ファイナルファンタジーⅩ[SS]   作:水無 亘里

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Chapter06[ルールーとガード]

 異界送り。

 キーリカへと辿り着いた一行はシンの脅威を目の当たりにしていた。

 凄惨な光景。破壊の痕跡。

 救いのない絶望。無力に打ちひしがれる人々。

 異界送りを舞うユウナを見据えながら、ルールーは過去を思い返していた。

 これは三度目の旅になるが、一度目の旅で迎えた結末。

 やり場のない想い。

 果たして、あの方は今、無事に異界へと旅立てたのだろうか。

 それとも、いまだにあそこで迷い続けているのだろうか。

 幻想的な光景に目を奪われながらも、思い出すのは後悔ばかり。

 

 ――私は強くなれた。強くなった。今度は大丈夫。今度こそは大丈夫……。

 

 できるできないではない。やるしかないのだ。

 本当に守りたいものが、今は目の前にあるのだから。

 

 ――もう二度と、あの時のようには――。

 

 ……死は、いつだって唐突に訪れるものだ。

 

――

 

 黒魔導士としての戦いは、ほとんど召喚師のギンネム様からご指導いただいたものだ。

 戦いにおけるプロ意識などや立ち居振る舞いに至るまで、あの方から多くのものをいただいた。

 あの頃の自分はまだ駆け出しに過ぎなかった。今のルールーはそう思う。

 多くの技術を自分のものにしたルールーだったが、あの方に追いつけているかと言われると、いまだに頷けない。

 

 ――黒魔導士らしい服装を心がけるようになったのもあの頃だったっけ……。

 

 理由はいくつかある。

 ひとつは一人前の黒魔導士としてアピールすることで周囲に分かり易くガードとしてアピールすること。

 ふたつ目は自分は一人前の黒魔導士であると自分自身に戒めること。

 周りにアピールすることは自己顕示欲が高いみたいに思われるのではないかと思っていたのだが、それ以外のメリットもあった。

 それは一流のガードがいる召喚師であると主張できることだ。

 召喚師に迫る危険はそれなりに多い。

 召喚師を襲うのは魔物だけではない。荒くれ者やアルベド族なども牙を剥くときがあるのだ。

 理由は知れない。だが、彼らに対する抑止力となるのであれば、矢面に立つのも重要だと思うのだった。

 それに、ルールーにとってはふたつ目も大切だった。

 時折、首をもたげる迷いや自信のなさを、振り切るための強さになる。

 こんな恰好をして、惨めな姿を見せられない。

 そう思えることもメリットだった。

 

 ――それ以前に、常に黒魔法を応用していないと、この服ではまともに生活が送れないというのもあるけれど……。

 

 慣れないうちは裾を汚したり、汗を掻いたりしたものだが、それも今となっては懐かしい。

 土魔法を応用して裾と地面の摩擦をゼロにしたり、空気を適温に変更して流動させることは、もはや息を吸うように自然にできるようになった。

 これも全てはギンネム様のお陰だろう。

 

 ――聞こえますか、ギンネム様。私は三度目の旅に出ます。今度こそ、成功させる。もう二度と、間違いはしない……。だからせめて、この旅を見守っていてください……。

 

 ルールーは祈るように幻光虫の向こうを見据えていた。




動画と合わせた話作りにしようと足掻いてみましたが、アルティマニアの短編と似たような作りになってしまったのが悔しいです。
でもギンネム様の死に際とかのシーンまではまだあるし、正直プレイ当時の内容はそこまで覚えてなかったのであんまり詳細を書けなかったんです。
なのでふわっと書いてみたらアルティマニアと被りました。すみませんでした。
次はもうちょっとがんばります。
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