艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 作:黒瀬夜明 リベイク
「そこっ!」
桜の木で埋め尽くされた森の上空で、アサルトレインバレットがロングバレルビームライフルを放つ。放たれたビームが散開した暁たち3機のガンプラの中央を通過し、そのまま地上に直撃する。
「ALユニット展開!」
「ロックオンッ!ウラー!」
アカツキ・ハイペリオンマスターがALユニットを展開し、その後方からヴェールフェニックスがツインバスターライフルを連結させて放った。黄色い帯状のビームがアサルトレインバレットに向かって飛ぶが、その正面に上空でファトゥム-01から飛び降りてきたユニコーンガンダムナイトメアパーティーが割って入り、大型ビームサーベルを展開した。
「させないっぽい!」
縦に振り降ろされた大型ビームサーベルがツインバスターライフルのビームを斬り裂き、弾き飛ばした。
「隙ありよ、夕立!」
「夕立さんはやらせないのです!」
ツインバスターライフルのビームを弾き飛ばしたユニコーンガンダムナイトメアパーティーにキュリオスアーチャーがGNビームライフルを構えて迫ったがそこにイナヅマガンダムⅡがビームライフルを放ちながらキュリオスアーチャーの前方を通り過ぎていった。イナヅマガンダムⅡが前方を通り過ぎたことに気づいた雷は、その場で慌てて止まりイナヅマガンダムⅡの方へGNビームライフルを向け引き金を引いた。それを振り返ることなく飛行したまま回避するイナヅマガンダムⅡ。キュリオスアーチャーのGNビームライフルは次々と地上に直撃し砂煙を上げる。
「直撃させます!」
そして振り向いたイナヅマガンダムⅡが、キュリオスアーチャーへ向けビームライフルを放つ。直撃コースを飛んでいたイナヅマガンダムⅡのビームはしかし、キュリオスアーチャーの周囲に現れた3基のALユニットが展開したビームバリアに防がれてしまった。
「ALユニットのバリアに死角はないわ!」
「くそぉ…」
「よそ見はさせないよっ」
今度はイナヅマガンダムⅡの背後から変形したヴェールフェニックスがツインバスターライフルを連射しながら迫ってきた。
「当たらないのです!」
電は機動防盾を縮小させて前方に向け、ヴェールフェニックスの攻撃を防いだ。
「やる!」
ヴェールフェニックスはそのままイナヅマガンダムⅡの横を通り過ぎ、その場から離脱していった。イナヅマガンダムⅡはその方向へビームライフルを向けたが、そこにアカツキ・ハイペリオンマスターがヒャクライ・スティグマトを連射しながら迫ってきた。
「追撃なんてさせないわ、電!」
「あっ!」
電は急いでイナヅマガンダムⅡを反転させ、機動防盾を展開した。ヒャクライ・スティグマトのビームが機動防盾の表面で次々打ち消されていく中、アカツキ・ハイペリオンマスターは試製双刀型ビームサーベルを抜刀し、片側のみビーム刃を出力すると左上段から斬りかかった。
「もらったわ!」
「っ!!」
「この位置なら…届くっ!」
アカツキ・ハイペリオンマスターがイナヅマガンダムⅡを斬りつけようとしたその瞬間、一筋のビームがアカツキ・ハイペリオンマスターの手甲を捉えた。しかし、ビーム反射装甲となっている手甲に直撃したビームはその場で反射し、放たれた方向へ走っていった。
「これも読み通りだ!」
「わっ!」
反射したビームの方向に居たのは時雨のアサルトレインバレットだった。アサルトレインバレットはそのビームを回避し、直撃をま逃れた。そして一方のアカツキ・ハイペリオンマスターは、ビームが直撃した時の僅かな衝撃で手から試製双刀型ビームサーベルを手から放してしまっていた。
「時雨さん、助かりました!」
この隙にイナヅマガンダムⅡはその場から退避、態勢を立て直した。
