ザクが征く!!鉄血のオルフェンズ   作:イブ_ib

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クランクニーをどうにかして生存させたいんじゃ!


グレイズ1機確認

「さぁさぁ!片付けた!片付けた!」

 

1軍だった野郎供が、持てるだけの荷物を持ち出て行く準備をしていた。

 

ゾロゾロと荷物を持って出て行く中、マサキは部屋の中で寝ているトドの元に向かう。

 

「よぉ、トド。」

 

「お、おう、どうしたんだ?」

 

「どうせお前も出て行くんだろ?荷物少なくしてやるよ。そう言う訳で酒くれ。」

 

「へっ!何でそうなるんだ、俺は残る事にしたぜ」

 

「何だ意外」

 

そう言いながら酒をくすねそこねたのを悔しがった。

 

◇◆◇◆◇◆

 

「コイツはどうしたもんかな・・・」

 

雪之丞はザクを見上げ、悩んでいた。

 

このMSは兎に角分からない事が多すぎる。

 

今は機内にあった整備マニュアルを見て最低限の出来る事はしているが、本格的な整備となると完全にお手上げだ。

 

「しかも小型核融合炉だ、流体パルスだ。訳分からん単語ばかりで頭がいてぇ」

 

とにかくネジは共通規格だったのは幸いだった。

 

マサキは一部の装甲を外して火星の赤い砂を掃き出していた。

 

ザクは地上戦では流体パルスのパイプが外れようが水に浸かろうが、割と平気で動いていた為、多少乱暴に扱っても大丈夫なのだろう。

 

それよりもマサキが気になったのは戦利品で取ったグレイズのマシンガンにバトルアックスだ。

 

マシンガンは、先程の戦いでMSには全く意味が無かったのが分かった為、バトルアックスを多用する事に決めた。

 

ヒートホークも消耗品なのであまり使いたくなかったのだ。

 

 

「・・・とまぁこんなもんだろ」

 

掃除を終えたマサキは機体から降りる。

 

その時だった。

基地全体にスピーカーから監視班の報告が響く。

 

『監視班から報告!ギャラルホルンのモビルスーツが1機、えー・・・赤い布を持ってこっちに向かってる!』

 

 

向こうの方から赤い布を肩に掛けたグレイズが1機、こちらに向かっていた。

 

「何なんすか、あれ」

 

「ありゃ決闘の合図だな」

 

「決闘?!」

 

 

『私はギャラルホルン実働部隊所属、クランク・ゼント!そちらの代表との1対1の勝負を望む!』

 

「ヘェ〜このご時世に決闘ね、騎士道精神って奴か」

 

「厄祭戦の前は大概のもめごとは決闘で白黒つけてたらしいが、まさか本気でやってくるやつがいたとはな・・・」

 

『私が勝利したなら、そちらに鹵獲されたグレイズと、そしてクーデリア・藍那・バーンスタインの身柄を引き渡してもらう!。勝負がつきグレイズとクーデリアの引渡しが無事済めば、そこから先はすべて私が預かる。ギャラルホルンとCGSの因縁は、この場で断ち切ると約束しよう!』

 

「?、此方が勝ったらどうするんだ?」

 

「さぁな、向こうが勝ったら勝ったで本当に因縁を断ち切れんのか?」

 

「実働部隊隊長ってんだから、少尉中尉って所でしょ。現場指揮官が上層部の事に口出し出来んのかな?」

 

(少尉?中尉?)

 

雪之丞は聴きなれぬ単語に疑問を抱く。

 

 

「朝駆けしといて何言ってんだか。

なんかもうあやふやだな、直接聞くか」

 

既に下にはクーデリアやオルガ達がおり、どうなるか見守っている。

 

監視塔を上がったマサキは、監視員からマイクを奪い、クランクとか言う男に話しかける。

 

 

『えー、あー、そちら側が決闘したいと言うことは分かった、だが此方が勝った場合どうするのか?それが知りたい』

 

 

暫しの沈黙

 

 

『・・・わかった、俺の命、そしてこのMSをそちらに渡そう。』

 

 

まぁ、充分納得のいく条件だろう。

 

 

『良し、その条件でいいだろう』

 

 

そしてマサキは外にいるオルガに向けて叫ぶ。

 

