とあるスキルアウトの銀の腕(アガートラーム)   作:暗愚魯鈍

21 / 22
遅れてすみませんでした!中々思いつかず…今回も駄文…すみませんね…ビアージオの過去も捏造してます…さて次回はとあるの映画エンデュミオンの奇跡編へと移ります


二十一話悪魔の影

「十字架はその重きをもって驕りを正す」

 

サンジェルマンがそう言うと空へと投げた十字架が重力を数千倍に増幅され数センチの十字架が莫大な重力加速度によって降り注ぐ…一方通行はそれを跳ね返すが頭上から降り注ぐと言う性質上サンジェルマンではなく頭上に跳ね返り更に魔術は完全に反射出来ず飛んできた方向とは46度ズレて飛んで行ってしまう…皆それを破壊することに専念するが浜面のみ動けないシスター達に置いてきそうになった十字架を魔剣化した爪楊枝で破壊する

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「別にこんなので死ぬなんて嫌だからな…なるべく下がってろ」

 

「は、はい!」

 

アンジェレネは仲間を助けてくれた事を感謝するが浜面は下がるように言いアンジェレネは再び頭を下げて意識がある仲間を起こして逃げるよう言う、ビアージオが腕を振るうとージオは腕を振ると草や木等の植物が動き、蔦や捕食膿を複雑に絡み合わせたワニ、弦や根で出来た触手を持つタコ等の多種多様な動物や巨虫を生み出し、ビアージオがそれを手足の如く操作して襲いかからせる

 

「シャンボール…炭素を操作する術式!サンジェルマンがダイヤの傷を直したと言う逸話を再現し、炭素…有機物も操れる…その力で植物細胞で出来た動物とでも言うべき植物装甲を作ってるんだよ!」

 

「流石は魔道書図書館…この植物装甲は本来は自らの意思で動く事すらできない植物細胞を一度完全に分解して、皮膚、骨格、血管、筋肉、各々の機能を細分化し再び統合し、最適化を促す事で動物質以上のそれより強靭なもの生物を生み出すという術式でね…有機と炭素と生命の三位を統べる秘法の真髄とでも言おうか」

 

「つまり…炭素があれば無敵の軍隊が作れるチート魔術て訳ね!」

 

「その通り…更にこの器としているビアージオの魔術も中々強力だ…うまく並行して勝たせてもらおうか」

 

ビアージオが使った魔術を禁書目録が解析するとビアージオが笑って更に詳しく話す、それをフレンダがチートと叫ぶとビアージオはメノラーを取り出し植物装甲達を操り、更に地面を恐らくは錬金術の類でダイヤモンドへと変えていく…そしてダイヤモンドに変えた地面から槍を生成し上条達はそれを必死に避ける、麦野は原子崩しを放つも植物装甲を削り取ることができず即座に再生し、上条の幻想殺しでも触れた部分を分離して再生してしまう

 

「なあ敦!これを炎で燃やせば!」

 

「無理だよ当麻君!木て言うのは本当は燃えにくいんだ!だからそれは不可能だよ!」

 

「チクショー!上条さんそう言うのよくわからないけど…弱点とかないのか!?」

 

上条が木なら燃やせばいいじゃないかと発火能力が使える敦を頼ろうとするが敦は木は燃えにくいと叫び上条は頭を抱える…そんな上条に植物装甲が迫るが幻想殺しで破壊し、植物装甲は一部を切り離し即座に蠍のような姿を取る

 

「十字架はその重きをもって驕りを正す」

 

ビアージオは十字架を投げてそれが降り注ぎ上条達はそれを避けるか原子崩しや電撃などで破壊する…だがそれを行うと足元のダイヤモンドが槍に変わり麦野達はそれを慌てて避ける

 

「だー!クソが!んだよこの攻撃!デタラメじゃねえか!」

 

「超不条理です、それと麦野、口より能力を動かして下さい」

 

「未元物質でもどう対処すればいいんだよ…こんな攻撃…」

 

「シモンは『神の子』の十字架を…ち!」

 

ビアージオの攻撃に麦野や垣根が苛立っているとビアージオは更に魔術を行使しようとするが魔狼がビアージオの目の前に現れビアージオは魔狼の牙から逃れる

 

「私達を忘れるな!」

 

「半魔神が…余計な真似を…ならば、その悪性は我が十字架が拒絶する!」

 

ヴォバンが魔狼を召喚しビアージオは十字架を手に持ち投げ長さ三メートル、太さ四〇センチにまで巨大化させ魔狼達を押し潰したり、引き裂いたりして殺す、更にその十字架を植物装甲達に持たせ鈍器として利用させる

