艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 作:黒瀬夜明 リベイク
突貫と同時にユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアへ斬りかかったノットエンドレインバレット。夕立はすぐさまビームサーベルを構え、ノットエンドレインバレットのビームサーベルを受け止めた。
「くっぅぅ…時雨!こんな事止めてよ!なんで時雨と夕立が戦わないといけないの!?」
「……ネェ、ユウダチ」
「時雨!夕立がわかるなら、今すぐこんな事―――」
「ミンナヲノコシテシズムッテ、イッタイドンナキブンナノ?」
「え?」
「イイヨネキミハ、サイゴノヒトリニナルドコロカ…ダイカツヤクシテゴウチンシタンダシサ」
「時雨、一体何を言って―――」
「キミハサイゴニシズメテアゲル。ボクノアジワッタクルシミ、ゾンブンニアジワウトイイヨ!」
「わあっ!」
深海化時雨が叫ぶと同時にノットエンドレインバレットはユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアを蹴り飛ばし、再加速。今度は2.12ガンダムへ向かって行った。
「春雨!」
夕立が叫んだ直後にノットエンドレインバレットのビームサーベルと2.12ガンダムのGNビームサーベルがぶつかった。
「クッ!このパワー、時雨の機体も深海細胞に侵食されたか!」
「ネェ、ハルサメ…キミハイイヨネ…タッタヒトリデシズンダンダカラ」
「何が言いたい!グウッ!」
2.12ガンダムのGNビームサーベルをどんどん押し込んでいくノットエンドレインバレット。
「ボクハネ、キミガウラヤマシインダヨ。ボクトハセイハンタイナシズミカタシタカラサ…」
「グッァ!(駄目だ!押し負ける!)」
「ネェ、オシエテヨ…タッタヒトリデシズムニハ、ドウシタライイノ?ネェ―――」
オシエテヨッ!!!
「しま―――」
直後、ノットエンドレインバレットは2.12ガンダムのGNビームサーベルを押し返した。ノットエンドレインバレットの勢いに圧され、バランスを崩された2.12ガンダムを何とか踏ん張らせようとした駆逐棲姫だったが、2.12ガンダムの足は地面との接地面が非常に少ないため、駆逐棲姫の奮闘も虚しく2.12ガンダムはそのまま地面に仰向けに倒れてしまった。
「ぐわっ!あ―――」
何とか起き上がろうとした駆逐棲姫の目の前に、ノットエンドレインバレットが現れた。ノットエンドレインバレットは2.12ガンダムに馬乗りになり、逆手に持ったビームサーベルを掲げると、何度も何度も何度も2.12ガンダムへ向けて突き刺した。
「ネェ…オシエテヨ――」
オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨ!オシエテヨッ!!!
しかし、深海化時雨が気づいた時には2.12ガンダムは残骸の山と化していた。駆逐棲姫は何を言うまでもなく、機体共々消えてしまった。
「ア…コワレチャッタ……ヒトリデシズムホウホウ…キケナカッタヨ……」
ノットエンドレインバレットはゆっくりと立ち上がり2.12ガンダムだった残骸を見下ろしていた。
「夜空……なんてことを…」
「夜空姉ぇ…」
「ア…ソウイエバモウヒトリイタッケ。ヒトリデシズンダイモウトガ」
「!!」
深海化時雨の言葉を聞いた山風は、咄嗟にノットエンドレインバレットへと向かって行った。
「深空!」
空母水鬼が止めようとしたが叶わず、山風のホロルドロッソ・イージスはノットエンドレインバレットに戦いを挑んだ。
「夜空姉ぇー!」
「………」
バチィィィ!!
ホロルドロッソ・イージスの右腕のビームサーベルとノットエンドレインバレットのビームサーベルがぶつかり、火花を散らした。
「ヘェ…ジブンカラキテクレタンダ。ヤマカゼ」
「これ以上、水鬼や、夕立姉ぇをやらせるわけにはいかない」
「ヤラセルワケニハイカナイ?ヨクワカラナイナ…ダッテ、キミガイチバンサイショニシズンダンジャナイカ」
「そうだよ。あたしは
「ジャアソノホウホウ、ボクニモオシエテ―――」
でもっ!!
「!?」
山風はその時、人生で初めて自身の意思で叫んだ。その言葉に驚く深海化時雨。
「でもあたしは、もう沈まない!あたしが大切だって言ってくれた水鬼の為にも―――」
あたしはもう絶対、沈んだりしないッ!!!
「………ダッタラ―――」
ハヤクシズムホウホウヲオシエロヨッ!!!
