艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP59 命令を果たす為に

荒野に降り立ったバルバトスルプスレイトとグシオンセフティアリベイクフルシティはすぐに臨戦態勢になった。ルプスレイトはツインメイスを構え、セフティアリベイクフルシティはセフティアリベイクハルバードと、サブアームに装備した「150mmロングレンジライフル・改」を構えた。

「気をつけろ三日月。いつ相手が仕掛けてくるかわからないからな」

「はい!……と、見えましたよ長月。空から2機、地上から1機ですね」

三日月が荒野の先から来るアカツキ・ハイペリオンマスターとガンダム・ヴェールフェニックス、そして黄色と黒で塗装された角付きのグレイズ「イオグレイズ」を発見した。皐月が即座に指示を飛ばす。

「地上から来ているのは恐らくあのグレイズだ!なら、先にそっちを仕留めるんだ!」

「了解です皐月!行きましょう長月!」

「ああ!」

ルプスレイトとセフティアリベイクフルシティは、スラスターを噴かし地上を滑走していった。

「そこです!」

先頭を切っていたルプスレイトはすぐに接敵、肘のハードポイントにマウントされた200mm砲で牽制射を掛けながら一気に距離を詰めていく。

「このっ」

攻撃を受けたイオグレイズは右腕に装備した120mmライフルを撃ち返しが、アシムレイトを使う三日月のルプスレイトに命中することは無かった。そして、数秒で間合いを詰められてしまったイオグレイズにルプスレイトがツインメイスを振り上げ襲い掛かった。

「もらいました!」

「やられるか!」

イオグレイズは咄嗟にバトルアックスを構えてツインメイスの直撃を防いだ。

「やりますね…」

「三日月!」

するとそこに長月のセフティアリベイクフルシティが上空からセフティアリベイクハルバードを最上段に構えて降ってきた。それを見た三日月は、ルプスレイトを急速後退させた。

「くらえぇぇっ!」

一気に振り下ろされたセフティアリベイクハルバードが激しい砂煙が上げたが、イオグレイズへの命中は叶わなかった。舞い上がった土煙の中からイオグレイズが現れ、その数秒後にルプスレイトとセフティアリベイクフルシティが現れた。

「あのファイター、なかなかやるな!」

「そうですね……っ!」

すると、三日月たちの耳に後方からの接近警報が届いた。

「後方の警戒が甘いよ2人共」

ルプスレイトとセフティアリベイクフルシティの後方上空で、ヴェールフェニックスがツインバスターライフルを構えていた。

「あれは響のガンプラか!まずい…ロックオンされた!」

「っ!!2人共、前からも来てる!」

「流石響ね!こっちは任せなさい!」

イオグレイズの後方からはアカツキ・ハイペリオンマスターがヒャクライ・スティグマトを撃ちながら迫っていた。前方と後方を塞がれてしまった三日月と長月。しかしその時、三日月のルプスレイトは突然方向転換、後方のヴェールフェニックスへと向かって行った。

「三日月が方向転換した?…なら、照準は変えるべきだな」

ルプスレイトの方向転換を見た響は、ツインバスターライフルの照準をルプスレイトに変更した。

「「三日月っ!?」」

三日月の行動に驚く長月と皐月。しかし、三日月が長月に向かって放った言葉で2人はハッとする。

「長月、前の2つは任せていいですかっ?」

「っ!?ああ…任せろっ!!」

すると長月も前方から向かってくるアカツキ・ハイペリオンマスターとイオグレイズに向かって行った。

 

「たった1機で来るとはね!覚悟しなさい長月!」

「長月、来るよ!」

「わかっている皐月!」

地表を高速移動するセフティアリベイクフルシティに向かってヒャクライ・スティグマトと砲撃モードのAL(アカツキ・リュミエール)ユニットを連射するアカツキ・ハイペリオンマスター。しかし、緑色の光弾は次々に地表に吸い込まれていくばかりで、セフティアリベイクフルシティには1発も命中しなかった。

「照準が甘いな!」

長月は通常モードで稼働していた頭部を照準モードに変更した。展開していた2本のアンテナが回転しツインアイも頭部に収納されると、長月はサブアームに装備した150mmロングレンジライフル・改をアカツキ・ハイペリオンマスターとイオグレイズに向けて発射した。

