艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP25 合宿

山と山に挟まれた盆地に伸びる1本の道に他の車に交じってピンク色の軽自動車が走っていた。その軽自動車の運転席には薄いピンク色の髪をポニーテールにした襟と袖が青いセーラー服を着て、青いキュロットを履いた青い瞳の少女が座っていた。そして、助手席には時雨、後部座席には電と夕立が座っていた。歴代ガンダムのオープニング曲やエンディング曲、挿入歌やテーマソングが流れ続けている車内で時雨が口を開いた。

「青葉さん。今日は車運転してもらってありがとう」

「いえいえ、お気になさらずぅ!」

車を運転していたのは青葉だった。彼女も戦争終結とともに退役した元艦娘で、現在は艦娘時代の行動力を生かしたジャーナリストと私立探偵事務所「青葉探偵所」を営んでいる。2日前、ネリタ模型店を襲撃した(?)青葉は時雨たちが行きたがっていたガンプラバトル日本協会主催の合宿の会場までの「足」を買って出たのだ。

「それにしても、なんであの時タ級さんに運転をお願いしてたんですか?青葉気になっちゃいますねぇ」

「うん。今顧問の先生が長期出張で車運転してくれる人がいなくって…」

「だからタ級さんにお願いしに行ったっぽい!タ級さんしか夕立たちの近場で運転できる人いないっぽいし」

「ふむふむ、なるほどなるほど!って、案外普通の理由ですね…」

運転しながら少し肩を落とす青葉。何を期待してたんですか?と呆れて呟く電。しかし、青葉はすぐにいつもの口調で再び話し出した。

「でも、青葉は全国大会出場者の顔を見てみたいって思ってましたからWin-Winってことにしましょう!」

「アハハ!青葉さんらしいっぽい!あ、今の曲リピートして欲しいっぽい!」

「恐縮です!」

車内が笑い声で包まれる。その中で青葉が一言、それに。と呟き少しして口を開いた。

「最近、元艦娘の失踪事件が発生してるんですよ。人が多く集まる場所なら何か情報が掴めるかもしれませんしね!」

「え?元艦娘の、失踪事件…?」

笑い声に包まれていた車内の空気が一気に凍り付く。青葉はそのままの口調で続ける。

「はい!最近本当に多くって、それに何も情報がないんですよ…失踪の理由とかも全然心当たりがないって依頼者は言ってきますし…これは、私立探偵としてもジャーナリストとしても気になっちゃうんですよね!」

「あ、青葉さん…それってその口調で話す内容じゃないですよね?」

電がビクビクしながらながら口を開いた。しかし、青葉は話しを切ろうとせず続ける。

「今日までにもう3人も失踪してるんですよね~名前は上げれないですけど、秋月型、陽炎型、白露型からそれぞれ1人ずつ依頼が上がってるんですよー」

その青葉の言葉を聞いた瞬間、時雨と夕立に衝撃が走った。そして荒げた声で時雨が口を開く。

「青葉さんその話本当なの!?」

「はい本当ですよ!3週間ほど前でしたか?県立第1中学校のガンプラバトル部の皆さんが事務所に駆け込んできたんですよ~」

「え…じゃ、じゃあ、失踪した白露型元艦娘って春雨さんってことですか?」

「ご名答ですね~電さん。まさしくそうですよ!」

「そ、そんな…春雨が…」

「ぽい……」

時雨と夕立が絶句してしまう。完全にぐったりと項垂れてしまった2人に、これは言い過ぎましたね。と慌ててフォローを入れる青葉。

「でも心配しないでくださいよ!この青葉が絶対見つけてみせますから!」

「そ、そうですよ。きっと見つかる筈です!それに、春雨さんが約束を放り投げる筈ありませんよ!」

電も青葉に続いてフォローを入れる。少し顔を上げた時雨と夕立、すると時雨が少しだけ皮肉そうな声で喋り出した。

「春雨は約束を放り投げない。か…確かに、そうかもね」

「時雨さん…」

それに続いて夕立も口を開く。

「電ちゃんの言う通りっぽい。春雨は真面目だからきっと約束は守るっぽい!」

「青葉さん。春雨のことお願いします」

「はい!この青葉に任せちゃってください!と、見えてきましたよ!」

ようやく明るさを取り戻した車内。そして、その窓には合宿の会場である「大和旅館」が見え始めていた。3人は旅館の方向を見つめていた。いよいよ、合宿の始まりである。

 

だったのが、4人の目の前には出迎えに来てくれた2人の背の高い女性だけ立っていただけで広い玄関と隣接する広間はもぬけの殻と言ってもいいぐらい静まり返っていた。

「あ、あれ?誰もいないっぽい?」

「お待ちしていました。暁学園ガンプラバトル部の皆さんですね」

「あ、大和さん!お久しぶりです!」

「時雨さんに夕立さん、電さんじゃないですか!お久しぶりですね」

「大和さん久しぶりっぽい!」

「お、お久しぶりです」

大和と呼ばれた、白地に桜の花と花びらが描かれた浴衣に艦底色を思わせる帯を巻いたとても長い茶色の髪をポニーテールにした髪と同じ色の瞳の女性がニコリと笑って、いらっしゃい。と返した。彼女もまた退役した元艦娘で、今では妹の武蔵と共にこの旅館を営んでいる。

「よく来たな3人…いや4人か、今日からしばらく私たちが世話をすることになるがよろしく頼むぞ」

「ありゃりゃ、見つかっちゃいましたか~流石武蔵さん!」

「フッ、お前も元気そうだな青葉」

暁学園の面々を出迎えたもう1人の背の高い女性は武蔵だった。褐色色の肌にかなり薄い金髪をツインテールかつ獣耳みたいにして、かなり薄めのグレーに紅葉の絵柄が入った浴衣を着て大和と同じ色の帯をしていた。彼女もまた元艦娘であり、現在ではこの通り大和と共にこの旅館を営んでいる。

「それではお部屋に案内しますね。中へどうぞ」

「あの、大和さん。1つ聞きたいんだけど」

4人を部屋へ案内しようとした大和に時雨が問いかけた。何を聞こうとしているのかを、まるで分っているように返してくる大和。

「なんで他県の皆さんがいないか。ですか?」

「凄い!大和さんなんで分かっちゃうっぽい!?」

「ここに来た参加者の皆から同じ質問ばかり来るのでな。今のお前たちで41回目だ」

「そ、そんなに聞かれてるんだ…と言うか、武蔵さん数えてたんだ」

帰ってきた答えに完全に呆気取られてしまった時雨。そして大和が時雨の問いかけに答えた。

「今、ここの県代表を決める試合が近くの体育館で行われてるんですよ。それを皆さん見に行ったので今、こんな状況なんですよ」

「「「え?」」」

結局その場にいた青葉を除く全員が呆気取られてしまったのであった。

 

続く




次週の投稿はお休みさせていただきます。申し訳ありません。
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