仮面ライダージオウ【ANOTHER AKASHIC RECORDS】   作:レティス

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今回の話でジオウ本編との違いが分かります。
詳しい詳細は後に設定集を投稿します。

OP[Blow out]


創造のベストマッチ

俺は教室を後にすると、ルミアとシスティーナを助けに向かう。俺は部屋をしらみ潰しに探していくが、なかなか見つからない。不運にも今日は魔術学会のせいで殆どの先生が不在。頼みのグレン先生も…あいつらに…いや、そんな事思ってても仕方ない…!俺が何とかしないと…!

 

「『我・迷家の路にて・生きし影を視ん』。」

 

俺は【スクウェア・ソナー】を唱える。この魔術は唱えた者の一定範囲内に特殊なフィールドを形成し、そのフィールドに他の人物が入ると、その人物がシルエットになってトラッキングされる。つまり、これで部屋の中に入っていてもシルエットとして映るため、探索が楽になる。ただし、これを使用してる間は魔力が徐々に消費されていくため、適度に解除しないといけない。

俺は廊下を歩きながら部屋を一つ一つ調べていく…。

 

「ここじゃない……ここにもいない…。」

 

やはり重要じゃなさそうな部屋に二人がいるはずがない……だとすると、実験室か…?

俺は魔術実験室を目指そうとする…

 

 

 

 

 

ドゴォォォン!

 

 

 

「!?」

 

突然、何かが吹き飛んだような音と共に、向こうから風が吹いてきた……これは【ゲイル・ブロウ】…?そういやシスティーナは風の魔術をよく使う…もしかして…!

俺は風の吹いた方向に向かって走り出す。【ゲイル・ブロウ】を使って扉か何かを吹き飛ばしたって事は、もしかしたら自力で脱出した可能性が高い。

しばらく走っていると、向こうからも足音が聞こえてくると同時に【スクウェア・ソナー】が二人のシルエットを捉えた……一人はシスティーナ、もう一人は……グレン先生だ!無事だったのか…………いや待て、その背後からどんどんシルエットが増えていく…?やっぱり追われてるのか…!?

俺は突き当たりを曲がると、そこでようやく二人の姿を目にした。二人の背後からは、大量のボーン・ゴーレムが追いかけてきているのが分かる。

 

「「トーマ!?」」

「こっち!」

 

俺は出会い頭に合流した二人を誘導した。ゴーレムの連中から距離を取り、何とか一時休憩出来る所に隠れた。

 

「お前、無事だったのか…?」

「はい、ちょっと厄介事ありましたけど、何とかたどり着けました。」

「…って事は、道中のテロリストは…。」

「いや、殺してはないです。一人は街中で放置。もう一人は教室に拘束してカッシュ達に見張らせてます。」

「はっ…意外とお前も甘ぇな…。」

 

グレン先生は敵を殺さない俺の慈悲深さに苦笑いした。そういえば…

 

「システィーナ、ルミアを見てないか?」

「ルミアは…“レイク”って奴に連れていかれたわ…。」

「っ…!」

 

俺はシスティーナから、ルミアはレイクという男に連れていかれた事を聞いた。さっきもそうだったけど…レイクという名を聞いた瞬間、あの過去を思い出す……!

 

「……やっぱり“あの時”の奴らか…!」

「“あの時”…?」

「あいつらは…」

「!…先生!トーマ!」

「「!?」」

 

俺が過去に孤児院を襲った連中の事を思い出して怒りに燃えていると、システィーナの声で我に返る。すると、ボーン・ゴーレム達がそこまで近づいてきた。もうバレたのか…!

 

「白猫!トーマ!下がってろ!」

「いや…聞けない話だな…!」

 

俺はグレン先生にタメ口で答えながら前に出ると、ジクウドライバーを取り出し、それを腰に装着する。

 

「!?」

「トーマ…それは何…?」

「俺もさっき使ったばかりだけど…これは、皆を守るための力だ!」

 

俺はシスティーナの質問に答えると、続いてジオウウォッチを取り出し、カバーを回してボタンを押す。

 

『ジオウ!』

 

ジオウウォッチをドライバーにセットし、上部のボタンを押してロックを解除する。

 

「変身!」

 

そしてドライバーを一回転させる。

 

『ライダータイム! 仮面ライダージオウ!』

 

俺はジオウに変身すると、ゴーレム達に向けて拳を構える。

 

「仮面…ライダー…?」

「…そういや、顔に本当に『ライダー』って書いてあるな。」

「あ、本当だ。」

「いやそこかい。」

 

グレン先生とシスティーナはジオウに変身した俺の顔面を見て天然発言をした。いや確かに『ライダー』って書いてあるけども……ってか、システィーナまでそっちに回らないでくれよ……はぁ、しまらねぇ…。

俺がしょうもない話でテンションが落ちていると

 

「っ!?」

 

ゴーレム達は容赦なく剣を振るってきた。俺は直前で気づいて何とかかわした。

 

「はあっ!」

 

俺はお返しに右ストレートをゴーレムの一体に叩き込み、頭蓋骨を砕いた……が、その瞬間、反動がダイレクトに右拳に響いてきた。何だこれ…?めちゃくちゃ硬ぇぞ…!?