 

「半魔神がいようとも私の魔術は止められぬ!」

 

ビアージオはダイヤモンドカッターや槍をヴォバンとオッレルスに放つが突然の雷撃がそれを破壊する、そしてオッレルス達の前にブリュンヒルデが着地する

 

「遅くなりました、オッレルス殿」

 

「おや、負けたんじゃなかったのかい?」

 

「あの連中が私を拘束していた物質は相手の任意で解けるようで…先程拘束していた物質が壊れたので急いで来ました…」

 

「そうか、オッレルス、ブリュンヒルデ…我々も手伝うとしようか」

 

オッレルスはブリュンヒルデとヴォバンにそう言うとビアージオが生み出した植物装甲達を破壊していく…ビアージオはそれを舌打ちしつつもダイヤモンドを操り辺りを攻撃していく

 

「半魔神がでしゃばって…まあ良い!全員倒してやろう」

 

ビアージオはそう言うとダイヤモンドを槍に変えようとするが上条が地面に右手で触れるとダイヤモンドの地面が一瞬で普通の地面に戻る、このダイヤモンドの地面は錬金術で作り変えたもの…故に幻想殺しで対処可能なのだ…もうこれで炭素を使って攻撃できないかと思ったがダイヤモンドを宙に浮かべそれを槍やダイヤモンドカッターを作り出しそれを浜面達に飛ばすも浜面が銀の斬撃を放ってそれを防ぐ

 

「危ねぇ!」

 

「サンキュー仕上!」

 

「これも防ぐか…なら植物装甲を複合…巨大化」

 

ビアージオは植物装甲達を複合させ巨大な龍の姿をした植物装甲を誕生させる…その大きさは約10メートル、木の枝で構成された翼に長い首の先に龍を模した首が存在し尻尾は木の根っこの様、四本足で歩き苔や草、蔦がその巨体に絡みつき浜面達を見下ろす…しかも段々と大きくなっている気もする…いや大きくなっているのだ、その身を肥大化させ自分の身体をもっと大きくしようとしているのだ、その木の竜…樹竜は口から鋭い木の枝を放射したり背中の木から種をマシンガンの様に放ちステイルが炎の剣で種を焼き木の枝は浜面や一方通行が反射したり破壊する

 

「まだ大きくなる気かよ!しかもあいつ地面に根を張ってやがるな…下手したら下から攻撃してくるぞ!」

 

「チィ…面倒なあ相手だなァ…こいつ」

 

「本当だね…もう禁書目録から貰った炎の剣も壊れそうだよ」

 

浜面と一方通行、ステイルが目の前に不動の如く立つ樹竜を睨みつける…するとビアージオが作り出したダイヤモンドを取り込み始め全身にダイヤモンドの装甲を纏う…木の内部にも取り込むことによりこの樹竜がどう攻撃してくるか分からなくなる、植物の攻撃か、ダイヤモンドの攻撃か

 

ーーーガァァァァァ!ーーー

 

樹竜は取り敢えず口からダイヤモンドの槍を放ち、背中からは爆発性のある木の実を投げつけ大爆発を起こさせ生えた花から火に触れると爆発する花粉を放ち木の実で発火させ爆発を誘発する

 

「花粉…これじゃあ電撃とかも使えないわね…当麻!幻想殺しで!」

 

「分かってるよ美琴!」

 

「だが…上条の幻想殺しでも俺の未元物質も通じねえとなると…マジでどうすればいいんだよ…」

 

ーーーガァァァァァ!ーーー

 

樹は更に成長していき体内でダイヤモンドを生産しダイヤモンドカッターや白い煙を吐く、植物の方は爆発する木の実や硬い種をマシンガンの如く放ち、花粉をばらまく…しかも爆発性の他にも眠り粉や神経を痺れさせる等多彩になってくる…しかも手の代わりとなる木の枝を叩きつけてくるのだがそれ一つ一つが地面に大穴を開けるほどで風斬がそれを片手で防いでようやく止まる程の馬鹿力だ…他のものが喰らえば骨折どころか全身がミンチにされかけない

 

「……ッ…強い…信じられないくらいの筋力です…」

 

「あァ!面倒くせェ!反射してもキリがねえ!しかも俺が殴ってもヒビが入るだけですぐ再生しやがる…」

 

「は!もう弱音か第1位!俺はまだいけるぞ!」

 

「煩っさいわね!垣根も一方通行も口より体を動かしなさい!」

 

