仮面ライダージオウ【ANOTHER AKASHIC RECORDS】   作:レティス

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ようやくトーマ君がジオウに変身します!


OP[Blow out]




*10/10 文章を追加


ライダータイム

俺の視界…いや、俺から見た誰かの視界には、炎に包まれた街だった。その視点の人物には、俺が持っているのと同じ時計が装着されていた。だけど、形状が若干違い、カラーは金色。その体には黄金の鎧、時計が沢山付いたベルト、時計の針を模したマントが装着されており、あの二人の戦士とは違う存在だと分かった。顔の文字こそ黒い戦士と酷似していたが、『ライダー』の文字は鳥の“絵文字”のように凝った工夫がされていた。

炎から逃げ惑う人々、黄金の戦士はそこに向けて左手をかざす。

 

「『虚無へと帰せ(ビョルゼドバゲゲ)』。」

 

その戦士は、ルーン語ではない“何かの古代語”を一節詠唱した。次の瞬間、戦士の左手から謎の波動が放たれた。その波動は逃げ惑う人々を元素レベルにまで分解し、跡形もなく消し去った。

奴は戦士じゃない…あの時見た、“魔王”だ…!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「はっ…!?」

 

俺はあの悪夢から覚めた。酷い夢だ…“二人の戦士の決闘”から…今度は“魔王による蹂躙”かよ……相変わらず縁起悪い…。

冷や汗だくだくの中、ベッドから体を起こした俺は、時計を手にとって時間を確認する。時計には10時22分を指していた…………………え?10時22分?確か、補習開始は10時半……

 

「しまった寝過ごしたぁぁ!?」

 

俺は現在時刻を見てベッドから飛び出し、急いで制服に着替える。大丈夫、教科書類はあらかじめ鞄に入れてある…!後は時計…ええい、時間がないから“まとめて”持ってっちゃえ!コンパクトだから目立ちはしねぇだろ!

俺は制服に着替えると、鞄を持ち、懐中時計が二つ付いた据え置き時計をまとめて鞄に入れる。そしてリビングのパン一つをくわえ、靴を履いて外に出ると、素早く施錠して学院に向けてダッシュする。

 

「畜生、そういえば今日は補習だから開始時間違うんだった!なんで寝る前に設定しなかったんだ俺はぁぁぁ!?」

 

俺は昨日の夜に目覚ましの設定をやり損ねた事を後悔しながら走る。このまま行けば間に合うか…?いや、教室に入るまでが間に合わない!

 

「路地裏行くか、このままじゃ遅れちゃう!」

 

普通に行ったら間に合わないと判断した俺は、通常の道から路地裏にルート変更する。この路地裏は俺が万が一遅刻しそうな時に利用する最短ルートだ。この路地裏にはチンピラがたむろっており、普通の人はまず通らない…普通の人ならな。

 

「『三界の理・天秤の法則・律の皿は左舷に傾くべし』!」

 

俺は【グラビティ・コントロール】を三節詠唱し、自身の重力を軽くする。俺は高く飛び上がり、上の足場を利用してパルクールを行う。

 

「よっと!」

 

俺は着地すると、広場に出る。ここから全力ダッシュすれば、何とか間に合う…!

俺は路地裏を出て、広場を全力疾走しようとする。しかし…

 

「っ!?」

 

俺はある違和感に気づいて思わず足を止めた。

 

「妙だ…路地裏もそうだったけど…人が見当たらない…。」

 

俺は遅刻しそうな道中、一切人を見掛けていない事に気づいた。本来この時間帯なら、まだ出勤する人や買い物に行く人が見えるはずだ。それすら確認できない……おかしい………。

 

「朝寝坊か?」

「!」

 

俺は何者かの声を聞き、思わず背後へ振り返る。そこには赤黒いコートを羽織った一人の青年がいた。よかった…ようやく人を見掛けた…って、遅刻しそうな事忘れてた!

 

「あっ、はい!お恥ずかしながら…すみませんが、俺急いでるんで…!」

 

俺はそう言って礼をすると、学院に向けてダッシュしようとした、その時だった。

 

 

 

 

 

 

「『吼えよ炎獅子』。」

 

 

 

 

 

 

ドガァァン!

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

突然の詠唱の声と共に俺の横を火球が通り過ぎ、その先の地面を爆発でえぐりとった。これ…軍用魔術の【ブレイズ・バースト】だよな…?しかもこの声、さっきの人じゃ…。

俺はもう一度後ろを振り返ったが、【ブレイズ・バースト】を放ったのはあの男で間違いない。しかも左手を構えている辺り、俺を本気で殺そうとしているようだ…!

