艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 作:黒瀬夜明 リベイク
出撃した百年記高校の3人は、密集して行動していた。いつもなら無断突撃する瑞鶴だったが、今回はメンバーと息を合わせた行動を取っていた。
「まだ攻撃が来ないですね加賀さん」
「ええ。ヲ級の事だからまた無謀突撃してくるかと思ったけど…今回はそうじゃ―――」
その時、加賀たちの前方から黄色いビームが飛んできた。
「っ!散開っ!」
「くっ!」「いきなりなんて!」
加賀の咄嗟の指示により、そのビームの直撃をま逃れた3機。しかし、立て続けに黄色のビームは飛んでくる。狙いは正確で相手の動きを先読みするような攻撃だったが、3人は何とかそれを回避し続けていた。そして回避行動中の瑞鶴が、あることに気づいた。
「しまった!翔鶴姉ぇと離されてる!」
「くっ…はめられたわ」
「一航戦!早く翔鶴姉ぇと合流―――」
「見っつけたヲー!」
だがそこにヲ級が駆るオギュルディアアストレイが戦闘を仕掛けてきた。オギュルディアアストレイはビームライフルを撃ちながら左腕のビームサーベルを展開、AGE-1バウンサーと、AGE-2ホーキンスに襲い掛かった。
「よし!ここはファンネルで――――」
瑞鶴が武装スロットからCファンネルを選択しようとした時、ふと脳裏に今までのバトルの光景が蘇った。戦闘開始と同時にCファンネルを射出、だがファンネルはすぐに全基撃破されてしまった。
(今は駄目だ。
その事を思い出した瑞鶴は、武装スロットをCファンネルから外しハイパードッズライフルを選択した。
「もらったヲー!」
ヲ級はオギュルディアアストレイの胸部ビームカノンをAGE-2ホーキンス目掛け発射した。
「なんのー!」
黄色いビームがAGE-2ホーキンス目掛け飛んだが、瑞鶴も負けじとハイパードッズライフルの引き金を引いた。オギュルディアアストレイのビームカノンとAGE-2ホーキンスのハイパードッズライフルのビームはバチィッ!と激しい電撃を放ちながら衝突、大きな爆発を起こした。
「くぅ!」
「チッ!」
直撃を回避されたヲ級は小さく舌打ちをした。するとそこに、ドッズライフルを撃ちながら加賀のAGE-1バウンサーが迫った。
「どこを見ているのかしら?」
「ヘンッ!そんな攻撃当たらないヲー!」
しかしヲ級はAGE-1バウンサーの攻撃を全て回避し、ビームサーベルを右上段に構えて斬りかかった。AGE-1バウンサーはシールド先端に装備されたシグルブレイドでそれを受け止めた。バチバチッ、と火花を散らすビームサーベルとシグルブレイド。
「ヲ級が用があるのは赤城だヲ!さっさと赤城を出すを!」
「残念だけど、ガンプラバトルは3人しかバトルに出場できないわ…諦めてちょうだい。それに、赤城さんは忙しいの」
「舐めるなぁー!」
加賀の発言にキレたヲ級は、加賀のAGE-1バウンサーを蹴り飛ばした。
「くっ!」
「ならまずは、お前から沈めてやるヲ!」
オギュルディアアストレイはビームライフルを腰裏にマウントし右腕からもビームサーベルを展開すると、AGE-1バウンサーに対して突撃した。しかし、オギュルディアアストレイの前を3発のビームが通り過ぎ、足を止めた。
「そう簡単にやらせないわ!ヲ級」
AGE-1バウンサーの前に、上昇してきたAGE-2ホーキンスが立ちふさがりハイパードッズライフルを向けた。
「邪魔するなヲー!」
オギュルディアアストレイは再度2機に向かって突撃していった。
その頃、翔鶴のAGE-3FXは1機でリ級のリギリンドペイルライダーと、ル級のルギリスヴァサーゴと対峙していた。翔鶴は戦闘開始早々に全てのCファンネルとシールドビットを射出、数の不利を手数で補って戦闘をしていた。
「当たってCファンネル!」
翔鶴は、Cファンネルを操作しリギリンドペイルライダーとルギリスヴァサーゴを全方位から攻撃していた。
「クッ!流石ファンネル使い…やるな!」
