艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP15 地区予選開始

次の日、地区予選当日。県立体育館には物凄い人だかりが出来ていた。大会に出場する者、選手を応援する者、地区大会を見学しに来た者と、集まる人々はそれぞれだ。そして県立体育館の入口へと続く階段の前、そこには時雨と夕立が立っていた。つい数分前に到着した2人は電の到着を待っていたのだ。

「電ちゃん遅いっぽいー」

「まだ僕たちも着いて少ししか経ってないんだよ夕立…」

「ぽい~」

待つことが苦手な夕立は、その場にしゃがみ込んでしまった。その姿を見た時雨はやれやれとした顔をして腕時計を確認した。その時だった―――

「おーい時雨ー!夕立ー!」

2人の名前を呼ぶ声がして時雨と夕立その方に顔を向けた。すると、向こうから時雨たちと似た黒字に赤いラインの入ったセーラー服を着た明るい茶髪のボブヘアーに薄い赤色のカチューシャを付けた少女と、芦黄色の長いツインテールの少女、そして白地に青色のラインと黒い襟のセーラー服を着た青色のロングヘアーの少女が駆け寄ってきた。

「あ!白露たちっぽい!」

「ホントだ。おーい!」

手を振りながら駆け寄ってくる茶髪の少女、白露に手を振り返す時雨。すると、白露は周りの目を気にする素振りすら見せずに時雨に飛びついた。その勢いがすさまじかったのか、白露の突然の行動に驚いてか、時雨はその場に尻もちをついた。

「うわぁ!ちょっと白露、いきなりどうしたんだ―――」

尻もちをついた時雨の言葉を遮るように、白露は時雨の口の前で人差し指を立てて口を遮った。その白露の行動に時雨時雨は思わず口を閉じた。

「ふっふーん!言わなくてもわかるもんねー。いきなりどうしたいんだい?って言いたいんでしょー?」

「いや、そう言ったんだけど…」

「あらら、白露姉さんったら…」

続いて現れた芦黄色のツインテールの少女、村雨がかがみこんで尻もちをついた時雨と飛びついた白露を見てニコニコと笑う。

「村雨も見てないで助けてほしいな」

「久しぶりに会ったんだから、ちょっとは我慢してあげたら?」

「はいはーい!なら夕立に任せるっぽーい!」

「あらら、村雨の口癖盗られちゃった」

「ちょっと、白露姉さん。村雨姉さん。待ってー」

最後に駆け寄ってきた青色のロングヘアーの少女、五月雨。しかし、かなりの速さで駆け寄っていった白露に追い付こうとして走っていた五月雨は道路に落ちていた小石につまづき―――

「きゃあぁぁー!」

「へ?きゃあっ!」

盛大に村雨に衝突した。そこからドミノ倒しの要領で村雨が倒れ白露と時雨が巻き込んで倒れる。

「あー!」「ちょっとま―――」

「ぽいー!」

そして最後に夕立も巻き込まれて、そこには1つの山が出来上がった。

「すいません!遅れたので―――え?」

その場に電が到着したのはちょうどその時だった。

 

「えっと…これはどういう状況なのです?」

「あはは…こ、これはね…」

「五月雨が突っ込んできたっぽい!」

「ううう…ドジっ子解消への道のりは遠いよ~」

と、山を何とか脱出した時雨たちと話をする電。しかし、明らかにガンプラバトル全国大会の地区予選会場で起こることではないということなので、もはや意味が分からない。と言いたげ表情をしていた。流石の時雨もこの時ばかりは恥ずかしそうに頭の後ろを搔いていた。

「と言うか、この人たちは誰なのです?」

「あ、紹介するよ…僕と夕立の姉妹だよ。右から―――」

「はーい!1番先に自己紹介しちゃうよー!」

と、白露の元気はつらつとした声が時雨の言葉を再び遮る。時雨は、はぁ。とため息を1つ吐く。白露の自己紹介は続く。

「時雨のお姉ちゃんとはまさにこの私!1番の申し子、白露だよー!」

時雨の姉である白露。元艦娘で、白露型駆逐艦のネームシップでもある。とにかく1番が大好きな長女だ。

「はいはーい!村雨だよ!よろしくね」

次に自己紹介したのは村雨だ。時雨の妹で、夕立の姉でもある元艦娘である。世間では、白露よりお姉さんと言われることがあるが、当の本人はそこまで気にしていない模様。

「五月雨って言います!よろしくお願いします!」

最後に自己紹介したのは五月雨だ。艦娘の頃から続くドジっ子を何とか解消しようと努力する元艦娘だ。しかし、解消までの道はまだまだ遠い。

「あれ、春雨は何処っぽい?」

「そう言えば、いないね。どうしたんだろ?」

時雨たちにはもう1人妹である春雨がいるが、今この場にはいなかった。そのことが気になったことを悟ったのか、五月雨が口を開いた。

「春雨姉さんなら、今回の大会に出場するって言って受付をしに行きましたよ」

「え?春雨がかい?」

「はい!確か、県立第1中学校のガンプラ部として出場するって…」

「ん、県立第1中学校?」

その数秒後に、えぇー!!という絶叫が県立体育館にこだましたのだった。

 

開会式が終了し、AとBブロックに分かれた試合が始まった。第1試合となる今日は特に試合が多く、4台置かれているバトルシステムは既に満員状態だった。電たち暁学園ガンプラバトル部は観客席から各ブロックのバトルを観戦していた。しかし、制限時間が設定されているとはいえ、かなりのハイスピードで試合は進んでいく。出場している学校の中には電たちと同じ元艦娘の姿も見えた。

「あ!あれ金剛さんに島風と天津風じゃない?」

「本当だ…と、あっちには陽炎に不知火がいるね。確かあの2人は同じブロックだからもしかしたら当たるかもしれないね」

「あ、向こうの観客席に比叡さんに榛名さん、霧島さんもいますよ!金剛さんの応援かな?」

「それ以外思い浮かばないっぽい…」

時雨たちが喋っている間にも試合は進み、大会の進行アナウンスが暁学園と県立第1中学校の名前が呼ばれた。電たちは観客席から立ち上がり、1階へ降りて行った。階段を降り、1階の通路を歩く3人。

「よーし時雨!春雨が相手でも手加減なしだからね」

「わかってるよ。勿論さ」

「い、電も頑張ります!」

時雨と夕立がバトル会場に入った時だった。

「あれ、電?」

電が後ろから声をかけられた。その声は電がよく聞き親しんだ声で、電はハッとして後ろを振り返った。そこには癖のある茶色のボブヘアーと電とよく似た制服を着た少女が立っていた。

「い、(いかづち)ちゃん!?」

電はそこに立っていた自身の姉、雷に驚きを隠せなかった。

「どうしたのよ電。こんな所に居るなんて…あ!またガンプラバトルの見学?」

「え、えっと…実は電」

電が、雷の質問に答えようとしたとき、背後から時雨の声が聞こえてきたのに気がつき慌てて雷に一言言うと走っていった。

「雷ちゃん。ごめんなさい、またあとでお話しするのです!」

「あ、電!」

雷は走っていく電に手を伸ばすが、電はそのまま走り去ってしまった。

「電……」

電は扉から溢れる光に消えていった。

 

続く

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