艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP44 怒りの長月

その頃、単独行動を取っていた長月はひたすらに森林地帯を駆けていた。卯月と弥生の2人と離れ、皐月が経てた作戦を信じて長月は森林をかき分け進んでいた。長月は今一度、作戦内容を思い返していた。

「単独行動を取ることで敵の狙いをこちらに向け、その後に2人と合流して敵を叩く」

そう口にした長月はセフティアリベイクフルシティを更に進めたが、いつまでたっても接敵することは無かった。そして、余りにも不自然過ぎる現状に長月はセフティアリベイクフルシティを停止させた。

「妙だな…かなり敵陣深くまで来たつもりだが……」

現在位置を確認しながら呟く長月。その時、セフティアリベイクフルシティの遥か後方の上空で爆発が起こった。そのことに気づいた長月は慌てて振り向いた。

「あれは……」

「長月大変だ!卯月と弥生たちの反応が消えた!」

「何だとっ!まさかあの爆発は!」

「ボクにもわからないよ!……ハッ!?まさか、ジャミング弾!長月、急いで爆発の起こった方へ向かって!もしかしたら、2人が戦ってるかもしれない!」

「わかった!」

長月はセフティアリベイクフルシティを慌てて反転させ、スラスター全開で爆発が起こった場所を目指した。木々を叩き折りながらセフティアリベイクフルシティは走った。

(クソッ!弥生、卯月、間に合ってくれ!)

 

そして、セフティアリベイクフルシティがそこに辿り着いた時、長月の目の前にはガンダムバエルの長剣「バエルソード」に首元から胴体を貫かれた卯月号と中破したランド・マンロディパーチカルの姿があった。

「な、ん、だと…」

その光景に立ち尽くす長月とセフティアリベイクフルシティ。すると、バエルは卯月号からバエルソードを引き抜いた。支えを失った棒の様に、卯月号はその場に倒れ伏した。引き抜いたバエルソードを横に斬り払い、ランド・マンロディパーチカルに向き直ったバエル。

「動けもしない相手を庇って戦闘不能か…フン。マヌケな奴だな」

そしてゆっくりとランド・マンロディパーチカルに向かって歩いていく。

「だが、まあいい。おかげで戦闘の手間が省けた」

「そんな、う、卯月…卯月っ」

弥生が目に涙を浮かべながら卯月の名を呼んだ。しかし、撃破された相手との通信は不可能。卯月からの返事はない。そしてその声は長月の耳にも届いていた。その声を聴いた長月は、体の奥底からとてつもない怒りがこみ上げてくるのを感じていた。そして――――

「貴様ぁぁー!!」

長月はセフティアリベイクフルシティをバエル目掛け突撃させた。手に装備した大型のライフル「200㎜レールライフル」をバエル目掛けて放った。高速で放たれた200㎜弾はしかし、バエルに簡単に回避されその場から離脱されてしまった。しかし、長月はレールライフルを撃ちながらバエルの後を追いかけていった。

「逃げるなぁぁー!!」

「落ち着いて、長月っ!」

皐月の制止も完全に振り払った長月は、卯月を仕留めたバエルをただひたすら追いかけた。宙を舞って逃走するバエルはセフティアリベイクフルシティの放ってくるレールライフルを華麗に回避し続けていた。地上から追いかけるセフティアリベイクフルシティからすれば直撃させるにはかなり難しい物だった。

「ちょこまかと!」

長月は武装スロットからリアスカートにマウントされている大斧を選択し、レールライフルを解除した。セフティアリベイクフルシティの左手が後ろに回り、大斧「セフティアリベイクハルバード」の柄を掴んで抜き、レールライフルはセフティアリベイクハルバードがマウントしてあった場所にマウントされた。長月は武装スロットを更に操作し「SP」を選択した。すると、セフティアリベイクフルシティの頭部が稼働し、ツインアイとV字のアンテナが展開されガンダムタイプの頭部へと変形した。現れたツインアイがギラリと発光する。そして長月はセフティアリベイクフルシティを空高く跳躍させた。

「はあぁぁー!!」

上空を飛ぶバエル目掛け突進するセフティアリベイクフルシティ。それに気づいたバエルは振り返るとバエルソードを構えた。セフティアリベイクフルシティはセフティアリベイクハルバードを最上段から一気に振り下ろした。この攻撃をバエルはバエルソードで受け止めたが、セフティアリベイクフルシティのパワーに圧され地面へと墜ちて行った。そして大きな土煙が舞い上がり、その中ではセフティアリベイクフルシティとバエルが鍔迫り合いを演じていた。セフティアリベイクハルバードの柄をバエルソードの刀身が抑え、激しい火花を散らしていた。