 

「行かせると思うか?お前の行き先は地獄だ。悪く思え。」

「っ!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「遅いっ!!」

 

もう聞き慣れたであろう怒号が教室内に響いた。システィーナだ。現在の時刻は10時50分。開始から20分経過している。

 

「あいつったら… 少し見直してやったら、これなんだから!もう!」

「でも、珍しいよね?最近、グレン先生、ずっと遅刻しないで頑張っていたのに。」

「あいつ、まさか今日が休校日だと勘違いしてるじゃないでしょうね?おまけにトーマもいないし…。」

「流石にグレン先生やトーマ君でもそんなことは…ない、よね?」

 

20分経っても、未だにグレンやトーマが現れる気配はない。皆は補習の事を忘れてるか、もしくは遅刻してるかと考えていた……あの二人が……命の危機に陥ってるとも知らずに…。

そう考えている内に、奥から足音が聞こえてきた。二人が廊下を歩く音…否、二人にしては妙に数が多い。

そうとは知らず、皆はグレンとトーマがようやく到着したのだと勘違いしていた。そして扉が開き…

 

「やっと来たわね…!先生、それにトーマ!二人して遅刻って何考えて………え?」

 

遅れてやってきたグレンとトーマに、システィーナはまた説教しようとした。しかし教室に入ってきたのはあの二人ではなく、チンピラみたいな格好の男とダークコートの男、そして赤いストールに魔術触媒を詰めたチェストリグを着けている青年が入ってきた。

 

「いやー、勉強熱心ご苦労様ー!がんばれ若人!」

 

チンピラ男は妙に高いテンションで言った。

 

「貴方達は何者なんですか?ここは部外者は立ち入り禁止ですよ?」

 

システィーナは席を立つと、謎の三人組のもとへ近づきながら警告する。すると

 

「ふんっ!」

 

 

 

 

 

 

 

ベシィッ!

 

 

 

「きゃっ…!?」

「システィ!?」

 

突然、赤ストールの青年が道を遮るや否や、システィーナを回し蹴りで弾き飛ばし、壁に叩きつけた。強打したシスティーナにルミアが駆け寄った。

 

「下手に近づくんじゃねぇよ、アバズレ。」

「っ…!」

 

青年は余裕と残忍をもった凶悪な表情でシスティーナを威圧する。蹴られたシスティーナも反撃したいところだが、恐怖心で立ち上がれない。

 

「ちょっとちょっと~“エリック”君、ダメじゃないか女の子には優しく接しないと。」

「知ったこっちゃないな。俺は真の男女平等主義者なんでな。」

 

チンピラ男にエリックと呼ばれた青年。“真の男女平等主義者”を自称しているが、その思考は実際邪悪だ。

 

「まぁ、質問には答えてあげないとね。オレ達は“テロリスト”ってやつかな?女王陛下サマに喧嘩売るコワーイお兄さん達って訳。」

 

チンピラ男の言葉にクラス全体でどよめきが起こる。

 

「テロリスト…!?ふざけないで!それならこの学院に入れるはずが…!」

「入れてるからこの状況になってんじゃねぇか。魔術学会で多忙とはいえ、本っ当にあんな守りだけとはな…この国も世紀末待ったなしだな。」

 

魔術学院の守備が貧弱だと愚痴るエリック。魔術学院の護衛達は戦闘訓練を積んだ者達だ。そして学院を覆う結界は超一流の魔術師でさえ破るのは困難な代物。だがテロリスト達は、それをあっさり突破したのだ。皆が驚きを隠せないのも無理はない。

 

「…っ!…それ以上ふざけた態度を取るなら、貴方達を気絶させて警備官に引き渡します!それが嫌なら今すぐこの学院から出ていって下さい!」

 

驚きを隠せずとも、フィーベル家の誇りを胸に、それでも警告を言い渡すシスティーナ。

 

「ふーん…だとさ。」

「いやーん!オレ達つかまっちゃうの~?」

 

つまんなさそうに流すエリック、ワザとらしい演技をするチンピラ男。そして未だに動じないコートの男。三人組は逃げる気はない…それどころか余裕すら感じとれる。

 

「警告しましたからね…。『雷精の…』」

「『ズドン』。」

「『氷狼よ』。」

 

システィーナが詠唱する前に、チンピラ男が放った電撃と、エリックが放った氷の弾丸がシスティーナの横を通り過ぎ、壁を“貫通”した。

 

「今の…【ライトニング・ピアス】と…【アイス・ブリザード】…!?」

 

システィーナの言う通り、先程放たれた呪文は軍用魔術に分類する攻性呪文(アサルト・スペル)、【ライトニング・ピアス】と【アイス・ブリザード】だ。【ライトニング・ピアス】は一見【ショック・ボルト】と似ているが、性能はそれよりも完全上位版。感電死させることなど容易い殺傷力の高い魔術だ。そして【アイス・ブリザード】も、相手を凍結させて雹で粉砕する冷酷な魔術だ。これに対抗するには同じ攻性呪文(アサルト・スペル)しかない。それを覚えている学生などいない。殺傷力が高いために学生に習得させるのは禁じられているからだ。しかも二人はそんな殺傷力の強い魔術の詠唱をここまで切り詰めている。勝率は0どころか、もはやマイナスの領域に達する。

 

「抵抗したら、次は殺すからね。」

「跪け、ザコ虫。」

 

チンピラ男とエリックの脅しで完全に無力化されたシスティーナ。

 

「「「「「きゃああああああ!!」」」」」

「「「「「うわああああああああ!!」」」」」

 

当然、パニックになる生徒達。生徒達は一目散に逃げようと出口を目指そうとする。

 

「エリック。」

「承知。」

 

コートの男に言われたエリックは、【アイス・ブリザード】を放った時にも使った銃を、今度は天井に向ける。

 

「『雷帝よ』。」

 

 

 

 

 

バチィィィィィッ!!