「オルガー!この勝負自分が出ていいかーーー!」

 

「!」

 

「ミカ、マサキに任せちまっても良いか?」

 

「ん?俺は別に良いよ」

 

 

「わかった、それじゃマサキ!頼んだ!」

 

 

「おう!」

 

するりとザクに乗り込み起動する。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

今荒野では2機のMSが対峙していた。

 

肩に赤い布を纏った四角いモビルスーツ

 

もう一方は、

 

一切情報の無い未知の丸いモビルスーツ

 

 

『ギャラルホルン火星支部実働部隊!クランク・ゼント!』

 

 

『え、あぁ、ジオン公国宇宙攻撃軍ソロモン防衛隊 サヤマ・マサキ!』

 

お互いバトルアックスを構え、スラスターに火が入る。

 

 

『参る!』

 

 

『ザク発進!』

 

 

【挿絵表示】

 

両機一斉に飛び出し、バトルアックスどうしがぶつかり火花を散らす。

 

 

『どおりゃ!!』

 

ザクは数回斧を叩きつけるが、それをグレイズは盾でいなす。

 

そしてまた数回斧どうしでの打ち合いが行われた後、ザクが隙をつきグレイズの

両腕を掴み動きを封じる。

 

 

『このザクに取り押さえられては手も足も出まいてぇ!!』

 

 

押さえ込まれている間もグレイズは足とスラスターを使い、ザクのバランスを崩そうと仕掛けて来る。

 

 

『この声、あの時の白いMSの子供では無い、貴様大人か?!』

 

『あ?あぁ!ピッチピチの23だが?!』

 

 

『ならば問おう!何故あのような少年を!この様な危険な戦場で戦わすのだ!?』

 

 

クランクの問いは、地球で普通に学校に通い、人並みの家庭で育った人ならば当然とも言えるものであった。

 

コロニーの中流家庭で生まれ育ったマサキも、ここに来たばかりの時は同じ疑問を抱いたものだ。

 

 

『俺が無理矢理戦わせてんじゃない!

ああでもしないと仕事が無い!生きてけないんだとよ!』

 

そう叫ぶと、ザクは右手を放すと握り拳で胴体を殴り付ける。

 

『何だと?・・・・、ゔっっ!!!』

 

凄まじい衝撃がグレイズのコックピットに伝わり、クランクは激しく揺さぶられる。

 

『ぬぅ!』

 

そして足を払われ盛大に地面に叩きつけられるグレイズ、衝撃で赤い砂がモウモウと舞う。

 

その時グレイズの斧が吹き飛び、観戦していたオルガ達の側に落っこちてきた。

 

「うわぁ!!」

 

「ひぇ〜え!」

 

周りの少年兵達は叫び驚くが、オルガは全く動じずに真っ直ぐ前を見つめ、こう呟いた。

 

「鉄華団」

 

当然出て来た言葉にクーデリアは反応する。

 

「え?」

 

「俺たちの新しい名前・・・CGSなんてカビ臭い名前を名乗るのは癪に障るからな」

 

「テッカ・・・鉄のヒですか?」

 

「いや、鉄のハナだ。決して散らない鉄の華」

 

それを聞いた三日月も。

 

「鉄華団、いいね、それ」

 

「だろ?」

 

オルガは得意げに片目を閉じた。

 

「ところでさ、オルガ」

 

「何だ?」

 

「勝負ついたんじゃ無いかな?」

 

「おぉ、そうかもな」

 

目線の先にはザクの足元で、ピクリともしないグレイズが横たわっていた。

 

◆◇◆◇◆◇

 

ザクはグレイズの頭に手を引っ掛けて、鉄華団基地へと向かっていた。

 

歓声と共に迎えられたザクは、手をgoodにして応える。

 

そしてグレイズが動けない様にし、もしもに備えて銃を構えて外の緊急脱出用の外部操作盤を弄りコックピットハッチを開く。

 

そこには、白目にひん剥いて泡を吹いているクランクの姿だった。

 

 

「あはははは!ざまぁねぇぜ!」

 

「いい気味だ!!」

 

団員はその無様な姿に爆笑する。

 

 

「さぁ、こいつを救護室に連れて行くから手伝ってくれ」

 

そう言いながらマサキはダクトテープでクランクの両手両足をグルグル巻きにした。

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