それと、おめでたい事もあるので、楽しんでお読みになってください、どうぞ!
〜IS学園 教室 HR前〜
〜貴洋 side〜
ざわざわ、ざわざわ
「やっぱりハズキ社製のがいいよね!」
「えっ?あそこのってデザインだけだし、あんまり好きじゃないんだけど〜」
「え〜!そのデザインがいいんじゃん!」
ざわざわ、ざわざわ
(騒がしい、そのひと言に尽きるな。ホントもう少し静かに出来ないのかよ。こちとら必死こいて仕事してるってのに)
3年前に、束の隠れ蓑として設立した会社の仕事が忙しく学業と並行してやっているため、とてもストレスが溜まっているが、実は、クラス対抗戦の後に束と千冬、十蔵の手により心の闇が大きく取り払われているため、さほどイラついたりはしなくなった。
その時の出来事はこんな感じであった。
〜先日 IS学園 学園長室〜
「度々呼んでしまって、すみませんね倉崎君」
「いえ、大丈夫です」
(何なんだ?)
「今回呼んだのは、君の過去に関することです」
「ッ!!?………何故話したんですか千冬さん?」スゥー
「それに関してはすまないと思っている。だが…………」
(本当に何なんだ?歯切れが悪くて腹が立つ。言いたい事があるのならさっさと話して欲しいんだが)イライラ
今まで千冬に対して怒りを顕にしなかった貴洋だが、自分の過去を他人に、しかも信用すらしてない人に言いふらされたため流石の貴洋も怒らずにはいられなかったようだ。
ただ、千冬は。いや千冬だけじゃなく束や十蔵までもが貴洋の心の闇を無くしたいと思っており、そのせいで歯切れの悪くなってしまっているようだ。
「倉崎君。君は、何を求めているんだい?」
「俺が求めるのは、日々の平穏だけです。それ以外はどうでもいい」
「君が平穏を求める理由は、千冬君から聞いた君の過去にあった事から把握はできます。しかし、何故君は平穏を求めながらISなんてものを作ったのです?」
「束の夢であり、俺の夢でもあるからです」
この時、いや。前々から自分の言っている事が矛盾している事に気づいておらず、自分の気持ちが分かっていない貴洋は相変わらずこう言うのであった。
「そうですね。君は前からそういう風に言っていましたが。……君は、本当は平穏が欲しいのではなく、誰かと共に生きたいのではありませんか?」
「!!?な、何を言って………」
(この世界でたった1人で生きていくことなんて無理だろうに。何でそんな当たり前のことを求めなくちゃいけない)
束と並ぶ天災だと言われてはいるが、その実、幼い頃に両親に捨てられスラム街で人殺しまでして生きていたため、人の心に理解できない部分もあり、他人にとっての異常が自分にとっての常識になってしまっているところがある貴洋はこう考えてしまうのだ。……………それが、自分が大切だと思っている人が傷つくとも知らずに。
「君にとって、束君とは何なのですか?千冬君は?他にも大切な人はいると思います。ただ、君は口では大切だと言っておきながら、自分の方を下に見てしまっている」
「そりゃそうでしょうよ。束も千冬さんも穢れを知らない、綺麗な手をしている。そして、俺はその中でたった1人で手は血に染まり、体には今まで殺してきた人達の怨念がこびりついている。………それなのに、自分を大切な人達と同じ立場だと思えますか?!」
「………漸く、本心で話してくれたね、たっくん」
「ああ、全くここまでとんでもなく長い道のりだったな」
「ど、どういう」
「倉崎君、私達は君の中にある心の闇を無くしたいと思っているんですよ。だからこそ千冬君に君の過去を聞いたのです」
「貴洋………。お前はどうしたいんだ?何を求めているんだ?何故そんなにも自分だけで抱え込むんだ?………何故私達を頼ってくれないんだ…………」
(ああ、俺は、また失くしそうになっていたのか。………何でいつも、こんなにギリギリになってから気付くんだ。俺は、平穏だけを求めているわけじゃない。俺は、俺は!)