 

 

 

 

 

 

エリックの放った【ライトニング・ピアス】が響き、この音でパニックになった生徒達が一斉に静まり返った。 

 

「喧しいんだよ、クズ共が。ミンチにされたいのか?」

 

エリックの威圧感に怯む生徒達…逆らったら殺される…その恐怖感に煽られてしまう。

 

「さて、一つ聞きたいんだけど、ここにルミアちゃんって子はいるかな?」

 

チンピラ男はルミアの名を口にした。三人組の目的はルミアらしい。

 

「君がルミアちゃんかな?」

「ち、違います…!」

 

チンピラ男はまず近くにいたリンに質問した。

 

「じゃあ、誰がルミアちゃんか知ってるかな?」

「し、知りません…!」

 

ルミアの事を売る気はないリン。そこへエリックが銃を突きつけた。

 

「ひっ…!」

「俺が痛めつけて吐かせてやる…。」

 

今にもリンを殺さんと脅しをかけるエリック。

 

「あ、貴方達…ルミアって子をどうするつもり…!?」

「ん?お前、ルミアちゃんを知ってるの?それとも君がルミアちゃんなの?」

「質問に答えなさい!」

「うぜぇよ、お前。」

 

システィーナは震える心に鞭を打つが、それが空回りした。チンピラ男は【ライトニング・ピアス】を放つべく左手を構える。

 

「もういい。お前から殺…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私がルミアです。」

「!?」

「…へぇ。」

 

システィーナのピンチに、ついにルミアは自ら名乗り出た。その途端、チンピラ男は構えるのをやめ、ルミアの前に立った。

 

「へぇ…君がルミアちゃんか……前から知ってたけどね。」

「!?…じゃあどうして、最初から私を…。」

「そりゃ、君が名乗り出なかったら、無関係の人をオレとエリック君で一人ずつ殺しちゃうゲームにするつもりだったからさ。まあ、君が名乗り出てくれたおかげで殺る気なくなったから安心しな!」

「…外道…!」

 

チンピラ男の言葉に、普段は見せない怒りを露にするルミア。

 

「ジン、エリック。お前達は第二段階に移れ。私はこの娘をあの男に送り届ける。」

「え~?やっぱこいつらに【スペル・シール】かけるんですか~?こいつらが束になったところでオレ達に勝てる訳ないのに…。」

「それが当初の計画だ。手筈通りやれ。」

「へいへーい。」

「…了解。」

 

ジンと呼ばれた男とエリックは渋々了承した。

 

「ご足労、願えるかな?ルミア嬢。」

「拒否権はないんですよね…?」

「理解が早くて助かる。」

「…少し、彼女と話をさせて下さいませんか?」

「…妙な真似だけはするなよ?」

 

ルミアはレイクから許可をもらうと、システィーナのもとに近づく。

 

「…行ってくるね、システィ。」

「…ダメよ…ルミア…!」

 

システィーナは震えて上手く喋れないがそれでもルミアには伝わっていた。

 

「大丈夫。グレン先生やトーマ君がきっと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、グレンという男なら、オレの仲間が殺したぜ?」

「「!?」」

 

ルミアの言葉を、ジンが遮って言った。

 

「それに、トーマという奴も、今ごろ俺の兄貴が殺しにかかってるだろうよ。」

「っ!?」

「…そんな…。」

 

エリックも続けていった。震えて恐怖心を募らせるシスティーナ、顔が青ざめたルミア。それはクラスの皆も同じだった。望みは…絶たれたのだ。

 

「さぁ来い。」

 

レイクはルミアに連行を促すと、ルミアを連れて教室を後にしようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「うわああっ!?」

 

俺は目の前にいる男の攻性呪文(アサルト・スペル)を受けて吹っ飛ばされた。既に何発か喰らっており、制服はボロボロ、体中傷だらけ。くそ…おやっさんが言ってた陰謀ってこのことか…!

 

「やはり学生程度じゃ、こんなものか。」

「っ…!」

 

まずい…!ダメージで思うように体が動かない…!このままだと…!

