艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP131 最後の決戦

「レ級!」

「無事だな電」

突如目の前に現れ、自分を助けてくれたレ級。電からしてみれば、意味が分からなかった。電は思わずレ級に尋ねた。

「レ級、なんで電のことを?」

「妹を見捨てることが出来ると思うか?」

「レ級……」

「今はそんなことはどうでもいい。動けるな?」

「あ、はいです!」

レ級の言葉を聞いた電は奮起した。その姿を見た吹雪は苛立った表情になった。

揃いに揃って私の邪魔をするのか!人間の業に弄ばれた者たちの総意であるこの私に!!

「ハンッ!そんなもん―――」

 

 

 

頼んでねぇよッ!!

 

 

 

レ級はそう叫びtheレプリカビットを展開、theレプリカライフルを連続で撃ちながらガンダム・アイアンボトムサウンドへ突撃していった。それに続くようにイナヅマガンダムトリニティVIもヴェールフェニックスライフルを撃ちながらガンダム・アイアンボトムサウンドへ向かって行った。

「なら、2人纏めて消し飛ばしてやる!!

イナヅマガンダムトリニティVIとガンダムレギュルス・theレプリカの行動に応えるように吹雪も動き出した。ガンダム・アイアンボトムサウンドは両肘、両膝、そしてバックパックのウイングバインダーの先端から無数のオレンジ色の光弾を作り出した。

「沈めッ!」

「フンッ!オレの真似をしたところで、オレには勝てん!」

そう言ったレ級は左手に握ったtheレプリカビームサーベルを出力し、theレプリカビットの半数を自機の周囲に展開させて一気に突破を測った。その周囲を残った半数のtheレプリカビットが追随し、ガンダム・アイアンボトムサウンドが展開してきたビットに次々に着弾、お互いのビットを打ち消し合った。

「レ級、援護するのです!」

その突撃するレギュルス・theレプリカの後方からイナヅマガンダムトリニティVIがヴェールフェニックスライフルを撃ちながらガンダム・アイアンボトムサウンドに牽制を掛けていた。

「チッ」

ガンダム・アイアンボトムサウンドは右腕を再びビームライフルへと変形させ、それをイナヅマガンダムトリニティVIに向けて放った。しかしイナヅマガンダムトリニティVIはそれらの攻撃を回避し、ガンダム・アイアンボトムサウンドの背後の方向へ向かって行った。

「背後には回らせない!」

そして続け様にビットを展開、それをイナヅマガンダムトリニティVIに向けて撃ち出した。

「よそ見なんて、随分余裕ぶるんだな!」

そこへ、ビットを掻い潜ったレギュルス・theレプリカがtheレプリカビームサーベルを右中段から横一閃に斬りかかってきた。しかし、ガンダム・アイアンボトムサウンドはイナヅマガンダムトリニティVIの動きを見たままそれを前転しながら上昇することで回避し、そこへ再びビットを撃ち出した。

「その程度!」

レ級は即座にtheレプリカビームバスターを選択し、迫るビットを撃ち落とした。そして続け様にtheレプリカビームバスターを連射していった。

「オラオラ!どうしたよ!?」

「チッ、調子に乗りやがって―――っ!」

だが直後、吹雪の耳に左側からの接近警報が鳴り響いた。ガンダム・アイアンボトムサウンドの左上方からアーチャーエッジが飛来し、それに続くようにイナヅマガンダムトリニティVIがガンダム・アイアンボトムサウンドへ向かって突っ込んできたのだ。

「吹雪さんッ!!」

ガンダム・アイアンボトムサウンドは左前腕部側面からビームシールドを展開し、腕を振ることでそれを弾き飛ばすと、それに続いてきたイナヅマガンダムトリニティVIのタックルを受けた。

