艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 作:黒瀬夜明 リベイク
深海たちが駆逐水鬼と深海化翔鶴を突破した頃、ネェル・ミネルバ防衛戦は熾烈を極めていた。
「左舷後方からミサイル5!直撃コースです!」
「下げ舵20!山城、迎撃よ!」
「ネェル・ミネルバはやらせんぞ!」
そこにキリサリスがミサイルへ向け、頭部バルカンとマシンキャノンを撃ち込み、3発を撃破。しかし残りの2発が、ネェル・ミネルバの対空網を抜け第2主砲と艦橋の間に直撃した。
「艦橋下部に被弾!損傷軽微です!」
「夕張ちゃん、ダメージコントロールを!」
「了解!」
「くっ!全て墜とせんとは―――ぐっ!」
被弾したネェル・ミネルバを横目に見ながら日向が呟いた瞬間、キリサリスの上空からガンダムXディバインダーがビームマシンガンを撃ちながら飛来した。
「日向!」
するとそこへステイメンMk-Ⅱが援護に現れ、ビームライフルでガンダムXディバインダーを撃墜した。
「大丈夫日向?」
「ああ…クソッ、また来たぞ!」
今度はジンハイマニューバⅡ型が2機、ビームカービンを撃ちながら接近をしてくる。ステイメンMk-Ⅱとキリサリスの2機は互いのシールドでビームを防いだ。今自分たちの背後にはネェル・ミネルバがいる。2機は回避するわけにはいかなかったのだ。
「副砲三式弾、てぇー!!続けて左舷対空ミサイル、発射!」
しかし、突っ込んできたジンハイマニューバⅡ型の内の1機はネェル・ミネルバの発射した三式弾を避けきれず撃墜され、もう1機も対空ミサイルをまともにくらって爆散した。
「これ以上の接近はさせないわ!」
大鳳は、Hi-νトールギスのCファンネルも展開し迎撃を始めた。Cファンネルが接近しようとしたグフイグナイテッドとキュベレイを斬り裂き撃墜、その位置へ向けHi-νトールギスはメガキャノンを構え、発射した。
「この火力なら!」
黄色いビームの帯が射線上の敵機を次々に焼き払ったが、それでも敵の進軍は止まらない。その時、1発のミサイルが右舷カタパルト側面に直撃した。
「右舷カタパルトに被弾!損傷は軽微ですが、このまま連続して撃ち込まれたら―――っ!右舷50度方向のハーフビーク級、本艦を攻撃軸線に捉えました!」
「回避行動を取りつつ反撃!第1主砲照準、右舷前方のハーフビーク級。撃たれる前に撃つのよ!」
「第1主砲照準固定!てぇー!」
しかし、ネェル・ミネルバの主砲が火を噴いた瞬間ハーフビーク級の主砲もまたネェル・ミネルバ目掛け火を噴いた。ネェル・ミネルバの主砲はハーフビーク級を貫き、船体をゆがませながら爆沈させたが、ハーフビーク級の主砲弾もまたネェル・ミネルバに迫っていた。
「回避!」
ネェル・ミネルバはハーフビーク級の主砲を下げ舵で回避しようとしたが、あと一歩間に合わず主砲弾の内の1発が艦橋下部に直撃した。
「くそぉ…間に合わなかった!」
自身の失敗を悔やむ皐月。
「右舷後方からD装備型のジンが7機、来ます!」
「やらせないよ。大井っち!」
「はい、北上さん!」
ヘビーアームズZZガンダムがバックパック先端右側の21連装ミサイルランチャーを発射、ガンダムドーベンアームズが左側の15連装ミサイルランチャーを発射しミサイルの弾幕を放つ。これ程までのミサイル弾幕を撃ち出されたジンの編隊は回避することが出来ず、1機また1機と爆発に飲み込まれていった。しかし、その内の1機が弾幕を潜り抜け、両腕に装備した大型ミサイルを4発発射した。しかも、かなりの近距離まで接近してきたそのジンのミサイルは完全に対空弾幕の内側となっていた。
