艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP101 反抗の狼煙を上げる

その深夜、深海は旧執務室でエクストリームアウェリアスの整備を行っていた。と言っても、今の今まで被弾をもらった事のない深海のガンプラはほぼ傷なしという状態ではあるが、それでも整備を怠ってはエクストリームアウェリアスに失礼だと思い、深海は手入れを進めていく。そんな時だった。鎮守府本庁舎の正面に1台の車が急停止した。

「なんだ、車か?」

キィィィー!というタイヤが擦れる音に気づいた深海は、エクストリームアウェリアスの整備を止め旧執務室を飛び出した。2階にある旧執務室から階段を下りて1階の廊下へ出た深海は、早々に何かと正面からぶつかった。

「きゃあっ!」「ぐっ!」

しかし突然ぶつかったとはいえ、深海は少し仰け反っただけにとどまった。一方の相手は完全に尻もちをついてしまっていた。

「いたたた……」

「っ!青葉!」

「あっ、深海司令官!良かった!司令官にお伝えしないといけないことが―――」

とても焦った様子で早口に言葉を紡ぐ青葉。そんな青葉の表情を見た深海は、かなり大変なことがあったのだと気づいた。そして、青葉の目に涙の後があることに気づいた。

「青葉。気持ちはわかるが少し落ち着け。何か…怖い思いをしたんじゃないのか?」

「っ!?」

「図星の様だな…大丈夫だ、今は俺がいる」

深海はそう言いながら青葉の頭に手を置いて、少しだけ撫でた。青葉はしばらく固まっていたが、やがて緊張が一気に抜けたのかペタンとその場に座り込んで大きく息を吐いた。

「落ち着いたか?」

「はい…司令官、ありがとうございます」

「ならいい。一体何があった?」

「はい――――」

青葉は淡々と話し始めた。

 

「―――という事です」

「最後の時は3日後。確かに吹雪がそう言ったんだな」

「はい。嘘を言っている様子はなさそうでしたし、恐らくは……」

「そうか。よく頑張ったな青葉…」

「いえ、青葉はそんなこと……」

「お前の部屋は用意してある、今日はゆっくり休め」

「はい………すいません司令官。部屋まで送ってもらえませんか?脚に力が入らなくって……」

「わかった。担いで行ってやるから、背中に乗れ」

「ありがとうございます」

青葉は少しだけ気恥ずかしそうに深海の背中におぶさった。深海は軽々と青葉を持ち上げると、寮へと向かって歩いていった。

 

そして翌日。作戦の為に集まったメンバー全員は、深海の館内放送で目を覚ました。

「皆、朝早くからすまない。作戦参加メンバー全員に伝えることがある。0900(まるきゅうまるまる)時に体育館前に集合してくれ。時間厳守だからな」

 