「チッ!なんでこいつは!」

タックルを受けて弾かれたガンダム・アイアンボトムサウンドだったが、その態勢のまま右肩をビームランチャーへと変形させそれをイナヅマガンダムトリニティVIへ向けて発射した。しかしイナヅマガンダムトリニティVIはそれをアカツキビームシールドによって防ぎ、ヴェールフェニックスライフルを撃ち返してきた。吹雪はすぐさまガンダム・アイアンボトムサウンドの膝を変形させ、そこからミサイルを放った。ミサイルはヴェールフェニックスライフルの撃ち出したビームに命中して爆発した。だが、その煙の中から出て来たのはアウェリアスサーベルを右手で握りしめたイナヅマガンダムトリニティVIだった。

「はあぁぁー!!」

「あああぁぁー!!」

アウェリアスサーベルを右上段から袈裟斬りで振り下ろしてきたイナヅマガンダムトリニティVIに対しガンダム・アイアンボトムサウンドは左腕の大型ビームソードを横薙ぎし受け止めた。

「吹雪さん!過去に縛られたまま戦っては駄目なのです!そんな事をしても、何も戻ってなんか来ないのです!」

「失うことを知らないお前に、そんな事を言う資格があると思うのか!!」

「ッ!」

「私は処分された姉妹(失ったみんな)の無念によって立っているからなぁ!失うものなど1つもないお前にはわかるまいッ!!」

吹雪に言葉に応えるようにガンダム・アイアンボトムサウンドの赤いツインアイが発光し、鍔迫り合いとなっていたイナヅマガンダムトリニティVIを押し返した。

沈めェェェー!!

ガンダム・アイアンボトムサウンドは両肩を大型GNフィンファングの様なビームランチャーへと変形させ2門を同時発射した。しかし、放たれた赤いビームの進行方向に無数の黄色い光弾が円形に展開しビームを打ち消した。

「電はやらせねぇって…そう言ったろうがぁー!!

今度は、ガンダム・アイアンボトムサウンドの下方からレギュルス・theレプリカがビームサーベルモードのtheレプリカライフルを右下段に構えて突っ込んできた。ガンダム・アイアンボトムサウンドはそのレギュルス・theレプリカに対して頭部バルカンを撃って牽制を掛けたがレギュルス・theレプリカとレ級は気にする素振りすら見せず、一気に距離を詰めるとtheレプリカライフルを一気に最上段まで振り上げ、全力の縦斬りを放った。

「墜ちやがれぇー!!」

「あまいッ!」

しかし、ビームシールドを展開しtheレプリカライフルを受け止めたガンダム・アイアンボトムサウンドはそのまま左腕を払うことでレギュルス・theレプリカを受け流した。そして振り返りざまに両膝から10発のミサイルを発射しレギュルス・theレプリカを追撃した。

「チッ!」

ミサイルの発射を見たレ級は反撃に転じようとしていたがそのままその場を駆け抜け、theレプリカビットを周囲に展開。ミサイルへ向けてtheレプリカビットをばら撒いた。レギュルス・theレプリカの周囲で10発の爆発がほぼ同時に起こると追撃とばかりにガンダム・アイアンボトムサウンドはレギュルス・theレプリカを追おうとした。だが、そうはさせまいとイナヅマガンダムトリニティVIはレインバレットキャノンをガンダム・アイアンボトムサウンドへと向け放った。

「吹雪さんっ!」

ロックオンのアラートが吹雪の耳に入ると、吹雪は再び両肩をビームランチャーに変形させて応戦し、レインバレットキャノンのビームへと放った。ガンダム・アイアンボトムサウンドのビームランチャーは、レインバレットキャノンのビームに直撃し激しい電撃の奔流を巻き起こして爆発した。

「その程度の攻撃で墜とせると思ったか!?」

これ以上、レ級はやらせないのです!

電は武装スロットのアウェリアスサーベルのSPを選択した。するとイナヅマガンダムトリニティVIは右手のアウェリアスサーベルの柄を右腰にマウントされていたもう1本のアウェリアスサーベルの柄と連結させた。それを機体の正面に向けると同時に出力し、回転しながらスラスターと光の翼を展開してガンダム・アイアンボトムサウンドへと向かって行った。

「アウェリアスサーベル・アンビテクスハルバードなのです!」

そんなものを使ったところで、この私は倒せん!