「しまった!これじゃ間に合わな―――」
「ネェル・ミネルバはやらせません!きゃああー!」
しかしそこに大和のドレットノートスターゲイザーが割り込み、その身を盾にしてミサイルを防いだ。
「「大和さん!」」
同部隊のメンバーである睦月と文月が思わず声をあげた。しかしその間にジェッズネロ・ブリッツが爆煙の中へ飛び込んでいった。その数秒後、左腕を失ったドレットノートスターゲイザーを抱えたジェッズネロ・ブリッツが現れた。
「大和さん、大丈夫かい!?」
「だ、大丈夫です。ありがとう涼風さん」
「このまま着艦するよ!」
「わかったわ」
ジェッズネロ・ブリッツはドレットノートスターゲイザーを抱えながら接近してきたジムⅡとガンダムアスタロトをビームライフルで撃墜し、何とか右舷後方カタパルトにドレットノートスターゲイザーを着艦させた。
「武蔵さん、大和さんをお願いします!」
「ああ、任せておけ!5番のハンガーに回すぞ、急げ!」
艦内へ入ったドレットノートスターゲイザー。そして大和の目に映ったのは、所狭しと並んだ補給と修理を受ける損傷した友軍機だった。
「望月、そっちはどうなっている!」
「もう少しで終わる!そしたらそっちに―――」
「ブリッジから連絡。三日月機、長月機が補給のため着艦するよ!」
「了解だ飛龍!望月は三日月と長月の補給に回れ!」
「りょーかい!」
「よし、涼月機出せるよ!」
「ありがとうございました蒼龍さん!涼月。ガンダムサバーニャ・ハイスナイプ出撃致します!」
格納庫内は右往左往する1/144の兵隊で溢れており、大和の耳に届く様に武蔵たち整備班がとても慌しく動いているのが分かった。
(深海提督が戻るまで、何としてももたせないといけない…どうにかしないと!)
大和はその光景を見ながらそう心の中で呟いた。
その頃、工場深部を目指す深海たちはとても広い草原を駆け抜けていた。ほんの数分前、深海たちの前に現れた円形のゲートをくぐった先がこの草原に繋がっていたのだ。ゲートを抜けた瞬間、ナラティブガンダムAB装備が超高速で墜落していくハプニングこそあったものの今ではその草原をナラティブガンダムE装備として駆けている。
(プラフスキー粒子が形成した草原フィールドか……ん?)
するとその時、草原の上空を分厚い黒い雲が覆い雨が降り始めた。
「雨?」
「ぶぅ~夕立、雨は嫌いっぽい」
「このタイミングでの気候変動…何か来るかもしれないな」
「うん。駆逐棲姫の言う通りだ、周囲の警戒を強めた方が―――っ!」
その時、時雨に耳に接近警報のアラートが鳴り響いた。このメンバーの中で1番索敵能力に優れたエンドレインバレットのレーダーが何かを捉えたのである。
「11時方向の上空に機影を確認!」
(やはり来たか!)
時雨はそうメンバー全員に告げるとエンドレインライフルをその方向に向け、スコープを覗き込んだ。
「あれは…竜?」
そこに映っていた機影はまるで飛竜のような双翼を持ち、竜であるなら頭となる位置に5つに刃のような鶏冠状のトサカ、そして尻尾に当たる部分は先端が鋏のように二股に分かれた、金色と黒の機影だった。その機影は時雨の目に留まった瞬間、両翼から緑色の光を放つと物凄い速度で時雨たちに迫ってきた。
「っ!みんな今すぐ回避するんだ!」
!?
