仮面ライダージオウ【ANOTHER AKASHIC RECORDS】 作:レティス
OP[Blow out]
グレン先生の授業は日に日に適当さを増すばかりだった。授業のほとんどが黒板に大きく書かれている通りの“自習”で、その二文字も日に日に雑になっていき、果てには文字なのかわからないものになっていった。もしこんな文字化け問題出されて、間違えたら一組のハーレイ先生が長定規片手にぶっ叩いてくるって展開が起きそうだ…。
まれに授業を始める事もあるのだが、それもぐだぐだとした説明と黒板に貼り付けられたページのせいで本末転倒。とても授業とは言えない代物だった。
そして一週間経ったある日、ついに事件は起こる…。
「いい加減にして下さい!!」
「ん?お望み通り“いい加減”にやってるだろ…?」
グレン先生のやる気のなさっぷりにとうとうシスティーナの堪忍袋が大爆発。怒りの形相で抗議し始めた。俺はこの時、ルーン文字の書き取りをやっていた……え、時計?今日の分ならもう“朝のうち”に修理し終えた。授業中の時計修理は禁止ってシスティーナに言われたからね…。
口論が続くうちに、システィーナは親の権限でグレン先生を解雇できると脅したが、グレン先生はそれを聞いて逆に喜ぶというクズっぷりを露にする。それを聞いたシスティーナは次の瞬間、とんでもない行動に出る。
ペチンッ!
「っ!?おい嘘だろ…?」
なんとシスティーナは左手の手袋を外し、それをグレン先生めがけて投げつけたのだ。この光景に、自習していた皆が一斉に静まり返った。
「……お前、正気か?」
「私は本気です。」
「ダメ!システィ、先生に謝って、手袋を拾って!」
システィーナはグレン先生に“決闘”を挑むつもりだ。力ある魔術師達の争いに規律を入れるために作られた魔術儀礼で、生粋の魔術師の間では未だにこの決闘が行われている。
ルミアはシスティーナに決闘を止めるよう言い聞かせるが、それも叶わず話は進み、システィーナが勝ったら不真面目な態度を改めて授業を行う事、グレン先生が勝ったら説教禁止という勝利した際の条件を言い合った。互いがその条件を承諾したところで…
「その決闘、受けてやるよ。」
グレン先生は地面に落ちた手袋を拾い、それを頭上に投げてキャッチ…………しようとして失敗した。何で不慣れな事をするんだアンタは…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
教室から場所を移し、現在俺達は校庭にいる。そこでシスティーナとグレン先生が決闘のために互いに向き合う形で立っている。決闘のルールはただ一つ。黒魔【ショック・ボルト】を相手に当てた方の勝ちという、シンプルなものだった。【ショック・ボルト】は魔術学院に入学して初めて習う魔術だ。微弱な電気を飛ばして相手を痺れさせるという護身用の魔術だ。先に当てた方の勝ちというルール故に、この決闘ではいかに正確に、かつ素早く撃てるかが勝負のポイントとなる。
「なぁトーマ。お前はどっちが勝つと思う?」
「…システィーナは黒魔術に優れてるから、あの精度と略式詠唱のセンスが確かなら十分勝機はある。問題は…グレン先生の実力が未知数って事かな…。」
「へぇ…トーマってずいぶんと見る目があるんだな…。」
「まぁ、あくまで推測だけどね。そもそも決闘自体、生粋の魔術師同士ぐらいしかやらないし、今時毎回決闘で決めるなんて輩がいる訳でもない。」
大柄な男子生徒・カッシュと俺はどちらが勝つか予想を立てている。カッシュはクラスの中でも社交性のある奴で、俺も時折会話する事もある。
「まぁ、百聞は一見にしかずだ。」
俺は二人を見ながらそう言った。魔術詠唱の早さと正確さがポイントとなる今回の決闘、俺がもしグレン先生と決闘となったら負けてしまうだろう。理由は明白、俺には魔力操作の感覚と略式詠唱のセンスがないからだ……厳密に言うと、“何故か”上手く掴めない。それ故に【ショック・ボルト】すら一節詠唱で発動できず、先制攻撃が出来ない。
「さて、いつでもいいぜ。」
いよいよ二人の決闘が始まろうとしている。黒魔術に優れたシスティーナ、実力未知数のグレン先生、その対決はいかほどのものか……!
「『雷精の紫電よ』!」
先に唱えたのはシスティーナ。グレン先生に向けて電気の力線が真っ直ぐ飛んでいく……
「ぎゃああああああああああああっ!?」
………はっ?
「…あ、あれ?」
命中させた本人もこの戸惑い様である。決闘がほんの数秒で決着してしまった。
「これって…。」
「システィーナの勝ち…だよな…?」
他の皆もこの光景に呆然としてるようだ。
「私…なんかルール間違えた…?」
いや、ルール通りだよ。それにしてもグレン先生、なんで【ショック・ボルト】の詠唱をしなかったんだ…?
