艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP91 秘密兵器

翌日、体育館から1番近い旧工廠跡の倉庫で夕張と、ピンク色の髪を横でおさげ風にまとめ、水色のシャツの上にセーラー服を着て腰回りの露出したスカートを穿いている少女、明石が長さだけで見れば2メートルもある何かを製作していた。

「夕張ちゃん、ここちょっと抑えててくれないかな?」

「了解……これでいいかしら?」

「ええ!ここをこうして……よいしょ…っと!」

「なかなかに仕上がってきたよね!あとはぁ………艦橋と…主砲部分だね」

「飛龍さんと蒼龍さんにお願いしている部分だったわね…確かもうすぐで完成するって連絡貰ってるけど……」

するとその時、倉庫の扉が開いた。

「お待たせしてごめんなさい!」

「夕張ちゃん明石ちゃん、頼まれてきた物持ってきたよ!」

明石と夕張が振り向くと、そこには橙色の着物と緑の袴姿の茶色のショートヘアに濃い緑に赤い日の丸の様ながらの鉢巻を巻いた女性の飛龍と、緑色の着物に暗緑色のミニスカート仕立ての袴を着た青みがかった短いツインテールに纏めたの女性の蒼龍がそれぞれ大きめの箱を抱えて立っていた。

「飛龍さん!蒼龍さん!」

そこに立っていた2人は百年記高校のガンプラバトル部部員の飛龍と蒼龍だった。百年記高校ガンプラバトル部の中で1位と2位の製作技術を持つこの2人は夕張と明石、そして深海からある物を頼まれていたのだ。そして夕張と明石の目はすぐに2人が持っている箱に目が行った。

「頼んでたのはその箱に?」

「そうです!」

そう言って飛龍と蒼龍は箱を渡した。夕張は渡された箱のふたを開けると、蒼龍の箱の中には3つの砲身を持つ四角い物体にその下から伸びる円筒状のパーツが3つ。飛龍の箱には戦艦ミネルバの艦橋の様な形状のパーツが入っていた。

「凄いですね飛龍さん。こんな綺麗な艦橋作れちゃうんですね」

「蒼龍さんも凄いです!こんな立派な三連装主砲、お見事です!」

「「いやいや!それ程でもないですよー!」」

飛龍と蒼龍がほぼ同時に後頭部をポリポリと掻きながら照れた。そして夕張は、設置手伝ってくれますか?と言うと、勿論です!と同時に飛龍と蒼龍が言った。

 

それから2時間後、夕張に呼び出された深海は倉庫へ向かっていた。そして倉庫へと辿り着き、扉を開いた深海は驚いた。

「ほう…これは凄いな」

倉庫の中央にあったのは、全長約2メートル半、全高約1メートルはある左右をゼネラル・レビルの様に大きく伸びたカタパルトに挟まれた前方へ大きく伸びたミネルバの様な艦首、その底部に巨大な主翼を備え、先ほどの三連装砲を艦首部とその後方、第1砲塔の下部左右に1つずつのカタパルトを備えた船体、第2砲塔から少し斜め上にあるドーム状の左右に大型のレーダーを備えた艦橋を持ち、艦橋を挟み込むように配置された円柱形の砲身を持った連装砲を左右合わせて2つ備えた広いデッキと、艦橋の背後には3つ目の三連装砲とそれを挟み込むように設置された後部の斜め上へ向かって伸びる副翼、そしてその下部には2つの着艦用のカタパルト、さらにその下に横に4基のメインスラスター備えた戦艦だった。

「どうですか深海提督!」

「流石だな夕張、明石。見事なもんだ」

「ありがとうございます提督!でも流石に、1からこのサイズの戦艦作るのは無茶でしたけどね…」

明石が少し困った笑顔を作って深海に言った。

「それに関しては、本当にすまなかった。だが、本当によくやってくれた…これで後は、全員の練度を底上げするだけだな」

「でもこれ、どうやって体育館に運ぶんですか?こんな大きい物」

「安心しろ。運搬も兼ねて、全員へのお披露目会……いや、進水式と言った方がしっくりくるか?を用意してあるからな」

「さ、流石深海提督…いろんなところで抜け目ない…」

「早速取り掛かるぞ」

それからしばらくして、鎮守府内の館内放送で全員が倉庫へ集められた。鎮守府中に居た作戦参加メンバー全員が倉庫に集まり、ガヤガヤと賑やかになる倉庫。すると、深海が口を開いた。

「みんな、忙しい中集まってくれて感謝する。これから、この場にいる全員にある物を見てもらいたい………と、言ってももう目もそちらにばかり行ってしまっているようだが…」

深海はそう言って戦艦に掛けてある布を取り払った。そして戦艦の全体像が見えた瞬間、あちらこちらから、おぉー!という歓声が上がった。すると深海が説明を始めた。

「これは、明石と夕張が製作した今回の作戦で使用する戦艦。「機動戦艦ネェル・ミネルバ」だ!」

 

 

 

機動戦艦ネェル・ミネルバ!!