「そんなの、アカツキ・ハイペリオンマスターには効かないわ!」

「クッ!」

イオグレイズは150mm弾を回避し、ALユニットの砲撃で150mm弾を何発か撃ち抜いたアカツキ・ハイペリオンマスターだったがその内の1発が砲撃を掻い潜りアカツキ・ハイペリオンマスターに迫った。アカツキ・ハイペリオンマスターは左腕のビームシールドを展開しこれを防いだ。しかし、ビームシールドに接触した150mm弾は爆発し、一瞬だけ暁の視界を奪って機体の動きを止めさせた。

「じ、実弾!?」

「もらったぁ!」

暁の隙を見た長月はセフティアリベイクフルシティをハイジャンプさせた。そして頭部を通常モードに戻すと、右上段に構えたセフティアリベイクハルバードをアカツキ・ハイペリオンマスター目掛け一気に振り下ろした。

「へ、ヘン!アカツキのビームシールドならヘッチャラだし!」

アカツキ・ハイペリオンマスターはその攻撃を先程の体勢のまま、ビームシールドで受け止めた。しかし―――

「ビームシールドの防御を過信し過ぎだな、暁!」

「何よ!強がりもほどほどに―――って、ええ!?」

ビームシールドで防いだ筈のセフティアリベイクハルバードが、徐々にシールドにめり込んで来ていたのだ。そのことに気づいた暁は驚きを隠せていなかった。

「ビームシールドが!」

「うおおぉぉ!」

そしてその次の瞬間、セフティアリベイクハルバードが完全にビームシールドを突破しアカツキ・ハイペリオンマスターの左前腕部を叩き斬った。そして、セフティアリベイクフルシティはセフティアリベイクハルバードを振り下ろした態勢からアカツキ・ハイペリオンマスターに空いた左腕でパンチを放った。

「きゃあー!!」

「暁ちゃん!」

パンチが直撃し遥か後方へ弾き飛ばされたアカツキ・ハイペリオンマスター。やがて荒野の地表に落下したアカツキ・ハイペリオンマスターは二転三転したが、何とか態勢を立て直した。

「く、くっそぉ~」

「追撃などさせるものかー!」

地表に降り立ったセフティアリベイクフルシティ。しかしそこにイオグレイズが120mmライフルを撃ちながら迫ると、長月は休む間もなくヒートダートを選択し、イオグレイズに向かってヒートダートを投擲した。

「邪魔をするなぁ!」

「なにっ!」

セフティアリベイクフルシティのヒートダートはイオグレイズの120mmライフルに直撃し、ライフルを爆発させた。

「足止め出来たな。先に暁を仕留めさせてもらう!」

イオグレイズが怯んだことを確認した長月は、セフティアリベイクフルシティをアカツキ・ハイペリオンマスターへ向かわせた。150mmロングレンジライフル・改をアカツキ・ハイペリオンマスターに向け何度も放ちながら接近する。対するアカツキ・ハイペリオンマスターもヒャクライ・スティグマトとALユニットを連射し牽制をかけていたが、セフティアリベイクフルシティはその光弾を全て回避していった。

「予測射撃も甘いな、暁!」

「くっそぉ!」

そして遂に、零距離までの接近を許しかねない距離まで接近されたアカツキ・ハイペリオンマスター。暁は武装スロットの中からビームナイフを選択し、接近戦に備えた。ヒャクライ・スティグマトの銃口下から短いビーム刃が発生した時、セフティアリベイクフルシティのセフティアリベイクハルバードが上段から振り下ろされた。ヒャクライ・スティグマトを前方に掲げ、アカツキ・ハイペリオンマスターは攻撃を防いだ。

「長月がここまで強いなんて!」

「いや、貴様がガンプラの防御力に依存し過ぎているだけだっ!」

「それってどういうことよ!」

「私に勝てたら……教えてやる!!」

鍔迫り合いをするセフティアリベイクフルシティとアカツキ・ハイペリオンマスター。しかし、パワーで劣っているアカツキ・ハイペリオンマスターは次第に圧されていった。アカツキ・ハイペリオンマスターの脚が荒野の土を押し上げ後退していく。