 

「トーマ、そいつらは“竜の牙”を素材にしてつくられてる!」

「マジか…!」

 

グレン先生曰く、このボーン・ゴーレム達は竜の牙を素材につくられたものらしい……しかもこんな大量に……あの外道の集まりなら収集は容易いだろう…。いくら変身しているとはいえ、頭蓋骨を砕く度に拳に鉄骨を素手で殴ったかのような激痛が……どんだけ牛乳飲んだらこんなカッチカチな骨に仕上がるんだよ…。肉弾戦は無茶だな……だったらこれだ!

 

『ジカンギレード!』

 

俺はジカンギレードを召喚すると、剣を構えてゴーレムの群れに突撃する。

 

「たあっ! おりゃ! せやぁ!」

 

ジカンギレードの剣戟は、超硬質の竜の牙で出来ているはずのゴーレム達をバターを切るが如くいとも容易く切断した……これ、すごい切れ味だ…!

一方、グレン先生も徒手格闘でゴーレム相手に立ち向かっている。恐らくシスティーナから【ウェポン・エンチャント】の支援を受けたのだろう。後ろではシスティーナが魔術による援護を行っている。すると、システィーナの背後からゴーレムが数体近づいているのが見えた。

俺はジカンギレードの刀身をスロット側へ倒す。

 

『ジュウ!』

 

すると、それに連動して黒い銃身が起き上がり、『ジュウ』のカタカナの通り銃モードへ変形した。

 

「システィーナ、伏せろ!」

「えっ?…きゃっ!?」

 

俺はシスティーナが伏せたのを確認したと同時に、背後のゴーレム達に向けて発砲した。その銃弾はゴーレム達を簡単に破砕した。

 

「その武器、銃にもなるのかよ…。」

 

素手で戦っているグレン先生は羨ましそうな目で見ていた…すみません、俺だって素手でこいつらと戦うのはキツいんです。

俺達はある程度ゴーレム達を倒したが、それでも数は一向に減らないどころか、数が増えてきている。

 

「走れ!」

 

グレン先生はジリ貧になると判断したか、逃走を促した。俺達は廊下を走り、その端まで行ったら階段を駆け上がる。執拗に追ってくるゴーレムの群れは、俺の銃撃かシスティーナの【ゲイル・ブロウ】でノックバックさせる。

 

「先生、さっきの固有魔術で何とかなりませんか?」

「固有魔術…?」

「無理だ!俺の【愚者の世界】は魔術の起動を遮断するだけだ!既に起動済みの魔術には効かない!」

 

システィーナ曰く、グレン先生には【愚者の先生】という固有魔術が使えるらしい…が、既に起動済みの魔術には無意味…つまり今追っかけてきているゴーレムの群れを無力化する事は出来ないらしい。

 

「ああいう類いには【ディスペル・フォース】だな…。」

「それなら私、使えます!」

「マジか!?かなりの高等呪文だぞ!?」

「はい、お父様から手習ったものですけど。」

「…いや、魔力の無駄遣いだ。素材に戻るだけで、術者が魔力吹き込めば復活しちまう。」

 

付与された魔術を打ち消す【ディスペル・フォース】もだめか…どんどん策がなくなってきたな…。俺達は階段を駆け上がっていると…

 

「ちょっと待てよ?この先は確か…。」

「行き止まりだな…!」

 

とうとう階段を登り切ってしまい、この先は行き止まり……まずいぞ…!

 

『ケン!』

 

俺はその場で止まると、ジカンギレードを再び剣モードに戻し、ゴーレム達を足止めする。

その間にグレン先生は、システィーナに【ゲイル・ブロウ】をいくつか条件を加えて改変するよう依頼していた。

システィーナはそれを了承すると、すぐに廊下の端まで移動していった。俺とグレン先生でこいつらを足止めするって訳か…。

 

「なぁトーマ、その武器貸してくれねぇか?」

「え?」

「こっちだって素手で戦うのはキツいんだよ。ほら、交代だ。」

「…分かりましたよ、先生。」

『ジュウ!』

 

グレン先生、【ウェポン・エンチャント】付与してもらったとはいえ、ずっと素手で戦ってたからな…。

俺はジカンギレードを銃モードにすると、それをグレン先生に渡した。しんがりの時間は…システィーナが呪文を改変し終えるまでだ…!