「俺は!大切なものを、大切な人達を守りたい!皆と一緒に笑いあって生きたい!もう、大切な人を失いたくない!俺は、俺は!」ポロポロ
「それでいいんです。それで。君は若いのに色々と溜め込みすぎなんですよ」
「私は何処にも行かないから。ずっとたっくんと一緒にいるから。たっくんがイヤって言っても絶対に離れないもん。だから、たっくんの苦しみも辛さも悲しみも、全部一緒に背負って、ずっと隣で支え続けてあげるからね!」ポロポロ
「私もだ。私は一夏だけじゃなくお前にも幸せになって欲しいんだ。今まではただのお節介だと思ってあまり手助けしてやれなかったが、今度はもう拒否しても、お節介だと言われても、絶対に幸せにしてやる」ポロポロ
この日、貴洋は生まれて初めて嬉し泣きという事を知った。たった15年しか生きていないが、それでも、とても壮絶な人生を送ってきた貴洋に、ついに幸せがやって来た瞬間であった。
そして………。
「落ち着きましたか?」
「ええ、すみません取り乱してしまって……」
「いえ、大丈夫ですよ。………今こんな話をするのは何ですが。この前の国家代表就任の件についてですが」
「何か進展でも?」
「ええ、日本代表という事になりますが、自由国籍を取得してはどうかと」
「それは何故です?」
「自由国籍を取得すれば国の法律は適応されなくなります。それに、結婚も自由に出来ますので」
(しかしな。それはそれで転生者としてはあまり馴染みがない。と言うよりは、受け入れるのが難しいんだよな。………取り敢えず、束は)
キラキラ
(あっ!こ、これは………。受け入れるしかねえ!)
「そうしますかね」
前世の、というか、今の日本の法律でもそうなのたが、男性の結婚適齢期は18歳。つまりは18になるまで結婚は出来ないというものが染み付いているため、納得しかねたが束の顔をみて即決するという、対束に対する弱さが露呈してしまった瞬間でもあった。
「それと、倉崎君。君の経営している会社、確かアリシアコーポレーションでしたかな」
「ええ、それが何か?」
「ええ、実は、貴社に依頼がありましてね。学園のセキュリティは君と束君がいれば問題はないでしょうが、一応念のためにカウンターアタック専門の方を派遣してはもらえないでしょうか?」
チラ
チラ
コクン
「了解しました、何人ほど派遣すればよろしいですか?それと、男性と女性、どちらの方を?」
「3名程の女性でお願いします」
「了解しました」
「これが今回の仕事の報酬です」
「確かに。………他には何かありますか?」
「いえ、大丈夫ですよ」
「分かりました。では」
「たっくん、今度婚姻届出しにいこ?」ニコニコ
「3日後には出しに行けるな」ニコニコ
「待ち遠しいねぇ♪」ニコニコ
「良かったですね千冬君。………千冬君?」
「束の奴あんなにベタベタと……。くっ!羨ましくなんか……、くそ!」
束が貴洋とイチャつく事が気に食わない千冬であった。
しかし、この日の出来事により、貴洋は心に余裕ができた。それにより、周りとの関係も良くなっていき、貴洋に惚れる人が増えるという千冬激おこ案件が浮上することとなったが。
そしてHRの時間となった。
〜IS学園 教室〜
(確か今日は。…………そうだ、転校生が来るんだったな。えーっと、シャルル・デュノアと、ラウラ・ボーデヴィッヒだったか。………1人は男装女子、もう1人は力に固執したデザインチャイルドの軍人か。…………こりゃ一波乱ありそうだな)
「今日は嬉しいお知らせがあります!このクラスに転校生がやって来ました!何と、3人も!それと新しい先生もやって来ました!」
(えっ?3人?あと1人誰だよ。教師の方は束だし。ん〜?本当に誰だ?)