「だが、やられっぱなしは性に合わん!全砲門、ファイヤー!」
ルギリスヴァサーゴは両肩と両腕に備えたビームキャノンをAGE-3FX目掛け一斉掃射した。
「!?しまった!」
回避行動が遅れたAGE-3FXは慌てて全てのCファンネルを集め、シールドビットと合わせて大型のシールドを作った。迫る黄色いビームの帯を受け止めたシールド。しかし、ビームの威力は凄まじくシールド隅のCファンネルが爆発してしまった。爆風でAGE-3FXは吹き飛ばされてしまった。
「きゃあ!」
「もらったぞ!翔鶴!」
吹き飛ばされ体勢を崩したAGE-3FXに展開した大剣を左上段に構えたリギリンドペイルライダーが迫った。
「まだ、やられるわけにはいきません!」
体勢を崩しながらもCファンネルを操る翔鶴。リギリンドペイルライダーを集中的に狙った攻撃は、回避され続けていたが足止めには成功していた。そして遂にCファンネルはリギリンドペイルライダーの大剣の刀身を捉えた。
「しまった!」
「よし!」
「リ級!」
リ級の見せた隙をすかさずル級がカバーした。リギリンドペイルライダーの正面へ出たルギリスヴァサーゴが両肩のビームキャノンを放つ。AGE-3FXはそのビームを回避し、シグマシスライフルを連続で撃ち返した。ルギリスヴァサーゴはリギリンドペイルライダーの右腕を掴むとビームを回避するためその場から離脱した。
「逃がしません!」
すかさずCファンネルとシグマシスライフルで追撃するAGE-3FX。その攻撃を回避しながら距離を取ろうとするリギリンドペイルライダーとルギリスヴァサーゴ。
「ル級。もう大丈夫だ!」
「わかった!」
ルギリスヴァサーゴから離れたリギリンドペイルライダーは、腰からビームサーベルを抜き放ちAGE-3FXに再び迫った。それを見た翔鶴もビームサーベルを選択し、リギリンドペイルライダーを迎え撃った。ビームサーベルでの鍔迫り合いを繰り返しながら、リギリンドペイルライダーは左腕のドラゴンハングを撃ち出しAGE-3FXを強襲する。ドラゴンハングを右ローリングで回避したAGE-3FXはシグマシスライフルを撃つが、リギリンドペイルライダーはそれを後退しながらの回避で避け、その後ろからルギリスヴァサーゴがビーム砲を撃ち込む。AGE-3FXがビームを急上昇で回避し、Cファンネルでルギリスヴァサーゴを攻撃した。回避するルギリスヴァサーゴだったがCファンネルの1つが肩部ビーム砲の砲身を捉えた。
「しまった!」
「ル級!」
「よし、追撃よ!」
その攻撃でバランスを崩したルギリスヴァサーゴに翔鶴はCファンネルで更なる追撃を加えた。そして、続けてCファンネルはルギリスヴァサーゴの肩部のもう1つのビーム砲の砲身も斬り落とし、左足も斬り落とした。
「ル級はやらせんぞ!」
すかさずカバーに入るリギリンドペイルライダーはルギリスヴァサーゴの正面で頭部バルカンを撃ち、Cファンネルを牽制する。その牽制を受け翔鶴はCファンネルを自機の周囲に後退させてしまった。
「やりますね!」
「そっちこそな!ル級、機体のダメージはどうだ?」
「ああ。肩のビーム砲と左足のミサイルが使えないだけだ。まだ行ける」
「一度ヲ級と合流するか?」
「いや、まだ少し粘れる。心配するな」
「わかった。援護頼んだぞ!」
そう言ったリ級はリギリンドペイルライダーをAGE-3FXに向け突撃させた。
「これでどうだ!」
リギリンドペイルライダーは再び左腕のドラゴンハングを射出させたが、不意打ちでもないその攻撃を回避できない翔鶴ではなく、再び回避され通り過ぎていくドラゴンハングに向けシグマシスライフルを放った。シグマシスライフルのビームはドラゴンハングの本体を捉え、それを消し去った。
「チッ!」
「惜しかったですね!」
「よそ見をする暇があるのか?」
するとそこに、ルギリスヴァサーゴが残った腕部ビーム砲とバックパックに装備されたレールキャノンを同時に発射した。ビーム砲はAGE-3FXの右足をレールキャノンは肩アーマーを捉えた。