俺はグレン先生と共にゴーレムの群れに突撃する。

 

「はっ! はあっ! たあっ!」

 

俺は拳をゴーレム達に叩きつけ、竜の牙でできた体を粉砕していく。殴る度に手に痛みが伝わってくるが、変身してる分マシな方だ。

一方、グレン先生もゴーレムに蹴りを食らわせると共に、俺から借用したジカンギレードの銃弾を的確に命中させていく……すごい、魔術はダメなのに格闘や銃撃のセンスはピカイチだ……この人、前職は一体何だ…?そういえば、おやっさんが過去にグレン先生と仕事したことがあるって言ってたな……確か、おやっさんの前職は宮廷魔術師だったはず…もしかして…?

俺がそう推測しながら足止めをしていると…

 

「先生、出来ました!」

「よし!…トーマ、行くぞ!」

「はい!」

 

システィーナが【ゲイル・ブロウ】の改変を完了させたようだ。俺とグレン先生はすぐにシスティーナがいる廊下の端に向かってダッシュする。

 

「今だ、やれ!」

「『拒み阻めよ・嵐の壁よ・…』」

 

グレン先生の合図でシスティーナは改変した詠唱を唱え始める……これは、ギリギリ間に合わないか……なら…!

 

「先生、舌噛まないように! 『時の流動よ』!」

「えっ?…うおおおっ!?」

 

詠唱完了まで間に合わないと判断した俺はグレン先生の腕を掴むと、【タイム・アクセラレイト】を唱えて一気に加速する。

 

「『ーーその下肢に安らぎを』!」

 

システィーナの詠唱が完了したと同時に、俺はグレン先生ごとスライディングしてシスティーナのもとへ滑り込んだ。すると、システィーナの両手から【ゲイル・ブロウ】とは比べ物にならない範囲の暴風が放たれた。名付けるなら、【ストーム・ウォール】って言ったところか。

 

「アチチチチチチッ!お前人の事考えろよな!?」

「仕方ないでしょ、これでもギリギリだったんですから。」

 

スライディングの影響で摩擦をもろに受けたグレン先生。俺は現状を見てみると、システィーナの【ストーム・ウォール】が見事にゴーレム達の足を鈍くさせた…しかし

 

「だ、だめ…完全には足止めできない…!」

 

広範囲の改変を優先したためか威力が弱く、ゴーレム達は暴風を凌いで前に進もうとしている。

 

「いや、上出来だ。しばらくそのまま耐えてろ。」

 

グレン先生はジカンギレードを俺に返すと、システィーナにそう言って懐から結晶を一つ取り出すと、それを左手で握って右手を開き、右腕に左拳を合わせる。

 

「『我は神を斬獲せし者・我は始原の祖と終を知る者・…』」

 

グレン先生はゆっくりと詠唱を始めた………っ、これって…!?

 

「え? 嘘…?」

「この術…まさか…?」

 

システィーナもこの“術”の詠唱を聞いて何かを察したようだ……間違いない、あれは…!

 

「『其は摂理の円環へと帰還せよ・五素より成りし物は五素に・象と理を紡ぐ縁は乖離すべし・…』」

 

グレン先生が詠唱を続けていると、ゴーレム達は盾を持つゴーレムを先頭にして前進し始めた。システィーナが放つ暴風は威力が弱いため、盾で遮断されてしまう…しかもこんな袋小路だ、ファランクス態勢は有効打だ…。

 

「っ!あれじゃ、詠唱が終わる前に近づかれちゃう!」

「任せろ!」

 

俺はジカンギレードのスロット部にあるボタンを押す。

 

『タイムチャージ!5、4、3、2、1…ゼロタイム!』

 

カウントダウンと共に、銃口にエネルギーが溜められる。この先は“傘差し厳禁”だぜ?

 

『スレスレ撃ち!』

「喰らえ!」

 

俺はチャージされた光弾を、盾を構えたゴーレム達に向けて連射した。弾幕に耐えきれず、ノックバックしたゴーレム達は、そのまま暴風の影響を受けて吹き飛ばされていった。そしてこれにより、ゴーレムの群れは一気に減速した。

 

「『いざ森羅の万象は須く此処に散滅せよ・遥かな虚無の果てに』…っ!」

 

ちょうどそのタイミングで、グレン先生の詠唱が完了した。気がつくと、いつの間にかグレン先生は俺達より前に出ていた。七節もの長大な詠唱、いざやろうとすればすぐに反撃を食らうのがオチだろう…だが、その長い詠唱も俺とシスティーナの援護で唱える事ができた。

 

「ええい!ぶっ飛べ、有象無象!黒魔改【イクスティンクション・レイ】!!」

 