「パワーでも負けているなんて!」

「隙あり!」

隙を見た長月は、すかさずサブアームの150mmロングレンジライフル・改を脇下からヒャクライ・スティグマト目掛け撃った。150mm弾をまともに受けたヒャクライ・スティグマトはやがて爆発した。

「しまった!?」

「もらったぞっ!」

そこにセフティアリベイクフルシティが全力のキックを放った。そのキックを胴体部の中心に受けたアカツキ・ハイペリオンマスターは激しくふっ飛ばされた。

「きゃあぁー!!」

ふっ飛ばされたアカツキ・ハイペリオンマスターは、再び地面を転がり回った。そして、セフティアリベイクフルシティがセフティアリベイクハルバードを両手で構え、突進態勢に入った。

「次で止めだ!」

しかし、その時だった――――

「暁ちゃんはやらせんぞー!」

セフティアリベイクフルシティの左方向から突然イオグレイズが現れ、セフティアリベイクフルシティに全力のタックルをした。

「なに―――ぐわぁ!」

イオグレイズの強襲を受けたセフティアリベイクフルシティは突き飛ばされ、大きく体勢を崩した。

「暁ちゃん今だ!」

久条が叫んだ時、アカツキ・ハイペリオンマスターは既に攻撃態勢だった。機体の周辺には7基のALユニットが浮遊し、そして―――

「これは今までのお返し……アカツキをここまでボロボロにさせるなんて、許さないんだからッ!!」

ALユニットの全砲門から一斉にビームが撃ち出された。

「なっ!しまった!!」

態勢を崩されてしまってセフティアリベイクフルシティと長月は完全に反応が遅れていた。そして、ALユニットから放たれた21本のビームがセフティアリベイクフルシティの全身を襲った。

「ぐっ!わあぁぁぁー!!」

更にビームが続けて発射され、セフティアリベイクフルシティは砂煙の中へ消えていった。

「な、長月ぃぃー!!」

皐月の悲痛な叫びがこだました。

 

時間は少し遡り、進路変更をして響のヴェールフェニックスの元に向かった三日月のルプスレイト。響はルプスレイトが進路変更をしたすぐ後にツインバスターライフルの引き金を引いた。黄色い帯状のビームは、高速で荒野を駆けるルプスレイトを追うように薙ぎ払われたが、ただ荒野を抉るだけに終わった。

「その攻撃はお見通しです!」

「流石三日月だ。この程度じゃ駄目みたいだね」

合体させていたツインバスターライフルを分割すると、スラスターを噴かして連続射撃を繰り出しながら荒野の空を駆けた。

「逃がしません!」

ルプスレイトは腕部200mm砲を放ちながらヴェールフェニックスを追いかけた。しかし、ルプスレイトから放たれた200mm弾を、ヴェールフェニックスは正確な照準で次々撃ち抜いていった。

「さっきの言葉、そのままお返しするよ」

「正確な射撃。手強いですね!」

その後もヴェールフェニックスとルプスレイトの上空と地上のドッグファイトはしばらく続いた。

(何とかして隙を作らないと!)

「もらったっ」

「当たりません!」

ヴェールフェニックスに何とか隙を作ろうと行動する三日月。しかし響は一瞬として隙を見せようとはしなかった。空を行くヴェールフェニックスを尚も追走するルプスレイト。しかし、相手との速度差があり過ぎるように見えるその追走は徐々に三日月を焦らせていった。

「くそっ、このままじゃ埒があかないよ!」

「三日月落ち着いくんだ!相手のペースに乗せられちゃってる!」

「でもっ」

「直撃させる!ウラァー!」

上空で再びツインバスターライフルを合体させたヴェールフェニックスは、再度ルプスレイトに向け引き金を引いた。ツインバスターライフルの銃口から発射された黄色い帯のビームは、ルプスレイトを追随しながら地面を抉っていく。回避に専念する三日月のルプスレイト。

「くうぅぅぅ!」

するとその時、三日月は何かを閃いた。

(っ!これならいけるかもしれない!)