「隙は見逃さないっぽい!」
そしてアカツキ・ハイペリオンマスターが見せたほんの小さな隙を夕立は見逃さなかった。ファトゥム-01の上でロングソードを右上段に構えると、ファトゥム-01の勢いのままに袈裟斬りを放った。しかし、アカツキ・ハイペリオンマスターはまだ迎撃の態勢が取れていなかった。
「しまった!」
「暁!」
ユニコーンガンダムナイトメアパーティーが繰り出した右上段からの袈裟斬りはしかし、ロングソードが振り下ろされる一瞬の間にアカツキ・ハイペリオンマスターの前方に飛び込んだキュリオスアーチャーのGNシールドを捉えた。
「ぐぐぐ…えーい!」
ロングソードの刀身から火花が散る中、キュリオスアーチャーは左腕を振り払いユニコーンガンダムナイトメアパーティーを跳ね除けた。ユニコーンガンダムナイトメアパーティーを乗せたファトゥム-01はそのままその場から飛び去って行った。
「くそぉーあと少しだったのにぃ~」
「逃がさないよ、夕立ッ!」
だがその背後から、変形したヴェールフェニックスがユニコーンガンダムナイトメアパーティーを追撃した。ツインバスターライフルを連射し迫るヴェールフェニックスに、ユニコーンガンダムナイトメアパーティーは両肩のビームキャノンを背後に向かって射撃し応戦する。しかし、ファトゥム-01と変形したヴェールフェニックスのスピード差は歴然で、2機間の距離は次第に縮まって行った。
「このままじゃ追いつかれちゃうっぽい!」
「この距離ならッ!」
ヴェールフェニックスの放ったツインバスターライフルがユニコーンガンダムナイトメアパーティーの背後に迫った。だがその時、夕立はある事を思いついた。
「一か八かだけど…これでどおッ!?」
「…っ!消えたっ!?」
響の視界から突然ユニコーンガンダムナイトメアパーティーが消えた。ヴェールフェニックスは先程までユニコーンガンダムナイトメアパーティーが居た場所を通り過ぎていった。するとその次の瞬間、響の耳に上方からの接近警報の音が届いた。
「上っ!?」
「命中させるっぽーい!」
先程までユニコーンガンダムナイトメアパーティーが居たその上空から、桃色のビームが次々ヴェールフェニックス目掛けて飛んできた。響はそのビームを何とか回避しながら飛行を続けていたが、やがて変形を解くと背後にシールドを向けて飛んでくるビームを防御した。果たしてその先にはビームキャノンを向けたユニコーンガンダムナイトメアパーティーが居た。
「あの短時間でハイジャンプするなんて…驚いたよ!」
「今度はこっちの番っぽい!」
飛んできたファトゥム-01に着地したユニコーンガンダムナイトメアパーティーが今度はヴェールフェニックスを追いかけていった。しかし、追撃に入ろうとしたユニコーンガンダムナイトメアパーティーは、突如四方からビーム攻撃を受けた。
「ぽいっ!?」
「響は墜とさせないわ!行っけぇALユニット!」
アカツキ・ハイペリオンマスターのALユニットがユニコーンガンダムナイトメアパーティーに全方位から攻撃を仕掛けてきたのだ。ユニコーンガンダムナイトメアパーティーはファトゥム-01に乗ったまま、回避行動を取ることで精一杯だった。
「くっそぉー!このままじゃ……」
「夕立っ!くっそぉー!」
遠方からアサルトレインバレットがアームド・アーマーDE先端のビームキャノンを発射した。そのビームはユニコーンガンダムナイトメアパーティーの周辺を飛び回るALユニットを引き剥がすことに成功したがユニコーンガンダムナイトメアパーティーの離脱が間に合わず、再び襲い掛かった。アサルトレインバレットが開いた左手を腰裏に回しビームピストルを掴みながらユニコーンガンダムナイトメアパーティーの元へ向かおうとスラスターを噴かす。
(駄目かっ!)