グレン先生は握っていた左拳を開くと、それを前に突き出した。その瞬間、グレン先生の左掌からエネルギー波が放たれた。その波動は袋小路の廊下を一直線に駆け抜け、ゴーレムの群れはおろか、廊下の壁へ天井を跡形もなく分解していった。

 

「凄い…こんな高等呪文を…。」

「…。」

 

俺とシスティーナはこの光景を見て唖然とするしかなかった。【イクスティンクション・レイ】…それはセリカ=アルフォネアが編み出した、対象を跡形もなく根源素にまで分解する固有魔術にも似た神殺しの術だ。これを扱えるのは編み出した本人かさっきのように術を放ったグレン先生………もしくは、悪夢で見た…“黄金の魔王”だけ…。

 

「…いささかオーバーキルだが、俺にゃこれしかねぇんだよな………ごほっ…!?」

「先生!?」

 

突然、グレン先生が血を吐いて跪いた。システィーナは慌ててグレン先生のもとに駆け寄る。グレン先生の身体は蒼白かつ傷だらけで、冷や汗が流れている…。

 

「もしや…さっきのでマナ欠乏症に…!?」

「まぁ…分不相応な術を、“裏技”で無理矢理使っちまったからな…。」

 

どうやらグレン先生はあの結晶を触媒にして無理矢理放ったらしい…“神殺し”とも呼ばれる術だ…欠乏症になってもおかしくない。

 

「だ、大丈夫なんですか!?」

「これが大丈夫に見えたら病院行け…。」

 

重篤な状態故に減らず口にもキレがなくなっている…これは治療しないと不味いな…。

 

「『慈愛の天使よ・彼の者に安らぎを・救いの御手を』。」

 

システィーナは【ライフ・アップ】を唱えてグレン先生の治癒を始める…が、そのスピードはルミアより劣る。システィーナは黒魔術や錬金術はピカイチだが、肉体や精神を扱う白魔術の腕前は平均的だ。完全に治癒するには時間を要する。

 

「馬鹿、やってる場合か…。」

「とりあえず身を隠そう…先生、肩貸すよ。」

 

俺はグレン先生に肩を貸すと、立ち上がって安全な場所に移動しようとした………その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう…三流魔術師の魔術講師が【イクスティンクション・レイ】を使えるとはな…少々見くびっていたようだ。」

「っ!?」

「…!」

 

その声と共に、何者かが俺達に近づいてきた。ダークコート姿に背中には五本の剣が浮遊している………あいつは…!

 

「あー、もう、浮いている剣ってだけで嫌な予感が…って、うおっ!?」

「ちょっとトーマ!?いきなり先生を手離すなんてっ……トーマ…?」

「……。」

 

俺はその男を見てグレン先生を無理矢理下ろした……間違いない…あいつは……昔、孤児院を襲った男…レイクだ…!

 

「…そのベルトと時計…そうか、貴様は“あの時”の生き残りだったか。姿が変わっているとはいえ、はっきり覚えているぞ。」

「…。」

「…この私を忘れてはいないだろうな?」

「あんな惨い光景見せられて、忘れたなんて言う馬鹿はいねぇよ…!」

『ケン!』

 

俺はレイクの言葉に怒りを煮えたぎらせながらジカンギレードを剣モードにする。

 

「トーマ、あいつと面識あるのか…?」

「あいつは…昔、俺がいた孤児院を襲撃した奴らの一人だ…!」

「えっ…!?」

 

俺はグレン先生とシスティーナにレイクとの因縁を語る。あの日、孤児院を襲ったのはレイク、リドリー、エリックの三人。この三人が容赦なく殺しをしていた光景は未だに覚えている…リドリーとエリックは倒した…後はこいつだけだ…!

 

「…その様子だと、三人はやられたようだな…。」

「ざけんな、一人はお前が殺ったんだろうが。」

「命令違反を犯した罰だ。聞き分けのない犬に慈悲を与える程、私は聖人じゃない。」

 

レイクの発言にグレン先生が突っ込んだ。ジンというチンピラ男のことはセシルから聞いたが、どうやらレイクの支配していたボーン・ゴーレムに粛清されたようだ…。

俺は怒りを一旦静め、現状を整理する。レイクは五体満足かつ背中に五本の剣を浮遊させている。一方、グレン先生は【イクスティンクション・レイ】を放った反動でマナ欠乏症、システィーナもレイクと張り合える程の実力はない。ならば、レイクと張り合えるのはジオウに変身している俺だけだ…!

 

「二人は隙を見て逃げてくれ。こいつは…俺が引き受ける!」

 

俺はジカンギレードを構えると、二人に逃げるよう言った。

 

「いや、誰一人逃がさん。貴様はあの日の生き残り、そしてその講師は三流魔術師ながら【イクスティンクション・レイ】を放てる者だ。もう一人は無関係だが…ここで全員始末する。」

 

レイクは皆殺しを宣言すると、懐から時計を取り出した……っ!?

