艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 作:黒瀬夜明 リベイク
月華団のメンバーと別れた電たちは、辺りを見回しながらパーティーを楽しんでいた。
「それにしても、こんなパーティーは久しぶりだね」
「ぽい!やっぱり、パーティーは楽しいっぽい!」
「電も、今日のパーティーはとっても楽しいのです!」
3人で会話を弾ませながら料理を食べ、ジュースを飲む電たち。すると、パーティー会場の一角からひと際大きな歓声が上がった。それに驚いて歓声が聞こえた方に向き直った電たちは、いつの間にか出来ていた人だかりの中にある人物を見つけた。
「ねぇあれって翔鶴さんと瑞鶴さんじゃない?」
「あ、ホントだ!行ってみるっぽい!」
電たちは人だかりへ向かって歩いていった。
人だかりの一番端に2人の女性が立って話をしていた。
「翔鶴姉ぇ、これどうすんの?」
翔鶴と呼ばれた銀髪ロングヘアーの白の弓道着の上を着て赤いミニスカートをはいた背の高い女性が答える。彼女も元艦娘で戦争終結によって退役し現在は
「瑞鶴。楽しんでる加賀さんを邪魔してはいけないわ」
「そ、ならほっときましょ」
瑞鶴と呼ばれた黒髪ツインテールの翔鶴と同じ服を着た少しだけ背の高い少女が呆れた口調で答えた。彼女もまた元艦娘であり、翔鶴の妹である。現在は翔鶴と同じ百年記高校に通う2年生だ。
「翔鶴さん、瑞鶴さん、お久しぶりっぽい!」
と翔鶴と瑞鶴の背後から夕立が声をかけた。それに気づいた2人は後ろを振り向くと、翔鶴がニコッと笑顔を作って口を開いた。
「あら、夕立さんに時雨さん、電さんじゃない。久しぶりね」
「ここにいるってことはアンタたちも全国への切符持ちなのね」
「うん、そうだよ!」
「もし当たることがあったらその時は容赦しないからね!」
「望むところだよ…それより、この人だかりはいったい何なんだい?」
時雨が瑞鶴に質問を投げかけた。すると瑞鶴は呆れた口調で答えを返してきた。
「あれよ」
瑞鶴が人だかりの中央を指さした。そこには茶髪を短いサイドテールにした白の弓道着に青色のミニスカートをはいた髪と同じ色の目をした女性と、真っ白な揉み上げの長いショートヘアーに白のカッターシャツに黒いネクタイを締め、黒のミニスカートをはいた右目が黄色で左目が水色の少女がテーブルに置かれた料理をのめり込む様に食べていた。
「なるほど、加賀さんか…」
「まったく、あの大食いバカは…」
白のショートヘアーの少女の隣で料理を食べているのは加賀だった。彼女も退役した元艦娘で、現在は百年記高校に通う3年生だ。艦娘時代からの大食いは未だに健在で、そして何より―――
「ゴクンッ…聞こえてるわよ五航戦」
「うげっ」
地獄耳である。加賀はゆっくりと椅子から立ち上がると瑞鶴目指し一直線に歩いてきた。
「いつからそんな口が利けるようになったのかしら。五航戦?」
「ちょっ、いい加減その呼び方止めてよね!」
「これは訓練のやり直しが必要かしら…」
「なにをー!」
と、この様に艦娘時代から続く2人の仲はぎくしゃくしたままである。加賀と瑞鶴が睨みあっていると、加賀の隣で料理を食べていた白のショートヘアーの少女が両手を上に突き上げ、歓喜の声を上げた。
「やったヲー!加賀に大食い勝負で勝ったヲー!」
「ハッ、しまった!?」
今歓喜の声を上げた少女の名はヲ級。戦争終結により陸に移り住んだ元深海棲艦である。現在は百年記高校の姉妹校である
「クッ!五航戦に目がくらんで勝負を逃すとは…」
「ちょ、あたしのせい!?」
「ヲッヲー!負け惜しみかな加賀~」
「…頭に来ました。もう一戦ですヲ級」
「ヲッヲー!何度でもかかってこいヲー!」
椅子に座った加賀とヲ級は再び大食い対決を始めた。すると時雨はヲ級の隣に立っていた黒のショートヘアーにヲ級と同じ服装をした水色の目の少女に気付いた。