「電が暁ちゃんを止めます!」
すると今度はビームサーベルを抜き放ったイナヅマガンダムⅡがアカツキ・ハイペリオンマスターに向かって突撃していった。イナヅマガンダムⅡの接近に気づいた暁は、試製双刀型ビームサーベルを構えて応戦の構えをとった。
「たあー!」
「やあっ!」
右側から袈裟斬りを放ったイナヅマガンダムⅡのビームサーベルを、左側からの袈裟斬りで受け止めるアカツキ・ハイペリオンマスター。ビームサーベルがぶつかり合い、激しいスパークとビームの火花が散る。
「いい攻撃ね、電!」
「くうう!」
数秒間の鍔迫り合いの後、2機のビームサーベルがお互いを弾き合い2機の間に距離ができた。イナヅマガンダムⅡはすぐに態勢を立て直すと、再びアカツキ・ハイペリオンマスターへ向かって突撃した。それに応えるようにアカツキ・ハイペリオンマスターもイナヅマガンダムⅡ目掛け斬りかかる。
「このー!」
「てぇーい!」
バチィッ!バチィッ!とビームサーベルがぶつけ合いながらすれ違うイナヅマガンダムⅡとアカツキ・ハイペリオンマスター。そして再び鍔迫り合いとなった時、雷のキュリオスアーチャーがGNビームライフルを放ちながら2機に迫った。キュリオスアーチャーのビームを回避し、アカツキ・ハイペリオンマスター、キュリオスアーチャーと対峙するイナヅマガンダムⅡ。
「暁っ!」
「助かったわ雷!」
すると突然、電が叫んだ。
「夕立さん、今なのです!」
「ぽーいッ!!」
「なにっ!?」
「暁っ!ALユニットを動かすんだ!」
電の叫び声を聞こえた時、今まで回避に専念していたユニコーンガンダムナイトメアパーティーが突然大型ビームサーベルを展開し、大きく旋回しながら方向転換した。両肩から出力された巨大なビームサーベルが、ユニコーンガンダムナイトメアパーティーを攻撃していたALユニットを飲み込んでいく。いくらビームを反射できる装甲で覆われているALユニットでも、持続してビームが直撃するビームサーベルには耐えることは出来ない。しかし、響の声に反応した暁が、咄嗟にALユニットを操作したことでユニットは3基が消滅しただけに止まった。
「くそぉーやられたわ!」
「ごめん電ちゃん!全部壊せなかったっぽい!」
「大丈夫なのです!」
「クッ!これ以上の追撃はさせないよ!」
再び変形したヴェールフェニックスがユニコーンガンダムナイトメアパーティーを追いかけていく、ツインバスターライフルを放ちながら距離を詰めていく。ユニコーンガンダムナイトメアパーティーはファトゥム-01を操り、ヴェールフェニックスの攻撃を回避していく。
「響ちゃんしつこいっぽい!」
「暁たちはやらせない!」
ユニコーンガンダムナイトメアパーティーはビームキャノンを背後に向け応戦していた。だが、その上空から狙う者がいた。
「限界まで収束させたロングバレルなら……」
2機の上空、そこではアサルトレインバレットがロングバレルビームライフルのビーム収束率を銃が耐えられるギリギリまで高めていた。ロングバレルビームライフルの銃口に桃色のビーム球体が出現し、時雨はヴェールフェニックスに照準を合わせた。響のいた操縦スペースに、ロックオンアラートが鳴り響く。
「ロックオンされた!?っ!時雨!?」
「ここは…譲れないッ!いっけぇぇー!!!」
限界まで収束されたビームがロングバレルビームライフルの銃口から発射され、ヴェールフェニックスに迫った。
「あぁぁッ!!」
激しいスパークを纏いながら迫るビーム。響はヴェールフェニックスの変形を解き、シールドを構えた。シールドに直撃したロングバレルビームライフルの収束ビームは、対ビームコーティングに反応してひと際大きな光を放ち打ち消された。その衝撃を受けたヴェールフェニックスは遠くへ弾き飛ばされ更に体勢を崩してしまった。しかし、限界までビームを収束させたロングバレルビームライフルは、突然スパークを放ち出した。
「クッ!」
アサルトレインバレットがロングバレルビームライフルを投げたその数秒後、ロングバレルビームライフルは激しいスパークを一瞬纏い、爆散した。しかし時雨はそれに動じることなく、体勢を崩したヴェールフェニックスに全スラスターを全開にして突撃した。