 

「…!?」

「…あれは…。」

「トーマと同じ時計…?」

 

俺達はその時計を見て驚いた。あれって…ライドウォッチ…!?いや、あんなに不気味じゃないはずだ…。

 

「…“例の連中”が何を企んでいるかは知らんが、これを使う時が来たようだ…出し惜しみは無しだ。」

 

“例の連中”…?さっきも聞いたような…。

レイクはそう呟いて謎のライドウォッチのカバーを回転させる。その絵柄は、ライダーではない“何か”。角の生えた化け物だった。続けてレイクはボタンを押す。

 

『ゲムデウス!』

 

ライドウォッチ…いや、“怪人ウォッチ”からドスのきいた音声が流れた…“ゲムデウス”…?あの絵柄に描いてある化け物の名前のようだが…?

 

「培養。」

 

レイクはそう呟くと、ゲムデウスウォッチを胸に当てる。ウォッチは禍々しいオーラとなって体内に取り込まれた。

その瞬間、レイクの身体はオレンジ色の病原菌のようなものに包まれ、【2016】というエフェクトと共に、その姿を変貌させた。

白い一本の大角に金色の輪がついた頭部、背中に生えた金色の翼、ドラゴンの頭部を模した両肩の金色の鎧、ドラゴンを素材にしたかのような片刃の剣と爪のついた盾、そして変身前から操っている五本の剣もレイクの背中で浮遊している。

 

「…変身した…!?」

「おいおい、素のままでも強そうなのに更に強化かよ…!?」

 

グレン先生とシスティーナはこの光景に呆然としている。当然だろう…レイクはゲムデウスという怪人に変身して強化を施している。下手に戦えば致命傷は避けられない。

 

「さぁ、始めよう。」

「お前を倒して…孤児院の皆の仇を取る…!」

 

お互い剣を構える俺とレイク。こいつを倒して…8年前の因縁に決着をつける…!

 

「うおおおおおおおお!!」

 

俺はジカンギレードを構えてレイクに突撃する。途中、浮遊する剣が迎撃してきたが、俺はそれを弾いていく。

 

「はっ! てやっ!」

「ふっ!」

 

俺のジカンギレードとレイクの剣・デウスラッシャーの刃がぶつかり、火花が散る。そこへ五本の剣が俺に向かって襲いかかってきた。

 

「っ! はあっ!」

 

俺は一旦下がると、襲いかかる剣を弾く…一本、もう一本と弾き、残りはあと二本。

 

「っ!? うわっ!?」

 

しかし、ここで残り二本の剣が不規則な動きでジカンギレードを避け、俺の脇腹と右肩に命中した……何だ今の挙動…!?

俺が油断していると、レイクが剣を降り下ろしてきた。俺は剣を弾いた…が

 

「ふんっ!」

「ぐはっ…!」

 

レイクはすぐさま左手の盾・デウスランパートを突き出した。咄嗟の事だったために対応できず、俺は腹部に喰らって突き飛ばされた。

 

「もしや、二本は手動か…!」

「ご名答。この剣には手慣れの剣士の挙動を模しているが、自動化すればその技術は死ぬ。かといって全て手動にしようとすれば真の達人より劣る。私も魔術師だからな。」

 

グレン先生の分析にレイクが答えた。どうやら五本の剣の内、三本は自動、二本は手動で成り立っているらしい……何が魔術師だ…今のお前は“魔術師”じゃなくて“怪人”だ…!

 

「違う…お前は魔術師じゃない…ただのクソったれだ!」

「…無駄話は終わりだ。 『炎獅子よ』。」

「っ!」

 

レイクは【ブレイズ・バースト】を唱え、盾を持つ左手から火球を放った。その際、レイクの胸部には赤いトンガリ帽子を模した頭部が映っていた。

俺は二人に配慮して、破壊された廊下の外へ受け流した。外に出た火球は通常の倍の範囲の爆発を起こした。そして、火球に隠れてたであろう五本の剣が俺に向かって飛んできた。

 

「『時の流動よ』!」

 

俺は【タイム・アクセラレイト】を唱えて加速。五本の剣を弾いてレイクに近づく。ジオウに変身しているおかげでこの呪文のデメリットは解消される。これなら…!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ!」

「うわっ!?」

 

レイクの剣戟は加速していたはずの俺を捉えた……なんで…!?

