アインズ魔導王の外戚 シース結晶公爵 作:すべすべ
『見栄っ張りの嘘つき』だったグウィンとモモンガは似た者同士なのかも
なんかうちの一族が光のソウル見出した。
凄い、なんでも出来そうな我らは神に違いない
OPのわしの姿もゼウスそのものだし
>結果
我等って神を名乗っただけで人間と大差ない
でも今更神じゃなかったから期待しないでなんて
親族にも人にももう言えないからこのまま押し通す
>火が陰る
もうどうしようもなくなってきた
人連中も俺に陰りや呪いをどうにかしてって頼み込むけど無理
神がはじまりの火なしじゃ、ただの無能の集まりだなんてもう絶対に言えない空気
というか神族も人族もそんなこと絶対に認めない空気
本音を言って赤恥かくよりは、嘘を通して死んだほうがマシ
なので俺が自分を自分で火の中に放り込んで不死の使命とか言いふらして
この状況をなんとかしてくれるやつ募集する
帝都
皇帝ジルクニフ
その宮殿において
「陛下!ドラゴンです!ドラゴンが中庭に降り立っています!」
ジルクニフは臣下との会議を大慌てで中断し、中庭に降り立ったというドラゴンを見にバルコニーへと出る。
「爺、あのドラゴンは何だ?」
「さて、見たこともない種類ですが…背に乗っているのはダークエルフ?」
「皆様、私はアインズ・ウール・ゴウン様に仕えるアウラ・ベラ・フィオーレ。
そしてこちらに座します誠に尊い御方は王陛下の外戚、シース公爵閣下でございます。
皆さまご静粛に!公爵閣下から皆様にお話があるそうです!」
『人間達よ、暗い魂を持たぬ小人達よ。
この我…王の外戚…シース公爵が…その啓蒙と叡智の元、ここに貴公らに命ずる。
…死ね(ど直球の殺意』
地獄から響くようなドラゴンの声とともに深い吐息が吐かれる。
シースは中庭に集まってきた帝国騎士達が身構える所に向かって次の瞬間、強大無比な魔力そのものを叩きつける。
ソウル魔術
それはユグドラシルの位階魔法で再現された正確に言えばソウル魔術である。
もっとも耐性が低いものが食らえば結果は同じだが。
竜の魔力によって練り上げられた結晶が一瞬にして中庭全体を覆い、群がっていた騎士を覆い尽くす。
「ウワァァぁっ!」
「グギャぁぁ!」
悲鳴とともに魔術の奔流が止んだとき、中庭は幻想的な結晶と人間だった結晶で埋めつくされていた。
第10位階魔法:白竜の息
魔法のブレスであり、触れた者に呪死をもたらす。
状態異常に耐性があっても、ある程度の時間触れれば蓄積していき限界を突破した時点で結晶に覆われ即死する。
呪死の最も恐ろしい点はこれによって死亡したものは復活した後も呪いによって最大HPが半分になるという点である。
さらに言えば魔法での回復はできず、アイテムのみ。
ゆえにこれを利用した呪いによる殺害からの解呪石買い占めはユグドラシルにおいて相手にストレスを与え続ける凶悪なる戦略的コンボでもある。
とはいえそれを除けば状態異常からの死亡という、使いにくさからマイナーでもある。
同じ魔法なら直接攻撃でHPを削った方が早いし汎用性もある、誰でも簡単にLv100に達するユグドラシルならば耐性もありPvPでは脅威ではない。
とはいえこの世界では放てばほぼ広範囲即死魔法と化している。
「おおー!流石は公爵閣下、一息で人間どもが全滅だー!
