☆~~~モノソノ劇場~~~☆
『御機嫌ようミナサマ。いかが御過ごしですかな?宜しいですかな?それは良かったですね、うっぷっぷ』
『さて、秘密だ殺人鬼が居るだの愉快犯がもしかしたらだのと喚いて囀ずっていますねぇ?』
『そんな小さき事をグダリフニャリと言っていてもどかしいったらありませんね。ミナサマもそう思いでしょう?まあ安心して下さいな、物語は刻一刻と絶望の一本道を爆走してますから…』
『所でミナサマはゲームは得意ですかな?まあゲームにもジャンルが古今東西色々ありますからねえ……ワタクシは勿論ホラーゲームが得意ですよ。あのドキドキと主人公の救いようのない深い深淵を覗かせる時は堪りませんね』
『おっと…話が逸れましたね、申し訳ありません。
人生はクソゲーだと称されたりしますよね?しかしワタクシはクソゲーよりかはホラーゲームの方が合ってるのではないかと思います』
『人生など過去も未来も今現在も此方を殺そうとする輩が沢山蔓延っていますよね?それにアナタ達はただ逃げるだけ……しかし逃げた所で待っているのは命を刈られる刻を延ばすだけでは?』
『アナタ方の知らぬ所で闇は蠢き覆い尽くされる刻を待っています、アナタ達はただ舞って散っていくだけ…うっぷっぷっぷっぷ!!』
☆~~~~~~~~☆
「よっしゃあ!飯だぁいっただきま~す!!」
「おゥ、腹一杯食えよォ」
「いやぁ、毎日ご飯を用意してくれてありがとうね」
「モーマンタイだってしゅんやくん!ウチらが好きでやってる事だしね!」
今日も龍野達が作ってくれた朝ごはんを食べている。しかし嶋野は変なあだ名付ける癖に沢風はそのまま名前で呼ぶのは納得いかねえな。
理由を聞いてみたらしゅんやくんはそのまんまの方がリア充っぽいし良いじゃんと訳が分からない事を返してきた。
昨日は愉快犯を皆に知らせてみたがそこまで混乱はしなかったしより一層団結が深まったと思う。
しかし藤だけは依然個人行動ばかりだな。会ったらもう少し俺達と行動できないか言ってみよう。
昨日は何事もなかったが今日食堂に入ったらある奴はいつも通りだが中には顔を暗くさせていた。
理由は分かっている。動機、秘密の事だろうな。俺は最初の猫屋敷の秘密よりは軽いだろう秘密を知ったし既にその秘密もそいつに告げた。
昨日夜ご飯を食べた後自分の部屋で寛いでいたらモノクマがやって来て動機であるゲームをしてもらうと言われ指示された難易度は《かんたん》だった。
あっという間にクリアし取得した秘密は瀬戸内の物だった。
『セトウチくんは毎日の修行やお経を上げている時に性的な妄想をしている』だった。
勿論その人によっては絶対に守り抜きたい秘密もあるだろう。だけど難易度はかんたんだし瀬戸内の秘密だし瀬戸内らしいから安堵した。
その後朝になり食堂に行こうと部屋から出ると日課のトレーニングを終えプールでひと泳ぎして戻ってきた瀬戸内と会ったのですぐに話した。
瀬戸内は豪快に笑いながら「んだよそんな事秘密でも何でもねえし!男なら妄想は嗜むだろ?」と言った。
やっぱり瀬戸内だなと安心したな。
「しっかし俺は今んとこ重い秘密を知ってねえからなー」
「瀬戸内君は~その人にちゃんと言ってるんだよね~?」
「おう、昨日の秘密は後で言うぞ」
「んー…秘密は秘密のままにしといた方が良いんじゃないのかなー」
猫屋敷はいつもと同じ様子だな。まあこいつはどこまでも変わらない奴だろうな。
百澤はの秘密は言わないって所は決意が固いようだ。
「…」
「ん?龍野、お前顔色悪いけどどうしたよ?」
「…え?あ、や…えっと……何でもないよ」
「本当に大丈夫かよ?…って和良井も具合悪い感じか?」
ふと横に座っている龍野を見てみるといつもより暗くさせて顔色も悪そうだった。なんかあったのか?他にも和良井も顔色が悪そうだった。
「な、なんやいきなしに?別になんも悪くないわ」
龍野も和良井も否定するがあからさまに具合悪く見えるぞ?心配だな。
「お前ら後で桃瀬に調子見てもらえよ」
「…僕は本当に大丈夫だから。ちょっと寝不足なだけだよ」
「お、おお俺は別にいつもと変わらずの元気はつらつ百パーセント充電完了MAXやで!?」
いや、龍野は分かるが和良井は空元気丸出しじゃねえか。でもいくら聞いても二人は頑なに否定をした。
心配だけど俺が気をつけて見てたら大丈夫かな。
「ん?何だ和良井、調子悪いのか?」
「あァ?マジかよそりャァ!なら後で診てやるぞォ?」
「い、いいや、心配せんでも大丈夫やて!」
「そうは言っても心配だ。もっと俺達を頼ってくれよ?食べた後俺も着いていくから保健室行って桃瀬に診てもらおう。良いかな桃瀬?」
「おゥ!俺に任せとけェ!!」
「そな頑張らんでもええのにぃ~…」
和良井は沢風と桃瀬に任せておけば大丈夫そうだな。
だけど龍野は暗い顔を一層暗くさせてるし後で気分転換に遊びにでも誘うか。
「なあ龍野、この後暇か?」
「…え?特に用事はないよ」
「なら俺と気晴らしにでも遊ぼうぜ」
「…え!?う、うん!良いよ」
誘ってみると先程まで暗かった顔を明るくし目をランランと子供のように無邪気に輝かせていた。
そ、そこまで喜んでくれるとは…今度からも誘うようにしよう。
俺達は朝ごはんを食べ自分の分の食器を片付けて適当に遊ぶことにした…がその前に龍野には食堂で待ってもらって先にロボット造りに鷹倉も手伝ってもらえるか頼んでみよう。
先ずは鈴木崎と百澤に話して良いか聞きに行ってみた所、了承を得たから食堂から出たばかりの鷹倉を呼び止め渋る鷹倉を説得し大浴場の脱衣所で話す事にした。
「それで俺を呼んで何してーの?」
「実はだな?」
そこから俺は鈴木崎と百澤が脱出の手掛りか掴めるかもしれないロボット造りに鷹倉も協力出来ないか聞いてみた。
「ふぅーん……まあ機械には詳しいですけどねぇー」
「ここから出れる可能性が高くなるかもなんだよ!手伝ってくれねえか?」
「あー……でもそんなにここから出たいんかねー?」
「え?」
どういう事だ?