俺はレイクを見ると、今度は胸部に黒子を模した頭部が映っていた。俺はレイクの剣戟を咄嗟にガードする。

 

「ほう…使い勝手の悪い【タイム・アクセラレイト】を使いこなすとはな…だが、そこまでだ。」

「っ…心眼か…!」

 

どうやら胸部に出現した顔によって特殊な能力を発揮する仕組みになってるらしい。トンガリ帽子なら魔術の性能向上、黒子なら心眼による剣術向上と見切り……何でもありかよ…!

そうしてる内に、五本の剣が俺に向かって飛んできた。

 

「っ……はっ! とりゃ!」

 

ここで、マナ欠乏症に陥ってたはずのグレン先生が復帰。俺に襲いかかる剣を【ウェポン・エンチャント】で強化された拳で弾いていく。システィーナによる【ライフ・アップ】である程度治癒してもらったのか、多少顔色は良くなったようだ。それでも全ての攻撃を弾ける訳ではなく、二本の手動剣で身体中に傷を負ってしまう。

 

「何してんだ先生!?下がっててくれ!」

「馬鹿野郎、大分苦戦してんのにそんな事言ってる場合か! 『紅蓮の獅子よ・憤怒のままに・…』」

 

グレン先生が【ブレイズ・バースト】の詠唱を始めた。俺はその間に時間を稼ぐ…が

 

「ふっ!」

「があっ…!?」

 

盾で攻撃を受け止められ、斬り上げを喰らって吹き飛ばされた。だが、これで時間は稼げた。もうすぐ詠唱が終わる…しかし

 

「『吼え…』」

「『霧散せよ。』」

「っ!?」

 

レイクが瞬時に唱えた瞬間、グレン先生の【ブレイズ・バースト】がキャンセルされた。あれは【トライ・バニッシュ】という炎熱、冷気、電撃といった三属エネルギーを打ち消す対抗呪文(カウンター・スペル)だ。

 

「遅いぞ?魔術講師。ふっ!」

「くそ…!」

 

レイクは剣を構えてグレン先生に突撃する。グレン先生は再び傷だらけになった身体でよけていくが

 

「はっ!」

「ぐふっ…!ぐああああっ!」

 

レイクの斬り上げでグレン先生は血を撒き散らしながら打ち上げられた。さらにそこへ追い打ちと言わんばかりに五本の剣が飛来し、グレン先生の身体を斬りつけた。

レイクの猛攻を受けたグレン先生が地面に落ちた。

 

「せ、先生っ!!」

 

グレン先生のもとへシスティーナが駆け寄った。そしてすぐさま【ライフ・アップ】を唱えようとした。

 

「休む暇は与えん。」

 

しかしレイクは、システィーナごとグレン先生を仕留めようと、デウスラッシャーにエネルギーを溜める。まずい…二人は動ける状態じゃない…!あれを食らったら確実に死ぬ…!

 

「っ…させるか…!」

 

俺はドライバーからジオウウォッチを取り外し、ジカンギレードにセットする。

 

『フィニッシュタイム!』

 

俺はジカンギレードを構えると、動けない二人を守るようにして立つ。

 

「はっ!」

 

レイクの剣から剣圧が放たれた。

 

『ジオウ! ギリギリスラッシュ!』

「はああっ!」

 

俺はこちらに向かってくる剣圧に、エネルギーを纏わせたジカンギレードをぶつける。くそっ……相殺し切れなくても…二人への被害は止めないと…!

 

「うわあああああああああああ!」

 

俺は剣圧を相殺し切れずに喰らい、その場で倒れる。レイクはこちらに近づいてくる。

 

「これで勝負は決した。少年、まずは貴様から始末する。」

「…っ!」

「あの日、貴様を助けた“あの男”はもういない。命運は…ここで尽きる。」

 

レイクはそう言って剣を突き立てようとする……くそ…満身創痍で身体が動かない…!このままじゃ………!

 

「ここで…死ね…!」

「「トーマ!」」

「…っ!」

 

二人の声が響く中、レイクの剣が迫る………俺は…セントさんのおかげで今日まで生きてこられた……だけど、それはあの日だけ。奇跡がいつも起こるとは限らない。ここで…命尽きるのか…?

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君が証明するんだ。魔術が、人を幸せにするという証明を…“希望の明日を創っていくんだ”。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「っ! はあっ!」

「ぐっ!?」

 

俺はレイクの刺突を避け、渾身のパンチを叩き込んで怯ませ、後退させる。

 

「……こんなところで死んだら……!孤児院の皆や…セントさんに…顔を合わせられない…!こんなんじゃ、終われない!!」

 

俺は力を振り絞って立ち上がる。その時だった。突然、右腕のホルダーにある赤青のライドウォッチが光り出した。

 

「「?」」

「…それは…。」

 

この反応に、グレン先生やシスティーナ、レイクも注目した。セントさんから貰ったライドウォッチ……使えって事なのか…?