 

「『雷精よ・紫電の…』」

「『吼えよ炎獅子』。」

「っ!うわああああああ!!」

 

俺は【ショック・ボルト】を詠唱するが、その前に【ブレイズ・バースト】をもろに受け、そのまま吹き飛ばされてしまった。その際、俺のポケットから赤青の時計が地面に落ちた。

 

「あ…!」

 

俺が落ちた時計を拾おうとするが、それより先にリドリーが時計を拾った。

 

「この時計…間違いない。例の“連中”がいってた“ライドウォッチ”か…。」

「“ライドウォッチ”…?」

「お前がこれをどこで手に入れたかは察してる。“お前を助けた男”からもらったのだろう?」

「なぜ…それを…!?」

「まだ思い出せないか、覚えていないのか?俺達はあの日、お前のいた孤児院を襲い、最後の生き残りであるお前だけは取り逃がした。“あの男”の妨害で…。」

「っ!?」

 

俺がもつ時計を“ライドウォッチ”と呼称する男。そして真実を聞いて驚愕する俺………取り逃がした…生き残り…?………………っ!思い出した…こいつ、襲撃の際にもいた…!それに、コートに刻まれた“短剣に絡み付く蛇のマーク”は…!

 

「“天の智慧研究会”…そうか…!お前…“あの時”の…!」

「今更思い出したか。俺の名はリドリー。天の智慧研究会に所属する外道魔術師だ。だが知ったところでもう遅い。前は逃がしたが、今度は必ず仕留める…!」

「ぐあっ…!」

 

俺は男の正体が孤児院を襲撃した奴と分かるや否や、リドリーに踏みつけられる…畜生、俺は…ここで…死ぬのか…!?

 

「安心しろ、お前のところの先生もクラスメートも、今頃“弟”が殺しているだろう。だからここで果てるがいい。」

 

その言葉を聞いた瞬間、俺の中で何かが進む音が聞こえてきた。心臓の鼓動と時計の針が進む音だ。それと共に再び黒い戦士と赤い戦士、そして黄金の魔王の幻覚を見る。

悪夢で見たあの“黄金の魔王”…………俺は“魔王”なんかになりたくはない。そう思っていた。だけど、目の前には邪悪な存在がいる。それに、もしここで抵抗しないと…皆が殺されてしまう…ならば、殺られる前に殺る…………それが仁義だ…!

 

「黙れ…!」

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黙りやがれぇぇぇぇ!!」

「っ!?」

 

俺は力の限り、リドリーを弾き飛ばした。

 

「ここで死んでたまるか…!お前らみたいな外道なんかに、二度も居場所を…失ってたまるか!!」

 

その瞬間、俺の頭にある行動がよぎった。二人の戦士はあの据え置き時計を腰に巻いていた…あの夢が、本当に起こりえる事なら…!

俺は本能のままに落ちた鞄から白黒の懐中時計と据え置き時計を取り出すと、据え置き時計を腰に当てた。

 

『ジクウドライバー!』

 

すると時計から謎の声が聞こえると共に、時計からベルトが展開され、俺の腰に固定された。“ジクウドライバー”…それがこの時計の本来の名称か…!

 

「!?…そのベルト…まさか…!?」

 

リドリーは何か見覚えのある発言をするが、俺は気にせず白黒の時計のカバーを回転させる。すると白黒の時計にあの“黒い戦士”の顔が映った。俺は時計のボタンを押す。

 

『ジオウ!』

 

俺は時計…ジオウライドウォッチをドライバーの右側へ装填する。ドライバーに右の矢印が表示された後、俺はドライバー上部のボタンを押してロックを解除する。時計の針の音と共に、待機音が流れる。そして背後には時計のエフェクトが展開され、針が進んでいく。知らない内に持っていたドライバー、そしてライドウォッチ…そうか…俺は生まれた時から、運命は決まってたんだな…!ならば、なってやるよ!“黒い戦士”……ジオウに!

 

「変身!」

 

俺はそう叫ぶと、ドライバーを一回転させた。するとドライバーに流れるように【ZI-O】と表示された。その瞬間、背後の時計の針が一旦12時を差すと、すぐに針は10時10分を差した。

 

『ライダータイム! 仮面ライダージオウ!』

 

音声と共に時計に『ライダー』というカタカナが表示され、俺の周りに多数の銀色のリングが展開、俺の体に時計を模したアーマーが装着された。そして浮遊した『ライダー』のカタカナがマスクにくっつき、変身が完了した。

黒をベースに所々にピンクの部分があり、ドライバーに表示された【2018】という数字。そして何より時計の意匠がある姿…間違いない。俺は今、悪夢で見た黒い戦士になったんだ…仮面ライダージオウに!

 

「刻むぜ、時空のビート!」

 

俺はそう言うと、リドリーに向かって駆け出す。

 

「その姿…間違いない、お前は…!」

「はあっ!」

「ぐうっ!?」

 

ごちゃごちゃ喋っているリドリーに、俺はパンチをお見舞いした。すごい…変身したらこんなに力が溢れてくるのか…!