「だってよ、ここなら俺達が外の世界諦めたら惰性的な日々を過ごせるんだぜ?
ならそんな急ぐことないと思わねーか?」
「い、いや思わねえよ!?こんな所から早く出てえよ!」
まさかここから出なくても良いなんて言葉が出るとは思わなくて焦る。だけど何とか説得して協力してくれるように言ってみよう。
「なあ、頼むよ鷹倉、外の世界にはお前の動画を楽しみにしてる奴等が沢山居るだろうし」
「べっつに俺にゃ関係ねーな」
「うぅ、なら外の世界にやり残した事とかねえのか!?」
「あー………あるっちゃあるけどよ」
よし!ここが攻め時だ!
「あるんなら尚更出た方が良いだろ!心残りだろ?」
「……えーでもなー」
「でも心残りあると引っ掛かって気持ち悪いだろ?」
「うあー確かにな、頭にこびりついて離れないわ」
「ならそれを解消する為にも出ようぜ!」
「…………はぁー、分かったよ。手伝う」
「え!?ほ、本当か!?」
あのめんどくさがりの鷹倉を説得出来た!
「このまま断った所でしつこそうだしここで折れた方が楽チンだろうしな」
「ははは、鷹倉らしい理由だな…」
これで作業効率アップ出来るな!俺にはこう言う手伝いしか出来ないからな。
そこから鷹倉には鈴木崎が居る超高校級のメカニックの研究教室に案内した。
後は鈴木崎と百澤の二人に任せた。そして俺は食堂に戻り龍野と合流した。
「…それで僕達はどこで何して遊ぶの?」
「おう、プールで競争したりとかして遊ぼうぜ!どっちが早く泳げるかとかしてえしな!」
「…あ、プールはちょっと……」
プールを提案するが余り乗り気じゃない様子だ。泳げなかったりすんのか?
「まさかお前泳げねえのか?」
「…いや、泳げるけどとにかく今はプールは嫌なんだ」
「そっかー、ならカラオケで思いっきり歌うか!」
次にカラオケを提案するがまたもや暗くする龍野。
「…あ、僕あんまり歌とか聞いた事なくて…カラオケも行ったことないし歌える曲ないんだ」
「え!?マジかー」
世間知らずな奴だと思ってたけどカラオケ行ったことねえのか。
歌える曲なけりゃあ行ってもつまんねえよな。ならどこに行くか…。
「…ならさ、図書室に行かない?」
「図書室にか?良いけど何でだ?」
「…僕、騒がしい所が苦手なんだ。だから静かな図書室とか落ち着くから好きなんだ」
龍野は物静かだもんな。なら龍野の好きな場所である図書室に行くか!遊べる事無さそうだけど龍野が落ち着けるんなら良いか!
そうと決まればと俺達は図書室に向かう事にした。
図書室に行くと告げたら嬉しそうに微笑んでいた。なら図書室に行くの賛成して良かったな。
ーーー図書室ーーー
「あ、なあなあ」
「…ん?どうしたの?」
図書室に入りさて本を選ぶかなと思っていたがふと思い付いた事をしてみようと口に出してみる。
「ちょっと提案何だけどな、この図書室にある本からおすすめの本を選んで互いに交換して読んでみるってのはどうだ?」
ただ読んでるだけじゃなんだしこれなら読み終えた後感想言い合えたり出来る。
「…読み合いっこって事だね。うん、良いよ」
「なら本選ぶか!時間はたっぷりあるんだし気長にやろうぜ!」
「…うん!」
そして俺と龍野は一旦離れて互いがおすすめ出来る本を探すことにした。
だがここの図書室は結構広大だからな、時間は掛かるだろう。だけどいつ出られるかも分からないし気長に探していけば良いか。
俺はおすすめの本を探していると影山が本を立ち読んでいた。その姿はなんだか文学少女っぽくてこの図書室の静かな雰囲気にマッチしていた。
影山はどうやら読んでいる本に夢中のようでこちらに気付いてないようだ。
…邪魔するのも悪いな、とその場を離れようとして別の本棚に行こうとしたら影山がこちらの方を向き俺に気付いて驚いた顔をした。気付かれちまったか。
ーーー影山との交流イベントーーー
「あ、砂糖さん。驚きましたよ、声かけてくれたら良かったですのに」
「あー夢中で読んでたし邪魔すんのも悪いと思ってな」
「そんな良いんですけどね。でも本当に驚きました。いつもなら私の方が気付かれないのに」
「影山…お前何でそんなに気付かれねえんだろうな?俺は別に気付くけどなー」
最初の頃は気付きにくかったけど最近は影山の事視界に入るし何で皆が気付かないのかが不思議だ。
「私もそれはずっと疑問に思ってる事なんですよね。別に声が小さいと言う訳でもないんですけど…でも最近は砂糖さんは私に視線を向けて頂けて嬉しいです」
頬を桃色に染め照れながら話す影山に俺も照れてしまいそれを誤魔化すように頬をポリポリと掻く。
そんな直球で好意を向けられるとはな…まあでも悪い気はしねえな。
「あー…その読んでる本って面白いのか?」
何とも言えない微妙な空気が流れてしまい話を変えようと影山が手に持っている本に話題をチェンジした。
「これですか?面白いですよ。私この本好きで何度も読んでるんです。良ければ砂糖さん読みますか?おすすめですよ」
「お!影山のおすすめか、なら喜んで読ませてもらうぜ」
影山から本を貰った。タイトルは【いつもどこまでも】という感動恋愛小説らしい。
あんまりこういうジャンルは読んだ事ねえけど読んでみるか!