「うおおぉぉぉぉー!!!」
「時雨!?」
「っ!突っ込んでくる気か!?ぐあっ!」
態勢を未だに整えられていなかったヴェールフェニックスにアサルトレインバレットはバイポットシールドを構えて突っ込んだ。そしてその勢いのままに衝突し、ヴェールフェニックス諸共地上へと墜ちていった。桜吹雪が舞いながら、同時に砂煙が一直線に舞い上がる。
「時雨!」
時雨を呼ぶ夕立は砂煙の晴れた地上で、互いの拳を掴みながら組み合うアサルトレインバレットとヴェールフェニックスを目にした。両機の両腕が、相手の腕を破壊しようとガタガタと震える。
「くうぅぅ……時雨がこんな戦法をとってくるなんてね…」
「機動力で響のガンプラには勝てないからね…悪いけど、動きを封じさせてもらったよ!」
「時雨、大丈夫っぽい!?」
「ここは僕に任せて!夕立は電を!」
「っ!了解っぽい!」
電を夕立に任せた時雨は、響を倒すことに意識を集中させていった。だがそれは響も同じだった。そして時雨は、機体右側のスラスターを全て噴かし左足を強く地面に打ち付け、ヴェールフェニックスを投げ飛ばした。
「はあぁぁー!!」
「なにっ!?」
この時雨の行動に、流石の響も驚いて声をあげた。投げ飛ばされたヴェールフェニックスは桜の木を折りながら地面に叩きつけられたが、響は咄嗟に受け身をとって態勢を整えアサルトレインバレットを見据える。アサルトレインバレットは右手でビームサーベルを抜き、腰を少し落として臨戦態勢を取っていた。これに応えるように、響も武装スロットからビームサーベルを選択した。ヴェールフェニックスの持つシールドが中折れし、そこに格納されたビームサーベルを抜き放ち、構える。ビームサーベルを構え、互いに睨み合うアサルトレインバレットとヴェールフェニックス。
「やああぁぁー!!」
「はあぁぁぁー!!」
そして両機は、同時にスラスターを噴かし1歩踏み込んだ。
「逃がさないわ!」
「雷、このまま追い込むよ!」
「くそぉ…暁ちゃんと雷ちゃん……やっぱり強いのです!」
森の上空、そこではイナヅマガンダムⅡとアカツキ・ハイペリオンマスター、そしてキュリオスアーチャーがイナヅマガンダムⅡを追いながら射撃戦を繰り広げていた。しかし数的不利、イナヅマガンダムⅡはキュリオスアーチャーの正確な射撃とアカツキ・ハイペリオンマスターの全方位攻撃に押され、徐々に追い込まれていった。しかし電は諦めず2機の攻撃を回避しながら隙を突いて反撃していた。相手の動きを追うように、電の目が右往左往し汗が流れ落ちる。攻撃を回避し、隙を突いて反撃。しかし、このままでは埒が明かない。だが、これ以上に大きな反撃が思いつかない。電は段々と焦り始めていた。
(はぁ…はぁ…何とか、突破口を見つけないと…このままじゃやられちゃうのです!)
「電、もらったわ!」
「後ろ!?しまった!」
電が焦ったことで、機体の挙動に隙が出来てしまったイナヅマガンダムⅡを雷は見逃さなかった。イナヅマガンダムⅡの背後にいつの間にか回り込んでいたキュリオスアーチャーが、GNビームライフルとGNビームキャノンを発射した。だが次の瞬間、イナヅマガンダムⅡの上空から何かが急降下してきた。
「ぽぉーいぃぃ!!」
それはファトゥム-01に乗り、大型ビームサーベルを展開した夕立のユニコーンガンダムナイトメアパーティーだった。そしてキュリオスアーチャーが放った3つのビームは、降下の勢いのまま振り下ろされた大型ビームサーベルの刀身にかき消された。
「なっ!またビームを斬った!」
「夕立さん!」
「電ちゃんは、やらせないよ!雷ちゃん、覚悟するっぽい!」
そう言った夕立は、再びファトゥム-01を走らせた。狙いは雷のキュリオスアーチャー。
「いいわ!この雷様が相手になってあげる!」
「いくよぉー!」
自分に向かってくるユニコーンガンダムナイトメアパーティーに、雷はすぐに迎撃を始めた。GNビームライフルを放ち、近づかせまいとするがユニコーンガンダムナイトメアパーティーはそれを回避しどんどんと迫ってくる。
「くっそぉ…案外早いじゃない!」
「………今ッ!!」
すると突然、ユニコーンガンダムナイトメアパーティーはファトゥム-01から飛び上がった。