「きゃあ!」
「そこだ!」
バランスを崩したAGE-3FXにリギリンドペイルライダーが残った右腕のドラゴンハングを射出した。凄まじい速度でドラゴンハングがAGE-3FXに迫ったが翔鶴は咄嗟に2基全てのシールドビットをドラゴンハングの進行方向に展開した。
「シールドビット!」
ドラゴンハングはシールドビットを捉えるとシールドビットを圧壊させたが、そのせいで推進力が無くなってしまった。
「なに!?」
「今度は当てます!」
態勢を整えたAGE-3FXはそのドラゴンハングとシールドビット目掛けシグマシスライフルを撃った。狙いは違わず、ドラゴンハングとシールドビットを撃ち抜きそのままリギリンドペイルライダー目掛けて直進した。
「くぅ!」
リギリンドペイルライダーは何とかそのビームを回避したが、完全な回避には失敗しシグマシスライフルが右腕を撃ち抜いた。
「当たった!」
「くそっ、右腕がやられたか!」
「リ級!」
「すまないル級。一旦、ヲ級と合流させてくれ」
「わかった!殿は私が勤めよう」
するとルギリスヴァサーゴとリギリンドペイルライダーはその空域から離脱を始めていった。
「あっ!」
それに気づいた翔鶴は、Cファンネルで2機を追撃しようとしたがファンネルの残基数が残り少ないことに気づくとその考えを破棄し、残ったCファンネルをAGE-3FXに戻し後を追いかけた。
一方その頃、加賀のAGE-1バウンサーと瑞鶴のAGE-2ホーキンスはオギュルディアアストレイのXファングの攻撃を回避しながら戦闘を続けていた。Xファングを回避しながらAGE-1バウンサーがシグルブレイドで斬りかかり、それに続いてAGE-2ホーキンスもビームサーベルで攻撃するがオギュルディアアストレイはAGE-1バウンサーの攻撃を少しの上昇で避わして蹴り落とし、AGE-2ホーキンスのビームサーベルも横スライドで回避しAGE-2ホーキンスも蹴り飛ばす。
「なんて動き!」
「くぅぅ!」
「こんなんじゃ飽きちゃうヲー」
ヲ級は加賀と瑞鶴の連携攻撃にも動じることなく、2機の攻撃を次々捌いていく。そしてXファングで2機を追撃し、オギュルディアアストレイは胸部ビームカノンをそれぞれに向かって連射していく。
「くそぉ」
瑞鶴はAGE-2ホーキンスをストライダー形態へ変形させるとその場を離脱した。
「逃がさないヲー!」
ヲ級は離脱するAGE-2ホーキンスをXファングで追撃したが、AGE-2ホーキンスはストライダー形態時に推力が人型形態時の3倍になる為、Xファングは追いつけずにいた。
「ちょこまかとー!」
「そのスピードじゃ、私のAGE-2ホーキンスには追いつけないわ!」
「私を忘れてないかしら?」
そこにAGE-1バウンサーがドッズライフルを撃ちながらオギュルディアアストレイへ接近していった。
「チッ!」
接近したAGE-1バウンサーは再びシグルブレイドで斬りかかった。左からの横一閃をオギュルディアアストレイは右腕のビームサーベルを展開して防ぐが、すぐさま左腕のビームサーベルでAGE-1バウンサーに上段から斬りかかった。しかし、AGE-1バウンサーはオギュルディアアストレイの左腕を自身の右腕で押さえつけた。ギギギギ!と2機の腕が軋み合う。
「やるわねヲ級」
「フンッまだ面白くないヲ!」
「それはどうかしら?」
「どういう意味ヲ!?」
その時、オギュルディアアストレイとAGE-1バウンサーの上空を大きな桃色のビームが通り過ぎ、それに続いて小さな爆発が乱発した。
「なに!?」
「待たせたわ一航戦!ヲ級のファングは全部破壊したわよ!」
そして何処からともなく現れたストライダー形態のAGE-2ホーキンスがオギュルディアアストレイの直前で人型形態に戻るとオギュルディアアストレイを蹴り飛ばした。
「ぐぅぅ!」
「今だ、Cファンネル!」
瑞鶴はオギュルディアアストレイの隙を確信し、Cファンネルを4基全て射出した。両肩のツインドッズキャノンから分離したCファンネルが4方向から同時にオギュルディアアストレイに襲い掛かった。しかし―――