時雨の言葉に突き動かされたメンバー全員がその場から一斉に立ち退いた。そしてその次の瞬間、先程までメンバーがいた場所をその飛竜が緑色に輝く翼…いや、緑色のビームを纏った翼を広げ、地面を抉りながら飛び去っていった。
「わわっ!何今の!?」
「恐らく敵――――っ!12時方向から別反応!?近づいてくる!」
その次には2.12ガンダムのレーダーが正面方向から接近してくる機影を捉えた。その数秒後、駆逐棲姫の目にとてつもない機影が映った。
その機影は、まるで黒とは白銀色の毛を纏った巨獣の様な外見に反り返るように伸びた豪壮な2本の牙とマンモスの様な長大な鼻の様なパーツを有し、獣であるならでこに当たる部分から巨大なビームの壁を形成し4足歩行でこちらに迫ってきた。
「象だと!?」
「ヤバイっぽい!回避ぃ!」
「わわわっ!」
その巨獣は、そのまま一直線に2.12ガンダムとナラティブガンダムE装備、ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアがいた位置を通り過ぎていった。
「はわわ!さっきから一体何なのですか……っ!?4時方向からミサイル!?」
すると今度はイナヅマガンダムトリニティⅥの後方、4時の方向から大量のミサイルが飛来してきた。イナヅマガンダムトリニティⅥの近くに居た白雪のガンダム・ホワイトボトムサウンドもまたそのミサイルに気づき、回避行動を取った。次々に地面に着弾し爆炎を上げるミサイルを回避しながら、電はミサイルが飛来した方向へメインカメラを向けた。そして見つけた。
「4時の方向にも機影を見つけたのです!」
電が見た機影は、朱色と白、胸元が紫の蛇の様に長いスレンダーな胴体とそこから伸びる4本の手足、頭部は狐の様に大きく前へ突き出しており、頭頂部には狐耳のような長いパーツとヒレの様なパーツが乱立しており、背中から尾部にかけて反り返った棘が5本立っている機影だ。
「電、白雪!クッ!次から次へと―――なにっ!?」
深海が電と白雪に気を取られた瞬間、今度は深海の耳に接近警報が鳴り響いた。アラートが示したのは6時方向。真後ろだった。深海が振り返ったその瞬間、目の前にはとても巨大な剣が迫って来ていた。
「なっ!」
「にぃに!」
とっさにホロルドロッソ・イージスが強襲形態でエクストリームアウェリアスに組み付いてその場から緊急離脱し、2機は何とか撃破をま逃れた。
「深空、助かった」
「うん。にぃにが無事でよかった」
そして先程まで2機がいた地点には、大きな斬撃跡が付いていた。深海と山風が目にしたのは、深い青と淡い赤色の肉食恐竜の様な外見に、頭から背中にかけて顔の方へ大きく反り返った棘を幾本も持ち、そして先程地面に巨大な斬撃跡を作った剣…いや、赤熱化した大剣の様な尾を持つ機体だった。
「くそ、一体何処に隠れていた……全機一旦集合だ!急げ!」
深海の指示を受けたメンバーは各々その場から退避し、少し離れた地点に集合した。
「大丈夫かみんな?」
それぞれ背中合わせになりながら円陣を組み、周囲を警戒する深海たち。
「うん。僕は大丈夫だよ」
「夕立も大丈夫っぽい!」
「それにしても、一体何処に隠れていたんだ…索敵範囲外だったとしても、あの巨躯をどうやって……」
「わからない。だが、奴らが敵であることは確かだ……来たぞ!」
そして遂に、その4機は現れた。飛竜は上空から深海たちへ狙いを定め、巨獣と恐竜はゆっくりと近づき、蛇は遠方からじっくりと獲物を睨んでいた。
「か、囲まれちゃったよ深海!」
「こっちは人数では上だが…相手の力量がわからん。さて、どうしたものか…」
じりじりと迫ってくる敵を前に、手を出せずにいたその時だった。
「っ!!上だ!」
上空から分厚い雨雲を突き破って、1機の機体が現れた。その機体もまた龍の様な姿をし、銀色の頭部は隼の様に少しだけ反り返った嘴のような形状と頭頂部は背後へ向かって伸びる鋭利な棘を何本も備え、そして4つの手足と、片翼に3本のとても鋭利な槍状の翼から、紅い光を放ちながらそれは飛来した。
「何だあの機体!」
「うふふ…待っていたわ。時雨、夕立、春雨、山風…」
「っ!その声はっ!」
飛来したその機体から通信が入り、時雨たちは懐かしい声を聴くこととなった。彼女たちにとって聞き間違えようがないその声の主。
村雨っ!!
飛来した機体の操縦者、深海雨雲姫は不敵な笑みを浮かべながら言った。
止まない雨の中で…朽ち果ててしまいなさい!
続く