「ありがとうな!読んだらすぐに影山に返すわ」
「いえ、良いんですよ。でもその本は図書室に置いてある本ですから厳密には私の本ではないですけどね」
「別にモノクマの奴等が用意した本なんだし貰っても良いだろ。あいつらの物は俺らの物だ!」
「ふふふ、砂糖さんって結構横暴な方なんですね」
某有名な漫画のキャラクターの台詞を使ってドヤ顔をしたら影山にウケたようだ。
優しく頬笑む影山に俺も釣られて笑った。
ーーー影山の新密度が1上がったーーー
影山と別れて影山がおすすめの本と数冊気になる本を手に取り読もうと図書室にある椅子に座り読み始める。
その後は長い時間ひたすら本を読む、途中龍野が本を何冊か持ってきて隣に座り読み始めた。
違う本を互いに読んでるけどこの静かな空気は落ち着くな。
最近は色々合ったからこうして落ち着く事も大事な事だと思った。心が安らぐな…そうだ、他の皆も誘って読書会とかしてみても良いかもななんて思ったりしながら読書を続けていく。
気付いたら長い時間が経っていたようでいつの間にかお昼を過ぎていた。
龍野も顔を上げ時計を見て時間に気付き立ち上がった。
「…もうこんな時間経ってたんだ。…ごめん砂糖君、僕夜ご飯の支度しないとだからもう行くね?」
「おう、ならまた明日にでも一緒に読むか。流石に今日一日じゃおすすめの本見付けれねえからな」
「…明日もだね、うん!分かったよ。じゃあ僕行くね」
「おう、んじゃあ夜飯ん時にな」
ーーー龍野の新密度が1上がったーーー
龍野が夜ご飯作りに本を手に図書室から出ていった後も俺は読書を続けた。
影山に借りた本は結構な長編小説だから読むのに多少時間が掛かるが読んでいて面白い。
感動恋愛だと書いてあったが序盤はギャグも入っていて楽しめるし徐々に深刻な話になっていってドキドキしながら読める。
再度時計を見るともう夜ご飯の時間になっていたので俺は慌てて本を手にし図書室から出る。
そして一旦本を自室に置き、食堂に向かった。
そこで影山におすすめされた本が面白い、すすめてくれてありがとうとお礼を言った。
影山も嬉しそうにしてくれたが龍野はそんな俺と影山を見て何やら難しそうな顔をしていた。
どうしたんだろうか?
その日も皆と夜飯を食べて解散し自室に戻る。そしてまた本を読もうとすると邪魔な奴が現れた、全力で嫌な顔をする。
「ちょ、ちょっと砂糖くん!?ワタシの顔を見ただけでそんな嫌な顔するの止めて下さいよ!」
「あ?嫌な顔すんの当たり前だろ?それにこれだけで済んでるだけで有り難いと思えよ」
「なっ!?ワタシにも心がありましてね?傷付きますよ!」
なーにが心があるだ、ロボットだろうに。
「あ!今ロボットの癖にとか思いましたね!?ロボット差別ですからねそれ!どこかのきーぼーとかいう者も言ってましたからね!」
「いやそれ誰だよ、知らねーし」
ロボット差別なんて口にする奴お前以外居ねえだろ。
「それで今日も動機の奴か?」
「オッホホー!察しがいいですね!それでは早速今日の砂糖君の難易度は《ふつう》です!」
「あーはいはい、分かったから早く出ていけよ」
「ショボーン…酷くないですかね?」
「いや別に?…あ、そういやお前らさあ、夜に来て動機指定するけど朝言いに来いよ?何で夜に言いに来るんだよ」
「え?嫌がらせですけど?」
…この野郎っ!何を常識だろみたいな顔で言ってんだよ腹立つな!
「夜に言ってゲームをしてクリアする、すると誰かの秘密を知れて不安になったりして悩む、そして寝不足になるって嫌がらせですよ。まあこの動機クリアは指定されてから一日の間にやらないとですから焦んなくても別に良いですけど」
「はあ!?お前らそんな事言ってなかったよな!?」
「アレ?言ってませんでしたか?なら今言いました」
こいつっ!マジで殴りてえ!!指定されたら急がないとって思うだろが!
なら急いでクリアしなくても良いのかよ!
