火星低軌道上
シャトルは無事低軌道に乗り、あとは低軌道ステーションに入港後オルクス商会の船を待つだけとなった。
やはり宇宙とはいいものだ、スペースノイドのホームグラウンド。
「オルクス商会か、ちゃんとしたところなんだろうね?」
末法めいたこの世界、その世界の統治組織であるギャラルホルンに追われている身としては、GF管理下の正規ルートで地球に行けるはずもなく必然的に裏ルートを通る事となる。
勿論非正規の裏ルートを通るのだからその案内人もヤクザの様な人間に違いない、下手すれば騙されて着の身着のままで宇宙に放り出されるのではないかとマサキは不安だった。
「だから言ったろ?安心と信頼のオルクス商会だって!」
「まぁ命取らないならいいけどさ」
◆◇◆◇
「あっ!あれがオルクスの船じゃないですか!」
タカキが窓を指差し外の宇宙船を見る。
「予定より少し早いな・・・」
そんなオルガの呟きの直後であった。
その宇宙船から三つほどの何かが出て来た。
それはマサキにとってあまりにも見慣れたMSのバーニアであった。
「・・・MSだ!お出迎えかな?」
「いや!違うGFのモビルスーツだ!」
「奥にもなんかいるぞ!」
「奥のもGFか?!」
「なんでGFがいるのさ!」
オルクスの船の奥に2隻程のGFの軍艦がお目見えしている事に驚きを隠せぬ一同。
「説明しろ!トド!」
「そんなもん俺が知るか!GFなんて聞いてねぇぞ!」
と言うや否やコクピットに駆け込み、オルクスとの連絡を取った。
すると帰って来た返事は。
『我々への協力に感謝する』
◆◇
「トド!この野郎てめぇ裏切りやがったな!」
ユージンやシノ、マサキにタコ殴りにされるトド。
そうこうしているうちにグレイズ3機にシャトルが囲まれてしまうも、荷台から三日月の乗るバルバトスが出撃し窮地を脱する。
追加のグレイズから逃げ回り、オルクスの砲撃からも逃げ回っていた時、静止軌道から昭弘の乗ったイサリビが降りて来た。
「迎えに来たぜ、大将」
◆◇◆
我々は急いでシャトルからイサリビへ移る、トドを4の地固めにしているマサキはシノに牽引される。
オルガ達は艦橋に移り指揮を取る。
そこにトドが流れ込んきて
「なんでイサリビがここにいんだよ?!
静止軌道にいるんじゃなかったのか?!」
「お前が信用にたる仕事をした事があったか?」
まさに一蹴。
その後トドは倉庫にぶち込まれる。
◆◇◆◇◆◇
「ヤマギィ!ザクの用意はいいか!!」
「はい!いつでも!」
『マサキ!取り敢えず今は周りのMSを潰す事だけに集中しろ!』
「OK!これよりマサキ!出ます!」
バーニア全開でイサリビから飛び出す。
丁度昭弘も三日月と合流していた。
『足の止まったのからやろう、援護頼む』
『な!待てよ三日月!俺はまだこれに慣れてねぇのに!』
『昭弘!援護する!』
『ありがてぇ!』
◆◇◆◇◆
一方その頃・・・。
「!! このリアクターの反応は!」
クランク二尉の仇を討つべく、鉄華団襲撃に向かったアインは、鉄華団の使用しているMSから自分が知っているエイハブリアクターの反応を探知していた。
「・・オーリス隊長のグレイズ!」
◆◇
時を火星出発前に遡ろう。
先のGFの戦闘で二機のグレイズを鹵獲していた鉄華団は、新たな戦力確保の為に整備していた。
が。
「ダメだなこりゃ、リアクターが逝かれちまってる。」
「直すにもかなりかかりますね・・・」
元クランク機はマサキが回収で引きずっている時にリアクターが破損していたのだ。
一方オーリス機はコックピットこそ潰したものの、リアクターそのものは無事だった。