さて!公爵閣下はこの宮殿もついでに一掃するおつもりですが
それだとどれが皇帝だったのかわからなくなっちゃうのでお止めになるそうですよ。
おーい、こうてーい。早く出てこないと公爵閣下が怒っちゃいますよー
そうなったら町中の人間をあっという間に皆殺しにしちゃいますからねー」
皇帝ジルクニフはこの日、ナザリック大墳墓を過小評価していたことを認め自ら赴くことを決定した。
…
皇帝ジルクニフはナザリックにおいてアインズとの面会を終え、帰りの馬車で考えた。
当初はあのアンデッドの王。
アインズ・ウール・ゴウンの最大戦力があのドラゴンであると、ゆえに最初に遣わしたのがあれだとも。
単なる戦力なら謁見の間に現れなかったのも頷ける。
ジルクニフもよく使う武力を背景にした恫喝だと当初は考えた。
脅しというものは中途半端にすることがもっとも悪手なのだからだとも。
だが違った、あのアインズ・ウール・ゴウンはドラゴンにも匹敵する力とそれ以上の財の持ち主だった。
その上であの智謀である、人類全体への脅威以外の何物でもない。
と、同時にあの竜の言っていた『王の外戚』という意味に思い至る。
外戚、そして公爵…
アンデッドと奇妙な外見のドラゴンが親戚関係にあるとは…
「いや、竜王国のあの若作り女王の例もあるし異種族でも血族関係になれるのは知ってるが…」
ジルクニフは想像した、例えばドラゴンとスケルトンの夫婦とか…
「いやいやいや、流石にないだろ…無いよな?」
だがあの場に控えていた悪魔の美女がまるで王妃のように側にいたことを考えれば異業種ではむしろ普通なのか?
「 爺の言った通り、常識は全く通じないという前提で考えるべきだな…」
となれば。
「アインズ・ウール・ゴウンはデスナイトを容易く作り出せる化け物の中の化け物」
敵対すれば帝国は滅びる、だがアンデッドゆえに人間が面白半分に殺される可能性はある。
ならばこそ絶対的優越者がなぜ対等な同盟を受け入れたかもわかる。
「外戚と王はそこまで信頼関係があるわけではないということか?」
希望的観測ではあるが、だとするとなぜ公爵ともあろう者が使いっ走りのメッセンジャーの役割を果たしたかわかる。
そしてなぜ謁見の間に姿を現さなかったのかも。
王が公爵にその立場をわからせるためだとしたら…
なるほど、権勢を振るおうとする外戚と王が対立するというのはよくある話である。
ジルクニフも不要で無能な自らの外戚貴族を粛清してきたし、王国はその権力争いで疲弊している。異業種にもその法則が当てはまるとは皮肉なものだ。
「だがそれならやりようもある」
そう、ドラゴンの外戚とアンデッドの王を対立させ王国のように派閥争いをさせるのだ。
そしてその裏での人類種国家の大連合を設立し、対抗する。
「もっと情報を集める必要があるな…」
ならばあの化け物の周辺にいる化物連中のうち、どれが公爵につくか…
「これから忙しくなるな…」
もちろん、この考えは全く見当違いである。
帝都にやってきたのは単なる憂さ晴らしと八つ当たりに過ぎないし
謁見の間に現れなかったのはドラゴンには狭く、使節には興味が全くなかったからであり
実験をしていた方が有意義だからである。
もちろんこの皇帝の考えはデミウルゴスの予想するところである。
「と、あの皇帝はこう考えているだろうね。
中途半端に賢い者の方が読みやすくて助かる」
玉座の間にてデミウルゴスは皇帝の浅はかな考えを披露する。
「公爵さまがアインズ様と仲違いするって思ってるの?
失礼千万です」
「う…うん、不敬だよね。滅ぼしちゃおっか」
双子の森妖精は皇帝が至高の御方の仲違いを画策するという冒涜的なまでに不敬な考えに強い不快を覚える。
「うむ、そのような事は全くないと断言できる。
そもそも公爵殿ははg…自らの魔術研究以外にはさして興味を持たないのだからな
人間が手を差し伸べたとして、一体何がかの大公の興味を引くと言うのだ?」
アインズ様も友の裏切りという計画には多少の不愉快を覚えたものの、かの公爵の性格を知ればまずありえない。
しかしながらシース公爵はジルクニフに意外な共感を寄せていた。
同じハゲ仲間だけに…本人は知っても全く嬉しくないだろうが。