「見え見えヲー!」
蹴り飛ばされていたオギュルディアアストレイは瞬時に態勢を立て直し、迫ったCファンネルを両腕のビームサーベルによる回転斬りで全基撃破してしまった。
「なっ!?」
するとオギュルディアアストレイは180度方向転換するとその場から逃亡していった。
「あっ!待ちなさいよ!」
逃亡するオギュルディアアストレイを追い、AGE-2ホーキンスは移動を開始した。
「瑞鶴っ!」
慌ててAGE-1バウンサーもAGE-2ホーキンスの後を追いかけた。逃走するオギュルディアアストレイに向け、AGE-2ホーキンスはツインドッズキャノンとハイパードッズライフルを撃ち、AGE-1バウンサーもドッズライフルを撃ちながら後を追った。
「あいつ、しつこいヲ……ん?」
AGE-1バウンサーとAGE-2ホーキンスに追走されながらポツリと呟くヲ級。すると、進行方向の先からリギリンドペイルライダーと、ルギリスヴァサーゴが向かってくるのが見えた。
「丁度いいヲ。ついこの間完成した
すると、リギリンドペイルライダーとルギリスヴァサーゴのメインカメラが一瞬発光すると、突然二手に分かれた。
「な、なんだ?」
「機体が勝手に動くだと!?」
その事に瑞鶴たちは気づいておらず、未だに追撃を続けていた。
「くそ!」
オギュルディアアストレイに追いつけないままAGE-1バウンサーとAGE-2ホーキンスは射撃を続けていた。追いつけもせず、攻撃も当たらず、ファンネルすら破壊された瑞鶴は焦っていた。
「落ち着きなさい、瑞鶴!」
「あいつくらいやれるわ!」
そして遂に瑞鶴はAGE-2ホーキンスをストライダー形態に変形させ、オギュルディアアストレイの追撃を本格化させた。先行していくAGE-2ホーキンスを見た加賀は、慌てて瑞鶴を呼び止めた。
「やめなさい瑞鶴!」
そしてようやくオギュルディアアストレイに追いついたAGE-2ホーキンスは変形を解き、ビームサーベルで斬りかかった。オギュルディアアストレイも左腕のビームサーベルを展開し鍔迫り合いとなった。しかし、オギュルディアアストレイはそのまま腕を振り切ると、AGE-2ホーキンス目掛けビームカノンを連射した。
「くぅぅ!」
負けじとツインドッズキャノンで反撃するAGE-2ホーキンス。するとその内の1発が、オギュルディアアストレイの右肩アーマーに直撃した。オギュルディアアストレイは少し体勢を崩してしまった。それを見た瑞鶴は攻撃のチャンスと判断した。
「今だ!」
AGE-2ホーキンスが、ビームカノンを撃ち続けるオギュルディアアストレイに襲い掛かった。
「お前なんかー!」
そして、AGE-2ホーキンスとオギュルディアアストレイの距離があと少しと言うところで、何かが乱入しAGE-2ホーキンスを抑え込んだ。
「な!リ級とル級のガンプラが何でここに!?」
乱入してきたのはリギリンドペイルライダーとルギリスヴァサーゴだった。その2機はAGE-2ホーキンスをガシリと捕まえたまま離さなかった。するとそこに、オギュルディアアストレイが両腕のビームサーベルを展開して襲い掛かってきた。
「赤城とうるさい加賀の前に、まずはお前だー!!」
「うわぁぁー!?」
瑞鶴の叫びがこだまました時、追いついてきたAGE-1バウンサーがドッズライフルを構えて現れた。AGE-1バウンサーはドッズライフルを続け様に2発発射し、AGE-2ホーキンスに組み付いていたリギリンドペイルライダーとルギリスヴァサーゴを撃ち抜いた。
「な、なに!」「な!うわぁぁっ!」
撃ち抜かれた2機は同時に爆発。AGE-1バウンサーは爆発の中からAGE-2ホーキンスを抱えて現れた。
「い、一航戦!?」
「まったく、世話が焼けるのね」
加賀の救助にホッと安堵した瑞鶴。しかし、爆炎の中からオギュルディアアストレイが現れ、2機に迫った。
「っ!?」
そのことに気づいた加賀は、咄嗟にAGE-2ホーキンスを放した。そして、次の瞬間――――
バチィッ!!