風斬が樹竜を必死に押さえつける中、一方通行は何度反射しても少し壊れるだけの樹竜を見て苛立ち垣根がそれを煽るが美琴がそんな暇してるなら体を動かせとガチで怒って二人は能力をフルで使って樹竜と交戦する

 

「無駄だ!私の樹竜は最強だ!そう簡単には滅せない!」

 

「なら…本体を叩かせてもらおうか!」

 

「ふ、半魔神共が…アモン!レラジュ!ナベリウス!」

 

蛇の尾を持つ体が炎で出来た狼…侯爵 アモンに弓矢を手に持った緑色の服を着た狩人…侯爵 レラジュ、ケルベロスの様な3つの首を持つ鴉 侯爵 ナベリウスがオッレルスとヴォバン、ブリュンヒルデの目の前に現れる…それぞれが偉大なる魔術の王に使えた72の悪魔の一柱である…アモンは炎を吐き、レラジュは体を腐食させ壊死させる矢を放ち、ナベリウスは自然科学の応用でプラズマを発生させ攻撃してくる

 

「…悪魔達か…ソロモンが使役した72の悪魔が三体…まさか…彼か?この事件の首謀者は?…君も悪魔か…ザガン」

 

「くく…正解だよ…我々はあの魔人に呼び出された…このビアージオとか言う男もサンジェルマンも利用されただけ…まあサンジェルマンは数多くいる自分の一人を乗っとられただけだと気にしてない様だが…その通り我が名はザガン…錬金術を司る悪魔なり」

 

ビアージオ…いなビアージオに取り付いていた悪魔こと総裁 ザガンはそう言って笑うとオッレルスとヴォバンの体に触れようとする…ザガンの力はワインを水に、血をワインに、また水をワインに変質させることができる能力とワインを水に血を油に変質させる力でありその力を使ってオッレルス達の血液をなくしそのまま殺そうとするが

 

「能力が分かっているのならわざわざ近寄る必要はないね」

 

「その通り…いざとなれば魔狼を盾とすれば良い」

 

「…チ!北欧王座か…面倒な…まあいい任せるぞお前ら」

 

ザガンはそう言うと戦いはアモン、レラジュ、ナベリウスに任せ自分はそのまま姿をくらまそうとするが突然ルーン文字が舞い緑色の落雷が降り注ぎザガンはジロと目線を四人の少女に向ける

 

「オッレルスさん!縄を何とか解いてこのレッサーちゃんが助けに来ましたよ!後他の三人も」

 

「「「オマケ扱いすんな!」」」

 

「ちぃ…小娘どもが!」

 

レッサー達がやって来てザガンに向かって緑色の落雷を放ち、レッサー達が近づいてザガンと接近戦で挑む…ザガンは十字架を巨大化させそれを片手に待つ…本来ならとても持てる重さではないが悪魔の怪力でそれを持ちブンブンと振り回す、更に十字架を投げてレッサー達を攻撃する…レッサーはそれを軽々と避けて、フロリスもランシスもそれを避ける…がザガンは笑う

 

「馬鹿め!シモンは『神の子』の十字架を背負う!」

 

「ぐ!?」

 

ザガンは対象に装備品の重量を肩代わりさせる魔術を発動し自分達がいる場所全域にいる人間達の服をレッサー達に押し付ける…その重量にレッサー達は地面に押し潰され身動きがとれない状況となりザガンが笑いながらダイヤモンドカッターをレッサーに向けて放つ

 

「「「レッサー!?」」」

 

(あ…これ死にましたね…あぁ〜…つまんない終わり方)

 

フロリスとランシス、ペイローブはレッサーの名前を叫ぶがレッサーは自分の死が直前に迫った事で自分の死が他人事のように考えつまらない死に方だなぁ〜と考えると

 

「何ボケーとしてるんだ!」

 

「え……?」

 

ダイヤモンドカッターがレッサーに当たる直前、浜面がレッサーの前に飛び出しダイヤモンドカッターを斬り裂き、それを見たレッサーが驚きのあまり目を見開く

 

「……何故庇ったのだ?その小娘はお前の仲間ではないはずだが?」

 

「俺の目の前で死なせたくなかっただけだ…それにこんな性格が悪いとはいえ可愛い奴を見捨てるなんて男は出来ないんだよ…おい、早く逃げろよ、立てるか」

 

「………あ…はい」

 

ザガンは驚きのあまり術式を解除してしまい、レッサー達は重量から逃れ浜面はそれを見るとレッサー達に逃げるよう言い、レッサーは少し顔を赤くして浜面に頷くと全員がザガンから離れていく

 

