艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 作:黒瀬夜明 リベイク
「翔鶴姉ぇ!」
「………っ!」
AGE-2ハルファスの放った右上からの袈裟斬りを左手首から出力されたビームサーベルで受け止める∀GE-3。ビームサーベルがお互いに火花を散らしながら、AGE-2ハルファスと∀GE-3のメインカメラがお互いを睨み合う。
「翔鶴姉ぇ、今ならまだ間に合うよっ。こんな戦い止めて!」
「さっきも言った筈よ瑞鶴。吹雪ちゃんの命令にがある以上、私には戦わないといけない理由があるの。だから、やめることは出来ない」
「吹雪の命令なんて、聞く必要なんかないよ!私は、翔鶴姉ぇと―――」
「甘いわね瑞鶴!」
「え―――きゃあっ!」
∀GE-3はAGE-2ハルファスのビームサーベルを押し返し、バランスを崩したAGE-2ハルファスを蹴り飛ばした。蹴り飛ばされたAGE-2ハルファスは態勢を整えることが出来ずそのまま∀GE-3にビームライフルの銃口を向けられた。
「終わりよ」
「しま―――」
翔鶴はそのまま引き金を引いた。発砲された桃色のビームがAGE-2ハルファスに向かって飛んでいき、危うく命中するという所でAGE-1エグゼバウンサーがAGE-2ハルファスの正面に入り込み、ビームをエグゼバウンサーシールドで受け止めた。
「か、加賀さん……」
「いつまで迷っているの!貴女が墜ちれば、彼女を救うことなんて完全に出来なくなるのよ!」
「それは……わかってる、けど」
「なら―――っ!瑞鶴!」
AGE-1エグゼバウンサーは咄嗟にAGE-2ハルファスの右腕を掴んでその場を急速に離脱した。その次の瞬間、先程2機がいた地点をフィンファンネルのビームが襲った。加賀の咄嗟の判断により2機はダメージを負うことはなかった。
「大丈夫ね瑞鶴」
「う、うん。ありが―――」
「お礼は彼女を助け出してからにして」
「………」
加賀の言葉に返事を返すことの出来ない瑞鶴。しかしその間にも、∀GE-3の攻撃は止まらない。フィンファンネルが高速で迫ってはビームを次々に撃ち込んでくる。AGE-1エグゼバウンサーは未だにAGE-2ハルファスを掴んだまま、ビームの攻撃を回避していたが次第に加賀の額に汗が流れ始めていた。
「いい加減にしなさい瑞鶴!いつまで私に捕まっているつもり!」
遂に加賀が業を煮やし、瑞鶴に怒りの声をあげた。
「加賀さん……」
瑞鶴は弱々しい声で加賀に返事を返した。しかし、その言葉は更に加賀を怒らせた。
「惨めな声で返事するのは止めなさい!そうしていれば、私が助けてくれると思っているの!」
「………」
「そんな甘い考えで彼女を助けられると思っているのなら、今すぐそんな考えは捨てなさい!」
「……るさい」
「貴女が戦わなければ、誰が彼女を―――」
五月蠅い!
「………」
瑞鶴もまた怒りの声をあげた。しかし加賀は何も言わず瑞鶴の言葉に耳だけを傾けていた。
「そんなことわかっているわよっ!!翔鶴姉ぇを助けられるのは私しかいないって!でも、これが命の掛かった前の戦争じゃないとしても…翔鶴姉ぇとは戦えないよ!!」
「そう……貴女ってその程度の子だったのね」
「っ!」
「なら、邪魔だから離してちょうだい。私が彼女を墜とすわ」
「あ……」
「私が尊敬している人は自身の身を挺して弟子を救ったわ。貴女なら、どんな形になっても彼女を救うことが出来ると思っていたけど…残念だわ瑞鶴」
加賀はそう言ってAGE-1エグゼバウンサーで∀GE-3に向かって行った。AGE-2ハルファスをその場に残して。
「………」
瑞鶴は何も言えなかった。自分でも呆れてしまう程、加賀の言っていることが身に沁みてわかる。そして瑞鶴は小さく苦笑して言った。
「これじゃ、スーパーファイター……ううん、誰にでも優しかった翔鶴姉ぇの妹として…五航戦として名折れね……」
そして操縦桿少しだけ強く握ると、瑞鶴はAGE-2ハルファスに語り掛けた。
「ねぇ、AGE-2ハルファス…私に力を貸してくれる?翔鶴姉ぇを、助ける力を―――」
瑞鶴が無意識に操縦桿を更に強く握りしめた時だった。
キュピィン!
その場を漂っていたAGE-2ハルファスが、まるで瑞鶴に応えるようにメインカメラを輝かせた。
「ありがとうAGE-2ハルファス……翔鶴姉ぇを助けるまでは、もう諦めたりしない!」
AGE-2ハルファスはストライダー形態へと変形し、AGE-1エグゼバウンサーと∀GE-3が交戦するエリアへと向かった。