「ひ、卑怯な…。」
「あ、先生。」
「こっちは準備できてないのに不意打ちとは…お前それでも誇り高き魔術師か!?」
「いや、でも、“いつでもいい”って…。」
「…まぁいい。この決闘は“三本勝負”だからな。一本くらいくれてやる。」
「は?三本勝負?そんなルールありましたっけ?」
「さぁ二本目いくぞ!いざ尋常に勝負だっ!」
強引にもう一勝負やる羽目になってしまったシスティーナ。グレン先生の言葉と共に二本目(リベンジ)が始まった。
「『雷精よ・紫電の衝撃以て・撃…」
「『雷精の紫電よ』!」
「グワッーーーーーーーーー!!」
また呆気なくやられてしまったグレン先生……ってか、先生のさっきの詠唱…明らかに三節だったよな…?
「や、やるじゃねぇか…。」
「あの…グレン先生?」
痙攣しながら立ち上がるグレン先生。あれは明らかに痩せ我慢だ。
「ふっ、いくらこの勝負が“五本勝負”だからって、ちょっと遊び過ぎたかな。俺、反省。」
「さっき、三本勝負って…。」
「あああああああっ!?嘘だろ!?あんな所に“女王陛下”がいらっしゃるぞーーっ!?」
「えっ!?」
グレンが明後日の方向に指差して“嘘”を言った。それに釣られて思わずシスティーナはその方向を向いてしまった。いや、いる訳ないだろ…………ん、気のせいか?“女王陛下”の言葉を聞いてルミアの表情が若干曇ったような…
「かかったなアホがっ!『雷精よ・紫電の衝撃以て・撃ち倒…」
「『雷精の紫電よ』!」
「アババババババババババババッ!?」
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~数分後~
「すみません、もう勘弁してください。これ以上やったら本当に大変な事になってしまいます。」
「はぁ…。」
“自称”、四十七本勝負と言い張った一戦が終わったところで、ついにグレン先生が土下座した。この曇天の空という決闘に相応しい天候の下、行われたのは“決闘”ではなく、【ショック・ボルト】を用いた“大喜利”だった。
「いやー、【ショック・ボルト】限定の勝負なんて俺に超滅茶苦茶不利な不公平なルールだからなっー!」
「貴方が自らルールを設けたじゃないですか…そもそも、グレン先生ってもしかして【ショック・ボルト】の一節詠唱出来ないんですか?」
「ふ、ふはは、な、なんのことかな?わわわ私にはジャp…サパーリ!?そもそも呪文を省略する一節詠唱なんて邪道だよね!先人が練り上げた美しい呪文に対する冒涜だよね!別にできないからそう言ってる訳じゃ…」
「つまり、できないんだ…。」
グレン先生が【ショック・ボルト】の一節詠唱が出来ない事実を知った。これは意外だった………ってか、今何かいいかけたよな?何か得意なフレ○ズしか連想できない。
「と、とにかく決闘は私の勝ちです!だから私の要求通り、先生は明日から…」
「は?何のことでしたっけ?俺達、何か約束しましたっけ?覚えてないなぁ~?」
決闘はシスティーナの勝ちだが、何故かグレン先生は約束を忘れてとぼけていた。
「先生…まさか魔術師同士で交わした約束を反故にするつていうんですか!?貴方はそれでも魔術師の端くれですか!?」
「いや、魔術師じゃねぇ奴に魔術師同士のルール持ってこられてもなぁ~。」
「貴方、一体、何を言ってるの…!?」
とぼけた態度に約束を反故にするというクズっぷりの姿勢を取るグレン先生に、システィーナは引いていた。一度交わした約束をいちゃもんつけて無しにするなんて…なんて野郎だ…。
「とにかく今日のところは引き分けって事に勘弁してやる!だが次はないぞ!さらばだ!」
グレン先生は立ち上がると、そう言って高笑いしながら去っていった……何十発も【ショック・ボルト】を喰らい続けた影響か、途中で何回も転倒したが。
「おい見たかよトーマ、あのクズっぷり…。」
「ああ…。」
俺はカッシュの言葉を簡素に返した。あのクズっぷりもそうだったけど…まさか俺と同じく“魔術のセンス”がないなんてな…。
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「は~い、授業始めま~す。」
決闘から3日経ち、すっかりグレン先生の評判は地に落ちた。いつも授業に大幅に遅刻しては死んだ魚の目で授業を始め、そして教科書を黒板に釘打ちするというとんでもない行為を行った。そんなグレン先生の態度に呆れたか、皆自ら自習をするようになった。元々真面目が多いアルザーノ帝国魔術学院の生徒なら尚更だ。
「さて、今日はこれやるかな…?」
もちろん、自習するのは俺も同じだ。自然理学の教科書を出し、そこから気になるところを勉強している。そうじゃないと、後のテストで絶対泣きを見る。
