艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP112 鶴舞う宇宙(そら)(後編)

その宙域ではAGE-1エグゼバウンサーと∀GE-3が何度もすれ違いながらビームサーベルをぶつけ合っていた。バチィッ!バチィッ!と何度も火花を散らし、2機はビームサーベルをぶつけ合う。そして2機は鍔迫り合いへと持ち込んだ。

「流石ね翔鶴。ずっと前からやる子だと思っていたけど、思った通りだったみたい」

「今褒められたとしても嬉しくなんかないですよ。今の私は、貴女の敵なんですから」

「そういう所は変わったのね。前の貴女なら、少しは嬉しがったでしょうに」

「そうかもしれないですね!」

そう言った深海化翔鶴は操縦桿を大きく前へ突き出して、AGE-1エグゼバウンサーを押し返した。

「くっ!凄いパワーだわ…」

「終わりです!」

そこへフィンファンネルが襲来し砲口をAGE-1エグゼバウンサーに向けた。だがその時だった―――

「加賀さん避けてッ!!」

「っ!」

瑞鶴の声が加賀の耳に届いた。加賀は咄嗟の判断でAGE-1エグゼバウンサーを上昇させ、その場から退避した。そして次の瞬間、AGE-1エグゼバウンサーが先程まで居た場所を無数のビームが走った。そのビームは周囲に展開していたフィンファンネルを多数飲み込み撃破した。そしてそのビームは∀GE-3も射線に捉えていたが、深海化翔鶴は簡単にそれを回避した。しかしその僅か数秒後、物凄いスピードでAGE-2ハルファスが突入してきた。

「はあぁぁー!!」

左手を右腰に回してビームサーベルを抜き放ち、そのまま左上段に構えて∀GE-3に斬りかかった。左上段からの袈裟斬りを∀GE-3に向けて放ったAGE-2ハルファス。しかし、∀GE-3は左肘のビームサーベルを掲げて防御した。

「ぐううぅぅ!」

「まるで吹っ切れたみたいな顔ね瑞鶴」

「ええ、その通りよ!私はもう、翔鶴姉ぇを助けるまで絶対に諦めない!逃げたりなんかしない!!」

「そう…ならかかってきなさい!返り討ちにしてあげるわ!」

「うおおぉぉぉ!!」

瑞鶴はAGE-2ハルファスのスラスターを更に噴かし、∀GE-3のビームサーベルを押し返そうとした。しかし∀GE-3は左腕を払うようにして、AGE-2ハルファスのビームサーベルを弾き飛ばした。スラスターの勢いによってAGE-2ハルファスは∀GE-3の真後ろの方向へと飛んでいった。しかし瑞鶴は慌てる素振りを見せず即座にストライダー形態に変形、その場から高速で離脱した。それをGNファングと残ったフィンファンネルが追いかけていき、ストライダー形態のAGE-2ハルファスを四方から攻め立てた。だが瑞鶴はAGE-2ハルファスを巧みに操縦し、機体を反らしたり急加速や急減速でオールレンジ攻撃を回避していった。

「当たるもんですか!」

「やるわね瑞鶴!」

そして∀GE-3もAGE-2ハルファスの追撃を開始した。AGE-2ハルファスの後を追うようにビームライフルを撃ちながら迫る∀GE-3。だがしかし、その追撃はほんの数秒に留まった。

「逃がさないわよ翔鶴」

「チッ!」

∀GE-3の後方からAGE-1エグゼバウンサーが通常モードのドッズマグナムを撃ちながら近づいてきた。深海化翔鶴は仕方なく、AGE-2ハルファス周辺のGNファングを数基呼び戻しAGE-1エグゼバウンサーに差し向けた。しかし加賀は、飛来したGNファングを正確に1基ずつ撃ち抜いていった。そして加賀は気づいていた。