「では、入ってきてください!」
「「「「はい(は〜い)」」」」
「それでは自己紹介をお願いします。デュノア君から」
「はい。シャルル・デュノアです。フランスから来ました。こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて………」
「お、男?」
「えっ?あ、はい」
「きっ」
「き?」
(耳栓耳栓っと。一日にも投げとくか)ポイッ
(さ、サンキュー貴洋!)キュッ
「「「「「「「「「「キャーーーーー!!!!!!!!」」」」」」」」」」
「えぇ!!?」
「男3人目の男よ!」
「熱血系の織斑君に、クールな長男タイプの倉崎君!そして守ってあげたくなる系の男子!」
「これで1組の布陣は完璧だわ!」
「うるさい!!!!静かにせんかお前等!!!!」
シーン
「うわぁ、凄い」
「ボーデヴィッヒ、自己紹介をしろ」
「了解しました教官!」
「ここで教官はやめてくれ。大切な人を救えない人間をそんな呼び方で呼ぶな」悲しげな笑み
「ッ⁉︎………ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「………………」
「………………」
「………えっと、あの、以上ですか?」
「以上だ」
(はあ、あいつ絶対にやらかすな。動く準備をしておかないと)
「お前が……」
「は?」
そう言いながら手を振りかぶるラウラ。一夏の何が気に食わないのかを知らない人にとっては何故そうするのか分からないとは思うが、ラウラもラウラなりに挫折したりしてきたため、強さを教えてくれた、そしてラウラにとって最強である千冬に自分の求めていない感情を出させる一夏が気に食わないらしい。
しかし。
パシッ!
「おいおい。流石においたが過ぎるんじゃないのか?」
「なっ⁉︎貴様、離せ!」
「千冬さん、躾はちゃんとしてください。幾ら優秀でも、人の心を理解した上で否定するようじゃあ出来底ないだと思われますよ」
「すまんな、貴洋。ボーデヴィッヒ、あまりそういう事はするなよ。私とて、家族を大事に思うんだ」
「も、申し訳ありません、教官」
「ここでは織斑先生だ」
(随分場が白けたな。この後に影響が無ければいいんだが)
「えっと、次の方お願いします」
「はい。倉崎 楓子です。一応日本代表候補生です。好きな事は読書と料理で、苦手なものは特に何もありません。これからよろしくお願いします」
「倉崎って、もしかして倉崎君の親族が何か?」
「違うぞ。第一俺は小さい時に親に捨てられているからな」
「あっ!ごめん倉崎君」
「大丈夫だ。これから気を付けてくれれば構わない」
「えーっと、貴洋さんであってますか?」
「ああ。それがどうかしたか?」
「えっと、私は貴方の従妹ですよ?」
なんとここに来て貴洋の血の繋がった人間が出てくるという事態に陥る。ただ、考えてもみれば分かることなのかもしれない。理由としては、両親に捨てられてから血の繋がった人と会ったことがないからである。
「そうなのか?」
「ええ。それに貴方の両親がどうなったのかも知っています」
「後で教えてくれないか?」
「はい!従兄さん‼︎」
「え〜っと〜、次に行ってもいいですか?」
(あっ!忘れてた。束は拗ねて………ない。良かったぁ!)
「「大丈夫ですよ」」
「で、では次の方お願いします」
〜箒 side〜
(まさか貴洋の従妹が転入して来るとは思わなかったな。………それにこっちも………)
一時期、束と箒の仲は拗れていたが貴洋の手によって大分改善され、現在はちょくちょく連絡を取り合っているようだが、束が教師としてIS学園にやってくるとは微塵も考えていなかったため、とても驚いた箒であった。
〜貴洋 side〜
(さて束の自己紹介はどんな感じかな。………事故んなけりゃいいけど)
「皆さんどうもこんにちは、この度1年1組に赴任することとなった倉崎 束です。貴洋君とは夫婦ですので束先生と呼んでね」
「ブーーーーーッ!!?」
(単独事故どころか、玉突き事故起こしやがった彼奴。これどうすんだよ。いや、法律違反はしてないけどさぁ!幾らなんでもこれは………)
「えっ!!?どういう事倉崎君!!?」
「いやまんまの意味です。本当に。てか、セシリアこっち睨まないで!」
「従兄さん?なんでもう結婚してるんですか?」
「こ、怖いぞ倉崎!」
「お前等静かにシロォ!!!!」
「束、今度お仕置きな」
「ごめんね。今度美味しいケーキ屋さん連れてってあげるから!許して。ねっ、ねえぇぇぇぇぇ!!!?」グギギギギギ!
「これで勘弁してやる!」
「痛い!痛いからたっくん!頭割れちゃう!なんか色々出ちゃうからぁ!」
「割れちまえ!!?っとあぶね!」ビュン!
「イチャつくな束。貴洋もだ」
「「サーセン」」
「全く。っと、それでは授業に遅れないようにしろよ」
「はい!」×全員
+αは束とアクセル・ワールドから倉崎 楓子でしたね。
そして、貴洋が結婚する事に。
次回もお楽しみください。