ノットエンドレインバレットは左腕をバックパックに回しもう1本のビームサーベルを抜き放つと、その勢いのままホロルドロッソ・イージスの右腕を斬り飛ばした。そして鍔迫り合いを強制的に解除され、抑える物が無くなったノットエンドレインバレットの右手のビームサーベルがホロルドロッソ・イージスの胴体中央へ向かって振り下ろされた。
「まだっ!」
咄嗟に身を反らしたホロルドロッソ・イージスの行動が功を奏し、ビームサーベルの刃は胴体中央の先端部だけを斬りつけた。しかし、身を反らしたホロルドロッソ・イージスへ向け、ノットエンドレインバレットの左脚がホロルドロッソ・イージスの右脇腹へ蹴り込んだ。
「うわぁぁぁぁぁ!」
その蹴りの勢いは凄まじく、ホロルドロッソ・イージスは弾き飛ばされてしまった。
「深空ぁ!!」
弾き飛ばされたホロルドロッソ・イージスの背後にナラティブガンダムE装備が飛び込み、ホロルドロッソ・イージスを受け止めようとしたが、2機はまとめて背後にあった岩肌に衝突してしまった。
「う、あ…す、水鬼?」
「だ、大丈夫?深空」
「う、うん。あたしは大丈夫だけど…」
山風がホロルドロッソ・イージスの状態を確かめると、機体各所に甚大な損傷を受けた赤色の表示が灯っていた。一方の空母水鬼のナラティブガンダムE装備も先程の衝撃を受け、機体全身が赤色表示となっていた。
「コンナトコロデシズマレチャコマルヨ。ヤマカゼ」
「よ、夜空姉ぇ…」
そこへノットエンドレインバレットが現れ、ゆっくりと身動きの取れない2人の元へ歩いていった。
「夜空、もうやめてよ!私たちが戦う必要なんてないはずでしょ!」
「オマエハダマッテテヨ。ボクハヤマカゼニヨウガアルンダカラ」
「夜空!」
空母水鬼の言葉は深海化時雨には届かなかった。そしてノットエンドレインバレットはビームサーベルを高く掲げ、深海化時雨は言った。
「サアオシエテヨヤマカゼ。ヒトリデシズムニハ、ドウスレバイイノ?」
「……教えない」
「エ?」
「あたしは絶対に教えない!夜空姉ぇはそうやって、自分の望みを他人に擦り付けてるだけでしょ!」
「………」
「それにあたし知ってる。夜空姉ぇは…時雨姉ぇは、あの夜をもう越えてるって!!」
「ッ!?」「っ!」
深海化時雨が驚いた顔をした。そして、動揺したのかノットエンドレインバレットの動きが一瞬だけ止まった。
「時雨ぇぇー!!」
直後、ノットエンドレインバレットの背後からユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアが突撃を掛けてきた。慌てて反転したノットエンドレインバレットは咄嗟にビームサーベルを構えて防御態勢を取った。そして、ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアが右上段から繰り出した袈裟斬りを受け止めた。
「そうだよ時雨!時雨はもう、あの夜を越えてるっぽい!」
「ナ、ナニヲイッテ…ボクハサッキミタンダ!ミンナガ、ニシムラカンタイノミンナガシズンデイクノヲ―――」
「違う!時雨はもうあの夜を越えてる!2010年の秋、時雨たちは…西村艦隊は、あの夜を越えたんだ!」
「2010ネンノ…アキ?」
「夕立憶えてる!あの日、ボロボロになっても誰1人欠けず、7人は帰ってきた!その時、時雨は言った!」
止まない雨は…ない
「夕立はこの耳でちゃんと聞いたよ!あの時の時雨の言葉、夕立は忘れてない!!」
「ヤマナイアメは…ナ、い―――ウッ!」
夕立の言葉を聞いた深海化時雨は不意な頭痛に襲われた。右手が操縦桿から離れ、額へと移ったことでノットエンドレインバレットのパワーが一瞬だけ弱まり、その隙を見逃さなかった夕立はユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアの全スラスターを全開で噴かし、ノットエンドレインバレットを押し返そうとした。
「おおおぉぉぉー!!!」
「ナッ!」
ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアの動きに気づいた深海化時雨だったが、全ては遅すぎた。ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアの全スラスター推力を乗せた突撃を真に受けたノットエンドレインバレットはその場に倒れてしまった。そして、ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアがその上に馬乗りになった。咄嗟にビームサーベルを捨て、起き上がろうとするノットエンドレインバレットの両腕をガシリと掴んだ。ノットエンドレインバレットとユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアが互いのスラスターを全開にし、取っ組み合っている。
「ナニヲスルンダゆうダチ!コレじャアやまかゼニキケないジャナイか!」
「いいや、どかないッ!!時雨が元に戻るまで、夕立はどかないよッ!!!」
「ボクハもうもトニモドってる!コレがホントウのボく―――」
「違う!今の時雨は、夕立の知ってる時雨じゃない!!目を覚ますっぽい時雨!夕立を―――」
夕立を1人にしないでぇッ!!
「ひと、リ、に……ウッ!ウァあァぁ…アああアアあアアアああー!!!」
夕立の言葉を聞いた深海化時雨は更に頭を抱えて苦しみだした。しかし、ノットエンドレインバレットのスラスターは弱まることを知らず、ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアを押し返そうとしてくる。夕立の額に汗が流れる。
(あと1つ…あと1つ、何かあれば!!)