 

「くっ…『吼えよ…』」

「『時の流動よ』。」

「なっ…!?」

 

俺はリドリーが【ブレイズ・バースト】を放つ前に、【タイム・アクセラレイト】を一節詠唱し、リドリーとの距離を詰める。【タイム・アクセラレイト】は俺が最も得意とする魔術。魔術が苦手な俺がこれを一節で詠唱する事ができるのは、俺の魔術特性故だ。

 

「うおおおおおおおおおっ!はああっ!」

「ぐはっ…!?」

 

効果が持続するまで、リドリーに猛ラッシュを叩き込み、アッパーカットで吹っ飛ばした。そこで【タイム・アクセラレイト】の効果が切れた。

 

「…【タイム・アクセラレイト】の効果が切れればこっちのものだ…!『吼えよ炎獅子』!」

 

リドリーは隙を見て【ブレイズ・バースト】を唱えた。そう、【タイム・アクセラレイト】は一度効果が切れるとその加速した時間だけ減速してしまうデメリットがある。故に使い手が非常に少ない。俺は自分が加速していられる最大限の時間である10秒間加速した。だから今度は10秒間遅くなる…はずだった。

 

「ふっ…!」

「何!?」

 

だが、減速しているはずの俺は【ブレイズ・バースト】を難なく避ける事ができた。もしかして…“変身してる間”は【タイム・アクセラレイト】のデメリットが消えるのか…?いける…これなら、行ける気がする!

 

「ふっ! はっ! とりゃ!」

「ぐああっ!?」

 

俺はさらに格闘を叩き込み、リドリーを怯ませる。さあ、これで決める!

 

「タイムリミットだ、決めるぜ!」

 

俺はドライバーに装着されたジオウウォッチのボタンを押す。

 

『フィニッシュタイム!』

 

そして再びドライバーのロックを解除し、もう一度一回転させる。

 

『タイムブレーク!』

「はあああああああああ…!」

 

俺は右足にエネルギーを溜めながらリドリーに向かって駆け出し、途中で高くジャンプする。その際、地面には時計のようなエフェクトが表示され、長い針が短い針に向かって進んでいる。その先には、リドリーだ。

 

「とりゃああああああ!!」

「ぐあっ…!」

 

俺の飛び蹴りがリドリーに命中したその瞬間、時が止まった。俺は着地して確認すると、リドリーが吹っ飛ばされた状態のまま停止しているのが分かった。そして時計を模したエフェクトは、もうすぐ長い針が短い針にたどり着く。そして

 

「タイムアップ。」

 

俺がそう告げると共に、長い針が到達した瞬間、再び時が動き出した。

 

「…ぁあああああああああああ!!」

 

断末魔と共にふっ飛ばされたリドリーが地面に落下した瞬間、その地点で爆発が起こった。俺は確認しに行くと、そこには横たわって動かなくなったリドリーの姿があった。俺はリドリーの脈の有無を確認する………まだ体温はあるし、脈もある…大ダメージで気絶しただけだな。

 

「こいつは返してもらうぞ。」

 

俺は気絶しているリドリーにそう言って赤青のライドウォッチを取り返した………って、こんな事で道草食ってる場合じゃない!皆のところへ行かないと…!

気絶したリドリーを放置した俺は、素早く移動できる手段を考えていると、左腕のホルダーにある一つのライドウォッチに目がいく。

 

「…『バイク』?…何だろう?」

 

俺は左腕についたバイクライドウォッチを取り外すと、ボタンを押す。

 

「え?…あれ?」

 

突然、バイクウォッチが独りでに浮遊。すると巨大化・変形していき、やがて時計からバイク・“ライドストライカー”に変形完了した。時計モチーフで正面はジオウの顔を模しており、前輪には『カメン』、後輪には『バイク』と描かれている。

 

「ええええ!?何これ!?」

 

俺は時計がバイクという乗り物に変形してしまった事に驚きを隠せない。何だこの乗り物!?見た事ないぞ!?

 

「乗れるのか…これ…?」

 

俺は恐る恐るバイクに跨がると、両方のハンドルを握る。唯一の運転経験はおやっさんから借りた馬車だけだ…いけるか…?

 

「よし、いくぞ…!」

 

俺はバイクのハンドルを回す。

 

「うおおおおおおおおおっ!?」

 

するとバイクは急発進し、もの凄い加速で街道を突っ走っていく………

す、すげぇ速ぃぃぃ!?馬車の比じゃねーぞこれぇ!?