俺はホルダーから赤青のライドウォッチを取り出すと、カバーを回す。

 

「!…これは、あの時の…?」

 

その絵柄は、セントさんが変身していた姿と同じ顔の絵柄だった。俺はライドウォッチのボタンを押す。

 

『ビルド!』

 

“ビルド”…セントさんが変身していた仮面ライダーの名前…。そういえば、ドライバーの左側にスロットがもう一つある…ここにはめろって事か…?

俺はビルドウォッチをドライバーの左側にセットする。すると、ドライバーの表示が赤と青になり、再び待機音が流れる。そしてドライバーのロックを外し、一回転させる。

 

『ライダータイム! 仮面ライダージオウ!』

 

すると、俺の前にボトル状のエネルギーが出現し、その中から仮面ライダービルドの姿を模したアーマーが出現した。ドライバーには【ZI-O】、【2018】と表示された後、流れるように【BUILD】と表示される。

 

『アーマータイム!』

 

俺はそれに触れると、ボトル状のエネルギーが消え、中のアーマーが俺のもとに浮遊し、体中に装着されていく。

 

『ベストマッチ! ビルド!』

 

俺の体にビルドアーマーが装着された。赤と青が基調で、両肩には赤と青のフルボトル、右手に装着された黄色いドリル、顔には『ビルド』というカタカナ、そしてドライバーには【2017】と表示されている。

 

「変わった…!?」

「…重ね着…だと…?」

「その姿は…。」

 

姿が変わった事に驚くシスティーナ、これを重ね着と満身創痍ながら減らず口を叩くグレン先生、ビルドの姿を連想するレイク。今の俺は、ビルド…セントさんの力を身に纏っている……これならいける…!

 

「…勝利の法則は、決まった!」

 

俺は時計の針と兎の耳を模したアンテナを左手でなぞり、そう言った。

 

「姿が変わっても同じだ!」

「それはどうかな?」

 

再び剣を構えて突撃してくるレイク、俺は右手のドリルを構える。

 

「ふっ!」

「たあっ! おりゃ!」

「ぐうっ…!?」

 

俺はドリルで剣を受け流し、レイクの肩に突き刺す。ドリルの回転で持続ダメージを与えていく…が、やはり五本の剣が飛んできた。

 

「はっ!」

 

俺はそこから離れると、剣の防御に専念する………ん?なんだ?俺の頭にたくさんの数式が流れてくる…?自然とアイデアが流れてくる…まるでコンピュータみたいに…。

俺は五本の剣を防御しながらレイクの弱点を探る……そういえば、“二つの手動剣を操ってる時”、レイクの動きが止まってたな…?動きが一定の自動剣と変幻自在の手動剣………っ!そうか!

 

「はっ! たあっ! そりゃあ!」

 

俺は最初に飛んでくる三本の自動剣をドリルで砕く。そして次は回避困難な手動剣…いや、回避する必要はない!

 

「ふっ!」

「何…!?」

 

俺は飛んでくる手動剣を両手で受け止める…っ、やっぱり変身してても刃物掴むのは痛ぇ…!けど、今なら…!

 

「今だ、【ディスペル・フォース】を!」

「え、ええ…! 『力よ無に帰せ』!」

 

システィーナは【ディスペル・フォース】を唱え、俺の掴んでいる手動剣の魔力を打ち消した。これでこの剣はただの剣になった。

俺は二本の剣をレイクに向けて投擲すると、再びドリルを装備して突撃する。

 

「手動剣を攻略したか…だが…『炎獅子よ』。」

 

オールレンジ攻撃の手段を失ったレイクは投擲した剣を盾で防ぐと、胸部に再びトンガリ帽子の頭部を出現させ、【ブレイズ・バースト】を唱えた。こんな袋小路で発動されれば、俺達はひとたまりもないだろう……

 

「…何…?」

 

しかし、【ブレイズ・バースト】は発動しなかった。理由は簡単だ。

 

「!?…しまった…!?」

「へっ…ざまーみやがれ…。」

 

そう、このタイミングでグレン先生が固有魔術【愚者の世界】を発動したのだ。これで魔術は使用できない…後は、近接戦闘のみだ!

 

「ふっ! はっ!」

「ぐっ…!」

 

一時的に魔術の使用が封じられた中、俺はドリルによる猛ラッシュを仕掛ける。回転するドリルは鍔迫り合いを無視し、レイクのもつ剣を砕いた。

 

「タイムリミットの時だ!」

『フィニッシュタイム!』『ビルド!』

 

俺はジオウウォッチとビルドウォッチのボタンをもう一度押し、ドライバーをもう一回転させる。

 

『ボルテックタイムブレーク!』

「はっ!」

「っ…!?」

 

ドリルが高速回転すると共に、数式を模したエネルギーが数多く展開される。俺が高くジャンプすると、放射状のグラフを模したエネルギーがレイクを挟み込んで拘束するが、レイクは拘束される直前でデウスランパートを構えた。

 

「はああああああああああ!」

「ぐっ…!」

 

俺は放射状グラフに乗って滑走し、高速回転するドリルをレイクに向けて突き立てた。ドリルは金属音を立てながらデウスランパートを削っていく……そんな盾で、俺の一撃を防げると思うな!!