「上!逃がさないわ!」
飛び上がったユニコーンガンダムナイトメアパーティーに銃口を向けたキュリオスアーチャー。しかし、雷が正面から目を離したその一瞬。ユニコーンガンダムナイトメアパーティーが乗っていたファトゥム-01がスラスターを全開にしたままキュリオスアーチャーに突貫した。
「雷、前っ!」
「え―――きゃあ!」
隙を突かれた雷は回避行動が間に合わず、ファトゥム-01が機体に直撃。バランスを大きく崩されてしまった。そしてこの瞬間を待っていた夕立は、上空から一気にキュリオスアーチャーに迫った。
「うりゃあぁぁぁー!!!」
そして大きく右脚を前へ突き出すと、重力と機体のスラスターの勢いを乗せた脚先はキュリオスアーチャーの腹部中央を捉えそのまま地上へと墜落していった。
「きゃあああー!!」
地上に再び砂煙が舞い上がる。それ目掛け、ユニコーンガンダムナイトメアパーティーは追撃を敢行。地上へと降りながら、両手のロングソードを納刀すると、バックパックのエクスカリバー対艦刀を抜き放った。
「これでえぇぇー!!」
「痛たたた……あっ!」
両のエクスカリバー対艦刀を最上段に構えたユニコーンガンダムナイトメアパーティーはそのまま地面に対艦刀を叩きつけた。地面に亀裂が入り、砂煙が舞い上がる。しかしキュリオスアーチャーはバックステップで攻撃を回避し、咄嗟にGNビームサーベルを抜いた。そしてその舞い上がった砂煙を払い除け、柄同士を連結させたエクスカリバー対艦刀を斬り払いそれを頭上で回転させて体の正面に構えたナイトメアモードを発動したユニコーンガンダムナイトメアパーティーが、そこには立っていた。
「ナイトメアパーティーの本当の悪夢、見せてあげるッ!!」
「クッ!」
ユニコーンガンダムナイトメアパーティーは連結させたエクスカリバー対艦刀を大きく掲げながら、キュリオスアーチャーに斬りかかった。
そしてユニコーンガンダムナイトメアパーティーとキュリオスアーチャーが戦っている上空では、イナヅマガンダムⅡとアカツキ・ハイペリオンマスターの戦闘が未だ続いていた。アカツキ・ハイペリオンマスターのALユニットの攻撃を回避しながらビームサーベルで接近戦を仕掛けるイナヅマガンダムⅡ。その攻撃を試製双刀型ビームサーベルで受けるアカツキ・ハイペリオンマスター。ビームの火花が激しく散る。
「流石暁の妹…でも、暁も負けないわ!」
「それは電も同じなのです!」
「これでどう!」
アカツキ・ハイペリオンマスターは試製双刀型ビームサーベルを大きく振り払いイナヅマガンダムⅡのビームサーベルを弾くと、勢いよく蹴り飛ばした。イナヅマガンダムⅡは後方に飛ばされてしまった。
「わっ!」
そしてアカツキ・ハイペリオンマスターは周囲にALユニットを集め―――
「一斉射!」
ALユニットのビーム砲を一斉射した。計12発のビームがイナヅマガンダムⅡに襲い掛かった。
「防いでみせるのです!」
電は飛ばされながら機動防盾を縮小、そのビームを受け止めようとした。縮小した機動防盾に12発のビームが直撃、防御の反動を受けたイナヅマガンダムⅡは弾き飛ばされ、地上へ墜ちていった。
「はにゃぁー!」
そして12発ものビームを受け止めた機動防盾はその威力に完全に耐えきることが出来ず、武装スロットに盾マークで表示された機動防盾にアラートの表示が出る。そのことに気づいた電は、すぐさま機動防盾を破棄した。イナヅマガンダムⅡが落下しながら投げ捨てた機動防盾はしばらく飛んだ所で爆散した。
「逃がさないわ電!」
「暁ちゃん!?」
そして落下していくイナヅマガンダムⅡにアカツキ・ハイペリオンマスターが再び迫った。ヒャクライ・スティグマトを連射し、接近してくるアカツキ・ハイペリオンマスター。電はギリッと歯を食いしばると、武装スロットからファトゥム-01を選択した。
「ファトゥム-01!」
すると、先程までユニコーンガンダムナイトメアパーティーを乗せていたファトゥム-01がアカツキ・ハイペリオンマスターの上空から飛来した。
「上から!?」
暁の耳に接近警報が届いた時には既に遅かった。ファトゥム-01は勢いのままアカツキ・ハイペリオンマスターに直撃、アカツキ・ハイペリオンマスターは大きく体勢を崩してしまった。