俺はあまりのスピードに運転がもたつく。だが次第に何故か運転方法が頭によぎり、運転が安定していく……何だろう?また変なビジョンと共に自然と運転が安定する……。

 

「これなら早く辿りつくかも…!」

 

俺はフルスロットルで街道を駆け抜け、魔術学院へ急ぐ。待っててくれよ、皆。必ず助けるからな!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

一方、二組の教室内ではエリックが生徒達を【スペル・シール】で無力化した後、監視を続けていた。

 

「はぁ…レイクの旦那はルミアをあの男に受け渡し、ジンは“銀髪のアバズレ”を連れてお楽しみ、俺は監視……はぁ、こうも余裕過ぎるとフラストレーションが溜まって仕方ねぇ…。」

 

エリックが監視をしながら愚痴を溢した。ジンが教室内にいないのは、システィーナを別の場所に連行していったからだ。

 

「じゃあ、俺も暇潰しといこうか。」

 

エリックはそう呟くと、カッシュのもとへと近づく。

 

「お前…何する気だ…?」

「ルミアって奴が自ら名乗り出ちまったせいで、俺はさっきからつまらねぇと感じてたんだよ。だから……よぉ!」

「ぐあっ…!?」

 

エリックは先程の事を愚痴りながら、カッシュを蹴り上げた。

 

「っ…何を…!?」

「この行為で分かるだろ?お前らまとめてサンドバッグにしてやるってことさ。」

 

エリックは残虐な笑みを浮かべてそう告げた。

 

「そんな…このまま監視し続けるんじゃなかったのかい!?」

「はぁ?何言ってるんだ?俺は最初からお前らクズ共は“駆逐”してやるって決めてんだよ。」

「っ!?」

 

小柄な少年・セシルはエリックの暴言で怯む。それは皆も同じだ。

 

「俺は任務に出たら一人二人は殺しておかないと気が済まねえ性格なんでな…お前らは拷問し尽くした上で惨たらしく殺してやるよ!」

 

エリックはそう言うと、生徒達を手当たり次第に殴り始めた。男女関係なく、身動きが取れない者達を一方的に棒で叩く…悲鳴と絶望が教室内に響く…!

 

「こ、こんな事が…許されると思っていますの!?」

「あぁ、そうだよ。」

 

 

 

 

ベキィッ!!

 

 

 

 

 

痛みに悶えるウェンディを蹴り飛ばし…

 

「君は…それでもなのか…!?」

「俺はただの人間を越えた存在だよ。それはお前らも同じだ。」

 

 

 

 

ドコォッ!!

 

 

 

 

エリックの人間性を疑うギイブルを“自身は化け物”と答えて膝蹴りを叩き込み…

 

「やめて……殺さないで…!」

「断る。お前含めて拷問し尽くして“あの世”行きにしてやるよ!」

 

 

 

 

バキィッ!

 

 

 

恐怖に震えるリンを掴み上げて殴り飛ばした。

 

「くっはっはっはっは…!楽しいぜ…やべぇよぉ!兄貴と一緒に孤児院のガキ共を殺しまくった過去が懐かしいぜ!はっはっはっは!!」

 

エリックは狂った高笑いを上げながら、孤児院を襲撃した過去を語った……それは、小さい頃のトーマがいたあの孤児院のことだろう…。

 

「よかったなぁ、お前らも“トーマ”と同じあの世へ行けるぞ?」

「っ…?何故、トーマの事を…知ってる…!?」

「決まってんだろ?俺と兄貴達は昔、“トーマ”って奴がいた孤児院を襲撃した事があってだなぁ、そこのガキ共や神父達を殺しまくってたからだ!」

「っ!?」

 

カッシュはエリックから聞いたトーマの過去に驚愕した。それは他の皆も同じだ。

 

「まぁ、あの時は“天才物理学者とかほざくカラフル野郎”の妨害にあったが、今度はしっかり兄貴が仕留めてるさ。」

 

エリックの言葉に皆は深い絶望を感じた……グレンも、トーマも殺された…もう、望みはないと…。

 

「遊びは終わりだ。そろそろ解体に入るか…!」

 

エリックはそういって銃を構え、生徒達を一人一人殺害しようとした、その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブォンブォン! パリィィィィィン!!

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

突然、甲高いエンジン音と共に、何者かが窓ガラスを砕いて教室内に侵入してきた。それこそ、ジオウに変身したトーマだった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「死んでる…。」

 

魔術学院に到着した俺は、その門で門番の亡骸を見て呟いた……やっぱり学院にテロリストが侵入したようだ…早く皆のもとに向かわないと…!

俺は学院の門を通過しようとする。

 

「っ!?」

 

しかし、学院の結界は侵入を拒むかのように俺を弾き返してしまった。どうしてだ…?確かに学院の結界は超一流の魔術師でさえ突破困難な強固なものだ。学生や講師、門番といった学院関係者なら通過可能だ…にも関わらず、入れないという事は…

 

「まさか…裏切り者がいるのか…?」

 

俺は学院内に裏切り者がいる事を想定した。結界の設定にはそれこそ腕の立つ超一流の魔術師しか出来ない。それが今回の襲撃のために変更されているという事は、学院内に裏切った奴がいるとしか考えられない。テロリストが何かしら魔道具を用いて侵入したとなれば、リドリーが何か持っている可能性があっただろう。だが先を急いでいたために、取りに戻る時間はない…。

 

