艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP122 雨の中で

深海雨雲姫は、時雨たちよりも数秒先に動いたエクストリームアウェリアスへビームを撃ち先制攻撃を仕掛けた。

「沈みなさい!」

「…無駄だ」

しかしエクストリームアウェリアスはそれをいとも簡単にかわし、地上からユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアと共にファバルクへと向かってくるエンドレインバレットとすれ違った。

「深海、どこへ行くの!?」

「お前たちは村雨を倒せ。他は任せろ」

「わかった!行くよ、夕立ッ!!」

「ぽいっ!!」

そう言って深海はエクストリームアウェリアスを中破したホロルドロッソ・イージスとナラティブガンダムE装備の元へ向け、時雨と夕立は深海雨雲姫に戦いを挑んだ。

「同時に行くよ夕立!」

「任せるっぽい!」

そしてエンドレインバレットとユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアは同時に二手に分かれ、二方向からファバルクへ攻撃を仕掛けた。ユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアはビームサーベルを両手に斬りかかり、エンドレインバレットもまたビームサーベルで斬りかかった。

「鈍い!」

しかし、ファバルクは即座にMA形態に変形し高速で飛び上がった。2機の攻撃は空を斬り、それぞれがファバルクのいる方向を探った。

「くそ…やっぱり早すぎる!」

「っ!時雨、見つけたっぽい5時の方向っぽい!」

「あ!見つけた!」

時雨と夕立の視界に旋回をするファバルクの姿が映った。

「よーし、なら一気に決めに行くっぽぃ―――」

「待つんだ夕立!あの速度差じゃ相手するのは無理だ!百里と初戦闘したバルバトスみたいになってしまう!」

すぐさま行動しようとした夕立を制止した時雨。しかし、当の本人はかなり冷や汗が流れていた。夕立はこういう時に限って突っ込みたがる癖がある。時雨は、唾を呑み込みながら夕立の返事を待った。

「わかったっぽい!」

返ってきたのはまさかの了解。の言葉だった。時雨は思わず、え!と驚きの声をあげた。

「どうしたの時雨?」

「…意外だな。って思って」

「ぽい?」

「いつもなら忠告無視して突っ込んでいくからさ…」

「今回は相手が相手だもん!時雨の言うこと、聞いておかないとやられちゃう気がするから…」

「そっか。なら、互いに背中合わせで待機しよう。死角をなくして、すぐに対応できるようにするんだ!」

「了解っぽい!」

そしてエンドレインバレットとユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアは互いに背中を預けるように陣形を組んだ。それを見た深海雨雲姫は舌打ちをした。

「チッ!その仲良しこよしを見てると、本当に腹がたつわッ!!

ファバルクは旋回を終え、2機に突っ込んできた。

 

一方、大破したホロルドロッソ・イージスとナラティブガンダムE装備の元へ向かった深海は、移動しながら最上、ビスマルク、プリンツに指示を出していた。

「ビスマルクとプリンツは蛇をやれ、最上は象だ!まずは3分持ちこたえてくれ!」

「アドミラル、あんたはどうすんのよ!」

「母さんと深空の撤退を援護する!手負いの2人を逃がしたら、俺はワイバーンと恐竜を相手にする。後は任せたぞ、お前ら」

「わかったよ深海提督!」

「わ、わかったわよ!」

「了解です!」

深海の指示を受けた3人は、それぞれが相手をする敵の元へと向かって行った。そして深海は、岩盤から何とか這い出てきたホロルドロッソ・イージスとナラティブガンダムE装備の元へ到着した。

「深空、母さん。大丈夫か?」

「あ、あたしはまだ動ける…でも、水鬼のガンプラが」

「ごめんね深海。私のは動かせそうにないよ」

「わかった。深空、お前は母さんのガンプラを突撃形態で抱えたまま撤退しろ。大鳳から、総撤退の通信が入った。急いでくれ」

「え?でも、それだと深海にぃにと夜空姉ぇは――」

「俺たちのことはいい。早くしろ、ビスマルクたちが敵の足止めをしている間に撤退するんだ」

「にぃに……うん、わかった!行くよ水鬼!」

「深海……気を付けてよね」

「誰にもの言ってるんだよ母さん………さあ行け!!」

「へ?わあああー!!」

深海がそう言った瞬間、エクストリームアウェリアスは大破したナラティブガンダムE装備を上空へと放り投げた。そして合わせるようにホロルドロッソ・イージスがジャンプ、突撃形態に変形しナラティブガンダムE装備に組み付き出口方面へと向かって行った。それに続いてエクストリームアウェリアスも飛び上がり、ホロルドロッソ・イージスの後方に着いた。しかし、しばらく進んだ所でエクストリームアウェリアスのレーダーがゼラクスとディノーバの機影を捉えた。2機は、左右からエクストリームアウェリアスを挟み込む様に向かってきていた。

