艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP82 嘘だとしても

「そして今年、電は暁学園に入学した。それまでの2年間は私たちと一緒に何事もなく過ごしていたんだ………これが、私たちと電の真実の全部だよ」

電はずっと黙ったまま響の話を聞いていた。そして響の話が終わった時、一言呟いた。

「やっぱり…電は、皆と本当の姉妹じゃなかったのですね……」

「………」

電の言葉に響は何も言えなかった。

「…でも、いいのです!最後に本当のことを知れただけで……これで皆と、ちゃんとお別れ―――」

「そんな事ないわよ!」

「!?」

突然、暁が大声で叫んだ。電はそれの驚いて肩をビクッとさせた。そして暁は言った。

「電は暁たちの妹!例え本当の姉妹じゃないとしても、暁たちにとってはもう(・・)大切な妹よ!」

「そうよ電!わたしたちに初めて会った時、いきなり記憶が戻った?…のはよくわからなかったけど!それでも私たちは、電を本当の妹だって思ってるわ!」

「暁ちゃん…雷ちゃん…」

暁と雷の言葉に何も言うことの出来なかった。すると、深海が突然口を開いた。

「深海細胞の影響だろうな」

「え?」

深海が放った言葉を聞いて、その場に居た全員が深海へ振り向いた。

「大戦中だったか…時雨を拉致して俺に殺された深海棲艦側の科学者が言っていた。深海細胞は、他者の記憶を読み取りそれに合った記憶を、細胞を持っている者に与えるという特性を持っている。とな」

「……つまり今の電の記憶は、深海細胞が私たちの記憶を読み取って作られた、作り物という事か……」

「ああ」

その言葉を聞いた電は再び、やっぱり。と呟いた。しかし、深海がその先の言葉を遮った。

「だが…たとえ偽物の記憶だとしても………電」

「え?」

「暁の言う通り、お前はもう(・・)この3人の姉妹になっているんじゃないか?」

「っ!」

深海の言葉に電は衝撃を受け、何も言う事が出来なかった。その電の様子を見ていた響は、何かを言おうと口を開きかけた。しかし、それを暁の言葉が遮った。

「電!今から暁たちとバトルよ!」

「えっ!?」

暁の言葉を聞いた響は、開きかけていた口を閉じ小さく笑みを浮かべていた。

「電が口で言ってもわからないみたいだから!今から私たち3人とバトルするのよ!拒否権なんて、無いんだからね!」

「ええ!?」

「そうと決まったら早く行くわよ電!ほら!」

「はわわ!あ、暁ちゃん引っ張らないでほしいのです!」

暁に引っ張られていく電を見て、雷はニッと笑って後を追いかけ、響は小さく笑顔を浮かべていた。

「わたしが言うまでもなかったみたいだね…」

「そうだな……お前たちのバトル、刮目させてもらうぞ」

「うん。必ず電の心を掴みとってみせるよ」

そう言って響は歩いていった。

 

 

「Gun-pla Battle combat mode Stand up!Mode damage level set to A」

暁と響、雷の3人と対峙した電。バトルシステムが起動し、ダメージレベルがAに設定される。

「本気でかかってくるのよ電!手を抜いたりしたら許さないんだから!」

「please set your GP base.」

システム音声に従い、暁たちがGPベースをセットする。しかし、電は一向にセットしようとしなかった。

(電は…電は……)