「それだけの数を操り続けていれば、疲労も溜まりやすいんじゃないかしら?」

「っ!!」

加賀が放った言葉を聞いた深海化翔鶴は一瞬驚き、額から汗が流れ落ちた。加賀は更にGNファングを撃ち落としながら言った。

「やはりね。貴女の前の機体、AGE-3FXでも10基しか使っていなかった。それに―――」

「なにを―――」

「隠していたようだけど…貴女、AGE-3FXの8基のCファンネルと2基のシールドビット10基でもかなり疲労していたわね」

「!?」

「そんな貴女が、16基のオールレンジ攻撃端末を長時間使い続けることは出来るのかしら?」

その言葉を聞いた深海化翔鶴は歯ぎしりし、叫ぼうとした。しかしその瞬間だった。∀GE-3の背後で無数の爆発が起こったのだ。それに気づいた深海化翔鶴は慌てて後ろを振り向いた。そしてその爆炎からAGE-2ハルファスが現れるのを目にした。更に、手元のフィンファンネルの武装スロットが消灯し、GNファングのスロットに「1/10」と表示され赤く点滅していた。

「そんな、ファンネルが!」

「これで最後よ」

そう言って加賀は、動揺する深海化翔鶴をよそに最後のGNファングを撃ち抜いた。∀GE-3はファンネル系武装はその全てを失ったのである。その∀GE-3の元にAGE-2ハルファスも辿り着き、瑞鶴は深海化翔鶴に交信を試みた。

「翔鶴姉ぇ、もう決着はついたよ!だからこんなこともう止めて―――っ!」

しかし、瑞鶴の呼びかけに答えることなく∀GE-3はAGE-2ハルファスに右肘のビームサーベルで斬りかかってきた。咄嗟にシールドを構えてこれを防いだ瑞鶴の耳に深海化翔鶴の言葉が届く。

「まだ終わっていない。まだよ、瑞鶴ッ!!」

「翔鶴姉ぇ!」

その瞬間∀GE-3はスラスターを全開で噴かし、AGE-2ハルファスを抑えたままその場から飛んでいってしまった。

「瑞鶴!」

瑞鶴の危機を感じてか、加賀は2人の後を追おうとした。しかし瑞鶴は加賀に向けて言った。

「加賀さんは来ないで!」

「っ!」

「もう逃げない…翔鶴――ぇは、私の手で―――けて――るから――」

AGE-1エグゼバウンサーとAGE-2ハルファスとの距離が開き過ぎてしまった為、通信は途切れてしまった。

 

∀GE-3に押し込まれたままだったAGE-2ハルファスはシールドを振り払い、ようやく2機の間に距離ができた。AGE-2ハルファスの背後の方向へ向かって弾かれた∀GE-3だったが深海化翔鶴は動きを止めることなく、振り返ったAGE-2ハルファスの左方向をぐるりと回るように移動していた。瑞鶴は尚も深海化翔鶴に呼び掛ける。

「翔鶴姉ぇ、勝負はもうついた!もう止めて、お願い!」

「言った筈よ瑞鶴。まだ終わってはいない!」

「翔鶴姉ぇ!」

そのまま正面から再び斬りかかってきた∀GE-3に対し、AGE-2ハルファスもビームサーベルを右手で抜き放ち応戦した。AGE-2ハルファスと∀GE-3が同時に放った上段からの縦斬りはAGE-2ハルファスの右肩のツインドッズキャノンを接続部を根元から切り裂き、∀GE-3の左腕を根元から切り裂いた。互いにすれ違うAGE-2ハルファスと∀GE-3。瑞鶴と深海化翔鶴が互いの機体をすれ違い様に睨み合う。そして再び∀GE-3は旋回、AGE-2ハルファスに向かって来た。

「戦うしかないのよ、互いに敵である限り―――」

 

 

 

どちらかが倒れるまでッ!!

 

 

 

右腕のビームサーベルを大きく前へ突き出し、突撃してくる∀GE-3。もはや深海化翔鶴は止まろうとはしなかった。

「くぅ!」

瑞鶴は歯を食いしばり、操縦桿を今までで一番強く握りしめた。そして突撃してくる∀GE-3に向かって、突っ込んでいった。

「ああああああ!!」

叫ぶ深海化翔鶴。

「―――――っ!!」

眼から涙を流し、前を見据える瑞鶴。そして――――

 

 

 

 

 

バチィィィッ!!

 

 

 

 

 

∀GE-3のビームサーベルはAGE-2ハルファスの左肩を貫き――――

 

 

 

AGE-2ハルファスのビームサーベルは∀GE-3の「∀」の文字が輝く胴体中央を刺し貫いた。

「翔鶴姉ぇ…ごめんなさい……ごめんなさいっ!」

「ずい、かく―――」

 

 

 

∀GE-3は淡い光に包まれて爆散し、翔鶴はその場に倒れた。

 

 

 

続く

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