その為、クランク機のコックピットをオーリス機に移し替え、その他をジャンクパーツとした。
◆◇◆◇
その為、いまアインの目の前にいるのは
あの白いMSに屠られたオーリス隊長機と言う反応がでたのだ。
「オーリス隊長の仇!!」
三日月は突っ込むアインをひらりとかわし、他のグレイズの攻撃を華麗に避けつつ撃破する。
「うへー、初手四機撃破か。エース級も夢じゃないな・・・って新手だ!」
自分達よりも上にこれまでのMSとは違う機体がこちらに向かっている。
「見てくれよりは出来るようだな!」
ガエリオ・ボードウィンの駆けるシュヴァルベ・グレイズがガンダムバルバトスと今まさに刃を交えようとしていた。
◆◇◆◇◆
『昭弘!右から来るぞぉ!』
『おう!』
『頭狙え頭ァ!』
『阿頼耶識がねぇんだ!細かい操縦は出来ねぇ!』
三日月が恐らくエースと思われるグレイズ2機と交戦している中、マサキと昭弘はペアを組んで雑魚グレイズと交戦していた。
「ほらよ!一丁上がり!」
グレイズのコックピットにバトルアックスを叩き込み蹴飛ばす。
『昭弘!マサキ!聞こえるか!』
『はい!』
『おう!』
『イサリビはこれより資源採掘小惑星を利用して回頭する!2人はGFとオルクスの船を出来る限り邪魔してくれ!』
『なんだと!?』
『了解!昭弘はそこにいろ!』
『お!おい!待てよ!』
マサキは滑腔砲を手にオルクス商会の船へ向かっていく。
◆◇◆◇◆◇
「一体何をする気だ!」
オルクスは鉄華団のとった行動に驚きを隠せないでいた。
しかし有利なのはこちら側、所詮ガキが足掻いた所で・・・と思っていた時であった!。
「?! 3時方向からMSがやって来ます!」
部下の報告に3時方向を見ると、既に目と鼻の先までMSが迫って来ていた。
「何をやっている!レーダーはよそ見していたのか?!」
「そっそれが、エイハブウェーブが確認出来ません!」
「何だと・・・うわぁ!!」
最後まで言い切る途中で艦橋の前に一つ目のMSが姿を現した。
MSは滑腔砲を構え、艦橋に向け発射した。
艦橋が盛大に爆ぜ、パニックに陥った船は徐々に進路がブレていく。
『オルクス商会の艦橋を撃破!鉄華団を裏切った奴は痛い目をみるのだ!』
『やるじゃねぇかマサキ!此方も回頭が成功した!マサキと昭弘を回収する!』
マサキはイサリビにしがみつき帰還を果たす、昭弘もこれに続く。
その後無事三日月も回収された。
◆◇◆◇◆
イサリビ
倉庫
「よぉ、元気でやっとるか」
マサキは倉庫の隅で転がされてるトドの様子を見に来た。
「何だ?このオレを笑いに来たのか?」
「うん」
そう言いながらわざとらしく笑って見せるマサキ。
「んで、正直なところオルクスとどうしようとしてたんだ?」
「・・・オルクスと合流した後、グーデリアをとっ捕まえてGFに渡して、MSも売っぱらっちまおうと考えてたんだよ。」
「オルガ達はどうするつもりで?」
「それは〜・・・」
歯切れ悪い返事の後に、トドは拳銃を構えるジェスチャーをする。
「はぁーーー、あんたこれ知られたらオルガ達に殺されるよ?」
「た!頼む、この事だけは!この事だけはあいつらに内緒にしてくれ!」
「うん、わかった、しかし条件がある。」
「な、何だよっ」
「お前はこれからどんな事があっても、鉄華団から抜ける事は許さない、これからも戦闘は起こりうる、どうせお前は進めど地獄戻っても地獄なんだ。それならば・・・いっぺん地獄の底まで行って見てみようじゃないか」
風呂敷を最大に広げるスタイル。