「あ、あの…先生。今の説明に対して質問があるんですけど…。」
「ん?」
ここで、眼鏡をかけた小柄な女子生徒・リンが教科書を持ってグレン先生のもとに近づき、分からないところを質問した。だがグレン先生はルーン語辞書をリンに渡すと、それで自ら調べろという適当な対応をした。
「無駄よリン。その男に何を聞いたって無駄だわ。その男は“魔術の崇高”さを何一つ理解していないわ。」
無関心を決め込んでいたはずのシスティーナが立ち上がり、リンにそう言い聞かせた。
「で、でも…。」
「大丈夫よ、私が教えてあげるから。一緒に頑張りましょう?」
システィーナはリンに微笑みかけながらそう言い聞かせ、席に戻ろうとすると
「魔術って…そんなに偉大で崇高なもんか?」
気に障ったか、グレンが魔術の崇高に関してそう呟いた。
「ふん、何を言うかと思えば。偉大で崇高なものに決まっているでしょう?もっとも、貴方みたいな人には理解できないでしょうけど。」
「ふーん…魔術ってのは何が偉大で何処が崇高なんだ?」
「魔術はこの世界の真理を追究する学問よ。この世界の起源、構造、この世界を支配する法則。魔術はそれらを解き明かし、自分と世界が何のために存在するのかという永遠の疑問に答えを導き出し、そして人がより高次元の存在へ至る手段なの。それは、言わば神に近づく行為。だからこそ、魔術は偉大で崇高な物なのよ。」
グレン先生に魔術の価値観を主張するシスティーナ。勤勉な彼女だからこそ、魔術について熱く語れるものだ。
「ふぅ~ん……で、何の役に立つんだ?」
「え?」
「いや、だから。世界の秘密を解き明かした所で何の役に立つんだ?」
「だ、だから言っているでしょう!?より“高次元の存在”に…」
「“高次元の存在”って何だよ?神様か?」
「それは…。」
「そもそも、魔術って人にどんな恩恵をもたらすんだ?例えば医術は病から人を救うよな?冶金技術は人に鉄をもたらした。農耕技術がなけりゃ人は餓死してただろうし、建築術のおかげで人は快適に暮らせる。この世界で術と名付けられた物は大体人の役に立ってる。けど“魔術”は例外だ。何の役に立ってるんだ?」
グレン先生は魔術が何の役に立つか訴えてきた。グレン先生の言葉も正しい。魔術は魔術師のみしか使えず、その恩恵も魔術師のみ与えられ、一般人に還元される事はない。それ以前に、魔術師達の大半は魔術を秘匿しようと考えている者が多い。
「魔術は…人の役に立つとか役に立たないとか…そんな次元の低い話じゃないわ。人と世界の本当の意味を探し求める…」
「でも何の役にも立たないなら実際、ただの趣味だろ?単なる娯楽の一種な訳だ。違うか?」
グレン先生の言葉が事実故に、言い返せず歯噛みしながら、その悔しさに震えているシスティーナ。すると
「悪かった。嘘だよ。魔術は立派に人の役に立っているさ。」
グレン先生は突然掌返しをした。システィーナはもちろん、皆や俺も目を丸くする。確かに魔術はあまり一般人に還元されるものではないが、人の役に立つ場面が必ずあるはずだ。だが次の瞬間、グレン先生が放った言葉が俺達に揺さぶりを掛けた。
「ああ、魔術ってのはすげぇ役に立ってるさ……
“人殺し”のな…!」
「「「「「!?」」」」」
「…っ!」
グレン先生はまるで人が変わったかの如く残酷な真実を吐き出した。
「剣で一人殺している間に魔術は何十人も殺せる。戦術で統一された一個師団を魔導士の一個小隊は戦術ごと焼き尽くす。ほら、立派に役に立つだろ?」
「ふざけないでっ!魔術はそんなんじゃない!魔術は…」
「お前、この国の現状を見ろよ。“魔導大国”なんて呼ばれちゃいるが、他国から見てそれはどういう意味だ?帝国宮廷魔導士団なんていう物騒な連中に莫大な国家予算が突っ込まれているのは何故だ?」
「そ、それは…」
「決闘にルールがあるのは何故だ?二百年前の『魔導大戦』、四百年前の『奉神戦争』で何をやらかした?外道魔術師の犯罪件数とおぞましい内容を知ってるか? 」
「…っ!」
「ほら見ろよ、魔術と人殺しは切っても切れない腐れ縁だ。何故かって?他でもない“人を殺すことで進化・発展してきたロクでもない技術”だからだ!」
グレン先生の極論に打ちのめされるシスティーナ。唖然としている皆。魔術は…人殺しの…技術…。
俺はグレン先生の極論を聞いたその時、ある姿が頭の中をよぎった…それは悪夢で何回も見た“黒い戦士”……いや、それに酷似した黄金の鎧を纏う戦士だ…炎と灰、夥しい量の血で汚れた荒野に立つ…“魔王”の如き存在……。
「全くお前らの気が知れねぇよ。こんな下らない術勉強するくらいなら、もっとマシな………」
パアンッ!!