「それではちゃんと今から24時間以内にクリアするんですよぉ~?」
むかつく台詞を吐きながらモノソノは消え去った。やり場のない怒りだけが残った…読書でもして気持ち落ち着かせるか……いやでも先ずは動機クリアだ。
焦る必要はないと知れたが悠長にしてて時間内にクリア出来なかったら嫌だしな。
そして《ふつう》を何事もなくクリアし特典の秘密公開画面が現れた。
『それではクリア特典としてツマブキさんの秘密を公開します』
「は!?妻夫木の秘密!?」
全員とは言ったけど妻夫木の秘密まで知れるのかよ。なら死んでしまった他の三人の秘密もあるって事か、どこまで俺達を馬鹿にすれば気が済むんだ!
俺はぶつけようのない怒りを抱きながら画面を先に進める。
『ツマブキさんはお金がどうしても必要な時、バイト先の店のレジからお金を抜き取った事がある』
え?難易度『ふつう』だよな?それでこの重さの秘密!?
こんなの妻夫木に伝えれるかって言われたら…伝えれないかもしれない。
前回の瀬戸内の秘密から格段にアップし過ぎだろ、かんたんからふつうに上がってこれはそれ以上の秘密は本当に俺達の信頼感を失わせる程かもしれない…。
三回やってこんなに精神が追い込まれるなんてとんでもねえな…。
不安を無理矢理振り払うように俺は布団を被りもう寝ることにした。
誰かの秘密を背負うのがこんなにも重いとは…思っていなかった。
ーーー翌日ーーー
悩んでいたがいつの間にか寝ていたようだ。何とか時間通りに起きれていつもと同じ様に食堂に行き飯を食べる。その後本を持って龍野と図書室に向かい本を読んだ。
昨日のようにならない為にも時間には気を付けていたので昼飯の時間には龍野が作りに戻り、俺も昼飯を食べに戻って食べた後また図書室で本を読んだ。
そんな感じで今日一日は終わりを告げた。影山から借りた本も結構読み進めたな。
物語も終盤に近付いて俺も思わず涙ぐんだな。
そうして自室で本を読んでいたら今日はモノクマが来た。適当にあしらって難易度を聞き出すと『ふつう』だった。
嫌々ながらクリアすると今回は沢風だった。沢風の秘密は『サワカゼくんは彼女からの長電話が苦手で最近はほぼ空返事で済ましている』
だった。
妻夫木よりかは暗い気持ちにならなかったが沢風もやっぱりそう言う所は俺達と同じなんだなと思った。
俺はその後眠りに就いた。
ーーー翌日ーーー
今日も昨日と同じ様な流れで食堂に向かった。その後沢風に秘密を伝えに言った。場所は大浴場の脱衣所だ。秘密を言うと苦笑いを浮かべながら後頭部を掻く。
「あははは、参ったね。俺の秘密はそれかー。確かに秘密ではあるかな、俺の彼女がもしそれを知ったら一ヶ月は根に持たれるね」
「スゲー根に持つな…」
「あはは、何回も短めにしてくれないかなって言ってはいるんだけどね…喋る事好きだし仕方ないかな」
「ほーん、結局惚気になってるし…あ、そういや聞いてなかったけどさ、沢風の彼女ってどんな奴なんだ?」
ふと気まぐれで聞いてみたが沢風はビクッと反応し止まってしまった。
「ど、どうしたんだよ?」
「…あ、いや何でもないよ!俺の彼女は皆から愛されていたね。持ち前の明るさで皆を照らしてくれてたよ」
何事もなく話始めた沢風に疑問を持ったがまあ良いかと話を聞く。
と言う事はこいつらどんだけ好感度高いカップル何だよ!?無敵かよ…。
その後は沢風の彼女自慢をされて甘い話に腹一杯になりながら龍野と図書室で本を読む。
そして昼飯、そして夜ご飯を食べて自室に戻り本を読んでいたら影山から借りた本を遂に読み終えた。
最後らへんは涙が滝のように出てティッシュをいくつ消費したか…最後はハッピーエンドで終わったから良かったぁ~。
【いつもどこまでも】の余韻に浸っているとモノソノが最悪な事にやって来た。
今日は《やさしい》との事、とっとと終わらせてやろうとプレイし特典を貰った。
今日は鈴木崎の秘密のようだ。
『スズキザキさんは中学二年生まで父親と一緒に寝ていて父親を抱き枕にして寝ていた』だった。
これ…言ったら鈴木崎から恨まれねえかな?でもこれならそこまで重くは…ないよな?