 

「貫けぇえええええええええええええ!!!」

 

ドリルは勢いを増し、盾の装甲を抉っていく。そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がはっ……!?」

 

俺のドリルは盾を破り、レイクの腹部を貫いた。俺はドリルを抜き取る。

 

「ぐっ……ああっ…!」

 

レイクがそのまま倒れた瞬間、その場で爆発が起こった。煙が晴れると、そこには元の姿に戻ったレイクがいた。そして横にはゲムデウスウォッチが落ちていた。

俺はレイクのもとへ近づく。グレン先生とシスティーナも同じく俺のもとにやってきた。レイクの腹部にはドリルで抉られた刺創が出来ており、いつ死んでもおかしくない状態だった。

 

「…見事だ……あの日から……成長したというのか…。」

「…お前にそれを言う資格はない。」

 

虫の息であるレイクの言葉を、俺はばっさり切り捨てた。

 

「…ふっ……そうか……流石は……“あの男”の…。」

 

それがレイクの最期の言葉だった…………“あの男”…?誰の事だ…?少なくとも、セントさんの事じゃないと思うけど……まぁ、今は深く考えなくてもいいか…。

俺はレイクの亡骸からゲムデウスウォッチに視線を向ける。俺はそれを拾おうとした…そのとき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピキッ! ピキピキ……パリィィィン…!

 

 

 

「「「!?」」」

 

突然、ゲムデウスウォッチに亀裂が入り、やがて粉々に砕けた。その代わり、そこからピンク色の光が現れ、俺のもとに寄ってくると、右腕のホルダーにあるブランクウォッチに宿った。

 

『エグゼイド!』

 

すると、音声と共に真っ黒だったはずのウォッチに色彩りが生じ、ピンクと黄緑色の“エグゼイドライドウォッチ”になった。俺はカバーを回転させて絵柄を確認する。それにはピンク色のイカした髪型に、オレンジ色の瞳のあるライダー・仮面ライダーエグゼイドの顔が映っていた。

 

「何だこれ…?」

 

俺はエグゼイドウォッチの誕生に首をかしげる。レイクの持ってた怪人ウォッチからエグゼイドの光が現れたって事はもしかして、エグゼイドはレイクが変身していた怪人・ゲムデウスと対を成すライダーって訳か…?

俺は新たなライドウォッチが誕生する法則性を考えていた。

 

「…っ、ごほっ…!」

「…考えるのは後だな…。」

 

俺は重傷を負ったグレン先生の状態を見て、とりあえず考えるのは後回しにした。俺は変身を解除すると、グレン先生のもとに近づく。システィーナから【ライフ・アップ】による治癒を受けているとはいえ、レイクの猛攻を受けたダメージは、システィーナだけではとても癒やし切れない。おまけに治癒の魔術には“治癒限界”という概念もあるため、使い過ぎは負傷者を蝕む。ここは保健室に運んで、包帯などによる止血も行わないといけない。

 

「ここから医務室までどれぐらいだ?」

「確か…そんなに距離はないはずよ。」

「OK…俺が先生を担ぐ……っ!」

 

俺の掌に痛みが走る。自分の掌をよく見ると、切り傷で出血が起こっていた。素手で手動剣を掴んだからか…。

 

「トーマ、その手…。」

「…後で俺にも治療を頼むよ。」

 

俺はポケットにあるハンカチを千切って両掌に巻くと、システィーナにそう頼みながら、再びグレン先生に肩を貸す形で担ぎ、医務室へ向かった。

 




ED[GHOST]


トーマ「仮面ライダービルドの力を使い、ついに因縁の仇敵・レイクを討ち取ったトーマ。」
システィーナ「しかし、未だ連れ去られたルミアは行方知れず。そんな中…」
グレン「ちゃっかり次回予告するんだな、お前ら。」
システィーナ「茶番ばかりじゃ、このコーナーが成り立たないじゃないですか!」
グレン「あの時もこんな雰囲気だったし、いいんじゃね?」
システィーナ「よくないです!」
グレン「まあ、気にするなよ。どうせこの作品もあと数話で終わるし、これで家でゴロゴロやれる…」
?「そんなことしたら僕の出番が無くなるじゃないか。」
トーマ「だ…」
システィーナ「だ…」
グレン「だ…レン・モーラン。」
三人「「「」」」ガタッ

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