「おいヲ級。まだ食べるのか?」
「食べるのはいいが無理はする―――て、駄目だな聞こえてない」
「おーいリ級さーん!」
時雨の声に気付いた黒髪の少女は、顔を時雨たちに向けるとハッとした表情をした。3人が少女の元に駆け寄る。
「ん、時雨に夕立じゃないか。お前たちも全国大会に出るのか?」
「うん!リ級さんも、全国出場してたんだね」
彼女の名前はリ級。ネリタ模型店最後の従業員(?)で、現在はヲ級と共に龍北高校に通っている2年生だ。ちなみに龍北高校はネリタ模型店から遠いので寮で生活しているらしい。
「あ、あの、この前はネ級さんとタ級さんにお世話になりました!」
すると電が少し脅えながら口を開いた。電の声を聴いたリ級は電を見下ろしながら、電の頭をゴシゴシと撫でながら口を開いた。
「お前が電か。話はネ級から聞いてる、うちのバカ姉が世話をかけたな」
「おいリ級、知り合いか?」
リ級の隣に立っていた黒のロングヘアーに灰色の半袖Tシャツの上に黒いノースリーブの服を着て同色のズボンをはいた背の高い水色の目をした少女が、リ級に尋ねてきた。
「
「ル級だ。以後よろしくな」
ル級と名乗ったその少女も戦争終結に際して陸に移り住んだ深海棲艦である。現在はヲ級、リ級と共に龍北高校に通っている2年生だ。
「僕は時雨。これからよろしくね」
「夕立よ!よろしくっぽい!」
「電です。どうかよろしくお願いします」
「と、ル級。ヲ級の奴がダウンしそうだ」
「了解した。ではまたな」
「またねっぽい!」
ヲ級の元に慌てて駆け寄っていったリ級とル級を見届けると、電たちは人だかりから抜け出した。
それからしばらくまた時間をつぶした電たち。すると今度は夕立が誰かを見つけたようだ。
「あ、あれ秋月たちじゃない!」
夕立が見つけた人物は料理の置かれたテーブルの前で互いの頬をつねり合っている少女3人組だった。
「あ、本当だね…て、何やってるんだろ」
「とにかく行ってみましょうよ」
3人はその少女たちの元に歩いていった。
「おーい秋月、初月、涼月ー」
「ねぇ、これって夢じゃないよね?食べていいんだよね?」
ポニーテールに纏められたダークブラウンの髪と、同じ色の襟と白の半袖セーラー服に柿色のスカーフを付けたダークグレーの目をした少女「秋月」が、両隣の少女の頬をつねりながら目の前の光景を疑うような口調で喋っていた。
「夢じゃないし、食べていいに決まってるだろ。秋月姉さん」
秋月に右頬をつねられている黒髪を後ろ髪一箇所とペンネントで前髪を二箇所、計三箇所を括った、ハネた前髪が獣耳か角を思わせる独特な髪型をして秋月と黒色の襟だが同じ服装をした首から下は黒の全身インナーを着て黒色スカーフを付けた少女「初月」が、秋月の左頬をつねりながら淡々とした口調で答える。
「でもこれ、身体に悪いものじゃないかしら…」
秋月に左頬をつねられているセミロングの銀髪に、指先まで覆う白インナーの上に秋月と同じ服を着用して白のスカーフを付けた、灰色のケープコートを羽織っている青灰色の目の少女「涼月」が、秋月の右頬をつねりながら何かを考えているような口調で喋る。
「もしもーし?」
電が声をかけるも、しかし秋月たちは3人に気付かず未だに頬をつねりながら料理に釘付けになっていた。
「でも、これ食べないと勿体ないんじゃ…」
「だから食べていいって言ってるだろ。秋月姉さん」
「これ程のものを見てしまうって、まさかこれは夢?」
「おーい!」
今度は夕立が声をかけるが、やはり反応がない。
「ねぇ、これって夢じゃないよね?食べていいんだよね?」
「夢じゃないし、食べていいに決まってるだろ。秋月姉さん」
「でもこれ、身体に悪いものじゃないかしら…」
「駄目だ…全く聞こえてない…」