少し不安になりながら俺は寝床に就いた。
ーーー翌日ーーー
もう習慣のように同じ時間にセットしたアラームが鳴り響きその音で起きて支度をし食堂に向かう、皆と話をしながら朝食を食べていると瀬戸内がいきなり立ち上がった。
どうしたのかと皆も不思議そうに見ているとにやっと笑いながら瀬戸内は口を開いた。
「なあ皆!今日はたまには全員でパーッと遊ばねえか?」
「遊ぶ?ギラリンいきなしどしたん?」
「いやな、最近秘密のせいで周りの雰囲気が段々暗くなってんじゃんかよう。そんな憂鬱な空気をブッ飛ばすにはいっちょ派手に遊ぼうぜって思ったんだよ」
「うん、僕も賛同したんだ」
どうやら瀬戸内と百澤二人の提案らしいな。でも確かに日に日に皆の顔色は暗くなる一方だしな。
動機の事で俺みたいに深刻な秘密を知ったらそれを背負い込む事に精神を持っていかれるし猫屋敷は気にしてないがバレたくない秘密が知られてるかもと思うと周りの奴等を疑ってしまう。
「遊ぶって何するの~?」
「それはな?プールで思う存分泳ごうぜ!」
「それってあんたらと一緒で泳ぐって事かい?」
「おうよ!男女混合プールだ!」
「嫌なんだけどねえ…」
「あ、私も嫌かな」
熱宮と木枯からの否定的な言葉を聞き瀬戸内がこの世の終わりの様な顔をしている。
そんなになのかよ…。
「なっんでだよぉぉ!?」
「そうだよ!僕達は全然いやらしい事とか考えてないよ!?ポロリするかもとかなんて全く思ってないから、ねえ瀬戸内君!?」
「あ、馬鹿百澤、言ってるじゃねえか!?」
「口が滑りまくりだね~」
「やっぱりじゃないかい…」
「でもポロリは捨てがたいね~」
欲望に真っ直ぐ過ぎて嘘も付けねえのかよ百澤の奴。瀬戸内も分かりやすい。
その後も二人に猫屋敷も加わり女子を説得に掛かり長い戦いの末に勝利をもぎ取った。その瞬間歓喜の産声を上げたのは言うまでもない。
「なら二時間後にプールに集合な!?遅れたりすんなよ!」
「…瀬戸内君」
「おん?どうしたよ龍野」
叫びまくる瀬戸内に声を掛けたのは龍野だ。恐らくプールは無理だと伝えるんだろうな。
だけど今の瀬戸内は人の話聞かなそうだしなー。
「あー、龍野はちょっと調子が悪いからプールは行けねんだ」
「…え、砂糖君……」
「ええー!?マジかよー…でも仕様がねえよなーなら龍野はお休みだな」
「…うん、ごめんね」
「良いって事よ、早く全快しろよー!」
良かった、どうやら上手くいけたようだ。すると龍野が俺の耳元に顔を寄せて声を掛けてきた。くすぐってえな。
「…ありがとね、砂糖君」
と言われ俺は笑って返した。
「ウチセトー俺も不参加でー」
「鷹倉もかよ、お前もどっか悪いのかよ?」
「……そんな感じ」
「…………嘘くせーな」
絶対に鷹倉は面倒くさいからだろうな。だけど瀬戸内は渋々鷹倉のプール不参加を許可した。
そして瀬戸内達スケベトリオはプールで遊べそうな物を探しに倉庫に向かっていった。
俺は食べ終わった自身の食器を片付けプールの時間まで龍野と読書をする事にした。
「…さっきは本当にありがとうね」
「いや、良いよ。龍野もなんか理由があんだろ?」
なんかプールにトラウマでもあったりする感じかな?
「…まあそんな感じかな」
「だろうな。なら無理して参加する事もねえからな。なら今日も図書室行くか!」
「…うん!」
それからプールの時間まで読書を楽しんだ。
「…あ、砂糖君そろそろ時間だよ?」
「え?…あー本当だな。あっという間だな。んじゃあ俺はプールに行くわ」
「…うん、僕はまだ読書を続けてるね」
「おう、分かった」
俺は龍野と別れ二階の更衣室まで向かった。
ーーー更衣室前ーーー
時間も丁度良く着けたな。更衣室前には他の皆も集まっていた。
少し遅れて何人かも集まりここに居ないのは個人行動で全く会わない藤と不参加の龍野と鷹倉の三人だ。藤には前会ってから姿が見えないな。
「全員集まったね。それじゃあ着替えようか」
「あの、百澤君、こっちは女子更衣室何だけど」
「はっ!?無意識に動いてたよ!」
「お前馬鹿か!?近付きすぎると蜂の巣になるぞ!」
「成八だけに?砂糖君ダジャレだね」
「んな事言ってる場合じゃねえだろ!」
「そうやぞお前、こないな所で死体登場はメンタル持たんわ!」
こいつも呑気すぎだろ!猫屋敷も鷹倉もなのに百澤もかよ。
見てるこっちがドキドキするわ!俺と和良井で百澤を引っ張って男子更衣室に連れていく
男子更衣室に入ると前入った時と変わらずいらつくポスターにトレーニング器具等が置かれてある。
さっさと着替えを済ませ男子更衣室に備え付けられている新品の海パンを履き一足先にプールに続く扉を開けた。
「あー!砂糖君一番乗りはズルいよ!」
「着替えんのが遅い奴が悪いんだろー…あっ!」
「あら?」
扉を開けたその先、プールには藤が優雅に浮いていた。なんか久しぶりに見た気がすんな。俺は驚いたが藤も目を少し大きく開き驚いているようだ。
「よう藤、何だお前も泳ぎに来たのか」
「プールに居るんだから当たり前でしょ?その場凌ぎの下らない事話さないでくれるかしら」
「うっ、手厳しいな…」
やっぱり冷たいな。ここのプールよりも冷たいんじゃないか?この心にグサッとくる感じ…辛い。
「おいだから先に一人で行くな…って藤じゃんか!」
「え、藤さん!?」
「藤姫居るの~?」
瀬戸内が後ろから来て藤の姿を見ると固まって言葉を溢した。
その言葉を聞き凄い速さでやって来た百澤と猫屋敷の三人を見た藤は嫌悪感丸出しで見てるってなんか俺まで汚いものを見る目で見られてね?気のせいだよな?