電の心の中は未だに曇っていた。自分は暁たちの本当の姉妹じゃない。その事がGPベースを握る電の右腕の動きを止めてしまっていた。だが―――

「電!」「電ちゃん!」

「っ!?時雨さん!夕立さん!」

そこに時雨と夕立が駆け寄ってきたのだ。2人の姿を見た電はタジタジしながら訪ねた。

「何でここに来たのですか!こんな事に時雨さんと夕立さんが付き合う必要なんて―――」

「そんなこと出来ないっぽい!」

夕立が大声で電の言葉を遮る。電はビクッとしたが、夕立は言葉を続ける。

「電ちゃんが辛い顔してるのに、それを放っておくなんてチームメイト失格だもん!」

「夕立さん……」

「僕も同じ意見だよ電」

すると今度は時雨が1歩、電に歩み寄って言った。

「僕たちはチーム…暁学園ガンプラバトル部っていう名前のチームなんだ」

「時雨さん……」

「だから電がバトルをするっていうのなら、僕たちも電と一緒に闘う……あのホテルの時は出来なかったけど……でもそれが、僕たちとは関係ない事だとしても…ね」

「時雨さん…夕立さん…」

「電ちゃん!このバトル、絶対に勝つっぽい!夕立たちの力、暁ちゃんたちに見せつけるっぽい!」

「僕もそのつもりだ。やるからには…勝つよっ!……はい、電のガンプラ」

そう言った時雨は、腰のポーチから綺麗に修復されたイナヅマガンダムⅡを電に手渡した。

「え?な、何で時雨さんが?」

「ここに来るまでに、僕と夕立で直しておいたんだ。電が直したようにできているかはわからないけど…」

「夕立、結構頑張ったっぽい!」

電は時雨の手に乗せられたイナヅマガンダムⅡをゆっくりと受け取った。そして、胸の前でギュッと握りしめ大粒の涙を流していた。

「ありがとう…なのです。時雨さん…夕立さん…」

時雨は小さく笑みを浮かべ、夕立はニコッと弾けた笑顔を浮かべていた。

「さあ行くよ。電!」

「夕立たち3人の力、見せてあげる!」

「……なのですっ!」

電と時雨、そして夕立がGPベースをセットする。

「待たせ過ぎよ電!そんな事じゃ、暁みたいな一人前のレディには100年掛かってもなれないわよ!」

「でも、いい顔になったじゃない電!」

「なのです!」

「それじゃあ…始めよう!」(いい仲間を持ったんだね…電)

暁が笑いながら電を怒り、雷がニコッと笑って、電が笑い返して、響が微笑む。そしてその時、響が1粒の小さな涙を流したことは誰も知らなかった。

「Beginning Plavsky particle dispersal.Field 03 Forest.」

大量に溢れ出したプラフスキー粒子が桜吹雪が舞う森のフィールドを形成する。

「Please set your Gun-pla」

そして6人がそれぞれのガンプラを台の上にセットした。システムがガンプラを読み込み、それぞれのメインカメラが発光し、6人が出現した操縦桿を握る。

「Battle Start!」

ガンプラが設置された台座がカタパルトに変貌し、それぞれのガンプラが発進体制に入った。

「行くわよ電!貴女たち3人の力、もう1度雷様に見せてもらうわ!雷。ガンダムキュリオスアーチャー、いっきまーす!」

雷のガンダムキュリオスアーチャーがカタパルトから桜吹雪の中へと駆け抜け。

「本当の姉妹って、絶対に認めさせてあげるんだからね!暁。アカツキ・ハイペリオンマスター、出撃しますッ!」

暁のアカツキ・ハイペリオンマスターが太陽輝く空へと飛び。

「電……今度こそ、私が君を助けてみせる!響。ガンダム・ヴェールフェニックス、出撃するッ」

響のガンダム・ヴェールフェニックスが高い風舞う青空へと飛翔した。

 

「2人共、今回は作戦なんてない。ただ最後の最後まで、暁たちとぶつかるだけだよ!」

「機体の最後のパーツが壊れても、夕立は闘うよ!」

「電も…暁ちゃんたちに、電の全部をぶつけるのです!例えイナヅマガンダムⅡが消えてしまっても――――」

 

 

 

3人で、必ず勝つ!!

 

 

 

「時雨。ガンダムアサルトレインバレット、行くよッ!」

時雨のガンダムアサルトレインバレットが晴れ渡る青空の中へと飛び立ち。

「夕立。ユニコーンガンダムナイトメアパーティー、出撃よッ!」

夕立のユニコーンガンダムナイトメアパーティーが桜の中へと駆け。

「電。イナヅマガンダムⅡ――――」

電のイナヅマガンダムⅡが

 

 

 

 

出撃ですッ!!

 

 

 

 

 

 

 

桜吹雪の舞う空へと飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

続く

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