グレン先生が言い切る前に、システィーナがグレン先生の頬を叩いた。
「いっ…………てめっ…!?」
いまにも殴りかかりそうな形相のグレン先生。しかし、グレン先生は文句を発しようとはしなかった。理由は明白。システィーナの顔は涙で濡れていた。行きすぎた極論に打ちのめされてしまい、眼から涙をポロポロとこぼしていた。
「大っ嫌いっ!」
システィーナはそう言い捨てて、教室から出て行ってしまった。
「……ちっ…。」
グレン先生は頭を掻き乱して舌打ちをした。
「あー、なんかやる気出ねーから、今日の授業は自習にするわ。」
グレン先生も苛立ちながら教室から退室した。結局、今日この二人が教室に戻ってくる事はなかった…。
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夕日に照らされた廊下、俺は赤と青の懐中時計を見つめていた。時計の形状はいつも持っている白黒の懐中時計と形状は同じだ。あれと大型の時計は幼い頃、いつの間にか所持していた。だけど今持っている赤と青の時計は“ある人”からもらったものだ。そう…俺を助けてくれた“命の恩人”から…。
「魔術が真理を求めるものか…それとも殺戮のためのものか…。」
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「魔術はこの世界の真理を追究する学問よ。」
「魔術ってのはすげぇ役に立ってるさ……人殺しのな…!」
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あの二人の言葉を思い出し、魔術の用途が何なのかを考える。グレン先生は魔術を“殺戮”によって発展していったロクでもない技術だと言っていた。確かに魔術という概念があるからには魔術を用いた戦争が過去に起こったけど、全ての魔術が殺戮のためにある訳じゃない。
一方、システィーナは魔術は“世界の真理を求める学問”だと言っていた。魔術という概念が何故この世界に存在するか、人と世界が何故存在するかという永遠の謎を解いていく魔術師も数多くいる。
この世界には各地に超古代の遺跡が存在する。特に有名なのは“メルガリウスの天空城”という浮遊している城。魔術師達の中にはその遺跡に眠る謎を求めて日々研究をしている考古学専門の魔術師がいる。だけど、システィーナも含めて、皆は魔術をあまりにも神聖視…表向きの世界を見過ぎている。裏の世界に目を見開いてしまったグレン先生とは対照的だ。
要約すると、二人の魔術に対する価値観は極論だ。魔術は真理を求める学問でもあり、殺戮のための兵器でもあり、そして困っている人々を助ける術でもある。はっきり言ってしまえば…
「そんなもの…“使い方次第”だろ……そうだよね…?」
俺は時計を見つめながら、遠いところにいる命の恩人に向けて言葉を漏らした……………さて、帰るかな…。
俺は時計をポケットに仕舞い、学院から出ようと歩き出そうとした時
「あ、トーマ君。まだ帰ってなかったんだ。」
「…ん?ルミア?」
俺の姿を見かけたルミアが俺のもとへやってきた。彼女の手には錬金術の教科書があった。
「どうしたんだ?」
「私、今から魔力円環陣の復習をしに行くんだけど、もしよかったらトーマ君にも手伝ってほしいの。」
「別にいいけど…魔術実験室の個人使用は禁止って言われなかったか?それに、あそこに入るには鍵が必要だったような…。」
「それなら問題ないよ。」
「え…?」
俺はルミアの言葉に首をかしげると、ルミアはポケットから魔術実験室の鍵を取り出した……って、マジかよ…?
