艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 作:黒瀬夜明 リベイク
深海と空母水鬼の2人はようやく泣き止むと、改めて自分たちの姿を恥ずかしいと感じた。
「なんか、凄い恥ずかしいな…母さん」
「うん…我ながらここまで恥ずかしいとは思わなかったよ」
そしてしばらく2人の間に静寂があったがやがて深海が口を開いた。
「しかし…いきなり俺と母さんが家族だ。って言われたら困惑するよな…」
「そ、そうだけど…私は……」
「わかってるさ母さん…でも、それを決めるのは俺たちじゃない。そうだろ?」
「うん」
そう言って深海と空母水鬼は再び黙り込んでしまった。
一方その頃、旧執務室を山風と共に出て行った時雨たち2人は鎮守府本庁舎にあった小さな倉庫に来ていた。そして時雨は山風に背中を向けたまま口を開かなかった。倉庫に来てから数分が経ち、気まずくなったのか先に口を開いたのは山風だった。
「ね、ねえ時雨姉ぇ…これから私たちどうするの?……時雨姉ぇ!」
「………山風」
すると時雨が少しだけ低い声で喋りながらゆっくりと向き直ってきた。その低い時雨の声に山風は思わずビクついたが、振り返った時雨の顔を見てその感情は宇宙の彼方へと消え去ってしまった。時雨の顔は今までに見せたことのない程キラキラと輝いた笑顔だった。というより、完全に目と顔の周囲がキラキラと光っていた。
「し、時雨姉ぇ?」
その時雨の表情を見た山風は完全に呆気取られてしまって目が
「決まってるじゃないか山風!2人揃って深海の妹になるんだよ!僕はとても嬉しいんだよ!深海に助けてもらった時から僕はずっと深海の事が大好きでずっと隣に居たかったって思ってたんだ!それがこんな形で深海の隣にずっと居られるチャンスが来るなんて思いもしなかったよ!山風……ううん深空も勿論一緒だよ!早く深海の所に行ってこの事を伝えに行かないと!ほら行こ深空!」
「???」
山風は完全に話についていけていなかった。すると時雨は山風の手をもう一度握り直すと、倉庫を出ようとした。しかし山風がそれを拒んだ。
「ちょっと時雨姉ぇ…話が急展開過ぎだよ……それに何でさっきはあんな暗そうな表情してたのに今はそんなキラキラしてるの!?」
「あ、あの時は流石に恥ずかしくってついあんな状態になっちゃったけど…実は心の底から嬉しかったんだ!夕立や涼風も居たし、ちょっと気持ちを抑え込んだんだよ」
「そ、そうなんだ…でも、時雨姉ぇ…深海提督にはもう奥さんがいるんだよ?ずっと一緒にいるってことは…」
すると山風が、深海の妻であるもう1人の時雨の事を口にした。しかし時雨は―――
「大丈夫!僕、そんな事これっぽっちも思ってないから!」
と、時雨は両手を腰に当てて、フンッ!と鼻を鳴らした。
「えぇ………」
時雨の反応と言葉に、山風は完全に困惑していた。そして次の瞬間、今度こそ時雨の手が山風の手を掴んだ。
「ほら行くよ深空!」
「え―――ああっ!!」
バアァァンッ!!と倉庫の扉を勢いよく開け、山風の手を握りしめた時雨は旧執務室へ向け全力疾走した。
そしてその数分後―――
バアァァンッ!!という音と共に旧執務室の扉が勢いよく開いて時雨と山風が走り込んできた。突然の扉開放に流石の深海も驚き、だあぁぁぅ!!と訳の分からない声をあげた。
「深海!」
と、突然呼び捨てされる深海。深海は先程の驚きがまだ抜けていなかった為か、目を丸くした。
「ど、どうしたの夜空、深空……そんなに慌てて…」
空母水鬼の言葉をよそに、時雨は山風の手を握ったまま執務机に座る深海の前まで来ると物凄い勢いで机を叩いた。バアァァンッ!!と先程の扉と同じくらいの音が部屋に響くと、時雨は先程山風に見せたのと同じキラキラと輝いた笑顔を深海に見せて言った。
「僕たち、今日から深海の妹になるよ!」
「お、おお………」
満面のキラキラ付き笑顔での時雨の言葉に呆気取られる深海。そして、12秒間の沈黙ののち――――
え‘‘え‘‘え‘‘え‘‘え‘‘え‘‘え‘‘え‘‘え‘‘え‘‘え‘‘えぇぇぇぇぇぇー!!!!!!!!!
深海の超特大の大絶叫が鎮守府中に響き渡ったのだった。
「本当なの夜空!深海の妹だって事、認めてくれるの!?」
「うん!勿論深空もだよ!」
「え、私は何も言ってな―――」
「わあぁぁ~!私、すっごく嬉しいなー!」
「だからこれからよろしくね深海!お母さん!」
「うん!勿論だよ夜空!深空!」
時雨は再びキラキラ付き笑顔で深海に言った。時雨のキラキラは空母水鬼にまでうつり、空母水鬼は右頬の前でギョッと両手を握って目をキラキラとさせてときめいていた。どうやら、時雨の言った、お母さん。という言葉が効いたらしい。だが、当の深海は俯いたままフルフルと身震いしていた。
「あれ、どうしたの深海?」
「……………俺の」
「え、なに?」
俺の心配を返せええええええぇぇぇぇぇぇぇー!!!!!!!
深海は怒りのあまり、絶叫しながら執務机を叩き、中央で真っ二つに叩き割った。深海たち兄妹の初めての兄妹喧嘩は、大惨事を招いてその場に居た全員をドン引きさせて終了した。
続く
いつも「艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん」を読んでいただきありがとうございます。次回はEP64~EP87までに登場したガンプラと登場人物紹介となります。お楽しみに待っていてください。お話の続きが気なる方には申し訳ありませんがご了承ください。