「きゃっ!」
その隙を突いてイナヅマガンダムⅡは態勢を整えた。電は休むことなくファトゥム-01をソード形態へと変形させた。そしてそれを開いてしまっていた左手で保持し、ビームライフルを腰裏にマウントすると両手で構え、体勢を崩してしまっているアカツキ・ハイペリオンマスターに斬りかかった。
「これでぇー!」
「っ!まだ態勢が―――クッ…アカツキ・リュミエール!」
態勢を整え切れていなかった暁は咄嗟にアカツキ・リュミエールを機体前方のみに展開、防御態勢を取った。しかしイナヅマガンダムⅡはそのままファトゥム-01ソードをビームバリア目掛け振り下ろした。バチィィッ!とバリア表面に直撃したファトゥム-01ソード。バリアの電撃が散る中、アカツキ・ハイペリオンマスターは態勢を立て直しヒャクライ・スティグマトをイナヅマガンダムⅡに向けた。
「惜しかったわ電!でも、暁の勝ちよ!」
「そんなことはないのです!まだ勝負はついていないのです!」
電がそう叫んだ時だった。
「なっ!ビームバリアが!どうしてっ!?」
ファトゥム-01ソードの刀身が、徐々にビームバリアを斬り裂いていた。
「ハイペリオンガンダムと同じなのです!」
「っ!?」
「そのバリアは、対ビームコーティングが施された実体武器を防げないのです!(暁ちゃんたちと戦う時の為に対ビームコーティング塗料を塗っておいて正解だったのです)」
「アカツキ・リュミエールが…突破される!?」
そして次の瞬間、アカツキ・リュミエールをファトゥム-01ソードが斬り裂き、咄嗟にバックしたアカツキ・ハイペリオンマスターのヒャクライ・スティグマトを斬り裂いた。
「まだなのです!」
電はその勢いのままファトゥム-01ソードを薙ぎ払った。薙ぎ払われたファトゥム-01ソードが2基のALユニットを斬り裂いた。更に反転してマシンキャノンで追撃を加え、残っていたもう2基のALユニットまでも、電は破壊に成功した。
「ALユニットが!」
残っていたALユニットを破壊された暁は思わず動揺してしまった。しかし、暁はすぐに冷静を取り戻しすぐさま試製双刀型ビームサーベルで反撃に出た。
「まだ終わってないわ!やあっ!」
「あっ!」
反転したままのイナヅマガンダムⅡにアカツキ・ハイペリオンマスターが斬りかかった。右上段からの袈裟斬りはイナヅマガンダムⅡのバックパックを両断した。背面との接続部はギリギリ逸れたが、バックパックは両断されたと同時に爆発し、イナヅマガンダムⅡは単独飛行能力を失って真っ逆さまに墜落していった。
「うわぁぁぁー!!」
「逃がさない!」
そして墜落していくイナヅマガンダムⅡを、アカツキ・ハイペリオンマスターは追いかけていった。
「姿勢制御しないと!」
電は慌ててイナヅマガンダムⅡの姿勢を整えた。しかし、自由落下は止めることは出来なかった。イナヅマガンダムⅡはそのまま地上目掛けて落ちていき、地上近くで脚部全てのスラスターを噴かし何とか着地に成功した。すると電の背後に接近警報が鳴り響いた。
「暁ちゃん!?」
「はあぁぁー!!」
イナヅマガンダムⅡは振り向きながらビームライフルを抜いたが、上段から振り下ろされた試製双刀型ビームサーベルの刃は、ビームライフルを斬り裂いた。斬られたのと同時に爆発するビームライフルを投げ捨て、ファトゥム-01ソードを構えたイナヅマガンダムⅡ。対峙するアカツキ・ハイペリオンマスターもまた試製双刀型ビームサーベルを構える。
(………ファトゥム-01ソードじゃ、手数で負けてしまいそうなのです…なら!)
電は武装スロットを操作し、ファトゥム-01ソードを解除するとビームサーベルを選択した。ファトゥム-01ソードを地面に突き立て、左腰のビームサーベルを抜き放つイナヅマガンダムⅡ。
「………」
「………」
睨み合うイナヅマガンダムⅡとアカツキ・ハイペリオンマスター。電と暁。そして、桜吹雪が2機の前を通り過ぎ――――
決着をつけるッッ!!!
2人の言葉と共に、イナヅマガンダムⅡとアカツキ・ハイペリオンマスターのメインカメラが鮮やかに発光、そして2機は地面を蹴った。
続く