「ルミア、それを何処から…?」
「こっそり事務室に忍び込んだの。」
「ははは…お前も“ワル”だな…。」
俺はルミアの意外な面に苦笑いした。忍び込んでまで…か。まぁ、授業が全く進んでないからという理由もあるからな…。
本来ならルミアはシスティーナに頼る予定だったのだろう…朝の出来事で出て行っちゃったけど…。
「早く行ってちゃちゃっと終わらせよう。」
「そうだね。あんまり遅くなると先生にバレちゃうもんね。」
先生にバレないうちに、俺達は西館の魔術実験室へ行く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔術実験室に着いた俺達は、教科書で魔力円環陣の構図を確認し、まず水銀で床に円を描き、五芒星を描いていく。
「ねぇ、トーマ君にとって魔術は何なのかな?」
「ん?どうしたんだ急に…。」
「グレン先生が言っていた事を思い出しちゃって、その時のトーマ君の顔、“すごく険しかった”から…。」
俺が五芒星の内外にルーン文字を書き重ねていると、ルミアが俺にとって魔術は何なのか尋ねてきた………もしかして…あの時の“俺の顔”…見られてたのか…。
「そうだな…俺にとって魔術というのは…“未知の可能性”かな。」
「“未知の可能性”?」
「グレン先生が言ってたように、魔術というのは誰かを傷付けてしまうものあるし、逆にシスティーナが言ってたように、世界の真理を知る術でもあるって事。」
「?…つまり?」
「つまり、魔術は“使い方次第”で変わるものだ。魔術自体に善悪なんてない……この“時計”をくれた人がそう言ってたんだ。」
俺は自分の魔術に対する価値観を語ると、“あの人”からもらった赤と青の時計を見せる。白黒の時計が俺の存在証明だとしたら、この赤と青の時計は俺が魔術師を志すための御守りだと言える。
「だから頑張れるんだ。俺を助けてくれた人が語ってたように、魔術も科学も正しく使えば“人を幸せに”する事ができると…俺はそれを証明したい。魔術師を志したのは、そのためなんだ。」
「トーマ君って…すごく大きな夢を抱いているんだね。」
「ははは…まぁ、時間と空間の魔術以外は相変わらず苦手だけど…。」
俺は夢を語った後、妙にピーキーな魔術に特化している自分を半ば自虐気味に言いながら笑った。ルミアも俺の夢を聞いて微笑んだ。俺は魔術は苦手だが、その中で“時間魔術”と“空間魔術”だけは例外だった。本来この二つはピーキーなものが多いのだが、何故かこの系統だけは上手く扱える。これも俺の特殊過ぎる
話しているうちに、俺はルーン語を書き終え、ルミアも霊点に魔術触媒である魔晶石を設置し終えた。
「ふぅ…やっと完成した…。」
「後は詠唱するだけだね。」
法陣を完成させた俺達。後は教科書通りに魔力円環陣の五節詠唱を唱えるだけだ。
「『廻れ・廻れ・原初の命よ・理の円環にて・路を為せ』。」
ルミアは教科書に書かれている五節のルーン語を唱えた………しかし、何故か起動しない。
「…あれ?起動しない…。」
「おかしいな…確かに教科書通りのはずたけど…。」
俺は教科書を見直しながら、魔力円環陣が失敗した原因を探る。おかしい…教科書通りに法陣は完成させたはず…魔晶石にズレは無いし、ルーン語に間違いもない……だとすると……
バァン!
「「あっ…。」」
「相変わらずボロボロのまんまだな、ここは…。」
そうしてる間に、突然何者かがドアを蹴り開け、古びた室内を見てそう呟いた。グレン先生だ。なんてこった…法陣に手間取ってる間に見られてたのか…?これは…ヤベェェェェイ!(´・ω・`)
「……。」
「「……。」」
「あー…この後ナニをやるんだな。すまん邪魔し…」
「違います!これは断じて違う!…ってかそんな事したら後が怖い!辞書で叩かれるどころか土に埋められちゃう!」
「安心しろ。7年も経てば復活できるから。」
「俺は蝉かよっ!?」
グレン先生にとんだ誤解をされてしまった俺達は顔が真っ赤になった。そんな事したらシスティーナが鬼の形相で突撃してくるだろうが…。
「せ、先生…どうしてここに…?」
「そりゃこっちの台詞だ。生徒による魔術実験室の個人使用は禁止のはずだろ?」
「ご、ごめんなさい!実は私、法陣が苦手で最近授業についていけなくて…それでどうしても法陣の復習がしたかったんです。」
誤解しているグレン先生にルミアが事情を説明した。
「天使のような…実際天使な顔してとんだやんちゃだなお前…。」
「ごめんなさい、すぐに片付けます!後でどんなお叱りでも受けますから!」
ルミアはそう言って、片付けに取り掛かろうとするが…
「いーよ。最後までやっちまいな。」
「「え…?」」
グレン先生がそう言って魔力円環陣をするよう促した。
「ってか、もうほぼ完成状態じゃねぇか。ここへ来て崩すのは勿体ねーだろ?」
「それが、どうにも成功しなくて…。教科書通りに法陣を形成したんですけど…。」