深海の館内放送で目を覚ました時雨と夕立は、間宮の甘味処と隣接している食堂で朝食をとっていた。すると夕立が時雨に尋ねてきた。

「深海提督さん、いきなりどうしたんだろうね?」

「…僕はなんとなくわかる気がするんだよね」

「え!時雨本当っぽい!?」

「夕立、君も少しは勘づいているじゃないのかい?」

「……まあ、ね。きっと、あの事…だよね」

「うん」

2人はゆっくりと手を机の上に着いた。すると隣の席に、誰かが食事の乗ったお盆を置いた。

「よっ!時雨の姉貴、夕立の姉貴!おはよーさん!」

「涼風、それに深空も。どうしたんだい?」

「朝ごはん待ってたら、夜空姉ぇたち、見つけて…」

「隣り空いてんなら、一緒に朝飯食おうって思ってなー!」

「うん!お隣どうぞっぽい!」

「ありがとなー!」「ありがとぅ…」

そう言って涼風と山風は席に着き、朝食を食べ始めた。すると早速、涼風が今朝の案件について話し始めた。

「今朝、深海提督が言ってた伝えたい事って何なんだろうね?あたいには、全く見当もつかないよ…時雨の姉貴は何のことかわかる?」

「あ、うん。たぶん…なんだけどな。僕たちに関わることが含まれてると思うよ」

「あたしたちに?」

「うん。恐らく村雨たちの事が関わってくると思うんだ」

「…村雨の姉貴、か」

「村雨姉ぇ……」

「決着の時は、近いかもっぽい…」

「そうだね…」

暗い雰囲気になりかける時雨たちだったが、涼風が明るい口調で言った。

「まっ、なんとかなるんじゃねぇの?こっちには深海提督もいるし、何より全国大会のファイナリストの時雨の姉貴と夕立の姉貴がいんだからさ!」

「「………」」

涼風の発言に呆気取られる時雨と夕立。だが、暗い雰囲気を打ち消すのには十分な言葉だった。

「…そうだね。この場にいる白露型姉妹で1番上の僕が、へこたれたら駄目だよね!」

「夕立も、しっかり時雨を支えるっぽい!時雨、一緒に頑張ろうっぽい!」

「うん!」

そうして時間は過ぎ、時間は9時を迎えた。

 

体育館前には作戦参加のメンバー全員が集っていた。しばらくガヤガヤしてはいたが、やがて深海が体育館入り口に現れると一気にそこは静まり返った。そして深海は、集まった全員に向け言った。

「昨夜、俺たちの為に情報を集めていた青葉が貴重な情報を持ち帰った。それを伝える……俺たちの敵となる存在。奴らが行動を起こす日が分かった」

深海の言葉を聞いた数人がガヤガヤと騒ぎ出す中、妹を取り戻す為に参加した陽炎と不知火は静かに拳を握りしめた。

「深海提督さん。それはいつなんですか?」

瑞鶴が挙手をし、深海に尋ねた。ガヤガヤと騒ぐ者たちと違い瑞鶴の瞳の奥には力強い炎が揺らめいていた。深海は答えた。

「2日後だ」

「2日後だと!」

あまりに短すぎる期間に思わず長門が声をあげる。しかし、それ以上に取り乱すことはなく深海の言葉を待った。

「2日後…俺たちは、今持てる全ての戦力を持って奴らの目的阻止に動く。この戦いはお前たちが今までに経験したことのない程の戦闘になるだろう。だが、俺たちがここで奴らを止めなければガンプラバトルは消滅し、多くの人が涙を流してしまうことになる」

山風と涼風が、ギュッとお互いの手を握り合う。

「それは何としても阻止しなければ駄目だ。この国を守ろうと戦ったお前たちなら、この言葉の意味が分かるだろう。だからもう1度、俺たちは戦わなければならない」

時雨と夕立が深海をジッと見つめる。

「ようやく涙をからして歩き出したこの国を、自分勝手な都合で再び涙の溢れる国にしようとする連中を、俺は決して許さん」

深海の言葉に白雪が小さく俯いたが、隣立っていた電がその手をギュッと握った。

「!?」

「大丈夫ですよ、白雪さん」

「電ちゃん」

深海が話を続ける中、電と白雪は小さな声で話していた。

「電と白雪さんなら、きっと吹雪さんを止められます。だから、そんな暗い顔をしないでほしいのです」

電はニッコリと笑ってみせた。

「……はいっ」

白雪もまた電の笑顔に応えるように、しっかりと頷くのであった。

「この戦いに勝ち、再びこの国を守る!それが、今ここに集まった俺たちの使命だ!だからどうか、もう1度力を貸してほしい!これは…俺たちにしか出来ないことなんだ!」

「………フッ、今更だな提督よ」

「………?」

「ここに居る者が、こんなタイミングで逃げるわけないだろう?そうだろビスマルク?」

「勿論よ。そもそも、アドミラルが事情話したうえで来てるんだから、当たり前じゃない!あなた馬鹿なの?」

「そうです!私は提督を信じています。ここで退いたら、ただの笑い者ですからね!」

長門、ビスマルク、大鳳の言葉に釣られ、あちこちからやる気に満ちた声が上がる。それを目の当たりにした深海は、そうだったな。と小さな笑みを浮かべるのだった。

「なら、決まりだな……」

 

 

 

 

必ず勝つぞ!

 

 

 

 

全員の掛け声と共に、反抗の狼煙は上がった。

 

続く

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