 

 

 

その場に居たこの艦の存在を知るもの以外が、一斉に声を張り上げた。深海の説明は続く。

「この戦艦を使えば、後方からの支援砲撃、損傷したガンプラの戦闘中での整備と修復が出来るようになった。つまり、戦線維持が容易になると言うわけだ!」

ガヤガヤと騒ぎになる中、長門が切りだした。

「提督。戦線の維持と言ったが、それはどういう意味だ?」

「…そうだな。なら、今回の作戦のブリーフィングも今済ませておく。全員、よく聞いてくれ」

「了解した。みんな、静かにするんだ!」

長門の言葉に、ゆっくりとその場が静まり返っていく。それから1分くらい経つと、静寂が倉庫を包んだ。そして深海は話し始めた。

「今回の作戦は、敵…ガンプラバトルをこの世界から消そうとしている者の確保だ。奴は、自分勝手な思惑で、今あるこの平和を崩そうとしている」

「………」

白雪が小さく俯いたが、深海の話は続く。

「奴がいつ行動を始めるかはわからないが、襲撃場所の大体の目星は付けてある。恐らく奴の目標は、ガンプラバトル日本協会が所有している「プラフスキー粒子精製工場」だろう。そこを潰せば、ガンプラバトルは出来なくなるからな。だが、先にこちらが動けば目標を変えられる可能性もある。その為、奴らが行動を始めるまでに出来うる限りの準備をこちらもするつもりだ。このネェル・ミネルバもその1つ」

「で、アドミラル。この戦艦、誰が操艦するのよ?こんなデカ物を、まさか1人で動かす気じゃないでしょうね?」

「馬鹿言え。俺にそんな器用なこと出来ないし、俺は1人の方がいいんだ。こいつの操艦及び運用の適任者は既に決めてある。その人員を今から伝える」

そう言って深海は1枚の紙を取り出し、発表を始めた。

「まず艦の指揮…艦長は、扶桑。副長兼火器管制は山城だ。扶桑と山城は、MAの操縦に非常に詳しい。だから適任と判断した。任せたぞ」

「「はい!」」

扶桑と山城が、ゆっくりと首を縦に振った。

「次に艦の操艦は皐月が担当する」

「ええ!ボ、ボク!?」

唐突な深海の言葉に驚く皐月。しかし深海は小さな笑みを浮かべると言った。

「瑞鳳から聞いた。皐月、お前は1度だけ模型として作った「イサリビ」を動かしたことがあるそうだな」

「あっ!」

「イサリビ」とは、鉄血のオルフェンズに登場する強襲装甲艦だ。そしてその言葉を聞いた皐月は、今の今までそのことをすっかり忘れていたことを思い出し少しだけ恥ずかしくなる。

「この中で(ふね)を動かせるのはお前を除いて他にはいない。だからお願いしたい」

「私からもお願いだよ、皐月ちゃん」

すると、皐月の後ろに立っていた瑞鳳も皐月にお願いをした。皐月はほんの少しだけ考えていたが、やがて大きく首を縦に振った。

「うん!やれるだけの事、やってみるよ!」

「ありがとうな皐月」「ありがとう皐月ちゃん!」

「次に、レーダー・索敵、発進管制は赤城。ダメージコントロールは、明石と夕張が担当する。最後に損傷したガンプラの修復には、望月、飛龍、蒼龍、そしてここにはいないが武蔵が担当だ。勿論、異論があるなら言ってくれて構わないが…」

だが、深海のこの決定に異を唱える者はいなかった。すると深海は、全員に目配りし言った。

「では明日から、ネェル・ミネルバを交えての訓練に入る。今回の作戦で発生する戦闘、恐らくア・バオア・クー攻防戦のような多数を相手取る長期戦になるだろう」

「なるほど。それで戦線の維持、という訳か」

「そう言うことだ。各自、機体の予備パーツは多めに用意しておくように。以上だ」

ブリーフィングの内容を言い切った深海。すると深海は、さて。と小さく言うと―――

「今から全員でこのネェル・ミネルバを体育館まで運ぶ。準備してくれ」

倉庫が一瞬静まり返り、やがてそこには大声が鳴り響いた。

 

 

 

え‘‘え‘‘え‘‘え‘‘ええええぇぇぇぇぇぇー!!!!

 

 

 

 

続く

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