「さて…悪魔さん…さっさとお前を倒してやるよ」

 

「は、抜かせ…貴様にこのザガンが倒せるのか?」

 

「さあな…でもな…お前の勝手で色んな人を危険な目に合わせるわけにはいかねえんだよ」

 

「ならばかかってくるがいい!このザガンを倒せるのならな!」

 

ザガンはそう言うとダイヤモンドカッターを無造作に作り出し放つが警棒で全て斬り裂き、毒素も浜面の体には効かない為一酸化炭素中毒にならない…地面からダイヤモンドの槍を形成しても避けて銀の閃光をザガンに飛ばすがザガンはそれを避ける

 

「十字架はその重さをもって驕りを正す」

 

「その技は上から下からしか攻撃できないんだろ!なら対処も簡単だろ」

 

浜面は爪楊枝を魔剣化させ降り注ぐ十字架を破壊し、ザガンは舌打ちすると十字架を巨大化させ浜面にそれを叩きつけるが浜面にぶつけても浜面は問題なかったように十字架を押し返して警棒で十字架を斬り裂く

 

「デタラメな…だが私を倒すことはできぬ!我が魂はこの男の魂に寄生している、私を殺すにはこの男を殺す必要があるのだ!だが殺せば他の者に取り憑く…さあどうする」

 

「………………………」

 

「は!偽善者め!このザガンを倒すことなど貴様のような者には無理…「言いたいことはそれだけか?」…な?!」

 

ザガンは浜面にはこの男(ビアージオ)の体を傷つけることはできまいとたかをくくって挑発していたが浜面は銀の右腕に持った警棒でザガンを…ビアージオの体を斬り裂いた…そうバッサリと…それを見たザガンは思考が停止しかけるが浜面の顔を見て呟く

 

「ば…か………な…この男を…殺して…「殺してねえよ」……は?」

 

「俺の銀の右腕は斬りたい物だけ斬る…つまりそのビアージオて奴は斬りたくないから斬らないで魂に寄生しているお前だけを斬り裂いたんだよ…後ついでにサンジェルマンてやつもな」

 

「ば……か…な…このザガンが…だが悪魔は死なぬ…再びあの魔人が呼べば…何度でもこの世に現れる…次会った時は…必ず…貴様を…」

 

ザガンがそう憎しみの呪いを言い終わるとビアージオの体から黒い霧のようなものが出て行き霧散する…

 

「「「ガァ…ァァ…ァァ……」」」

 

「…ザガンが倒されたことにより契約をなくし元の位相に帰ったか…」

 

「ふん…折角の獲物を逃してしまったか…まあいい…オッレルス、私は帰るぞ、もう天草式との協力は果たされたはずだ…それに面白い獲物を見せてもらったからな」

 

「私達もこれで…また困り事があれば我らも力を貸します」

 

「そうだね…もう帰るとするか」

 

呼び出された侯爵の悪魔達も元いた場所に戻っていった…ヴォバンは相手がいなくなったことに若干不満げだったが削板のことを思い出して笑い、ブリュンヒルデはオッレルスに頭を下げて魔術を使ってその場から消え、オッレルスはそれを見送ると天草式から黙って姿を消した

 

 

ーーーガァァァァァ!!ーーー

 

「くそが!まだ生きてんのかよこいつ!?」

 

「これだから魔術は意味分かんないのよ!」

 

ザガンは倒されたが未だ植物装甲の樹竜は動いていた…どうやら術者がいなくなっても動けるようだ

 

ーーーガァァァァァ!ーーー

 

樹竜は口からダイヤモンドの槍を放つが一方通行がそれを反射し、上条の幻想殺しでそれを破壊していく…がスペックが高い所為で垣根が作り出したカブトムシ達を軽々破壊していく…が垣根は月の光を変換し殺人光線に変え樹竜の体を焼き始める…一方通行も強化した拳を樹竜に叩きつけ樹竜をよろめかせる

 

ーーーガァァァァァ!?ーーー

 

「今です!」

 

風斬が樹竜を両腕で持ち上げると10メートルはある樹竜が持ち上げられ樹竜は手足をバタバタと動かし植物を操って風斬を攻撃するがステイルが壊れかけの炎の剣を投げると剣が壊れ剣に纏われていた炎が植物に襲いかかり炭にしていく

 

「龍神よ、水の神よ、今ここに溢れんばかりの水を…原初の海たる母たる竜ティアマトよ…恵の海をここに」

 

