ワンピースの世界をはったりで乗り切る 作:にーと
街を歩く。すなわちデート。少し緊張する。相手は原作キャラで10代の女の子。俺も見た目は10代だが中身はおっさん。まともに当たれば緊張し過ぎて変なことをしてしまいそう。よって小細工を仕掛けることにする。
待ち合わせ場所は遊園地近くのボンチャリ屋。そこに、ゼリーでイケメンの顔を纏った状態で待機する。顔だけ上塗りするとバランスが悪くなるので、身長も200cmくらいに伸ばしておく。
しばらく待っていると、待ち合わせの5分前にポーラがやってきた。喫茶の姿と同じでバンダナと伊達メガネをつけている。服は藍を基調とした落ち着いた色合いのワンピース。道を歩いていると地味に見えるがよく見ると洗練されたおしゃれな感じがすると言った具合だ。とてもかわいくてすばらしい。顔も目とかがなんとなくハンコックに似ており、ハンコックを救うのは諦めたけどポーラと付き合えるなら別にいいや思えるくらいに魅力的。
ポーラは店の前にちょこんと立ち、辺りを見回す。俺はポーラに近づいていく。
「かわいらしいお嬢さん、私とカフェに行きませんか?」
ポーラは俺に気付くと、俺の顔をジッと見つめる。かなりのイケメンに作ってあるからな。10代の女には効くだろう。
ポーラはゼリー男の顔を見たまま黙っている。悩んでいる感じにも見える。うむ、俺の評価なんてそんなものだよ。顔はふつう。謎の女事件の評価があってデートしてくれただけ。
ポーラはしぶしぶと言った表情で話し始める。
「誘ってくれたのはうれしいけど、ごめんなさいね。今日は人を待たせているの」
うむ。イケメンには弱いが約束をすっぽかすほどではないと。
「友人かな?」
「……ええ、そうよ」
友人というかただの知り合いだけど、まあ説明が面倒だろうしな。
「では、明日ならどうかな?」
「ふふっ。私に一目ぼれでもしたの?」
「あなたの美しさに心を奪われない者は男ではありません」
「ありがとう。じゃあ明日、買い物に付き合ってもらおうかな」
「是非!」
その後、待ち合わせの確認をし、俺は去っていく。人通りの少ない路地でゼリーを解除し、急いで服を着替える。そしてボンチャリ屋にダッシュ。
「ご、ごめーん。急に仕事が入っちゃってさ。待たせちゃった?」
などと焦ったような演技をしておく。
だが、本当の気持ちは焦っていない。デートの緊張など微塵もない。なんか情報戦で優位に立っている感じがする。やはりイケメンで接しておいて正解だった。
「ううん。私も今来たところよ。さ、行きましょ」
その後、遊園地を回ったり、食事をしたり、ポーラに絡んできたチンピラをボコったり、森を歩いてお花が綺麗などと言ったり。デートは順調に進んだ。
別れ際、夕日の綺麗な場所でキスを願い出る。OKしてもらえた。テカテカの綺麗な唇が近づいてくる。俺は目をつぶり、そっと唇を合わせる。
ポーラの体が一瞬ビクンと跳ねる。あまりの気持ちよさに、だろう。俺はゼリゼリの実の能力者。全身からゼリーを出す能力なのだが、俺の肉体も一般人と比べればゼリーっぽくなっている。つまり、ふわふわでプルプル。肌で触ればとても心地いい。
ポーラの腕が俺の背中に回される。俺もポーラの背中に両腕を回し(ゼリーの腕だが)、グッと抱きしめる。顔が押し付けられ、唇が、その中が激しく交わる。
「ぷはあ、はあっ。驚いた。こんなに気持ちいいの、初めてよ」
ポーラはほほを赤く染めている。赤くなり、目はとろんとして、唇からつーっと唾液が落ちる。出来上がっているという感じだ。
ふっふっふ。ここまで上手く行くとはな。だが不思議ではない。俺はイケメンではないが、全身がものすごく気持ちいい。男女がまぐわう行為において無類の強さを誇るのだ。
「この後、宿行く?」
「ふふっ。気分次第かな。買い物に付き合ってくれる?」
「いいよ」
よし、脈ありだ。行けるぞ、このまま最後まで。金はあまりないが(工作活動で女物の服やカツラを買っているため)10代の女の要求などたかが知れている。
などと思っていた俺はバカだったぜ。この女、金遣いが荒すぎる。ブランド物の服やら香水やら買うし、高い酒飲むし。何より博打をやりたがるのがよくない。しかも弱い。
昼間の落ち着いたかわいい少女はどこへ行ったのか。おっさんみたいだ。こりゃ原作で暗殺やってたのは金遣いが荒いからだな。
まあ、酔っ払った彼女との夜は、気持ちよかったです。数え切れないくらいやりました。はい。