そして回避に専念していたルプスレイトは突然、大型テイルブレードを射出した。大型テイルブレードは射撃中で身動きの取れないヴェールフェニックスに向かって飛んでいく。

「ハラショー、このタイミングでテイルブレードを使うとはね。でも、予測済みだ!」

ヴェールフェニックスは咄嗟に射撃を止め、接近してくる大型テイルブレードを回避した。しかし、三日月は大型テイルブレードでの攻撃を止めず更にヴェールフェニックスを追いかけた。

「当たって!」

ルプスレイトの大型テイルブレードによる再攻撃を横スライドで回避したヴェールフェニックス。そして通り過ぎていった大型テイルブレードに、遂にツインバスターライフルの銃口が向いた。

「残念だったね三日月。でも、いい攻撃だったよ」

そしてヴェールフェニックスがツインバスターライフルの発射態勢に入った時、遂にルプスレイトが動いた。

「そこぉぉー!!」

三日月の叫びと共に、ルプスレイトはバックパックに懸架されていたガンダムバルバトスの「メイス」をヴェールフェニックス目掛け投擲した。物凄いスピードで投げられたメイスはヴェールフェニックスに向かって一直線に飛んでいった。

「っ!?」

そしてその事に慌てて気づいた響は、ツインバスターライフルの発射を諦めシールドを構えた。しかし完全な防御態勢を取ることの出来なかったヴェールフェニックスは、メイスの直撃を受けて地上へと墜落していった。

「くっ!」

「やっと…捕まえました!」

墜落していくヴェールフェニックスの元に急いで向かうルプスレイト。そして、ヴェールフェニックスが完全に墜落するよりも早く、ハイジャンプからの攻撃を仕掛けたルプスレイト。

「墜ちろぉー!」

「させないよっ!」

右手に握ったツインメイスを大きく振りかぶり、攻撃しようとしたが既にバランスを取り戻していたヴェールフェニックスはシールドを正面に構えて攻撃に備えていた。ガキィィーン!とひと際大きな金属音が鳴り、2機はそのまま地上に落ちて行った。大きな砂の柱立ち上る中で、ルプスレイトとヴェールフェニックスの2機は先程の体勢で組み合っていた。

「はぁ…はぁ…往生際が悪いですね、響さん」

「ふっ…それはお互い様じゃないかな。三日月」

「そうですね…なら、そろそろ……終わりに―――」

その時だった。

 

「な、長月ぃぃー!!」

 

皐月の悲痛な叫びがこだました。

「っ!?」

三日月がその声に気づいた時、遠くの方で大きな砂煙が上がっているのが三日月の目に入った。長月のセフティアリベイクフルシティが、アカツキ・ハイペリオンマスターの一斉射撃を受けている光景がそこにはあった。しかし、その一瞬だけ見せた三日月の隙を響は見逃さなかった。

「隙を見せたね三日月!!」

「あ―――」

一瞬の隙を突いた響は、ルプスレイトにスラスター全開でのタックルを放った。そして、大きく体勢を崩したルプスレイトが砂煙の中から出て来たその更に数秒後だった。

「はあぁー!!」

現れたヴェールフェニックスの手に握られていたビームサーベルが、ルプスレイトの左腕の接合部を斬り落したのだ。そしてその痛みが三日月を襲った。

「うああぁぁぁっ!!!」

痛みに悶える三日月。それは、自身が今まで味わったことのない程に強烈な痛みだった。

「これで終わりだよ!」

「――――!?」

痛みに耐えていた三日月の目の前が真っ黒になった。そしてその次の瞬間、ルプスレイトは背後にあった岩山に背中から激突し、更にそこへヴェールフェニックスのシールドに装備された2連装バルカンの弾幕が襲い掛かった。行動出来ずにいたルプスレイトは次々に銃弾の嵐を浴びてしまい、三日月の悲痛の叫びが続いていた。

「ぐっ!うあっ!あああっ!!」

そして銃撃が止み、周囲は静寂に包まれてしまった。

「あ、あああ……」

 

 

三日月ぃぃぃー!

 

 

 

 

続く




新年明けましておめでとうございます。どうか本年も、「艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん」をよろしくお願いいたします。
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