艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 作:黒瀬夜明 リベイク
夕陽を背にして現れた謎のガンプラ(以降
「あんな機体、システムに組み込まれてないだろ…いったい何だってんだ」
「わからん。だが、奴からは物凄い威圧感を感じるな…」
「夕立も同じっぽい…あんな威圧感は今まで感じたことないっぽい」
「僕たちは6機だけど、迂闊に動けばやられるかもしれないしね」
「どうするの~天龍ちゃん」
「なのです……」
お互いが動きを見せないままフィールド内の時間は更に進み、やがて夜を迎えた。夕陽が沈み、月明かりがフィールドを照らし始めた。そして、夕陽からの逆光で影しか見えなかったunknownが月明かりに照らされて姿を見せた。そして、6人がその姿を見て動揺したのは誰の目にも明らかだった。
「!?なんだよ、あれ…」
全身を真っ白に染め上げ、深紅に発光するツインアイと左右非対称の腕と頭部のマルチブレードアンテナ、4対の翼と腕・膝・翼部先端の深紅に発光する装甲。
「うへぇ~夕立の趣味じゃないっぽい~」
「確かにあのデザインは、ないかもね~」
「いや、そんなことも言ってられないかもしれないよ…」
「ああ、時雨の言う通りだろうな。あの左腕は…」
そして、unknownの姿で一番の異様さを放っていたのがその左腕だった。その形はまさに―――
「…まるで、深海棲艦。なのです…」
かつて彼女たちが幾度も戦火を交えた深海棲艦のまるで機械とも生物とも思えない艤装のような形をしていた。手の部分は大きく広がった爪になり、それを覆うように腕本体には数多のガンプラパーツが、腕自体に取り込まれたかの様に食い込んでいた。ガンダム頭部のマルチブレードアンテナ、長い刀身を持った刀、シュトゥルムファウストに、ヤクト・ドーガのファンネルラック、何の機体の物かもわからないほど変形したビームライフルとシールド。もはやそれは、腕と言えるのだろうかと思うくらいの異形だった。6人が衝撃を受けていた時、遂にunknownが動き出した。
「動いたぞ、気をつけろ!」
その異形な左腕を前へと伸ばして静止した。動きはそれだけだったが6人はそれぞれ身構えて警戒していた。その様子を見ていた影の口元が小さく笑った。そして―――
「まずはこれでご挨拶しようかな」
そう一言呟くと、unknownの左腕がまるで劇場版のガンダム
「な、なんだよあれ!?」
「腕の形が…変形してるのです!?」
「でもあんなこと、プラスチックじゃ出来ない筈だよ!?」
「あ!あの形は―――」
変形が終了した左腕。その形はガンダム界でも屈指の殲滅力を有する兵器にそっくりだった。
「さ、サテライトキャノン!?」
サテライトキャノン
ガンダムXが装備する、月の太陽光発電施設からのマイクロウェーブをガンダムXが持つ背中のリフレクターでこれを受け、それをエネルギーに変え発射する強力な戦略級兵器。その威力の高さから「コロニー殲滅兵器」とも呼ばれている。
「!敵機のエネルギー反応が増えてるのです!」
「マイクロウェーブ無しで撃てるのかよ!?まずい、避けろっ!!」
狙われたのは天龍と電のガンプラだった。リヴァサーゴと、イナヅマガンダムはスラスターを全開で噴かしてサテライトキャノンの射線から退避を図った。そして―――
「それじゃあ、まず1発!」
ズドーン!!
サテライトキャノンの砲口から、巨大なビームが発射された。いや、もはやそれがビームなのか光の帯なのかさえわからないほど巨大だった。その光景は他の4人からも見えていた。そして、しばらくすると光の帯は消えた。
「天龍!おい、返事をしろ!」
「電ちゃん!電ちゃん!」
木曾と夕立がそれぞれのチームメイトの名前を呼んだ。すると、弱々しい声が通信で聞こえてきた。
「あ、ああ。聞こえてる…だが、オレは動けそうにねぇかもしれねぇ。機体の左半身をやられた」
基地施設の一角に左半身を失ったリヴァサーゴと、イナヅマガンダムがいた。左半身を失ってもなお溶けかけている足で立っているリヴァサーゴではあったが、動くこともままならないのは電でもわかった。天龍が弱々しい声で続ける。
「おい、ちんちくりん。俺にかまわず奴を叩くんだ」
「天龍先輩…」
「悔しいが、奴はオレより強い。だがな、この世に倒せねぇ敵はいねぇ…」
「……」
「ガンプラバトルはチーム戦だ。仲間を信じて戦うんだ、わかったらさっさと行けちんちくりん」
リヴァサーゴの右手がイナヅマガンダムの肩を掴んだ瞬間、リヴァサーゴはガシャン!と音を立てて崩れた。
「天龍先輩…」
崩れたリヴァサーゴを見下ろしながら、イナヅマガンダムは振り向いた。そして―――
「時雨さん、夕立さん」
「わかってるよ電」
「こっちはいつでも大丈夫っぽい!」
「俺たちも手伝うぞ」
「天龍ちゃんの仇、ちゃーんと取らないとだもんね」
5機のガンプラがそれぞれ武器を構える。そして―――
「皆で、あいつをやっつけるのです!」
こうして、unknownとの本格的な戦闘が始まるのであった。
続く