AGE-1バウンサーは胴体部をビームサーベルで貫かれてしまった。
「―――――え?」
突然目の前で起こった出来事に驚くあまり絶句してしまう瑞鶴。
「加賀さんっ!!」
するとそこにリギリンドペイルライダーとルギリスヴァサーゴを追っていたAGE-3FXがシグマシスライフルを撃ちながら現れた。AGE-3FXの攻撃を回避するために距離を取るオギュルディアアストレイ。
「瑞鶴、早く加賀さんを!」
※注意、ここから機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDENのワンシーンをアレンジ付きで再現します。キャラ崩壊等が含まれますのでご注意ください。
翔鶴の言葉を聞いた瑞鶴は慌てて、加賀に呼び掛けた。
「一航戦大丈夫なの!?返事しなさいよ!!」
すると、瑞鶴の正面モニターに真っ黒な通信モニターが現れると加賀の弱々しい声が瑞鶴の耳に届いた。
「あまり…大丈夫じゃ…なさそうだわ」
「一航戦!今すぐに―――」
「来ては駄目よ…瑞鶴」
「!?」
加賀の言葉に驚く瑞鶴。そんな瑞鶴をよそに加賀は言葉を続けた。
「この
「まさか!?早く動きなさいよ!操縦桿を動かして!」
何とか加賀を助けようと言葉を紡ぐ瑞鶴。しかし、加賀は話し続ける。
「聞きなさい…瑞鶴…」
「じゃあ私の機体で引っ張るわ!出来るだけ負荷がかからないように―――」
「聞きなさいっ!瑞鶴っ!!」
「!?」
加賀は突然、大声で瑞鶴に自分の話を聞くように叫んだ。瑞鶴はその言葉に動揺し、遂に口を閉じた。
「……確かに、貴女はどうしようもなく世話の焼ける子よね………」
周囲からいくつものアラートが鳴り響く操縦スペースで加賀は瑞鶴に語り掛けた。
「でも、良いのよ……貴女はそれで……」
加賀の言葉を聞いた瑞鶴は操縦桿をギュッと握りしめ呟いた。
「そんな…私がもっと、上手くやれていたのなら…こんな事には……」
「私にはわかるわ…貴女は凄い子よ。ファンネルが操れなくても、凄いんだって」
そして加賀はモニター越しに映る瑞鶴の顔を見てこう言った。
瑞鶴、スーパーファイターになりなさい
涙を目に溜めた瑞鶴は何も言うことが出来ず、加賀の言葉を聞くことしか出来なかった。
「誰よりも…この私よりも凄い……世界一のファイターにね………」
「加賀さんっ……」
その時、AGE-1バウンサーの傷口から激しいスパークが起こり始めた。
「期待…している…わ……」
「加賀さんっ!!」
瑞鶴は咄嗟にモニター越しの加賀へ手を伸ばしていた。その動きに、AGE-2ホーキンスも連動してAGE-1バウンサーに向け手を伸ばした。しかし、時は既に過ぎてしまった。ひと際激しいスパークを放ったAGE-1バウンサーは、遂に爆発しその姿を爆炎の中へと消してしまった。凄まじい爆風に飛ばされ、AGE-2ホーキンスは遥か後方に飛ばされてしまった。その中で瑞鶴は加賀の名を叫んでいた。
「加賀さぁぁーんっ!!」
そして、瑞鶴とAGE-2ホーキンスは遥か前方で起こるAGE-1バウンサーの爆発を眺めていた。
一方、オギュルディアアストレイを追撃していたAGE-3FXだったが、ヲ級は全ての攻撃を避け続けていた。AGE-3FXがシグマシスライフルを放てば瞬時に回避し、ビームサーベルで斬りかかれば、弾き返されてしまう。
「くぅぅ!か、加賀さんっ」
「弱い…弱すぎるヲ!」
翔鶴の攻撃を全て避けたヲ級は、ニヤリとした笑みを浮かべていた。だが、その時だった―――
「あああああぁっ!!!」
1つの叫び声と共に、一筋の閃光がオギュルディアアストレイに迫り右手のビームサーベルで斬りかかった。咄嗟に右腕のビームサーベルを展開し攻撃を防いだオギュルディアアストレイ。そしてその正体は、瑞鶴のAGE-2ホーキンスだった。
「な、なんだこいつ!?」