グレン先生曰く、この法陣はほぼ完成状態らしい。だけど、何故か起動しなかった。俺はそう言って教科書を見直し、再び不足している点を探っていると
「“水銀”が足りてねーだけだ。」
グレン先生はそう答えると、水銀の入った壺を持ち、法陣に水銀を引き直していく。どうやら原因は水銀不足で魔力が通っていなかった事らしい。
「ちょっと慣れた奴は水銀ケチろうとするんだ。それで断線が起こって魔力が通らなくなるんだ。」
なるほど…あの時、俺は水銀の使用は最小限に抑えようと考えてたから、断線の事をすっかり忘れてたな…。
グレン先生は壺を置いて手袋をはめると、綻んだ法陣を修繕していく。慣れた手つきだ…。
「お前達は、見えないものには神経質なのに、見えるものには疎かだよな…よほど魔術を神聖視してる証拠だな…。」
グレン先生はそう呟きながら法陣の修繕を終えた。
「すげぇ…あっと言う間だ…。」
「すごい…。」
「お世辞のつもりか?…まぁ、とりあえずもう一度やってみろ。教科書通りの五節詠唱だ。略すなよ?」
そう呟いた俺達に、グレン先生は手袋を外して言った。ルミアは修繕された法陣の前に立つと、再び教科書に書かれている五節のルーン語を詠唱した。
すると鈴鳴りと共に法陣に魔力が流れ、輝きを放った。
「わぁ…綺麗…。」
この魔力円環陣自体は、魔力を流して法陣を輝かせるだけの専ら練習用の魔術だが、法陣から放たれる輝きはとても幻想的な風景を創り出す。これを見てると、自然と昔を思い出す……あの日の事を…
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ねぇ……魔術って、こんな人殺しのためにあるものなの…?」
「それは違うよ。魔術というのは、人の幸せのために存在する一つの可能性なんだ。」
「人の…幸せ…?」
「ああ。魔術も科学も、正しい使い方をすれば人の役に立てる。俺は魔術師じゃないけれど、そう信じてる。」
「…僕、なってみせるよ。皆を守るヒーローに…人の役に立つ魔術師に!」
「ふっ…そうか。それは良かった。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…マ……ト…マく…………トーマ君!」
「…はっ!」
過去を思い出していた俺は、ルミアの声で目を覚ました。しまった、法陣に見とれてうっかり現実逃避してしまった…。
「大丈夫か?ずっとポケーっとしてたぞ?」
「あ、はい…。」
グレン先生にも指摘された。そうか。俺、法陣展開した時からずっと上の空だったのか…。俺は気がつくと、右手にあの時計をずっと握りしめていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
実験室の片付けを終え、俺達は学院から下校した。修理し終えた時計をおやっさんのところへ届けるため、門のところでルミアとグレン先生と別れた。
時計屋へ向かう道中、俺は夕焼け空に浮かぶメルガリウスの天空城を視界に映した。考古学の魔術師達…それこそ、天空城に強い憧れを持つメルガリアンが目指す目標…。
「俺、頑張ってるよ……“セント”さん。」
俺はそこに向けて赤と青の時計をかざしながら、命の恩人の名を呟いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
~翌日~
「昨日は、すまんかった。」
朝のホームルーム、そこにはシスティーナの前で深く頭を下げて謝罪するグレン先生の姿があった。
「まぁ、その、なんだ…俺は魔術が大嫌いだが…その…筋が違うというか…極論過ぎたというか…その…とにかく、悪かった…。」
グレン先生は言葉が行き詰まりながらも、己の発言が極論すぎた事を謝罪した。
他の皆は何があったのか分からず、困惑してる様子。それもそのはず、いつも遅刻上等のグレン先生が授業開始前からいるのも理由だ。俺が理解出来る事としたら、グレン先生がルミアから何か聞いたのだろう。それによって、心境に変化が見られたのだろう。そうしてるうちに、チャイムが鳴った。
「じゃ、授業を始めるぞ。」
教壇に立ったグレン先生は、そう言って呪文学の教科書を手に取った。
「さてと…これが呪文学の教科書…だったっけ?」
そう呟いてグレン先生は教科書のページをめくる………が、めくった内容を見る度に表情が苦しくなっていく。やがてポンッと教科書を閉じると、窓に向かっていき…
\3! 2! 1!/
「ソイヤッ!」
祭並の掛け声を発しながら、教科書を外に向けてスパーキングした。前言撤回。心境に変化など全くなかった。
他の皆はやっぱりかという気持ちのまま、自習の準備をしていたそのとき、グレン先生は再び教壇に立った。
「さて、授業を始める前に一つ言っておく事がある。
お前らって本当に
「「「「「「「はあああああああああ!?」」」」」」」
とんでもねぇ暴言吐いたよこの野郎ぉぉぉぉ!?初っぱなから某自称サイキョー妖精みたいな事言いやがったよ!?
