艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP24 切符

バトルシステムがシャットダウンされプラフスキー粒子が消えていく。バトルシステムの台の上には大破した6機のガンプラが転がっていた。そしてそれを操っていた6人、電、時雨、夕立、雷、最上、綾波はただ茫然とバトルシステム台を眺めていた。その時体育館内にアナウンスが流れた。それは勝者が暁学園ガンプラバトル部であることを伝えるものだった。そのアナウンスが聞こえると会場は一気にスタンドフォーメンションになり、歓声と拍手が巻き上がった。それに未だ困惑が残る暁学園の3人は頭をキョロキョロさせていた。そして暁学園の3人の前に白守学園の3人が歩いてきて拍手をした。最上が口を開く。

「おめでとう!電ちゃん、時雨、夕立ちゃん」

「綾波たちの完敗ですね…皆さん、おめでとうございます!」

「最上、綾波…」

未だに驚いている時雨だったが、横から飛びついてきた夕立との衝突でようやく全てを悟った。

「時雨ぇ―!やった、やったね!地区予選優勝だよ!県代表戦に行けるんだよ!」

「うわっ夕立!?ちょっと、思いっきり抱き着かないでよ!」

「アハハ!やっぱり2人は仲が良いね!」

「本当、見ていて面白いですね」

「ちょ、最上も綾波も止めてよ!」

バトル台の片隅でそんなことが起こっていたが、電はと言うとただジッと雷を見つめていた。バトル台には胴体部を貫かれたキュリオスアーチャーと、全身ボロボロのイナヅマガンダムが転がっていた。すると雷が口を開いた。

「完敗だわ、電。いい勝負だった」

「い、雷ちゃん…」

そう言うと、雷はゆっくりと電の元へ歩み寄った。そして、右手を前へ差し出した。

地区予選(ここ)で負けたワタシたちの分も、勝ってくるのよ?」

電は雷の差し出した右手をしばらく見つめていたが、やがてその手をギュッと握りしめた。

「なのです!」

 

そしてその1週間後、県代表を決めるもう1つの地区を勝ち上がったチームとの試合。暁学園の3人は自分のガンプラを急ピッチで修復し、見事に勝利を収めた。こうして暁学園は見事に県代表のチームとして全国大会への切符を手に入れたのだ。県代表戦に勝利し、バトル会場で抱き合って喜ぶ3人を観客席の隅から影が見ていた。口元をニヤリと笑わせ、ポツリと一言呟くと観客の波へと消えていった。

 

 

「予定通りだね…」

 

 

暁学園が県代表チームに決まってからさらに1週間が過ぎた。電たち3人は今日も部室で練習……していなかった。

「ねぇ、頼むよタ級さん」

「断る!私はバックパック無し生活を3日も続けるなど不可能だ!」

「そこを何とか…お願いしますっぽい~」

「電からもお願いします!」

電たちはネリタ模型店にいた。そこで何やらタ級と交渉しているようだが、話は上手く纏まらない様子。タ級は3日間もバックパック無しの生活が送れないと、断じて引く様子を見せず、電たちもまた一歩も引く気配はない。

「良いじゃないですか3日くらい。たまには外に出て日光浴でもしてくださいよ、作業室にずっと籠ってるままだと体に悪いですよ?」

「黙っていろネ級。私はバックパックが手元にない状態が10秒でも続くと耐えられなくなるのだ!」

「うん。嘘はよくないよ~タ級姉さま」

「グ、私の嘘を見抜くとは流石だなネ級…」

はぁ、と呆れた溜息を吐くネ級。そこに時雨が再び口を挟む。

「お願いですよタ級さん。僕たち、どうしてもガンプラバトル日本協会主催の合宿に行きたいんだ!」

「そこで、全国大会参加者のみんなとあそ―――じゃなくて、みんなの実力を見て見たいっぽい!」

「電も、行ってみたいのです!」

説明しよう。ガンプラバトル日本協会主催の合宿とは、全国大会への出場を決めたガンプラファイターが一堂に会し、互いに切磋琢磨しファイターとビルダーとしての腕を磨こうというものだ!まぁ、パーティーみたいなものなんだけど…

「だから断る!と言った筈だー!」

全然話が進む気配がない会話がそこから5分続いた。そんな時ネリタ模型店の扉が開き、来店チャイムが鳴る。

「あ、いっらしゃいませ―――え?」

ネ級の不思議なものでも見たかのような言葉を聞いた4人が一斉に入口の方へと顔を向ける。そこには外からの逆光で黒く染まった人影が1人いた。

「ふっふっふっ…そのお話、聞かせてもらっちゃいました!」

「だ、誰だ!」

タ級の言葉に反応した人物は、何故か手に持っていた懐中電灯の様なものをチカチカさせてきた。

「うわ!まぶしっ!」

「ちょ、こんなところでやめてください!」

「……ぽい?あれって…」

夕立がその光り方に何か閃いた様子を見せた。そして、ブツブツと何かを呟き始めた。

「わ………ば…?わ……あ…ば…?…われ…あお…ば?……っ!?」

そしてそれが、あれ(・・)であることに気付いた夕立は叫んだ。

「ワレアオバ!?青葉さんっぽい!?」

夕立の言葉に影が反応し懐中電灯を消灯する。そして店の中に入ってきた影は、にっこりと笑って口を開いた。

「どぉも恐縮です!青葉ですぅ!」

すると、懐中電灯を直に当てられなおかつ発光信号まで送られた引き籠もり深海棲艦のタ級は怒りのたけを込めて叫んだ。

「アオバワレェェ!!」

こうして、電たちはガンプラバトル日本協会主催の合宿に参加することに成功したのだった。

 

続く




いつも「艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん」を読んでいただきありがとうございます。次回はEP14~EP24までに登場したガンプラと登場人物紹介となります。お楽しみに待っていてください。お話の続きが気なる方には申し訳ありませんがご了承ください。
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