艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP50 彼女たちの行方

翌日、百年記高校の辞退が試合開始前に告げられた。その報告を聞いた大会参加者たちは皆一斉に衝撃を受けた。その中でも特に、次の試合で当たることになっていた暁学園の3人は他の誰よりも驚いていた。

「どういう事なんだ?あの加賀さんたちが、何で今になっていきなり…」

「加賀さんのガンプラは確かに結構損傷してたっぽい!でも、それだけで優勝を諦めるなんて…夕立には信じられないっぽい!」

「なのです――――っ!!」

ふと電が何かを思いついたように観客席から立ち上がり、走って会場を出ていった。

「い、電!?」

電の突然の行動に驚いた時雨。

「電ちゃん、一体どうしたんだろ?」

夕立も電の行動に気づいて電が人混みに消えた方向を見ていた。

「っ!電を1人にしたら危ない!急いで追いかけるよ夕立!」

「ぽ、ぽいっ!」

合宿の時、電が謎のフードの人物に襲われたことを思い出した時雨は慌てて電の後を追いかけた。夕立もそれに続いて走った。

 

選手村ホテルの玄関前に電は立っていた。電はホテルを見上げたままその場に立っていたが、やがて追いついてきた時雨と夕立に気づいて振り返った。

「電どうしたんだい?ホテルなんかに来て…」

「……嫌な予感がしたのです」

「嫌な予感?」

電の答えに首を傾げる時雨と夕立に向け、電は話し始めた。

「確証はないのですが…今回の加賀さんたちの辞退。もしかしたら、深海提督の言ってた「奴ら」が絡んでいる気がするのです」

「「奴ら」…電に深海細胞を植え付けた人たちの事だよね」

「なのです…だから、それを確かめたくて加賀さんたちにお話を聞きに―――」

「私たちがどうかしたの?」

その時、会話を進めていた3人は後ろから声を掛けられた。そこには荷物を持った加賀と瑞鶴の姿があった。

「か、加賀さん!瑞鶴さん!」

「いいえ。言わなくても大体わかるわ…何で試合を辞退したか?じゃないかしら」

「……うん」

「まあ理由なんて大したことじゃないわ。あんたたちが気にすることじゃないでしょ?」

「ぽ、ぽい…」

加賀と瑞鶴の言葉に完全に抑え込まれ下を向いてしまう時雨と夕立。しかしそんな中でも、電だけは加賀と瑞鶴を見据えていた。そのことに気づいた加賀は一言電に尋ねた。

「どうしたの電?辞退した理由についてはこれ以上何も言わないつもりよ」

「なのです……でも電、1つだけ加賀さんたちに聞いておきたいことがあるのです」

「なによ?」

電はビクビクした表情ではあったが、勇気を振り絞り口を開いた。

「加賀さん、瑞鶴さん……黒いフードを被った人に会いませんでしたか?」

「「っ!?」」

電の言葉に肩をビクつかせた加賀と瑞鶴。その様子を見た電は確信を得てさらに話を進める。

「電。それはどういうことなの?」

「加賀さん、瑞鶴さん。何があったのか話してほしいのです。電たちは、その人物を追いかけているのです!」

「良い冗談ね電。でも、そんな見え見えの嘘信じる気にはなれないわ!」

「い、電は嘘はつかないのです!」

瑞鶴は電の言葉を信じようとはしなかった。電も瑞鶴の言葉に一瞬たじろいだが、諦めずに自分が嘘をついていないことをアピールした。すると加賀が――――

「………わかったわ」

一言、そう言った。

「ちょ!加賀さん、もしこの子たちがあいつの仲間だったらどうするの!」

「もしそうだとするなら、合宿の時にも襲えた筈よ瑞鶴。それに……彼女をよく見て見なさい瑞鶴」

「え?」

瑞鶴は加賀の言葉に反発したが、電の頭髪と顔の肌の3分の2が白くなってその隅には紫色のアザが浮かび上がり、赤くなっていた右目を見ると驚愕の表情を浮かべた。

「これって!」

「ええ。だから、信じてもいいと私は思うわ」

「………わかったわ」

「あ、ありがとうなのです!」

電は、自分を信じてくれた加賀と瑞鶴に感謝を述べると2人を深海のキャンピングカーへ案内した。

 

キャンピングカーに連れてこられた加賀と瑞鶴は、さっそく中で深海と対面し昨日起こった事を話した。深海はその話を聞きながら表情を変えずに握り拳にグッと力を込めていた。そして話を聞き終わった深海は口を開いた。

「……すまない。加賀、瑞鶴」

「な、何で深海提督さんが謝るのよ?」

「…お前たちは近頃頻発している艦娘を狙った誘拐事件を知っているか?」

「ええ、知っているわ」

「ま、まあ翔鶴姉ぇから少しは聞いているわ。それが今回の事と関係が――――あ!」

「そう言うことだ。だから、すまない2人共」

「私からも謝るわ瑞鶴」

そう言うと、深海と加賀は瑞鶴に頭を下げた。その2人の行動を、瑞鶴は黙って見ていたがやがて頭を上げるように言った。

「深海提督さん、加賀さん。頭を上げて…私、怒ってないから」

「瑞鶴……」

頭を上げた加賀は、いつもの表情ではあるが瑞鶴の悲しそうな目を見てやるせない気持ちなった。すると、瑞鶴は深海の方を振り向いて尋ねた。

「深海提督さん、私たちに出来ることってあるの?」

深海は少し口を閉じていたが、やがて真剣な表情を作る口を開いた。

「今の状況で誘拐された奴ら…翔鶴を助けるのは無理だ。だが、何も出来ない訳じゃない」

「どうしたらいいの!私、翔鶴姉ぇを助けられるなら何でもするわ!」

「私にもそれを教えてもらえるかしら?」

「わかった。少し長くなるが、聞いてくれ」

深海は一呼吸置いて話し始めた。

「まずお前たちはこの後、俺の昔居た鎮守府に向かってくれ。奴がまた襲ってくる可能性があるからな。行き方はあとでメモを渡す」

「わかったわ」

「鎮守府に着いたら、奴の襲来に備えつつバトルの腕とビルダーの腕を磨いておいてくれ。奴が何かに復讐しようとしている以上、ガンプラを使った何かがある筈だからな」

「深海提督、1つお願いしてもいいかしら?」

「何だ?」

「私たち、百年記高校の残りの部員、赤城さん、蒼龍と飛龍も連れて行っていいかしら?あの3人も襲われないとは限らないから…」

「わかった。そこはお前たちに任せよう」

「ありがとう」

こうして、彼女たちの行方が決まったのだった。

 

続く




ここまで「艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん」をご愛読いただき、本当にありがとうございます。ここまで本作を書いてこられたのも、最新話を読み続けていただいている皆様のおかげです!「50話完成」と言う節目をお借りしてお礼申し上げます。

これからも、黒瀬夜明リベイクと「艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん」をよろしくお願いいたします。
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