「昨日までの11日間、お前らの授業態度を見てて分かったよ。お前らって魔術の事、なーんも分かっちゃねぇんだな。分かってたら呪文の共用誤訳の質問や魔術式の書き取りなんてアホな真似しねぇもんな。」
傲慢な態度をとるグレン先生。お前が言うなという雰囲気が漂う。
「【ショック・ボルト】“程度”の一節詠唱もできない三流魔術師に言われたくないね。」
眼鏡を掛けた青年・ギイブルが呆れながら言った。彼は錬金術が得意分野で、システィーナに続いてNo.2の優等生である。
「ま、それを言われると耳が痛い。俺は男に生まれた割には魔力操作の感覚と略式詠唱のセンスが致命的までになくてね。学生時代は苦労したぜ。けど【ショック・ボルト】“程度”って言った奴、やっぱりバカだわ。」
グレン先生の煽りに、クラスのメンバーの殆どが苛立つ。もはやいつ“「皆、鉄パイプは持ったな?行くぞぉ!!」”と突っ込んでいっても可笑しくなさそうな雰囲気だ………あれ、ここ○岸島だったっけ?
「まぁ、いいわ。じゃ、今日はその【ショック・ボルト】の呪文について話そうか。お前らにはこれでちょうどいいだろ。」
グレン先生はそう言うと、黒板に【ショック・ボルト】のルーン語を書いた。もちろん、『雷精よ・紫電の衝撃以て・打ち倒せ』の三節でだ。
「さて、これが【ショック・ボルト】の基本詠唱た。ご存知の通り、センスある奴は『雷精の紫電よ』の一節詠唱が可能だ。じゃ、そこで問題だ。」
グレン先生はそう言うと、【ショック・ボルト】の三節詠唱の『紫電の』と『衝撃以て』の間で区切った。
「さて、これを“四節”にしたら何が起こるか当ててみな?」
グレン先生の問いかけには誰も答えない。それもそのはず、皆の間では【ショック・ボルト】の詠唱は『雷精の紫電よ』の一節詠唱という固定概念ができてしまったからだ。もちろん、一節で唱えられない俺やグレン先生はその限りじゃないが…。
「おいおい、まさかの全滅か?」
「その呪文はまともに発動しません。何かしらの形で失敗しますね。」
「んな事は分かってるんだよ。俺が言いたいのは、その失敗が何の形で起こるかだよ。」
ギイブルは失敗すると断言するが、グレン先生は失敗前提で、その失敗が何の形で起こるのか問いかけた。その言葉にギイブルは黙り込んだ……
「そんなのランダムに決まってますわ!」
代わりに、ちょっと高飛車なツインテールの少女・ウェンディが答えた。
「ブッハハハハ!…いや、ランダムって、ありえないだろ…!」
それを聞いてグレン先生は思わず腹を抱えて笑い出した。
「もういい。答えは“右に曲がる”だ。」
笑うのをやめたグレン先生は、そう答えを出すと、【ショック・ボルト】を四節で詠唱した。すると放たれた電線は黒板に当たる前に右に曲がり、出入り口側の壁に当たって消えた。俺も含め、皆は驚きを隠せなかった。
「ちなみに、ここをこうすると射程が落ちる。」
さらに続き、グレン先生は先程の四節詠唱の【ショック・ボルト】の『雷』と『精』の間で区切って五節にし、それを唱えると、射程が3分の1にまで落ちた。
「さらに一部を消すと、出力が極端に落ちる。」
そしてグレン先生は一旦、呪文の節を戻し、ルーン語の『の衝撃』の部分を消し、それを一人の男子生徒に向けて唱えたが、説明の通り何の影響もなかった。
「まぁ、これぐらい出来れば“究めた”って言ってもいいだろ。要するに、魔術式ってのは超高度な自己暗示っつーことだ。お前らはよく魔術は“世界の真理”を求めるものとか言ってるが、それは間違いだ。魔術っていうのはな、“人の心“を突き詰めるもんなんだよ。」
グレン先生は魔術の本当の在り方を答えた。人の心か…それを突き詰めるのが魔術という一つの術なのか…。
俺は魔術が何なのかを改めて納得したが、他の皆はそうじゃないらしい。魔術をあまりに神聖視し過ぎているために固定概念ができてしまったようだ。
「例を出すならそうだな……おい、そこの“白猫”。」
「し、白猫って私の事ですか!?」
「お前以外に誰がいる?」
「失礼ですよ!私にはシスティーナって名前が…」
「愛してる。実は一目見た時から、お前に惚れていた。」
「……な、なななな、何を言って…っ!?」
動物扱いされたシスティーナが論破しようとしたが、グレン先生の告白(嘘)で思考が混乱し、顔が真っ赤になっていた。
「はい注目ー。白猫の顔が真っ赤になりましたねー?見事に言葉如きが意識に影響を与えましたねー?比較的制御の効く表層意識ですらこうなるんだから、理性の効かない深層意識なんて…」
「トーマ、“工具箱”貸して。」
「え……ってちょい待てお前!」