とうとう時雨は彼女たちに声をかけるのを諦めた。元々艦娘時代から秋月たちは食習慣がかなり貧しいため、この様なパーティーで出てくる料理を見ると、ショックで倒れるか現在の様な、幻を見ているので?と言わんばかりに釘付けになって動かなくなるのだ。そして今も同じ言葉をループしたまま動かないでいた。時雨は仕方なく、少し離れよう。と言って秋月たちから少し離れた。そして少し歩いた時、夕立が時雨の肩をポンポンと叩いた。
「どうしたんだい夕立?」
「時雨、今はあんまり動き回らない方がいいかもっぽい…」
「え?それはどうしてだい」「どういうことですか夕立さん?」
電と時雨の2人が同時に夕立に尋ねる。すると夕立は少し苦笑して口を開いた。
「だって、あそこにはグラス片手に顔真っ赤にした川内さんが「夜っ戦!夜っ戦!」って叫びながら狂気の乱舞を踊ってるし、あっちには凄い形相で睨みあってる阿武隈さん、北上さん、大井さんがいるっぽいし、その隣では伊勢さんと日向さんがラジコン瑞雲飛ばしてはしゃいでるし―――」
「うん。動かない方がいいね」
と、時雨はキッパリと言い切った。すると、3人に近づいてくる2人の少女がいた。
「やっぱり電じゃない!」
「ん、この声は…」
電が声のした方を振り向くとそこには電のよく知る人物が立っていた。
「やあ、久しぶりだね電」
腰まである銀髪に電と同じ服を着て、前鍔の付いた紺の帽子をかぶったブルーグレイ色の目をした少女が落ち着いた口調で口を開いた。
「響ちゃん!久しぶりなのです!」
彼女の名は響。電の姉であり、艦娘を止めてからは
「雷から聞いてはいたけど、まさか
次に、腰まである紺色のロングストレートに電と同じ服、響と同じ帽子をかぶったを薄紫色の目をした少女が口を開いた。
「ふふっ、暁ちゃんも相変わらずなのです!」
彼女の名は暁。電たち姉妹の一番上の姉で今は響と共に種守中学校に通っている3年生だ。
「やあ、暁、響。元気そうだね」
「暁ちゃん響ちゃん久しぶりっぽーい!」
「時雨、夕立、久しぶりだね」
「久しぶりね!」
そしてそこから、5人の会話は更に弾みを増し彼女たちはパーティーが終わるその時間までお喋りを続けていた。
パーティー会場の一角、そこで5人を眺める1人の少女がいた。真っ白なショートヘアーで、白地のシャツの上に胸元が少し空いたところまでチャックを上げたフード付きの黒い上着を着て、黒いミニスカートをはいた血の様に赤い目をした少女だった。フードをかぶったまま5人を見つめるその少女は、「チッ」と舌打ちをした。
「そんなにキレないの」
「うるせぇ、クソが」
少女の隣には黒いフードを目深にかぶった黒いロングコートの人物が立っていた。そしてその隣には、紫がかった白い髪を長いサイドテールしてに黒い帽子をかぶった、黒のノースリーブセーラー服を着た髪と同じ色をした目の少女と、白の長髪に白地に黒い縦ラインが入った半袖Tシャツと黒地に白いラインが入ったミニスカートをはいたどす黒い赤色の目をした背の高い少女が立っていた。
「貴女たちもこの子が暴走仕掛けたらちゃんと止めてあげるのよ?」
「「はい。マスター」」
黒フードの人物の言葉に、まるで感情を失くしたかの様な言葉で返す二人の少女。すると、赤い目の少女がイラついた口調で口を開いた。
「テメェがマスターなのは気に入らねぇが。ちゃんと使えんだろうなこいつら?」
「気に入らないなら外してもいいんだよ?ま、その場合「偽物」の貴女に「本物」であるあの子への勝ち目なんてないけどね!」
「黙れっ!!」
黒フードの人物の胸倉を掴み暴言を吐く少女。しかし、フードの人物は慌てる様子も見せずいつもの軽い口調で謝罪をした。
「はいはい。ごめんごめん。言い過ぎたよ」
「フンッ!」
赤い目の少女は踵を返してパーティー会場から出ていった。そして、フードの人物が残った2人の少女に、貴女たちも行きなさい。と言うと2人は赤めの少女の後を追って会場を後にした。
「……」
そして残されたフードの人物は、もう一度5人を一弁すると小さくニヤついて呟いた。
もう1度、遊んでこっかな
続く