「ちょっとサトー後ろの三人組を遠ざけてちょうだいよ。全く、気晴らしに泳ぎに来たら何で丁度あんたらまで来るのかしら」
「いや遠ざけてったって言われてもなー…」
てか俺の名前言う発音が明らかにさとーになってるな。まあ良いけどよ。
「あらまあ、藤じゃないかい。奇遇だねえ」
「本当ですね」
「おィ、お前らァ三人は興奮し過ぎだぞォ?」
続々と出てくる皆に藤は苦虫を噛み潰した様な顔をしてプールから上がってきた。
藤の格好はいつも来ている桃色の着物と同じ色のパレオ付きの水着だ。
着物で知らなかったが体は引き締まっていて出るとこは出ている魅力的な体だった。
「うおぉぉぉ、やっぱり藤はすんげーもん持ってたな!」
「にゃへへ~これは惚れ惚れするね~」
「おっと鼻から赤色の宝石が」
「あんたら少しは自重しとかないと殴るよ?」
もう思いっきり殴ってやってくれよ…手遅れだろうけど。
「あ、電化製品とかって叩けば直るしね」
「木枯ィ、そう言う事じャねえだろォ」
「え?違うの?」
「はぁ、お馬鹿な人が多すぎるわよ…」
立ち去ろうとする藤に俺は待ったを掛けた。
「何よ?」
不機嫌さを一切隠さずに全面に出してくるがここで引いたら駄目だ。ここで藤も一緒に行動した方が良いに決まってる。
「いや、せっかくだし一緒に泳ごうぜ?」
「はぁ、嫌だと言ったら?」
「まあまあ、たまには良いじゃないか。楽しく泳ごうよ」
「うむ!藤嬢も一人では心細かろうしのう」
沢風と剣も賛同してくれる。それに続こうとスケベアホ三人がいやらしい笑みを浮かべながら何か言おうとしてたが我慢できなくなった熱宮、鈴木崎、桃瀬に殴られた。
…うん、仕方ないな。
「…はぁー、言っておくけど私は最初から泳ぎに来てるだけだから。あなた達に負けてとかじゃないからね」
そう言って藤はプールに戻っていった。どうやら説得成功らしいな。
「じゃあ私達も泳ごっか?」
「そうだな!」
「ぐ、グフッ!…お、おっとお前ら待て待て」
「どうしたよ瀬戸内?」
「まず泳ぐ前に準備体操だろ?ほらお前らもすっぞ!」
筋肉馬鹿でもある瀬戸内が無駄に引き締まった体をムキムキと動かしながら俺達の前に出てストレッチを始めた。
俺達もそれに続き準備体操を始めた。俺は準備体操をする片手間に皆の姿を見た。
木枯、鈴木崎は普通の水着だ。嶋野、熱宮はビキニで熱宮の暴力的な胸囲が猛威を奮っていた。
例の三人も変な雄叫びを上げながらガン見していた。
影山は学校指定のスクール水着だった。見ていたら影山と目が合ってしまい妙に気まずくなってすぐに目を離した。
沢風はサッカー部の部長をしているだけあって細マッチョってやつだ。瀬戸内はガチマッチョだな。猫屋敷も意外と筋肉あるんだな。
桃瀬もバランスの取れた筋肉だ、逆に百澤と剣は細いな、筋肉もない。
俺はまあ、一般的かな?
準備体操を終えて俺達は思い思いに泳いだ。レースをしたり瀬戸内達が持ち込んだ水鉄砲で遊んだりと楽しく過ごした。
猫屋敷が一番速く泳いだのには驚いたな。それに負けない速度で鈴木崎も泳いでいて開いた口が塞がらなかったな。
夢中で泳いでいて少し疲れたなとプールサイドに上がり一休みをして居ると隣に猫屋敷が座った。
「ふい~久しぶりにこんなに泳いだよ~」
「お前も疲れたのか?」
「うん~こってり疲れたよ~」
「何でこってりだよ」
恐ろしいほどにいつも通りだな。猫屋敷にとっては秘匿しておきたい程のものだと思う情報を知られてるのに…別に知られても良かったとかか?こいつならあり得るなぁー。
そうだ、丁度二人になったんだしもう一度話し合っ「砂糖君~」
…猫屋敷から声を掛けられ考えていた途中で思考が切り離されて戸惑う。
「あ…なん、だよ?」
「どうしたのさ~?動揺しすぎだって~まあ良いけどさ~。それよりも~俺ともう一度話そうよ~」
まさか猫屋敷から言われるとはな。
「きっと砂糖君も~僕と話したいって思ってたでしょ~?」
「……まあそうだけど」
「ほら~ビ~ンゴ~じゃ~夜にまたカラオケルームの一号室で話そ~」
「…分かった」
無邪気に笑い掛けてくる猫屋敷に底知れぬ不安感が襲ってくる。
改めて猫屋敷の不気味さを思い知った気がする。だけど話し合えるなら良いか。
「おーい、二人ともこっちで泳ごうよー!」
百澤から呼ばれたので俺は余計な思考を消すために泳ぐ事にした。後ろから猫屋敷も着いてきて泳ぐ。
疲れたとか言いながら速さは衰えてなかった、あいつ絶対疲れたとか嘘だろ…。
一通り泳ぎ、遊びきってお開きとした。更衣室で着替えを済ませ一旦食堂に戻る事にした。藤は一人で帰ろうとしていたが熱宮が引き止め食堂に連れていっていた。
俺は戻る前に図書室に行き龍野を呼んで一緒に食堂に向かった。
ーーー食堂ーーー
食堂に入るとそこには鷹倉も居た。何となくで食堂でだらだらしていたらしい。
と言う事は食堂に全員揃っているようだ。
「ふう、久方ぶりに泳ぐと体から悲鳴を叫んでいるぞよな」
「確かにね。でも気分は和らいだと思うよ」
確かに気分スッキリになっている。
「プールに入った後はお風呂に入りたくなるねえ」
「お!良いね熱宮さん!なら僕とはいろ『それ以上言ったら殴るからね?』……僕と入ろうよ!ぐぺっ!?」
「何で言い直すのさ…忠告はしてたからね?」
言い直した!?一切怯まずに言い切りそしてしっかりと熱宮に殴られたけどここまで自業自得な事はないぞ。
「ふー、殴ったら汗かいてきちまうよ。ねえ、今度は女子全員で風呂にでも入らないかい?」
「泳いですぐにかあ…」
「まあ良いじゃないか!さあ入りに行こうじゃないか!」
強引に話を纏めて熱宮率いる女子全員でお風呂に入るようだ。それを聞いて当然の如くワクワク目を輝かせているのが瀬戸内率いるスケベアホ三人組だ。
「グヘヘヘヘ、来たぞお前ら、至極のお楽しみイベントがぁぁぁ」
「クフフフ、はっはははー!この日の為に生きてるのさ!」
「にゃはは~各々覗きポイントは確認してるかにゃ~」
「……お前らせめて声小さくしいや。丸聞こえやからな?」
「「「あっ」」」
え、こいつらマジもんのアホなのかよ!?熱宮と藤の背後から鬼が見えるし鈴木崎は腰のポーチからペンチを取り出すなよ!死ぬから!それで殴ったら死ぬからな!?