「うおぉぉぉっ!」

長月は更に操縦桿を前に突き出し、セフティアリベイクフルシティを前へと押し出す。

「チッ!」

バエルのファイターは鍔迫り合いでは勝てないと分かると、その場から大きく飛び退いた。鍔迫り合いになっていたセフティアリベイクハルバードは相手であるバエルソードが無くなると、そのままの勢いを乗せ地面に叩き下ろされ大きな砂煙を舞い上げた。バエルはそこから少し離れたところで態勢を整えたが地面に足を付けたその瞬間、砂煙の中から3本のヒートダートが飛び出して来た。バエルは飛来したヒートダートを左手のバエルソードで撃ち落とした。すると次の瞬間砂煙からセフティアリベイクハルバードを片手で持ち、左上段に振り上げたセフティアリベイクフルシティが突進してきた。

「沈めぇぇ!」

「ッ!」

左上段から縦一直線に振り下ろされたセフティアリベイクハルバードを右手のバエルソードで迎え撃ったバエルだったがセフティアリベイクハルバードの勢いに圧され、バエルソードを手から放してしまった。バエルソードを弾き飛ばしたセフティアリベイクハルバードだったが、バエル本体を仕留めることは出来ずバエルは再びそこから飛び退いた。再び砂煙が上がると、バエルはウイングバインダーに内装された電磁砲を砂煙に向かって連続で撃ち込み、そして残ったバエルソードを構え突進していった。

「なにっ!?」

「そこだっ!」

砂煙から出て来たセフティアリベイクフルシティと長月は、突然目の前に現れたバエルに驚きながらもセフティアリベイクハルバードで防御態勢を取った。しかし、手元を狙ったバエルの攻撃は見事に命中、セフティアリベイクフルシティの手からセフティアリベイクハルバードを落とすことに成功した。そして先程落としたもう1本のバエルソードを拾ったバエル。しかし、その一瞬の隙を突いて長月はセフティアリベイクフルシティの態勢を立て直し、機体を反転させバエルに向かって再度突進していった。

「うあぁぁぁー!」

「単純な動き。故に狙いやすい!」

電磁砲をセフティアリベイクフルシティ目掛け発砲するバエル。その弾丸から両腕で上半身を守りながら尚距離を詰めるセフティアリベイクフルシティ。セフティアリベイクフルシティの接近を許したバエルは左手のバエルソードを左上段から振り下ろした。しかし、バエルソードの刀身はセフティアリベイクフルシティの右手にガシリと掴まれた。

「なにっ?」

「ぬあぁぁぁっ!」

そしてそのまま、セフティアリベイクフルシティの右手はバエルソードの刀身を握りつぶした。バキバキ!という音をたてバエルソードは折れていく。

「フン。随分私情に囚われた攻撃だな。さては、さっきの奴は身内か何かか?」

「っ!?黙れっ!!」

そう叫んだ長月はセフティアリベイクフルシティのサブアームを展開した。

「敵を討つ。それもまた良いことだ。だがしかしっ――――」

「うおぉぉぁぁっ!」

長月は操縦桿を何度も前に突き出し、サブアームも使用してバエルを殴りつけた。何度も何度も上半身目掛け殴りつけた。

「砕けっっ!グシオンッッッ!!」

「クッ!」

咄嗟に砕かれたバエルソードから手を放し、セフティアリベイクフルシティにキックを放って距離を取ったバエル。セフティアリベイクフルシティは少しバランスを崩したが砂煙を上げながらすぐに態勢を立て直した。バエルも肩膝をつきながら停止し、右手のバエルソードを右上段に構えた。

「ガンプラバトルでは、マヌケな奴からやられていく!仲間の為なんかに行動する奴から、排除されるのだぁ!」

バエルはスラスターを噴かし、再度斬りかかった。右上段から放たれた袈裟斬りは――――

 

 

バキィィンッ!!

 

 

「――――なっ!?」

セフティアリベイクフルシティが構えていた巨大なハサミ「リベイクシザーシールド」の刀身に直撃し、そして砕け散った。

「良かったな……」

セフティアリベイクフルシティがバエルの眼前でその巨大なハサミを広げ、そして長月は今までの恨み全てを込めて叫んだ。

 

 

 

貴様はマヌケでぇっ!!!

 

 

 

勢い良く突き出されたリベイクシザーシールドはガッチリとバエルの胴体を挟み、地面に叩きつけた。そして長月はセフティアリベイクフルシティの両手でリベイクシザーシールドの縁を、サブアームでグリップをそれぞれ握り、一気にバエルを押し潰していった。バエルのボディがバキバキバキ、と圧壊されていく音を上げながら壊れていく。そして―――

「終わりだぁぁぁ!!」

長月のその言葉と共に、バエルは破壊された。

「Battle Ended!」

損害を出しながらも月華団は全国大会2回戦を突破した。

 

続く

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