艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP92 大切な想いを

それから参加者全員がネェル・ミネルバを体育館へ運び込んだ。深海と力自慢の参加者以外はへとへとになっていたが、体力の残っているメンバーはそのまま体育館中にあったシステム台を1つに集めていった。

「はぁ…はぁ…な、なんで時雨はあんなに平気な顔してるっぽい?」

「な、なのです…そ、それに凄く生き生きしてるのです…はぁ…はぁ…」

両手を膝について息を整える電と夕立は、遠くで深海に引っ付いて作業を進める時雨を見て言った。

「ねえ深海!僕こっちから押すね!」

「ああ。行くぞ、しぐ…夜空」

「うん!頑張ろうね深海!」

そしてそれを遠くで見ていた山風は、少し困った顔を作っていた。

「時雨姉ぇ…凄い楽しそう」

するとその隣に立っていた空母水鬼が笑いながら言った。

「深空も行ってきなよ!深海のこと、好きなんでしょ?」

「う…うん」

山風は頬を赤く染めながら小さく呟いた。空母水鬼は山風の頭を優しく撫でた。

「ほら、行ってきなさい。夜空に取られちゃうよ」

「う…うん!」

そう言って山風は深海の傍へ歩いていった。

「み、深海兄ぃ…て、手伝いに…来た」

「深空か。なら、こっちの方を頼む」

「うんっ。頑張る…ね」

その様子を見て、空母水鬼はニコニコと微笑むのだった。

 

それからしばらく経って、体育館の中央に大きな1つのバトル台が出来上がった。六角形のバトル台をいくつもくっつければ、それだけ台の大きさも大きくなり同時にバトル出来る人数も増えていく。そして台の上には、先程のネェル・ミネルバが鎮座していた。

「みんな、ご苦労だった!明日から、ネェル・ミネルバを用いた訓練を始める。今日はゆっくり休んで明日に備えるんだぞ?」

深海がそう言ってその日は解散となった。セッティングをしたメンバーはそれぞれに話し合いながら、体育館を後にしていった。

「じゃあ深海、僕新しい機体作らないとだからまた明日ね!」

「ああ。夜更かしするんじゃないぞ?」

「わかってるって!」

そう言って時雨は体育館から足早に出て行った。

「私も電ちゃんに付いて行くから、後でね深海」

「ああ」

「むぅ…ちょっとそっけなくない?」

「はよ行け」

空母水鬼は最後の最後まで頬を膨らませたふくれっ面のままだった。すると山風が、深海の来ているシャツの袖を引っ張った。

「み、深海兄ぃ…」

「ん?どうした深空」

「み、深海兄ぃは…あたしと時雨姉ぇのこと、なんですぐに妹って割り切れたの?」

「…まぁ、お前たち2人が、そうなりたい。って思ったからだな」

「そ、そうなんだ………」

「……深空は、まだ慣れないか?」

「う、うん……」

「まあ、少しずつ慣れていけばいいさ。焦らなくていいからな」

「うん……あたし、部屋に戻るね」

「ああ。また明日な」

山風はそう言って体育館を出て行った。そして残ったのは先程ネェル・ミネルバを任されたメンバーと夕張と明石だった。深海は横目でネェル・ミネルバについて講習を受けるメンバーを見ながら、戻るか。と心で呟いて体育館を後にした。

 

翌日、作戦参加メンバー全員が体育館に集まると深海は作戦当日の部隊分けを発表していった。

「訓練に先立って作戦当日の部隊配置を通達しておく、まず敵陣を突破し施設内の深部への進行を目的とした部隊。敵陣突破A隊は時雨、夕立、駆逐棲姫、山風。B隊は陽炎、不知火、初月。C隊は加賀、瑞鶴、秋月。D隊はビスマルク、プリンツ、最上、綾波。E隊は金剛、比叡、榛名、霧島。以上5部隊が、敵戦線を突破し施設奥を目指す。総指揮はビスマルク、お前に任せたぞ」