「いやあってわざとやろ?それかドマゾやろ?M通り越してるわ」
「あんたら……氷漬けにしてやろうか?」
「どこを織られたい?」
「ぶっ叩いたら直る…多分」
容赦のない和良井からのつっこみと言う名の言葉の刃に切り刻まれ、怒らせてはいけないと再確認した三人からの怒気に当てられスケベ三人組は汗だらだらと流していた。
流石に猫屋敷も焦るか、あいつも鬼三人には降参のようだ。
その後女子達は何度も釘を指して大浴場に向かった。後に残されたのは男だけだ。
懲りたかな?と思った…が三人の目を見てみると死んでいなかった。
と言うか轟々と燃え盛っていた。
「あそこまで言われちゃあ覗く以外の選択肢無しだね!」
「よぉぉく言った百澤!!それでこそ男ってもんよ!」
「ふ~久しぶりに本気を出すときがきたようだね~」
それぞれが最低な行為に今まで見せた事のないような迫力を纏いアホな事を言っている。
だが…そのアホさ……嫌いじゃねえな!
「待てよ…俺も着いていくぜ」
「砂糖っ!信じてたぜ!お前なら乗るってな!」
「…砂糖君」
「止めてくれるな龍野ぉ!大浴場、風呂に入りに行った女子達、残された漢……これで導き出される答えは一つだろ?」
全くそんな冷えきった目で見てくんなよ龍野、気付けば桃瀬、和良井も極寒の目で見てきていた。無視だそんなもの!
「おめェーらノリが幼稚だなァ」
うるせえ…。
「見付かってバレても庇ったりせんからな?」
心配無用だぁ!
「…はぁ」
龍野?それが一番心に来たぞ?沢風は呆れた顔をしていて剣はこの成り行きを楽しそうに見ていた。
お前らそれでも漢かよ!?
「よし、それじゃあ行こうか」
「もしバレたらさ~」
「止めろよ…バレた時の事なんか考えんなよ、成功の道だけだ」
「へっ、お前らのそのアホでスケベな所…好きだぜ」
自然と横並びに俺達は並び一斉に歩き出す、目指すは桃源郷。
そして食堂から出た瞬間……待っていたのは鬼三人だった。その後ろには申し訳なさそうにしている木枯、影山に爆笑している嶋野が居た。
………………?
…………………………え?
…………………………………いや、…何でですか?
「予想は出来てた」
「貴方達ヘドロは性根まで腐っているでしょうからね。待ち伏せていたのよ」
「声のボリュームも落とせば良いのに……丸聞こえだったけどねえ?」
「ウケる(笑)草不可避~!!腹が、千切れるぅ~www」
……俺達は自然と顔を見合わせ……そして流れるような動きで土下座をした。
プライド?知るか。
その後許される筈もなく地獄を見たアホスケベ四人はボロボロの雑巾に成り果てました。
「だーから言うたやろが。予想出来てたやろ?それかやっぱりドマゾか?」
「ふむ、参加しなくて事なきを得た」
「自業自得だァ」
「…はぁぁぁぁ」
人の視線ってあれだけ冷たく鋭く出来るんですね?