グレン先生のウザい解説と周りからの視線に怒りと恥ずかしさが有頂天に達したシスティーナが、俺の席の下に置いておいた時計修理用の工具箱を奪った。もちろん、何をしでかすか察した俺はシスティーナを止める。
「それ俺の工具箱だぞ!?お前それぶっ壊したら弁償だぞ!?分かってんのか!?」
「そんなの知ったことじゃないわ!」
「ルミア、システィーナを抑えて!早く!」
「う、うん!システィ、落ち着いて!ね?」
「ちょっ、馬鹿!?教科書ならまだしも、工具投げつけるのだけはマジでやめろよ!?重傷待ったなしだから!いや教科書もだめだけど…!」
「うるさい!馬鹿はアンタよっ!この馬鹿馬鹿馬鹿ーーーっ!!」
ご乱心のシスティーナ。工具箱の投擲を阻止する俺。システィーナを宥めるルミア、そして教科書で防御態勢をとるグレン先生と、教室内はカオスな状況になった。
*良い子の皆は真似しないでね
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ルミアのおかげで何とか落ち着いたシスティーナ。はぁ…よかった…。工具箱ぶっ壊されたらおやっさん黙っちゃいないだろうからな…。
俺はほっと一安心すると、工具箱を再び席の下に置く。
「…まぁ、やっぱり魔術にも文法と公式みたいなのがあるんだよ。これを知らなきゃ上位の文法公式は理解不能、なんて基盤があるんだ。ま、俺が説明する事が出来るようになれば………『まぁ・とにかく・痺れろ』。」
グレン先生はそう解説すると、変なルーン語を唱えた。すると何故か適当な詠唱でも【ショック・ボルト】が起動した。
「あれ?思ったより威力弱いな…。まぁいっか、こんな風に即興で改変できるようになるぞ。大抵出力落ちるからおすすめはしないが。」
適当なルーン語でも起動できるのか…これが心を突き詰めた結果って訳か…。慣れた者ならば、それこそ適当に切り詰めて呪文を発動できそうだ。
「つー訳で、今日はお前らに【ショック・ボルト】を教材にした術式構造と呪文のド基礎を教えてやる。興味ない奴は寝てな。」
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ダメ講師、グレン覚醒。その知らせは瞬く間に学院中に広まり、グレン先生の授業に興味を持った他のクラスの生徒達も参加し、10日後にはなんと立ち見する生徒や講師も現れるようになった。あれだけ地に落ちていたグレン先生の評判はV字回復に至った。
さて現在、俺は授業を終えて学院から下校し、時計屋にいる。いつものように時計を修理している。
「よし、こんなところかな。おやっさーん、終わったぞ。」
「んー。まぁ、今日はこれくらいでいいぞ。帰りな。」
「へいへい、相変わらずの無愛想どうも。」
業務終了時間になったため、俺は工具を片付け始める。さて、さっさと着替えて帰るかな。
「そういや、お前んとこだけ明日だって?」
「ああ。ヒューイ先生の辞任の影響でこっちだけ授業遅れてるから、その穴埋めだとさ。」
「ふーん、何と言うか、波瀾万丈だな。お前の人生みたいに。」
「言ってくれんなよ…こっちだって苦労してるんだから…。」
俺はそんな会話を交わしながら、工具箱を持って更衣室へ行こうとすると
「トーマ。」
「ん?」
「明日…気をつけろよ。」
「気をつけろって…ただの補習だぜ?もしかして、俺が後のテストで落ちる事がか?」
「違う…俺の勘が感じるんだ。何か、とてつもない“陰謀”みたいなのがな。」
「“陰謀”…?」
俺はおやっさんのいう“陰謀”という単語に疑問を抱きながら、俺は着替えて時計屋を後にした。
明日に“何か”起こるのか…………気のせいだろ…。
ED[GHOST]
作者「うーん、また台風が来るとはなぁ…せめて休日に来ればいいのに…。」(FF14をプレイ中)
システィーナ「ちょっと紙鳥(作者のあだ名)!あんた編集さぼって何やってるのよ!?」
作者「見ての通り、FF14。」
セリカ「とうとうその有名どころに手を出したか作者。」
作者「あ、パパrげふんげふん…セリカさんじゃないてすか。」
システィーナ「今言いかけたよね?絶対某暁の人の名前言いかけたよね?」
セリカ「中の人的には間違いじゃないんだけどな…しかも黒魔だし。」
作者「まあそれはさておき、次回はようやくトーマをジオウに変身させられるよ。あいつ、張り切ってるし。」
システィーナ「せめて強化フォームは出して上げなさいよ。見てあれ。」
作者「?…あっ。」
真遊「…。」ゴゴゴゴゴゴ…
セリカ「あいつ誰だ…?少なくともさっきまでいなかったはず…。」(汗)
作者「……細かい事は後々話しますよ。」
NEXT→[ライダータイム]
作者「あとシスティーナ、“救急箱の用意”はしておいた方がいいぞ。」
システィーナ「え、それってどういう…」