翌日の昼に目覚め、俺が作った超気持ちいいゼリー枕をプレゼントして別れた。
そして翌日、俺はイケメンの姿となりて再びポーラの相手をした。買い物に付き合うという約束の通り、また高級品を買わされた。もう俺の財布はすっからかんだ。そして夜、行為を始めた所で、あまりの気持ちよさに、正体がバレる。ゼリーの肉体を持つのは、俺しかいないだろう。
少しだけ怒られたが、許してもらえた。まあ気持ちよければだいたいのこと許せるよね。俺もこれが気持ちいいからポーラの金遣いの酷さを許せているし。
その後も、俺は定期的にポーラとデートすることに成功した。毎日とか休暇は毎回とかではない。それは俺の財布が持たない。金に余裕があったら発散するという感じだ。ポーラの方は俺以外にも男をとっかけひっかえして遊んでいるそうだ。が、俺の気持ちよさを覚えてしまったために俺の体以外で満足できなくなってしまったらしい。それだけは恨むと言われてしまった。ある意味褒めてるから別にかまわないが。
デート以外に、一緒に修行や航海の勉強をすることもあった。俺もポーラもいずれは島を出て自由に海を回る予定だからだ。目的も似たような物だ。ポーラは適当に暇つぶしとロマンスを求めて。俺もロマンスと言えばロマンスだよね。
そうやって過ごしていると、とうとうフィッシャー・タイガー死亡というニュースが出た。ここからしばらくしてジンベエが七武海に加入し、アーロンが解き放たれ、ベルメールが死ぬことになる。原作の細かい年表は覚えてないが、あまり余裕はないと考えるべきだろう。俺は海軍にもう一度東の海へ配属を願い出た。しかしやはり却下された。「貴重な戦力だ。手放せん」などと言って。仕方ないから退職届を出した。上司が必死に引き止めてきたけど無視した。この状況でシャボンディ諸島に居座るのは居心地が悪い。即日出航する旨をポーラに伝える。
「ポーラ、俺と一緒に来い」
「強引ね。ま、いいけど。船はどうするの?」
「海賊から奪う」
「いいわね、それ」
俺達は荷物をまとめる。武器、お金、食料、ログポース、エターナルポース、それとブランド品。俺もポーラも金はあまりないがブランド品はポーラがたくさん持っており、これを売れば金になる。まだ海賊になる気はないし、まっとうに商人生活するなら商品が必要だ。俺はゼリーの能力で気持ちのいい枕を作ることができるから、それも商品になる。また、ポーラは航海しながらカフェを経営したいらしい。それでお金を得ることもできるだろう。原作ではカフェの金だけでは足りず、賞金稼ぎをやっていたのだろうけど。
「あら? あの船なんて素敵ね」
俺には分からない女の美的感覚で船を選択。船を無傷で手に入れるために、俺はゼリーちゃんを身に纏っておく。なお、修行によりゼリーの喉を震わせることで俺の声を女の声に変換できるようになっている。
「はあい、素敵な海賊さん」
「うぉっ、デカパイ姉ちゃんが2人も!」
「船長はどなたかしら」
「船長は今いねえ。買出し中だ。船にいるのは見張りの3人だけだ。ゲヘへへへへ」
「そっか。じゃ、お姉さん達と今からいいことしない? 実は私達、屈強な海賊さんが大好きなの」
「うひゃあああ! やります! 今すぐやります!」
「海の上で解放的にやりたいわ。船を出してくれる?」
「はい! はい!」
などとやり取りをして、まんまと船を出航させる見張り達。
武器を置き、裸になり、隙だらけのところをゼリーパンチで2人まとめてドカン。ポーラも男1人を蹴り飛ばす。
「ぎゃー、何すんだー!」
男達は海へ落ちていく。はい、無傷の船ゲット。
「悪い人ね。男の恋心を利用するなんて。つい昨日まで海兵だったとは思えない」
ポーラが海に浮かぶ男達を眺めながら言う。
「まあ相手が海賊だからな。一般人を苛めたりはしないさ」
「どうかしら? 私、あなたの変装に騙された記憶があるわ」
「うん。まあ、でも、あれは楽しめたでしょ? イケメンと交われたし」
「不快だったわ。あなたじゃなかったら殺してたかも」
「ご、ごめん」
「謝罪の気持ちがあるなら、私のお願い聞いてくれる?」
「うん、いいよ」
こんなやり取りしなくても俺はポーラに甘々なのだが、ポーラの気分としてやりたいのだと思う。
「じゃあまず、ウォーターセブンに向かいましょ。私好みのカフェを船の上に作りたいの」
「うん、分かった」
尻に敷かれてる感もあるが、ポーラの尻と考えればただのご褒美です。これから夜は毎日楽しめそうだ。