禁書目録が呪文を呟くと禁書目録を中心とした場所に巨大な水溜りが形成されていく…本来ならこの水から魔獣や作り出された水を操るのだが今回はその作った水を風斬に送り水翼にして風斬の翼を巨大化させると羽を飛ばして樹竜を攻撃する…禁書目録の魔力がある限り何度でも共通され樹竜は再生が追いつかなくなりコアを飛ばして逃げようとするが…

 

「させるかよ!」

 

上条が幻想殺しでコアに触れるとコアはガラスが割れる音を出して消滅し残った部位もバラバラと崩れ落ちていく…樹竜が倒されるとザガンに取り憑かれていたビアージオが目を覚ます

 

「…!ここは…そうだ私は悪魔に…」

 

「…気がついたかおっさん」

 

「……この司教である私が異教の猿に助けられるなど…屈辱だ…」

 

「…その猿に助けられた気持ちはどうだ?」

 

ビアージオは目を覚ますや否や自分が悪魔に取り憑かれていたことを思い出し、挙句には異教の猿(浜面)に助けられたことを屈辱に思っていたが浜面はそんなビアージオを見て笑う

 

「チ…だがもう私はおしまいだ…悪魔に取り憑かれた上、異教徒に負けるなど…もう今の地位にはいられまい…あぁ…」

 

「………あんた本当に神父なのか?地位にこだわって…何であんたはローマ正教の信徒になったんだよ…」

 

「異教の猿に分かるものか、このビアージオ=ブゾーニの気持ちが…」

 

「ああ、分かんねえよ…だけどな…あんたが司教になったのはそれだけ努力したからじゃねえのか?あの十字架の魔術も凄かった…あんたにも自分なりの信念があるはずだろ?…何であんたはそうなっちまったんだよ」

 

「……私は…」

 

ビアージオはこれからの自分の人生を悲観し顔に手を当てる…本来自分の計画ではアニェーゼを生け贄としてアドリア海の女王を具現化させ女王艦隊で学園都市やローマ正教の邪魔になる者達を滅ぼすはずだったのに…何故こんな事にとビアージオが苦痛の顔をすると浜面が何故あんたはそんなに腐ったのかと問いかけるとビアージオは忘れていた昔の記憶を思い出す

 

ビアージオがローマ正教の信徒になった理由は人を助けたかった、貧しい人に救いの手を、親がいない子供達に救いの手を…それだけの為にローマ信徒となった…だが助けようと思っても助けれず自分の今の地位では誰も救えないと考え魔術を覚え、地位を高めていった…だがその度にローマ正教の腐った部分を見ていき、次第に自分がローマ正教を変えるという野望を掲げることになるが段々権力を手に入れていくたびにその目的を忘れていった…それを思い出すとビアージオは涙を流す

 

「私は…何故…こうも変わってしまったのだ…?私は……」

 

「……さあな、でも一つ言えるぜ…まだやり直せる、きっとな…まだあんたは生きてるからな」

 

「……………ふん」

 

ビアージオに浜面は優しく言葉を言うとビアージオは黙ったまま立ち上がり自分を見ていたアニェーゼの方へと歩く

 

「シスターアニェーゼ…撤退だ…オルソラの殺害は失敗した…帰るぞ」

 

「……分かりました司教ビアージオ」

 

「……私を助けたことには感謝しない…だがこの借りはいつか返してやろう……」

 

ビアージオはアニェーゼ達シスター部隊に帰ると伝えると全員が頷いて天草式のアジトから出ていく……アンジェレネは浜面の方を向くとペコとお辞儀をして走ってアニェーゼやビアージオの方へと向かう

 

「……これでオルソラて人に関する事件は終わりか……あぁ…疲れた」

 

「おおい!仕上!こっちも終わっだぞ!」

 

「早く帰るわよ!」

 

「分かったよ!今行く!」

 

浜面は笑顔で笑う上条と美琴に走って近寄って行く…

 

 

ザガン達が倒されるのを魔人ドストエフスキーは見下ろしていた…そしてフッと笑みを浮かべる

 

「やれやれ…流石…と言うべきなのでしょうか?…まあいいでしょう…次の目的は…『聖なる右』ですね…まあフィアンマ如き、私の相手ではありませんが…そういえばもう一つ計画を立ててましたね…では学園都市に行きますか…その後にバチカンに行けばいい…そう時間は腐るほどあるのだから」

 

ドストエフスキーはそう言って笑うとバチカンへと向かう筈だったがもう一つの種を思いだし学園都市へと向かう……魔人は何を企むのから未だ分からない……

 

 




次回はエンデュミオンの奇跡編…どうなるのかな?なるべく早く投稿するよう心がけます…ではまた次回です!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。