「にぃに!」

「やらせるかぁー!!」

エクストリームアウェリアスは残っていた4基のアウェリアスウイングを射出し、ゼラクスとディノーバに牽制を掛けた。そして振り返りながらヴァリアブルライフルを構え、迎撃の構えをとった。しかし、4基というアウェリアスウイングの数でアウェリアスウイングよりも早く動く巨大ガンプラを相手取ることは出来ず、ゼラクスはアウェリアスウイングを越える速度で攻撃を突破し、ホロルドロッソ・イージスに迫った。

「ターゲットロックオン!墜ちろぉぉー!!」

左手の長銃身モードのヴァリアブルライフルの照射をゼラクスに向け放つエクストリームアウェリアス。残念ながらヴァリアブルライフルの照射ビームはゼラクスの宙返りで回避されてしまったが、ゼラクスの突撃を防ぐ事には成功した。しかし反対側からディノーバがホロルドロッソ・イージスに迫ってきた。

「そこだっ!」

咄嗟にヴァリアブルライフルをディノーバへ向けて放ったエクストリームアウェリアス。ヴァリアブルライフルのビームは突き進んできたディノーバの足元に直撃した。足元の地面が抉られ、飛び斬りを繰り出そうとしていたディノーバは地面を踏み外し体勢を崩してしまった。深海はその隙を突き、ゼラクスへ向けて両手のヴァリアブルライフルを連射した。ゼラクスはこれらを回避、命中弾をだすことは出来なかったがその隙を突いて突撃形態のホロルドロッソ・イージスは草原フィールドの端に辿り着くことに成功、最初にナラティブガンダムE装備がパージしたAB装備の残骸を横目にエリアを離脱していった。

「ちゃんと帰って来てよにぃに!」

その言葉を残し、山風と空母水鬼は戦闘領域からの脱出に成功した。

「気を付けてな。深空、母さん」

そう言った深海の前に、ゼラクスとディノーバが立ちふさがった。

「さあ来いよ。相手してやる」

ヴァリアブルライフルを連結させ、右腰からビームサーベルを抜いたエクストリームアウェリアスは左手のビームサーベルを前へと突き出した。

 

そして最上はアロンダイトカリバーを右手に、高エネルギービームライフルを左手にしガムルトに攻撃を仕掛けていた。

「そこだ!」

高エネルギービームライフルをガムルトに向けて放つも、ガムルトの強靭な表面装甲には歯が立たず、次々に打ち消されていった。ガムルトも対空弾幕をばら撒き、デスティニーガンダムリベリオンを寄せ付けようとしない戦いぶりを見せていた。

「くそぉ、なんて弾幕だ。僕たちが昔飛ばしていた艦載機たちの気持ちが少しわかった気がするよ……なら動き回った翻弄するまで!」

デスティニーガンダムリベリオンは光の翼を展開。ガムルトの周囲を高速移動を行い、ガムルトの隙を伺った。更に、光の翼が残す残像による副次効果も相まってか、深海化海風の視界に映るレーダーには複数のデスティニーガンダムリベリオンの姿が映り、深海化海風は少し焦りを見せ始めていた。

(弾幕の濃度は変わらないけど、弾が飛んでくるところが段々バラけてきてる。この調子で続けていけば!)

最上は更にアクロバットな動きでガムルトを翻弄した。そして、デスティニーガンダムリベリオンがガムルトの後方に向かって移動したとき、最上はあることに気づいた。

(あれは関節部分か?………そうか!いくら装甲が強靭でも装甲がない箇所なら!)

最上は光の翼を展開した状態でその場を通り過ぎ、再びガムルトの上空方向へ移動した。

(だけど、敵にバレるわけにはいかない。一発必中で命中させないと!そして恐らく、ビームライフルとか長射程ビーム砲じゃ駄目だ。もっと断続的に、ビームをぶつけ続ける必要がある!)

