艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP98 最後のバージョンアップ

初訓練から更に2日が過ぎた。参加者たちも午前と午後に1度ずつ行われる大規模戦闘訓練に次第に慣れ始めたのか、最初の頃よりかなりの練度上昇が見れていた。そしてこの日の夜中、電たちの最後のガンプラが遂に完成した。

「やった!夕立のガンプラ、やっと完成したっぽい!」

「本当かい夕立!」

「うん!早速お披露目――」

「ふっふっふ…実は僕も、いま完成したところなんだ」

「ぽい!?じゃあ、ワンツーフィニッシュっぽい!?」

「そうゆうことだね!」

時雨と夕立が暮らしている旧艦娘寮の一室から笑い声がしていた。すると、その部屋の扉をノックする音がした。

「こんな時間に…誰っぽい?」

「僕が出て来るよ」

時雨はそう言って部屋の扉を開けた。

「時雨さん、夕立さん。こ、こんばんはなのです」

「電!」

「私もいるよ!」

「お母さんまで…」

廊下には電と、その付き添いである空母水鬼が立っていた。時刻は午前1時。ハッキリ言ってこの鎮守府に居るほとんどの人間が寝ている時間ではあるが、電はどうしても2人に会いたかったのである。

「それにしても…どうしたんだい、こんな時間に?」

「電ちゃんが、ガンプラ完成したから夜空と夕立ちゃんに見せたいって言ったから!」

「え!電…新型完成したのかい!」

「なのです!だから2人に、見せたくって!」

「凄いっぽい!夕立たち、みんな揃って一緒に完成させたっぽい!」

「え!そ、そうなのですか!?」

「うん。僕たちも、いま完成したところなんだ」

時雨の言葉を聞いた電はとても驚いた。すると、夕立が何かを思いついて声をあげた。

「じゃあ今から、前みたいにお披露目会するのはどう!」

「前みたいにって、地区予選の前にやったあれみたいな?」

「良いですね!電、やりたいのです!」

「うん!僕も賛成だよ!」

「よーし!今から体育館に行くっぽい!」

そう言って4人は体育館へ出かけていった。

 

誰もいない体育館に来た4人は早速バトルシステムを立ち上げた。

「Gun-pla Battle stand up! Model damage level set to C.」

「please set year GP base.Beginning Plavsky particle dispersal. Field 01 Space!」

プラフスキー粒子の青い光が暗闇の照らしだし、宇宙が形成された。

「Please set year Gun-pla」

3人が、それぞれ完成した新型を台座にセットする。システムが機体を読み取り、3機のガンダムのメインカメラが光を放つ。

「Battle start!」

3機のガンプラが発進体制に入り、発進台がカタパルトに覆われる。

「夕立!ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメア、出撃よ!」

「時雨っ。ガンダムエンドレインバレット、行くよ!」

「電。イナヅマガンダムトリニティ(シックス)、出撃です!」

カタパルトを飛び出す3機のガンプラ。地球を望むその宇宙空間に3つの青い筋が飛び、そしてフィールドの中央に3機がそれぞれと対面する。

「……地区予選の頃がとても昔に感じられるよ」

「そうですね…色んなことがあって、数ヶ月しか経ってないのにとても長く感じたのです」

「うん…夕立も、同じ思いっぽい……」

それから数秒だけ静寂が辺りを包んだが、やがて電たちのお披露目会は始まった。

「ううん!気落ちしてても仕方ない!じゃあ、僕からお披露目するね!」

時雨のガンダムエンドレインバレットが飛び出す。しばらくして180度のターンをする。

「まずは、全身のアサルトシュラウドを取り外して軽量化を測ったんだ。アサルトシュラウドって、何気に重いからね。それと、胸部にはインフィニットジャスティスのCIWSと胸元に小型のセンサー、両腰横にビームピストルを取りつけたんだ。脹脛の後ろには、AGE-2ダブルバレットのカーフミサイルもある。だからちょっとだけずんぐりしちゃった」

「頭部と、バックパック、バイポットシールドは前と同じなんですね!」

「うん。頭部の髪留め型センサーは形をそのままに索敵、照準性能を強化したんだ。バックパックも同じで先端のビームキャノンの出力だけ上げたんだ。バイポットシールドも同じ」