「まずいわね…仕方ないわ。行きなさい貴女たち!」
直後、深海雨雲姫の指示を受けたディノーバ、ガムルト、ゼラクス、タツミネが一斉にユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアへ向かって行った。それに気づいた山風が叫んだ。
「夕立姉ぇ、危ない!!」
「あ――――」
そして、4機の攻撃がユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアに直撃する瞬間――――
うおおおぉぉぉぉぉー!!!
1機のガンプラが、ディノーバたちの前に高速で飛び降りてきた。そのガンプラは、両手で握りしめた大剣を地面に叩きつけ、巨大な砂埃を蒔き上げた。
やがて砂煙が晴れ、その中から光の翼を広げた赤いガンダムが立ち上がった。そのガンダムは、右手に握った大剣「アロンダイトカリバー」を正面へ突き付けた。
時雨たちを、やらせはしないよッ!!
そこにいたのは最上の駆るガンプラ「デスティニーガンダムリベリオン」だった。
「最上さん!!」
「大丈夫かい夕立!」
「夕立は大丈夫!でも、時雨が―――」
「モガ、み?」
朦朧とする意識の中で、時雨は最上の名を呼んだ。そして時雨の目の前、正面モニターに最上の顔が映った。
「時雨!大丈夫なら返事するんだ!」
「もがミ…何デ、キミはサッキぼクノ目ノ前…で…シズんだハ、ず……」
「何言ってるんだよ時雨。ボクが沈む訳ないだろ?」
「最上は…沈ンデ、なイ?じゃア、アの光ケイは……」
「戦闘中に居眠りでもしてたのかい?ボクはこの通り、ここに居るじゃないか」
「最上は…最上は、沈ンで、ない?」
「無事なら早く立つんだ!時雨の諦めの悪さは、
「っ!!」
その瞬間、時雨の目の前に暖かい光が差し込んだ。直後、時雨の脳裏に
ああ…思い出した……あの日、僕たちは……越えたんだ―――
あの夜を!
そして時雨は目を覚ました。
「ごめん夕立」
「え?」
「迷惑かけて、本当にごめん」
「時雨!」
直後、ノットエンドレインバレットの色が元の色へと戻っていった。
「もう、逃げたりしないよ。約束する」
「……もうっ、お寝坊し過ぎだよッ」
「あはは…夕立に言われたんじゃ、何も言い返せないや」
そして、ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアとガンダムエンドレインバレットはゆっくりと立ち上がった。
「最上、ありがとう。僕の目を覚めしてくれて」
「え?何のこと?」
「ううん。なんでもない…さあ、行こう。もう一度、皆で戻る為に!」
「勿論さ!」「ぽいッ!」
3機のガンダムは目の前の4体の獣を見据え、そして上空のファバルクへ睨みを利かせた。
「まさか、立ち直るとはね…でもいいわ。今度こそ、確実に沈めてあげる―――」
二度と浮かび上がることの出来ない水底にねッ!!!
「………果たしてそうかな?」
「なにっ!?」
直後、ファバルクの背後から黄色と緑の渦巻くビームが飛来した。ファバルクはそれを急上昇で回避し、背後を振り返った。そこにいたのは、右のメインカメラと左側のV字アンテナを失い、右腕、左腰、左脹脛、右膝、右足のフレームが剥き出しになり、左側のウイングバインダーを失った、連結状態のヴァリアブルライフルを機体前方に構えた「ガンダムエクストリームアウェリアス」だった。
「黒野深海!!」
「これだけうちの家族に手を出しておいて、ただで済むと思うなよ?深海雨雲姫」
「深海!」「深海提督さん!」
「すまない。来るのが、少し遅れた」
そして、時雨たちの元へビスマルクとプリンツも到着した。
「最上!あんた1人で突っ込むなんて、撃墜されたいの!」
「まあまあビスマルク姉さま。こうして無事だったんだし、いいじゃないですか」
「フンッ!後で何か奢りなさいよね最上」
「あはは、わかったよ」
少しの間談笑をした最上とビスマルク。しかし、その光景を見た深海雨雲姫は苛立ちを隠しきれずにいた。
「随分と余裕ぶってくれるじゃない…そういうの、凄く虫唾が走るわ」
「それは夕立も同じっぽい!今度ばっかりは夕立、激おこっぽいッ!!」
「そういう所が腹立つのよ!!いいわ、皆まとめて沈めてあげる。跡形もなく、木っ端微塵に切り刻んで―――」
闇の底に沈めてやるッ!!!
ファバルク、ディノーバ、ガムルト、ゼラクス、タツミネが一斉に動き出し、時雨たちへと向かって行った。時雨はゆっくりと目を閉じ―――
「今度こそ決着をつける―――」
僕たちみんなで、帰るために!!
赤く染まった左目と青い右目を開いて叫び、ファバルクへと向かって行った。
続く