「やあぁぁー!!!」

アウェリアスサーベル・アンビテクスハルバードを右上段から斜めに斬り払うイナヅマガンダムトリニティVIしかし、ガンダム・アイアンボトムサウンドはそれを上昇して回避した。だが、電は止まることなくガンダム・アイアンボトムサウンドを追撃していった。赤紫の光の翼と、青紫の影の翼を羽ばたかせたイナヅマガンダムトリニティVIとガンダム・アイアンボトムサウンドの閃光が何度も交差しぶつかり合う。

 

はあぁぁー!!

 

あああぁぁー!!

 

イナヅマガンダムトリニティVIのアウェリアスサーベル・アンビテクスハルバードと、ガンダム・アイアンボトムサウンドの大型ビームソードがぶつかり合い、大きなビームの火花が散っていく。

「ガンプラバトルを無くしたその先の未来で、吹雪さんはいったい何をしようと言うのですか!」

「生まれながらにして、自由も権利も、何もかも…さえ奪われたこの私に、そんなものがあると思うのか!」

 

 

っ!!

 

 

その言葉を聞いた白雪は、思わず背筋が震えた。白雪の瞳の奥で、かつての記憶が鮮明に浮かんでくる。

 

 

 

――――あれは吹雪ちゃんと私、そしてぱっつんな髪型と眠たげな表情な私たちと同じ服装の初雪ちゃん、黒の外ハネするショートボブヘアーが特徴の深雪ちゃんの4人が研究所で初めて揃った時の事でした。私たち4人はそれぞれの境遇を知りませんでした。ううん、もしかしたら吹雪ちゃんだけは知っていたのかもしれません。そして4人はそれぞれの夢について語っていました。深雪ちゃんは、ガンプラバトル全国大会で優勝すること。初雪ちゃんも、深雪ちゃんほど乗り気ではなかったけど、ガンプラバトル全国大会での優勝が夢だった。そして私も、他の2人と同じ夢を言いました。でも、最後の吹雪ちゃんだけは違いました。

 

 

 

みんなで一緒に勝ち負けなんて関係のない心の底から思いっきり楽しめるガンプラバトルがしたい。

 

 

 

それが吹雪ちゃんの夢でした。深雪ちゃんは、なんだよそれー!と爆笑し、初雪ちゃんはめんどくさそうな表情をして、へー。と言い笑いました。私自身は、困惑していました。突拍子もない言葉、だったんだなと今になって思います。

 

でも、その後しばらくして行われた実験で初雪ちゃんと深雪ちゃんは、廃棄処分になりました。無慈悲に一瞬にして姉妹を失った吹雪ちゃんが復讐に憑りつかれるのは至極当然、研究所が地獄絵図となるのに時間はかかりませんでした。

 

 

 

「吹雪ちゃんっ…」

白雪は下を向いて悩んだような表情を作った。白雪の目の前では、依然としてイナヅマガンダムトリニティVIとガンダム・アイアンボトムサウンドが、その刃を交え、幾度にも渡って機体をぶつけ合っていた。

「その奪われてしまった過去は二度と戻って来ません!吹雪さんはそれに気づいている筈ですッ!」

「それがどうしたというんだ!夢さえ見ることの出来なかった私の、いったい何がわかるって言うんだ!お前は!」

「なにを!」

ガンダム・アイアンボトムサウンドが大型ビームソードを押し出し、イナヅマガンダムトリニティVIを弾き飛ばした。そこへ大型ドラグーンを4基展開し、全砲門を一斉射した。イナヅマガンダムトリニティVIはそれをアカツキビームシールドで受け止めた。

「クゥッ!!」

「だが、どの道私の勝ちだッ!あと15分もすればこの施設は跡形もなく消え去るッ!

「っ!?」

その言葉を聞いた電は驚きを隠せなかった。そして吹雪は言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガンプラバトルの終焉の日だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それでも―――」

 

 

 

 

それでも電は、吹雪さんを止めてみせますッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

吹雪さんを止めて…吹雪さんと一緒に、笑い合えるガンプラバトルをするのです!!