「時雨ぇ~勿体ぶらないで両肩の装備と新しいライフルについて早く教えるっぽいー!」

時雨のガンダムエンドレインバレットを見た時から、夕立は両肩に取り付けられた新装備が気になって仕方なかったのだ。

「勿体ぶるつもりないんだけど…まあいっか。うん、前回のアサルトレインバレットから大きく変更したのは、この両肩の装備なんだ。両肩アーマーだけケルディムガンダムの最終決戦仕様にしてあるんだ。勿論、GNライフルビット2基と、GNシールドビット7基を装備してる…でも、この2つには仕掛けがあるんだよ」

そう言った時雨は、ライフルビットとシールドビットを展開させた。すると、ライフルビットは新しく製作されたスナイパーライフルの銃口付近上下の銃身に合体し、シールドビットは4基が機体を防御する様に展開し、残りの3基はイナヅマガンダムトリニティⅥと、ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアの周囲をゆったりと漂った。

「ケルディムガンダムのシールドビットは攻撃にも転用できるのです!つまりそう言うことなのですね!」

「ううん。残念だけど、このシールドビットに攻撃力はないよ。代わりに、センサーカメラを内蔵したんだ」

「センサーカメラ?………あ!ユーラヴェンガンダムが使ってたセンサービットみたいなやつっぽい!」

「正解だよ夕立。防御面でも、シールドビットの強度があるからね。センサービットより、墜とされにくいと思う。そして、この新型のスナイパーライフルはケルディムガンダムのGNスナイパーライフルⅡを改造してライフルビットを装着可能なんだ名付けて「エンドレインライフル」!」

時雨はそう言って、ガンダムエンドレインバレットにエンドレインライフルを構えさせた。

 

 

これが僕のガンプラ…ガンダムエンドレインバレットだ!!

 

 

「以前のアサルトレインバレットより、カッコいいのです!」

「ありがとう電!嬉しいよ!」

「じゃあ、次は夕立の番っぽい!」

今度はユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアがイナヅマガンダムトリニティⅥの隣から飛び出す。そして、時雨と同じように少し離れたところで180度ターンをする。

「機体の素体自体はそんなに変えなかったっぽい!でも、エクスカリバーの設置場所を両肩のビームキャノンの銃身に変更したっぽい!両膝にはナイトメアモードになっても邪魔にならないようにイージスガンダムビームサーベル発振刃を付けたっぽい!これでより強力な格闘戦を仕掛けられるっぽい!」

「あの3種刀身の剣はオミットしたんだ」

「ぽい!ナイトメアパーティーブレイクはカッコいいけど、刀身をいちいち変えるのめんどくさいっぽい…だからエクスカリバーとビームサーベルだけに戻したっぽい!」

「えっと…エクスカリバーを両手に…ビームトンファーが2本、大型ビームサーベルが2基と両膝のビームサーベル発振刃が2基……凄い!八刀流なのです!」

「そんな数の剣、扱えるのかい?」

「大丈夫っぽい!それに、バックパックには電ちゃんから貰ったファトゥム-01ソードを飛行形態のまま装着してあるから、単独飛行出来るようにもなったんだよ!まあ、今は宇宙だから関係ないけど……

「ほ、本当かい夕立!」

「勿論っぽい!ほめてほめてぇ~」

遂に単独飛行能力を手に入れたユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアを見て、驚く時雨と電。

「あとは、何もいじってないっぽい!ナイトメアモードもそのままっぽい!」

 

 

これが夕立の…ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアっぽい!

 

 

ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアはエクスカリバーを抜き放ち、大型ビームサーベルを上方へ向け展開、ビームトンファーと両膝のビームサーベルを発振、ナイトメアモードに変形してみせた。

「これだけとげとげしいと、本当に悪魔みたいだよ。夕立」

「もっと褒めても大丈夫っぽい!じゃあ最後は、電ちゃんっぽい!」

「なのです!」

イナヅマガンダムトリニティⅥはその場から飛翔し、クルクルと回転するとバッと身を翻らせた。

「ベースアイデアはデスティニーインパルスなのです!まず頭部のメインアンテナをメタリックライトブルーで塗装して大型化、そこに稲妻模様を付けたのです!上部のサブアンテナも2本追加して計6本のアンテナがあるのです!更に胸部先端、両肩先端、両膝には水色のクリアパーツを取りつけたのです!バックパックはデスティニーガンダムの翼の主翼を黄色、副翼を紺色で塗装して、ファトゥム-02で使ってた大型ビーム対艦刀を改造した剣「ビーム対艦刀「イナヅマ」」を二振り装備したのです!そしてバックパック下部には2門のビームキャノン「レインバレットキャノン」が取り付けてあるのです!」