「許さないっ!お前だけはぁぁー!!」
AGE-2ホーキンスはビームサーベルを握ったままの左手で、オギュルディアアストレイの顔面を殴りつけた。その攻撃で弾き飛ばされたオギュルディアアストレイを更にAGE-2ホーキンスは追撃する。
「はあぁぁぁぁっ!!」
態勢を整えたオギュルディアアストレイは、AGE-2ホーキンスの右上段からの縦斬りを再びビームサーベルで抑えたが、先にビームサーベルを離したAGE-2ホーキンスが放った蹴り落としを受け再び体勢を崩した。
「ぐわぁっ!」
弾き飛ばされた体制のままオギュルディアアストレイは胸部のビームカノンを照射した。しかし、AGE-2ホーキンスはそれを右へのスライドで回避しそのまま薙ぎ払われたビームカノンを避け続けた。ヲ級はビームカノンを連射モードに切り替え次々撃ち出すが、高速で動くAGE-2ホーキンスはその速度を保ったまま次々迫りくるビームを避け続けていた。
「くぅっ!」
ここに来て、ようやくヲ級は焦りを見せ始めた。ビームカノンを撃ち続けてはいたが、やはりAGE-2ホーキンスは機体をスライドさせ、上昇させ、下降させ、そのビームを避け続けている。
「よ、読めない!何故だ!ファンネルすらろくに使えないくせにっ!」
どんどん迫ってくるAGE-2ホーキンスにオギュルディアアストレイは再びビームサーベルで斬りかかった。AGE-2ホーキンスは右手のビームサーベルでそれを受け、スラスターを全開で噴かしオギュルディアアストレイを押し込んだ。
「お前はっ…お前はっ!」
鍔迫り合いの中、ヲ級が叫んだ。
「何なんだぁぁー!!」
そして左腕のビームサーベルを展開すると、それを一気に左上段から振り下ろした。しかし、ビームサーベルを振り切った先にAGE-2ホーキンスの姿は無かった。AGE-2ホーキンスはオギュルディアアストレイのビームサーベルを振り下ろされたその瞬間、オギュルディアアストレイと入れ違ったのだ。オギュルディアアストレイの背後を取ったAGE-2ホーキンスは振り向きざまに右手に握ったビームサーベルを右上段からの袈裟斬りで一気に振り下ろした。
「私は……」
ビームサーベルがオギュルディアアストレイの右腕を切り裂いた。
「私はっ……」
左上段から再びビームサーベルを斬り降ろすAGE-2ホーキンス。ビームサーベルがオギュルディアアストレイの両足を切り裂く。
「スーパーファイター………」
左手のビームサーベルを再び左上段に払い、再度右手のビームサーベルで袈裟斬りを放つAGE-2ホーキンス。そしてそれは、最後に残されたオギュルディアアストレイの左腕を切り裂いた。そして――――
瑞鶴だぁぁぁぁー!!!!
思いの丈を込め叫ぶ瑞鶴。そして、AGE-2ホーキンスは左手のビームサーベルを大きく斬り払い、右手に握ったビームサーベルをオギュルディアアストレイの首元目掛けて全力で振り下ろした。身動きの取れないオギュルディアアストレイはAGE-2ホーキンスの斬り降ろしを真正面から受け、胴体を真っ二つに切り裂かれてしまった。そして、ビームサーベルを振り切ったAGE-2ホーキンスはオギュルディアアストレイから離れると、真っ二つにされたオギュルディアアストレイに向けツインドッズキャノンを放った。撃ち出された2つのビームは、狙い違わずオギュルディアアストレイに命中した。撃ち抜かれたオギュルディアアストレイは爆発し、その爆炎は次第に大きくなっていった。操縦スペースにいたヲ級は操縦桿を未だに動かし続けていた。
「何故だ!?このヲ級が負ける筈がない!」
そして、オギュルディアアストレイが完全に爆炎に包まれた時、ヲ級は最後の断末魔をあげた。
「負ける筈がぁぁー!!」
オギュルディアアストレイは爆炎の中に消えていき、AGE-2ホーキンスと瑞鶴はその爆炎を見下ろしていた。
続く