「……誰もいないな…?」

 

ならば手段は選んでいられない。こうなったら結界に穴を開ける呪文を放つしかない。それこそ、俺が隠している魔術で…。

俺は周囲に誰もいない事を確認すると、門から下がり、左手を構える。

 

「『剛き空神よ・虚空を斬り裂き・道を拓け』!」

 

呪文を唱えた俺は、前方形成された魔法陣に手刀を振り下ろした。次の瞬間、魔法陣から魔力で出来た三日月上の刃が発射された。その刃は結界に命中すると、強固であるはずの結界に人ひとり入れる裂け目を開けた。

【ヴォイド・ディバイダー】…C級攻性呪文(アサルト・スペル)に分類される軍用魔術で、本来軍用魔術は本来は学生に習得させることは禁止されている。だが俺が【ヴォイド・ディバイダー】を使えるのには訳がある。それこそ、あの悪夢でジオウがこの呪文を放つのを見たからだ。そして俺の魔術特性とこの呪文の相性がよかったから、俺はこの呪文が使えた。だが軍用魔術のため、これを使ったら怪しまれるに違いない…ジオウに変身してる時点で手遅れだけど。

結界に裂け目を入れた俺は再びライドストライカーに乗って学院に入ると、広場のところで停車する。そしてバイクから降りようとしたその時

 

「ん?…あれは…っ!?」

 

ちょうど自分の教室が見えるところから教室の窓を見てみると、そこには女子生徒の一人が何者かに拷問されているのが見えた……まさか、皆があの野郎に拷問されてるんじゃ…!?

どうすればいい…!?正面から行ったら他のテロリストと鉢合わせするのはまだいい…それだと間に合わずに死人が出る…!

 

「昇降口からじゃ間に合わない…!どうすれば…………!」

 

俺は苦悩していたその時、あるものを見つける。それは、教室の窓から見える隆起した岩だ。あの場所にある岩は殺風景らしく、後に岩を取り除いて花壇を設置する予定らしい………っ!そうだ、あの岩と【グラビティ・コントロール】を使えば……!

 

「一か八かだ!」

 

俺は岩のある場所へ向かうと、バイクを後退させて助走距離を取る。失敗すればこっちの存在がバレて一人ずつ処刑が始まる……落ち着け俺…!俺は出来る…!

 

「行くぞ…!」

 

俺はバイクを発進させると、さらに急加速させる……まだまだまだまだ………ここだ!

 

「『三界の理・天秤の法則・律の皿は左舷に傾くべし』!」

 

俺はここぞのタイミングで【グラビティ・コントロール】を発動。そして最大限加速させたライドストライカーは岩を利用して大ジャンプ。俺はそのまま窓ガラスを砕き、教室に侵入。

 

「っ!?うわっ!?」

 

そして拷問を行っていたテロリストに突進。吹き飛ばした…成功だ…!

 

「っ…お前、何者だ…!?」

 

テロリストは立ち上がると、殺意を込み上げながら言ってきた。俺はライドストライカーから降りると、テロリストの顔を見る…………あいつは……そうだ、あいつは孤児院襲撃の際、さっき戦った男・リドリーと一緒にいたやつだ…!名前は確か……“エリック”だったな。

 

「よぉ…数年ぶりだな、エリック。」

「お前…何故俺の名を…!?」

「そうだな……“孤児院の最後の生き残り”って言えば察しがつくか?」

「っ!?…まさか、トーマ=ホロロギウムか!?馬鹿な…兄貴が殺したはず…!」

「もちろん返り討ちにしたよ。お前の兄貴を。」

 

俺がリドリーを倒した事を告げると、テロリストの青年・エリックは青筋を立てた。

 

「トーマ…。」

「カッシュ、無事…か…!?」

 

俺はカッシュの声を聞いて振り向くが、その状態を見て思わず絶句した。体中、打撲による怪我が見られ、口が切れて血が出ている。それはカッシュだけじゃない。ギイブル、ウェンディ、セシル、リンも、他の皆も同じ状態だ……。

 

「……お前…皆に何しやがった!?」

「決まってんだろ?拷問を行ってたんだよ。」

 

俺はエリックの話を聞いて頭に血が昇る…“拷問”…?俺が学院に向かってる間にクラスの皆を痛めつけてたのか…!?許さねぇ……!昔と同じ惨劇を繰り返そうとする外道め…!

 

「孤児院の皆を虐殺して、今度はクラスの皆まで……絶対に許さない…!」

「はっ、許さなくて結構だ。兄貴の仇は取らせてもらうぞ!」

 

エリックはそう言ってホルスターの銃を手に取る……武器を使うのか…。あの夢が本当なら、ジオウも武器があったはずだ…こっちにも武器を…!