「なら!」

最上は高速移動を止めることなく高エネルギービームライフルを武装スロットの選択から外した。デスティニーガンダムリベリオンがビームライフルを左腰のマウントラッチに取り付け、更に高速移動。最上は徹底的にこちらの手札を読ませないように行動していた。ガムルトが放つ対空弾幕をかわしながら、ガムルトの周囲を更に右往左往。途中、何度かガムルトが振り回してきた鼻に当たりそうにもなったが、それらも全て回避しチャンスを待った。そしてチャンスは来た。ガムルトの上空から右側方向へ向けて降下した時、ガムルトの対空機銃が全て上を向いたのだ。

「今だ!!」

最上はデスティニーガンダムリベリオンをガムルトの後方へ向かわせながら、武装スロットのビームサーベルを選択した。デスティニーガンダムリベリオンのフラッシュエッジ2ビームブーメランのブーメランとしての機能を解除した状態で使用するモードだ。そしてガムルトの右後方に回り込んだ最上は秒単位の中で照準を合わせ、ガムルトの右後ろ脚の関節部へ向けてフラッシュエッジ2を投擲した。

「いっけぇー!!」

ブーメラン機能を解除したフラッシュエッジ2は弧を描くことなく真っ直ぐにガムルトの右後脚の関節部へ進んでいき、そして装甲の施されていない関節の真後ろに直撃した。ビームブーメランの刃は深々と関節へと突き刺さり、直後、ガムルトは大きく体勢を崩した。

「やった!この調子でもう1本のフラッシュエッジも当ててみせる!」

しかし、右後脚の関節が動かなくなったとは言え、ガムルトの対空機銃は健在。

(一度見せた戦法に相手も警戒してくる筈だ。次はさらに厳しくなるはず―――)

「―――って、うわぁ!!」

とたんにガムルトは何かを考えている訳でもないように突如暴れ出した。残った3本の脚でその巨体と鼻を振り回した。まるで、身体に纏わり着いた異物を振り落とそうとしているとしているような光景だった。

「な、なんだいきなり―――」

「――――クださイ」

「通信?いったい誰が―――」

「やめテクダさイ…ムラさ…めネ…エサん」

「この声って……海風!?」

 

それと同時刻、上空でエンドレインバレットとユニコーンガンダムパーティー・ザ・ナイトメアと戦っていたファバルクは突如その右腕をガムルトの方向へ向けていた。

「何をしているの海風?さっさとそのハエを始末しなさいよ?」

唐突に入った通信を聞いた時雨は思わず深海雨雲姫に問い詰めた。

「村雨!一体何をしているんだ!!」

深海雨雲姫は怒った様子で答えた。

「何って、出来ない子(海風)を躾けているのよ。あんな小うるさいハエ1匹墜とせないんだから当然でしょ?」

「う、海風に何をしたんだ!」

「深海細胞の侵食を更に進めたのよ。ほら、早くしないと残った自分の意識全部なくなっちゃうわよ?」

「アガッ―――ガッ!ワタシが、ワタシガキえ…て―――」

苦悶の表情を浮かべる深海化海風。更に深海雨雲姫は別の場所で戦っていた深海化五月雨と深海化白露、深海化江風にも同様に事を行い始めた。それと同時に、タツミネ、ゼラクス、ディノーバもガムルトと同じように暴れ出した。

「あんたたちも何やってるよの?さっさとそいつらを沈めなさいよ」

「む、ムラサめ……や、やメテ…クる、シイ…よ」

「アグッ―――ダ、ダめ…コレいジョうはヤメ…テくださ、イむらサメネエさん…」

「もう、ヤメテくレ……ムらさめノあ、アネキ―――アガァッ!」

「な、なに?いきなり暴れ出したわよこいつ!」

「一体何が起こっているの!?」

目の前で突如暴れ出したタツミネに動揺するビスマルクとプリンツ。そして、姉妹たちの悶絶する声を耳にした時雨は、操縦桿を今までに感じたことのない怒りで強く握りしめた。しかし同時に、時雨は怒りで震える右腕をグッと抑え込んだ。

(駄目だ。怒りを抑え込まないと、僕はまた深海化してしまうかもしれない!)

 

 

 

怒りに呑まれるな!!

 

 

 

時雨は強く、強く心の中で叫んだ。だが、その時だった――――

「隙だらけだ」

そう言い放った直後、ゼラクスが巨大なビームサーベルの縦斬りによって一刀両断された。頭頂部から、尻尾の先までを真っ二つにされたゼラクスはそのまま地面に倒れ伏せ、爆散した。

「なに!?」

更にその巨大なビームサーベルは、続け様に暴れ回っていたディノーバの胴体を背中から輪切りにしてしまった。胴体中央で真っ二つにされ支える物を失った前半身は地面に崩れ落ち、綺麗な両断面がくっきりと見えた直後、ディノーバの後ろ半身も地面に倒れ、爆散した。しかし、爆発と同時にビームサーベルのグリップも爆発四散してしまった。

「流石に負荷を掛け過ぎたみたいだな」

「い、一体何が―――」

「戦闘の最中に味方の調教とは…天才的なマヌケだな」

爆炎の中から姿の現したのは深海のエクストリームアウェリアスだった。

 

続く

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