「え、ええ!私に任せなさい!」

「私がフォローしますから、頑張りましょうビスマルク姉さま!」

「背中は任せたわプリンツ!」

ビスマルクとプリンツがやる気十分のやり取りを交わしていた。深海は続ける。

「次に戦線の維持を目的とした部隊だ。この部隊には戦線を維持し、ネェル・ミネルバの進行ルートの確保と遠距離での防衛を担ってもらう。戦線維持A隊は長門、天龍、龍田。B隊は木曾、島風、鈴谷、熊野。C隊は、三日月、長月、卯月、菊月。D隊は、ヲ級、リ級、ル級。E隊は、阿武隈、暁、響、雷。以上5部隊が、戦線の維持を行う。総指揮は長門だ、頼むぞ」

「ああ。任せておけ」

「次にネェル・ミネルバの近接防御、護衛を行う部隊だ。A隊は大鳳、川内、涼月、防空棲姫。B隊は大和、睦月、文月、涼風。C隊は伊勢、日向、北上、大井。以上3部隊がネェル・ミネルバの防衛に当たる。総指揮は大鳳だ」

「はい!しっかりやり遂げます!」

「最後に、独立戦闘部隊だ。これは先に言った部隊全部から独立しているから、名前がもう上がった奴は聞き流してくれ。この部隊は、俺、空母水鬼、電、白雪。この4人だ。敵陣突破部隊よりも最前線で戦うことになる…覚悟しておくようにな」

「なのです!」「はい!」「了解よ深海!」

「ではそろそろ、訓練を始める。準備を始めてくれ」

 

はい!

 

そうして全員が慌しく準備を始めた。すると白雪が、電に声を掛けてきた。

「電ちゃん。ちょっといいかな?」

「白雪さん?どうしたのですか」

「うん。電ちゃんにこれを渡しておこうと思って」

そう言って白雪はフレームのみのガンプラを電に見せた。全体がグレーで統一されている一見すれば何の変哲もないガンプラのフレームだ。

「これは…ガンプラのフレーム?」

「うん。私や、吹雪ちゃんが使ってる特殊なフレーム「深海フレーム」って言うんだ」

「深海…フレーム」

その言葉を聞いて少しだけビクッとする電。そして白雪が深海フレームについて話し始めた。

「あの研究所で生まれた強化兵士の為に造られたんだけど…深海細胞を持ってる人物がこのフレームを使うと、自分の思い描いた通りのガンプラを作り出せるの」

「……あ!だから、吹雪さんのガンプラが形を自在に変えれたんですね!」

「そう言うことになるね。そして電ちゃんの身体にも、私たちと同じ深海細胞が埋め込まれている。だから、このフレームを使えば――――」

「電は遠慮しておくのです!」

「え?」

電の返答に驚く白雪。しかし、電の顔はいつも以上にハキハキとした笑顔だった。そして電は答えた。

「確かに、そのフレームを使えば電はもっと強くなれるのです…でも、それ以上に――――」

電は遠くで準備に勤しむ時雨と夕立、暁、響、雷に顔を向け、言った。

「電をここまで導いてくれた時雨さんと夕立さん。家族でいてくれた暁ちゃん、響ちゃん、雷ちゃん。そのみんなへの大切な想いを込めた自分の(・・・)ガンプラで――――」

 

 

 

電は、戦いたいのです!

 

 

 

電は笑顔を作りながらそう言った。その言葉に、電の決意と強い想いを感じ取った白雪はそっと深海フレームをしまい、そっか。と呟いた。

「じゃあ電は新しい機体の製作があるので、これで失礼しますね!」

「うん。一緒の部隊だから、よろしくお願いするね電ちゃん」

「なのです!」

そう言って電は駆けていった。1人取り残された白雪は、ポケットから取り出した純白と金色で彩られた「ガンダム・ホワイトボトムサウンド」を取り出して呟いた。

「大切な想いを込めたガンプラ…か…」

白雪はガンダム・ホワイトボトムサウンドをギュッと握りしめるんだった。

 

続く

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