁ‼‼」
襲撃してきたMS隊を二人総出でたこ殴りにして撃破後、昭弘と合流する。
その時であった。
「このクダル・カデル様とグシオンをなめるんじゃないよ~!」
カエルみたいな奴がゴッグ擬きを2機引き連れて昭弘に襲い掛かってくる。
「何だあいつ‼」
「あのガキども! 揃いも揃ってやられやがって! お前らはそのまま、あいつの相手は俺がする!」
至近距離でのミカの砲撃にもビクともせず高速で迫るそいつはミカの間合いに入るとグシオンハンマーを振りかぶる。
「くッ! コイツ……邪魔だッ マサキは先に昭弘の方に行って」
「了解!」
「行かせはしない……ッ!」
グシオンがザクに行こうとすると、バルバトスが太刀で切り付けてくる。
「ちいッ!」
「お前らに手出しはさせない……」
バルバトスとグシオンは睨みあった後、戦闘に入った。
◇◆◇◆
「2対2……いや、昭弘はタカキを守ってるから1(&目標護衛)対2か」
ザクはブースター全開で昭弘を追いかけ、前方に三つの光点が映る。
「捉えたッッ‼」
マサキはマシンガンをデルマ機に向け撃つ。
「畜生後ろにいたのか! 昌弘はグレイズを! 俺は後ろの奴をやる!」
「わ! わかった!」
デルマは反転し、マサキへ突撃する。
マンロディは背後から一撃で仕留めるべくスモーク弾を撃ち込んだ。
「煙幕だと! このまま突っ切る!」
しかしマサキは煙幕に入るや否や加速する。
「馬鹿な! こんな何も見えない所で加速するなんて!」
濃いスモークの中を加速していくザクをデルマは見失ってしまう。
「畜生、見失った! 気を付けろ昌弘!」
◇◆◇◆
加速し続けるザクはスモークから抜け出し、昭弘を追いかけるマンロディを見つける。
「待ちやがれこのォ!!!」
「くそォ! デルマは仕留め損ねたのか!」
マサキはさらに加速しマンロディを射程圏内に捕らえ、マシンガンを撃ち込むとマンロディのブースターから煙が噴き出し始めた。
「なっ! ブースターがやられた!」
一つのブースターの急激に出力が下がり、暴走を抑えるために機体全体の出力が下がってしまう。
「このままじゃあいつに追いつかれるッ!」
「うおおおおおッ!」
一つ目のMSが光る斧を振り回しながら迫る。
昌弘は今も宇宙の何処かで泥を啜ってでも生きているであろう兄よりも、先に死ぬ事に申し訳なさを感じながらもペドロ達と一緒にこの生活を終われる事にどこか安堵していた。
「昌弘ッ──ー!」
「……ッ! デルマ!」
オーバーヒートギリギリまで吹かしこんだデルマのマンロディが横から割り込んで、昌弘の手を取り離脱した。
「昌弘! 無事か!」
「あ! ああ、だけど!」
後方からは一つ目、前方は新たに二機の新手が迫っており、クダルは旗色が悪いと判断したのか信号弾を撃ち出した。
◇◆◇◆◇◆◇◆
遠ざかる機体を見ながらマサキは呟く。
「逃げたか、仕留め損ねたなぁ! 昭弘、タカキは……」
「マサキさん! 俺なら大丈夫です!」
少し苦しそうだが元気なタカキの声が返ってきた、MWなのに急な加速であばら数本いかれてるのではないか?
◇◆◇◆イサリビ◇◆◇◆
タカキを医者に渡した後、襲ってきた奴らについて会議が開かれた。
「海賊? ブルワーズ?」
マサキは艦首に髑髏を携えた巨大な宇宙戦艦を思い浮かべる。
「アミダさんによるとブルワーズが奇襲をかけてくると予想されるポイントはここ。厄祭戦のときに放棄されたモビルスーツや船の残骸が密集しているデブリ帯の中に回廊状の抜け道があるんです」
兎に角エイハブ・リアクターという万能重力装置が戦争後回収されず放置されている為出来たデブリ帯に潜んでいるという。
そのままデブリに巻き込まれて星の屑になりゃいいのに。
「本当なら三日月とラフタさんが注意を引きつけている間に、船内に入り込んで制圧するのが定石ですが……」
そういうとビスケットはマサキのほうを見る。
「ハン?」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「成程ね」
眼前では丁度、化けガエルとバルバトスが相対していおり、アミダはイサリビの直掩に、ほか三人もブルワーズ相手に大暴れ。
シノ達も敵本船に乗り込む頃合いだろう。
マサキは極力目立たぬようにエアーのみでブルワーズ本船に前進する。
……デリアって女を手に入れりゃあ勝ちなんだ! こっちは船に取りついたヤツらの相手をする。お前は外からヤツらの船を潰せ!」
カバヤンはクダルに命令すると、船内のモニターを確認する。
「くっそ~。とっとと始末しろ……えッ……」
カバヤンは余りの光景に絶句する。
眼前に真っ赤な目玉が現れたと思うや、MSが現れバズーカを艦橋に突き付けて接触回線で話しかけてきた。
「今ここで我々に降伏しなけりゃお前らをここで吹き飛ばす!」
「いいんか!艦橋ひっこめるそぶりしたら撃つぞ」
みたいなことしようと思ったらそうだよな、襲撃してきた時点で閉じるよな・・・