「っ!電、その名前!」

時雨は、ビームキャノンの名称を聞いた時思わずドキッとした。それもそうだ、自身の機体名が使われているからだ。

「なのです…時雨さんは、電を今この場所まで連れてきてくれた大切な仲間なのです!だからこの機体には、電のことを想ってくれた人たちへの想いを込めた武器が積んであるのです!」

「電……」

電の言葉に少しだけ感無量になる時雨。電は説明を続ける。

「両肩にはビームブーメランの「アーチャーエッジ」、そして両掌に、デスティニーガンダムのパルマフィオキーナを出力アップさせた「ナイトメアフィオキーナ」、左腕の機動防盾には、十字マークの中心点にビームシールド発生器を追加した「アカツキビームシールド」、ビームライフルは単発と、3点バースト射撃が可能な「ヴェールフェニックスライフル」、腰部左右に柄同士の連結が可能なビームサーベル「アウェリアスサーベル」が装備されているのです!これが……」

 

 

みんなへのありがとうの想いを込めた、電のガンプラ……イナヅマガンダムトリニティⅥなのです!!

 

 

イナヅマガンダムトリニティⅥは光の翼を展開、機動防盾を縮小させると左手のナイトメアフィオキーナを前方へ向けた。

「時雨に夕立、暁ちゃん、響ちゃん、雷ちゃん、それに深海提督さん…電ちゃんは…凄いね」

「なのです……暁ちゃんたちは、電にガンプラバトルを教えてくれたのです。夕立さんは、いつも電のことを気にかけてくれて…深海提督さんは、電の命を繋げてくれた……だから、皆へのありがとうの気持ちを込めて、この機体……イナヅマガンダムトリニティⅥを作ったのです」

「電……」「電ちゃん……」

「このガンプラで、何処まで何が出来るかわからないけど……きっと電は―――」

その時、電たちのいる操縦スペースに接近警報が鳴り響いた。方向は自分たちが出撃した方角と真反対、つまりは相手チームが出撃した方向だ。

「接近警報!?いったい誰が!」

警報が示した方向へ一斉に顔を向ける電たち。そしてそこには―――

「せっかく楽しいお披露目会なんだから、暗い話はしちゃダメだよ3人とも!」

「お、お母さん!?」

空母水鬼の駆るAB装備から切り離されたナラティブガンダムE装備が向かってきていたのだ。そしてナラティブガンダムE装備は、3機と向かい合う形で動きを止めた。

「そうだよ夜空!驚いた?…おっと、今はそんな話してる場合じゃなかったね」

3人を驚かそうとしたわけではないことを思い出した空母水鬼は、コホン。と咳払いをして話し始めた。

「電ちゃん、夜空、夕立ちゃん。今はお披露目会の最中なんだから、これから先に起こる戦いのことなんか気にしないで楽しまないとダメだよ!そうでしょ?」

「そう…なの、かな?」

「そうだよ!お披露目会って、楽しくやる行事なんだから!ほら、3人とも笑って笑って!」

「「「………」」」

だが、3人の顔は晴れなかった。それを見た空母水鬼は、むぅ。と頬を膨らませた。

「仕方ない……こうなったら実力行使だよ!」

空母水鬼は咄嗟にバトルシステムの設定画面を操作した。すると、4機を取り囲む様に多種多様な量産機が出現した。

「!?お母さん、これはどういうこと!?」

「3人がいつまでたっても笑顔にならないから、実力行使するの!」

「じ、実力行使って…何でCPU制御の機体で夕立たちを囲むっぽい?」

「っ!来るのです!」

出現した量産機の一部が、スラスターを噴かし4機に向かって来た。

「終了条件は全機撃破!私も手伝うから、みんなで楽しもうね!」

そう言った空母水鬼は、ナラティブガンダムE装備を敵機に向かわせた。

「……まったく、お母さんは本当に大雑把なんだから…」

時雨が、やれやれ。と首を振りながら小さな笑みを浮かべた。そして、電と夕立に言った。

 

 

 

行くよ!電!夕立!

 

 

 

時雨の言葉を聞いた電と夕立もまた、小さな笑みを浮かべ、答えた。

 

 

 

なのです!!  ぽい!!

 

 

 

イナヅマガンダムトリニティⅥ、ガンダムエンドレインバレット、ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアは敵軍団へと向かって行った。

 

続く

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