 

 

 

 

 

 

 

 

っ!?

 

 

 

 

 

イナヅマガンダムッ!電に力を貸すのですっッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キュピィンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イナヅマガンダムトリニティVIのメインカメラが今まで以上に淡く光り輝いた。そしてバックパックのビーム対艦刀「イナヅマ」を抜き、両手でそれを保持した。そして剣先をガンダム・アイアンボトムサウンドへ向け光の翼を最大出力で広げ、それを右上段に構え直し一気に突撃した。

 

 

 

あああぁぁぁぁぁー!!!!

 

 

 

「な―――」

電の放った「吹雪さんと一緒に、笑い合えるガンプラバトルをする」という言葉に動揺した吹雪の反応は完全に遅れてしまった。そして、その僅かな瞬間にイナヅマガンダムトリニティVIはガンダム・アイアンボトムサウンドの懐へ入り込み、ビーム対艦刀「イナヅマ」を最上段から一気に振り下ろした。

 

 

 

ズバァァンッッ!!!

 

 

 

振り下ろされた「イナヅマ」はガンダム・アイアンボトムサウンドの左腕の肩口とバックパック左のウイングバインダーを切り裂いた。イナヅマガンダムトリニティVIはそのままガンダム・アイアンボトムサウンドの背後へと通り過ぎていった。「イナヅマ」によって斬り落とされた左腕とウイングバインダーは即爆発して消滅した。だが、吹雪は―――

 

 

 

コノシニゾコナイガァァァー!!!

 

 

 

ガンダム・アイアンボトムサウンドの残った右腕を、以前電に深海細胞を侵食させたときに展開した異形のクローへと変形させると、残された全てのスラスターを全開にして背後に回ったイナヅマガンダムトリニティVIへ向かって特攻していった。しかし、その表情は今までの様な冷静さを失っていた。そして、ガンダム・アイアンボトムサウンドの頭部メインカメラが割れ、そこから円形に光る血の様に真っ赤な2つのモノアイが現れた。

「っ!?」

振り向いた電は眼前のガンダム・アイアンボトムサウンドの異形さに驚き、手の動きを止めてしまった。だが、その時だった――――

 

 

 

 

 

吹雪ちゃんもう止めてッ!!!

 

 

 

 

 

2人の眼前に大破したガンダムホワイトボトムサウンドが割って入り、吹雪を止めようとしたのだ。だが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うわあぁぁぁ!!!初雪ちゃんッ!深雪ちゃんッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、吹雪の眼前に初雪と深雪の幻影が映りそして、処分される直前の初雪、深雪の姿が映し出された。冷静さを失っていた吹雪は遂に目の前に立ちはだかったガンダムホワイトボトムサウンドを2人を殺そうとしている科学者と誤認してしまい、幻影である初雪と深雪を守ろうとその異形の爪をガンダムホワイトボトムサウンドへ向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やめろおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉー!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!!」

白雪は迫りくるガンダム・アイアンボトムサウンドに恐怖を覚えた。そして、ガンダム・アイアンボトムサウンドの異形のクローが命中しようとした瞬間――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバァァンッッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「!?」」

ガンダム・アイアンボトムサウンドの遥か後方から現れたガンダムレギュルス・theレプリカのtheレプリカビームサーベルがガンダム・アイアンボトムサウンドの右腕を根元から切り裂いたのだ。そして、レ級はガンダムレギュルス・theレプリカをその場で反転させtheレプリカライフルを捨てた右手をグッと強く握りしめ、機体の全勢いを乗せてガンダム・アイアンボトムサウンドの顔へと突き出した。

 

 

 

 

 

この大バカ野郎がぁぁぁぁぁぁー!!!!!

 

 

 

 

 

そしてガンダムレギュルス・theレプリカの右拳はガンダム・アイアンボトムサウンドの右頬を殴った。

 

 

 

うわあああぁぁぁぁぁぁー!!!

 

 

 

吹雪の叫び声と共に、ガンダム・アイアンボトムサウンドは地面へと崩れ落ちるように墜ちていった。

 

続く

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