俺がそう考えていた時、右手に時計のエフェクトが発生した。

 

『ジカンギレード!』

 

そして俺の右手にジカンギレードという剣が召喚された。腕時計を模した柄に黒いグリップ、時計の針のような刀身に『ケン』というカタカナ、そしてライドウォッチが取り付けられるボタン付きのスロット……あっちが得物を使うんだからいいよな?それに、カッシュ達を痛めつけた“礼”は倍返ししないとな…!

 

「それはこっちの台詞だ!」

「ほざけ! 『雷帝よ』!」

 

エリックは銃を構えると、そこから【ライトニング・ピアス】を発射した。どうやらあの銃は魔術の詠唱を補助する機能が組み込まれているようだ。

 

「はっ! てやっ!」

 

俺は負傷している皆に考慮し、放たれた【ライトニング・ピアス】を天井に向けて逸らしていく。

 

「なっ!?…『雷帝よ』!『雷帝よ』!『雷…』」

「はあっ!」

「ぐわああああっ!?」

 

俺は【ライトニング・ピアス】を逸らしながらエリックに近づき、そして剣で斬りつけると共に、銃を破壊した。

 

「俺の銃が…!?てめぇ!」

 

エリックは怒りで我を忘れて突撃してきた。キレたいのは、こっちの方だ…!

俺はジカンギレードを手放すと、エリックの拳を掴んでそのまま固めて動きを封じる。

 

「安心しろ、お前の兄は殺してない。気絶させただけだ。」

「…?」

「だから眠ってろ…!このド外道がっ!」

「っ!……ぐふっ…!」

 

俺はリドリーは殺していない事を告げると、そのまま扉まで蹴り飛ばした。エリックは魔術による施錠を施されてたであろう扉を突き破り、そのまま気を失った……こいつはクラスの皆を痛めつけた…直感では惨たらしく殺そうと考えてたが、ここで人を殺す光景を見せたら、皆が怖がってしまう。だから気絶させる事に思い留まった。

 

「殺さないだけ、慈悲深いと思えよ…。」

 

俺は気絶したエリックにそう呟くと、ドライバーに装着されているジオウウォッチを取り外す。するとアーマーが粒子化して変身が解かれた。

 

「皆、遅れてごめん。」

 

俺は怯えているであろう皆の方を振り向き、笑顔でそう言った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

俺は拘束された皆を解放すると、教室に設置された救急箱で応急処置を行った。本当なら【ライフ・アップ】を唱えたいが、一部を除いて魔術が苦手な俺が全員を治癒するには時間がかかる上に、全員に【ライフ・アップ】をかけるだけの膨大な魔力も持っていない。そして案の定、クラスの全員に【スペル・シール】が付与されていたらしく、この場には俺しか魔術を行使できる者はいない。

ちなみにエリックには逆に【スペル・シール】と【マジックロープ】を掛けておき、がっちりと無力化してやった。

 

「トーマ、お前が無事でよかった…。」

「いや、皆を助けられただけで本当によかった…ところで、ルミアとシスティーナ、それからグレン先生は…?」

 

俺はここにいない三人の場所を聞く。

 

「ルミアはレイクというコートを着た男、システィーナはジンというチンピラ男に連れていかれて、グレン先生は…。」

 

セシルは二人がどこに連れていかれたか説明するが、グレン先生の場合は答えなかった…。

 

「…そうか。」

 

俺は話を理解すると、ライドストライカーを再び時計状態に戻し、教室から出ようとする。

 

「なぁトーマ、何処行く気だ…!?」

「決まってるだろ?二人を助けにいく。」

「無謀だよ。相手は学院の守備を軽々突破したテロリスト達だ…返り討ちに遭うに決まってる…。」

 

カッシュにそう答えるが、冷静なギイブルはテロリストに敵うはずがないと言った……そんな事分かってるさ…だけど…こうしてる間にも二人は助けを求めてる…だから行かないと…!

 

「そんな事、百も承知さ。けど二人を見捨てたら、きっと後悔する…!」

「…。」

 

俺はジクウドライバーを見つめながらそう言った。これはいつの間にか持ってたけど、こんな力があるとは思いもしなかった。だからこれは皆のために使う…!

 

「…無事に二人を助け出せよ、トーマ。」

「ああ…行ってくるぜ。」

 

カッシュや皆にそう言うと、俺は教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その際、セントさんからもらったライドウォッチが“一瞬だけ光った”のは、この時の俺は知らなかった。

 




ED[GHOST]



トーマ「刻むぜ、時空のビート!」
三人「「「…。」」」
トーマ「どうしたの?」
グレン「いや、何というか…ジオウの決め台詞そんなんじゃなかった気が…。」
トーマ「ああ、これはオリジナルの決め台詞なんですよ。原作の台詞は某詩吟芸人のネタっぽくて…。」
システィーナ「でもその響きだとジョ◯ョとほぼ同じよ。」
トーマ「じゃあお前が考えてみろよ。」
システィーナ「え?えーと…“私が世界のr”」
トーマ「アウトだよそれはぁぁぁ!?」


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ルミア「…もっと突っ込むところあると思うけど…。」
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