「ひょ、ひょ~しぃ……今日はみょうキャラウォケでふたうぞぉ~」
「ひぃ、ひぃいねえ、しょれじゃ行こっきゃ」
「夜飯までまだ時間ありゅしにゃ!」
「それじゃあさ~沢風君達も行こうよ~」
「「「何でお前(君は)は平気なんだよ(なのさ)!!?」」」
こうしてよたよたと俺達は食堂を後にした。後ろからはカラオケの誘いに乗った剣と沢風が着いてきてくれた。
ーーーカラオケルームーーー
とりあえず六人入れる場所、11号室に入った。
「そういやスイッチはちゃんと10部屋以下にしてっか?」
「それは心配するでない、我と百澤で確認したゆえに」
「それとボタンも弱だったからね」
なら大丈夫だな。すると猫屋敷が近付いてきて耳元で囁いてきた。
「丁度良いしさ~今から一号室で話さない~?」
「分かった、すまねえちょっと俺トイレ行ってくるわ」
「僕も~」
「うん、了解。なら先に歌っておくねー!」
「漏らすなよー?」
「漏らすかよ!」
沢風も冗談言うんだな。こうして俺と猫屋敷は一号室に足を進めた。
ーーー1号室ーーー
「さて~この前は話の途中だったからね~」
「ああ、そうだな」
「この前さ~砂糖君殴ろうとしてたよね~?」
やっぱりバレてたか。
「…ああそうだ。すまねえ殴ろうとしてた」
猫屋敷に謝る。だがさして気にした様子もなく大丈夫~と返ってきた。
「まあ僕も~無神経な事を言った自覚はあるんだよ~?でも正しいとは思ってるけどね~」
「…俺はそうは思ってねえからな?あんな奴等のちんけな作戦なんかに嵌まるわけねえ。俺は確かに凡人だけどお前らと一緒ならこんなとこから出ていける!」
俺はそう今は信じている。この前までは超高校級である皆でも呆気なく、突然と、理不尽に命を落としていく。その残酷な事実に楽観的に考えていた俺の思考をガツーンとハンマーでぶん殴りぐちゃぐちゃ壊されていったようだった。
更に愉快犯という不安要素が足され、動機によりギスギスし始めた。
それに対して俺は勝手に一人で悩み抱え込んでいた、だけど木枯、沢風と話して皆を信じるという思いが強くなった。
「おや~…それはまた~砂糖君は熱いなあとは思ってたけど超熱血野郎だったんだね~」
「うるせー…だから俺はお前の事も信じてんだ。数日でお前がおもしれえ奴だって気に入ってるしな」
俺の正直な思いをぶつけた。それを聞いた猫屋敷は細い猫目を驚いて見開いていた。
初めて見たな、猫屋敷の猫目がそんなに開く所…。
「俺の事を信じるって~?俺の才能を知っておきながら~?」
「おう、勿論。それにお前言ったよな?俺達の事が気に入ってるって」
「う、うん~」
「なら大丈夫だろ、あの時の言葉はお前の本心だろうしな」
「いや~嘘かも知れないのに~?盲目的になってない~?」
俺はその言葉に首を振り、静かに猫屋敷を見た。
「…………ぷっ、にゃっはっはははは~。は~そんな真剣な目で見られちゃ~友達として応えないとじゃないかにゃ~。分かったよ~僕はここに居る皆を誰一人殺さないわ~ん」
「へっ、ああ。友達としてな」
この前まで殺人鬼となんて分かり合えないと思っていたがやっぱりこいつは変わらず猫屋敷だ。
ここで知り合った猫屋敷はまだ殺人鬼として誰も殺してねえ。
殺さないとも言ってくれた、なら俺は信じるだけだ。
お互いに笑い合いながらさてそろそろ戻るかと言おうとしたその時。
部屋の明かりが
目の前の猫屋敷が
周り全てが暗黒に染まった。
「うおおおっ!?はっ!?な、何だよこれ?猫屋敷お前電源切ったか?」
「ん~?俺は何も触ってないよ~?」
「はあ?じゃあ何でまた…」
「ねえねえ~砂糖君~これってさ~モノソノが言ってた停電ってやつじゃないのかな~?」
停電…確かマル秘ルーム、つまり電力室の部屋のスイッチが10部屋以上の電力消費量になったら停電するってやつだったよな?
でもスイッチは確認したって言ってなかったか?誰かがスイッチ点けたのか?
すると突然部屋にあるモニターが点きアナウンスが流れた。
『アーアーマイクテス、マイクテス!聞こえてるー?只今別館二階カラオケルームで停電が発生中!停電を直す方法は教えたけどもしそのままの状態でも大丈夫だよ!ボク達が一時間待ってくれたら点くようにするからねー!』
じっと待ってれば一時間で点くようだ。だけど一時間は長すぎだろ!?なら電源コード抜いて回るか電力室まで行ってスイッチ消した方が早くねえか?
そう思っているといきなり電源が点いた。
「あ~点いたね~」
「ふうー!しっかし何で停電なんて…」
と俺が喋っていたら遮ってまたアナウンスが鳴った。今度は何だと思っていたら。
ピンポンパンポーン!
『死体が発見されました!一定の捜査時間の後【学級裁判】を開きます!オマエラ、死体発見現場の別館二階カラオケルーム11号室まで急いで集合してください!』
聞きたくない言葉を苛立つ声でモノクマが発した。これで三度目になるアナウンスだった。
「……は?え?ちょ、待てよおい」
「11号室って事は~…僕達が入った~」
「!?」
「あ~!ちょっと砂糖君~!?」
俺はいてもたってもいられなくなり転げ落ちるように部屋から出て11号室に向かう。
頭の中のサイレンはけたたましく鳴り響く、拒否するが問答無用で選ばされる選択肢…。
後ろから聞こえてくる猫屋敷の声もどこか遠くから聞こえてくる。
とにかく走って走って走って…。
11号室の前まで着き、震える手で勢いよく開け放つ。
その光景に絶句した。
猫屋敷も追い付き息を飲む音が聞こえる。
先程まで笑っていた、話していた、動いていた
身に付けていた物が散らばり愛用の物からバチバチと音が鳴り煙が出ていた
だけど散らばってる物よりも大きな物体がより大きな煙を放っていた
お前が何で…………
超高校級の…………。
超高校級のゲーマー 百澤 成八はその手にバチバチと音が鳴る電源コードを持ち周りに自身の愛用のゲームを散らばらせながら黒こげになって絶命していた
ーーー次回捜査編に続くーーー
ー登場人物ー
【予備学科生徒】
【超高校級の???】
【超高校級の芸人】
【超高校級のリア充】
【超高校級のメカニック】
【超高校級の幸運】
【超高校級の放送部】
【超高校級の名探偵】
【超高校級の殺戮者】
【超高校級の氷彫刻家】
【超高校級の僧】
【超高校級のモブ】
【超高校級のネット配信者】
【超高校級の折り紙講師】
【超高校級の保険委員】
生存者 16 ➡ 15人
お読み頂きありがとうございます!次回もお楽しみに!